引きこもり聖女は執着王太子に囚われる〜妹に聖女の力を移していたのがバレました〜

餅まき

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「聖女は自分にはその力の効力がないのですよね?」


「ええ。前に試したことがあるのですがだめでしたわ。」



人々の怪我や病を治す聖力だけれど、私自身には効くことがない。だから聖女は人々を救う代わりに国からの恩恵を受ける。


まあ今回は私がただ馬車慣れしていないせいなのだけれど。



明日は怪我や病をした方を癒す日になっている。懇願者を重度の方から順に毎週決まった数診ていくのが聖女の通例。




「でも私、聖力を使っても特に疲れたりするようなことはありませんの。だから、明日の聖女の儀は問題ありませんわ。」


「私はそのようなことを心配しているのではありません。まあ、それも大事なことではありますが、」


そう言って正面にいたエルハルトはひょいっと私の横にやってきて、



「ビビから聞きました。昨日ビビはずっとあなたの腰を撫でて差し上げていたとか。

今日はその役得を私が変わろうと思いまして。」



キラキラスマイルの変態王太子に私はハアッとため息をつく。



「それなら城に着くまで、よろしくお願いいたしますわ。」


この方、嫌と言っても聞いてくれないんですもの。

  
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