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6 え?
しおりを挟む『突発性難聴』
出どころが原因不明で、治る確率も人によって様々な病気。ちゃんと初期の対応が間違ってなければ若い人ならおそらく治る確率はぐんとあがるかもしれない。
そして私は13歳の時、それを発症してしまった。
「・・・・え?」
「違う?あんた右から話しかけると全部スルーしてるじゃん」
(全部?)
だからその時から右耳は聞こえていない。
「全部・・・・ってなんですか?」
「今まで。何回か話しかけたことあったんだけど、普通に無視されてたから、なんかしたっけって思って」
「・・・・・」
今までとはどういうことだろう。
そんな事実私は知らない。それよりもなんの接点もないのになんで話しかけてこようとしたのだろうか。もしかして気が付かないうちに何かを落としたから、それを拾ってくれた?
(っていうか起点って・・・いつだろ)
「あの、」
「ん?」
「いつでしょうか・・・すいません、昨日以外全然知らなくて」
「・・・・」
そんな質問を腑抜けな顔でしたもんだから目の前にいる彼は黙ってしまった。無表情で何を考えてるか分からないその独特の雰囲気をまとったこの人は、カチンときてしまったかもしれない。
「さぁ?」
「え?」
「また今度教える。帰りの邪魔して悪いな。っていうかあんた名前何?」
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