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「あくまで身を守るためだったと?」


「ああ、私はこう見えて怖がりなんだ。」


そう悲しげに言う大公の表情は、嘘をついていないように見えた。



「それと君のところのメイド、大公領から来たと聞いたことはなかったか?」


「え、まさかハンナは、」


「ハンナは私が首都に送った間者の一人。といっても、ハンナは危ないことはさせずにただ平民から見た首都の様子を定期的に教えてくれていただけだから、別に公爵家の秘密文書を暴いたりはしていない。あるのかどうかも分からないがな。」




恐ろしいわ。

こんなことをする人がいるのね。

私は世間を甘くみていたわ。

  
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