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第17話 鳥居襲来!!
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スコアラーズとの熱戦を終えた7月終盤、バランサーズは次節へ向けて更なるベースアップを計るため、練習に余念がなかった。
皆で暫く練習を続けていると、一人の恰幅のいい男性がピッチに入って来た。
「お~、やっとるか~」
「うわっ、どうしたんですか鳥居さん」
急遽やって来たその男性を見て、思わず保は驚いてしまった。
「いや~現役を引退したら急に太っちゃってさ。まいったよ~」
これは『バーンアウト』と呼ばれる現象であり、現役生活で掛かっていたストレスが一気にハジけてしまうことで生活リズムが狂ったり、暴飲防食に走ってしまったりすることで急激に体重が増加してしまうものである。
対処法としては他にストレス発散できる方法を見つけることや、太り難いものを食べることが有効であると言える。
鳥居は現役時代は俊足で体力もあり、筋肉質で成人男性の平均的な体型と言って差し支えなかった。
だが、スポーツ選手というのは、普段から過剰なストレスが掛かるものであり、鳥居もまたその例外ではなかったのだろう。
「鳥居さん!久しぶりですね。引退してから全然来てくれないんだから」
そう言った昴は久方の再会に喜んでいるようだった。
「仕事が忙しくてな。忘れてたわけじゃないいんだぞ」
「それは分かってますよ!鳥居さん、今すっごく楽しそうですもん」
「まあ、ここは庭だからな。懐かしいんだよ」
それを聞いた保は、気合いを入れて皆に号令を掛ける。
「お~し、気合入れて行くぞ!!」
「「お~!!」」
「「おんどりめんどりにわとりー」」
「「おんどりめんどりにわとりー」」
「はっはっは。楽しくなって来たな!どれいっちょ練習見てやるか」
そう言った鳥居は、練習と同時に指導を行う『シンクロコーチング』と、止めて指導する『フリーズドコーチング』を巧みに使い分けていた。
それから練習を終えた皆は、懐かしさも相まって鳥居と一緒に居酒屋へ飲みに行くことにした。
鳥居は、昴、友助、保と席に着くと、出て来た料理を頬張りながら恍惚の表情を浮かべた。
「旨す!旨すなーコレ」
「出た、鳥居さんの旨す!」
「好きだったんだよ、この味。ほら保にも一本やるよ」
「ああ、ありがとうございます。うん、美味い!いや~本当、昔に還ったみたいだ。胸刺とやり合ってた頃を思い出すな~」
耳慣れない名前を聞いた友助は、気になって聞いてみることにした。
「保さん、胸刺さんって誰ですか?」
「ああ。昔、熱海ギガンテクスってチームがあってよ、そこの選手だよ」
「あったって、もうないんですか?そのチーム」
「――解散しちまったんだ」
「解散?なんでまたそんなーー」
「わりに嫌な話でな。立川アルバトロスの躾って奴がいて、ソイツの所為でなーー」
するとここで言い難そうにそう言った保の話を、鳥居が遮るようにして制した。
「その話はやめようで。もう過ぎたことだ」
「そうだよ保さん。友助も余計なこと言うなよな」
「え!?あ、はい。――すみません、知らなかったもんで」
そう言った友助は少し納得が行かなかったが、場を収めるために、謝罪の言葉を口にした。
この日はここでお開きとなり、鳥居との別れを惜しみながらも、バランサーズの選手たちはそれぞれの帰路についた。
皆で暫く練習を続けていると、一人の恰幅のいい男性がピッチに入って来た。
「お~、やっとるか~」
「うわっ、どうしたんですか鳥居さん」
急遽やって来たその男性を見て、思わず保は驚いてしまった。
「いや~現役を引退したら急に太っちゃってさ。まいったよ~」
これは『バーンアウト』と呼ばれる現象であり、現役生活で掛かっていたストレスが一気にハジけてしまうことで生活リズムが狂ったり、暴飲防食に走ってしまったりすることで急激に体重が増加してしまうものである。
対処法としては他にストレス発散できる方法を見つけることや、太り難いものを食べることが有効であると言える。
鳥居は現役時代は俊足で体力もあり、筋肉質で成人男性の平均的な体型と言って差し支えなかった。
だが、スポーツ選手というのは、普段から過剰なストレスが掛かるものであり、鳥居もまたその例外ではなかったのだろう。
「鳥居さん!久しぶりですね。引退してから全然来てくれないんだから」
そう言った昴は久方の再会に喜んでいるようだった。
「仕事が忙しくてな。忘れてたわけじゃないいんだぞ」
「それは分かってますよ!鳥居さん、今すっごく楽しそうですもん」
「まあ、ここは庭だからな。懐かしいんだよ」
それを聞いた保は、気合いを入れて皆に号令を掛ける。
「お~し、気合入れて行くぞ!!」
「「お~!!」」
「「おんどりめんどりにわとりー」」
「「おんどりめんどりにわとりー」」
「はっはっは。楽しくなって来たな!どれいっちょ練習見てやるか」
そう言った鳥居は、練習と同時に指導を行う『シンクロコーチング』と、止めて指導する『フリーズドコーチング』を巧みに使い分けていた。
それから練習を終えた皆は、懐かしさも相まって鳥居と一緒に居酒屋へ飲みに行くことにした。
鳥居は、昴、友助、保と席に着くと、出て来た料理を頬張りながら恍惚の表情を浮かべた。
「旨す!旨すなーコレ」
「出た、鳥居さんの旨す!」
「好きだったんだよ、この味。ほら保にも一本やるよ」
「ああ、ありがとうございます。うん、美味い!いや~本当、昔に還ったみたいだ。胸刺とやり合ってた頃を思い出すな~」
耳慣れない名前を聞いた友助は、気になって聞いてみることにした。
「保さん、胸刺さんって誰ですか?」
「ああ。昔、熱海ギガンテクスってチームがあってよ、そこの選手だよ」
「あったって、もうないんですか?そのチーム」
「――解散しちまったんだ」
「解散?なんでまたそんなーー」
「わりに嫌な話でな。立川アルバトロスの躾って奴がいて、ソイツの所為でなーー」
するとここで言い難そうにそう言った保の話を、鳥居が遮るようにして制した。
「その話はやめようで。もう過ぎたことだ」
「そうだよ保さん。友助も余計なこと言うなよな」
「え!?あ、はい。――すみません、知らなかったもんで」
そう言った友助は少し納得が行かなかったが、場を収めるために、謝罪の言葉を口にした。
この日はここでお開きとなり、鳥居との別れを惜しみながらも、バランサーズの選手たちはそれぞれの帰路についた。
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