夏から夏へ ~SumSumMer~

崗本 健太郎

文字の大きさ
1 / 48

第1話 幼少期

しおりを挟む
第一章 幼 稚 園 編

*妹が生まれる!話

 ぼくは3歳の時、山口県下松市にあるおじいちゃんとおばあちゃんの家に居候していた。それはぼくに妹が生まれるからだ。ヤンチャだったぼくはだいぶ手がかかるから、父と母の居る広島の家に居たら二人が大変だったからである。

最初は寂しかったけど、いつも優しいおじいちゃんとおばあちゃんが遊んでくれるから次第に大丈夫だと思えるようになった。無事に妹が生まれ、広島に帰ることになった時には、帰りたくないとゴネてしまい、おじいちゃんとおばあちゃんは喜んでくれたが、父と母を困らせてしまったほどだ。


*ぼくとおじいちゃんの話

 下松の家に住んでいた時、ぼくはよくおじいちゃんに連れられて、消防署まで行ってカッコイイ車をたくさん見せてもらっていた。遠くの公園や釣りにも、どこへだって自転車であっという間だった。
ぼくが覚えている一番古い記憶は、2歳の時に近所にある交通公園でおじいちゃんと手を繋いでいた場面で、この初夏の記憶が幼少期の楽しかった思い出の出発点になっている。

 おばあちゃんから聞いた話だが、おじいちゃんは子供の頃はいわゆるガキ大将で、船に乗る時にいつも自分が一番に乗らないと気が済まなかったらしい。昔は船乗りをやっていて、戦争があった時には船で必要な物を仲間の所まで運んでいたらしい。

その当時、喫煙所でみんなでタバコを吸っている時に、自分だけ吸わないのもなんだからとタバコを吸うようになり、なかなか止められなくなってしまって、今でもタバコを吸っている。

 おじいちゃんはタバコを吸う時にはいつもぼくらに吸わせないようにと、応接間に行って吸うようにしていた。わりと多くの本数を吸っていたようで、おじいちゃんの匂いだと思っていた匂いが、大人になってタバコの匂いだと気付いたくらいだった。

 おじいちゃんは頭がきれいにハゲていて、でもとても似合っていて、いつも笑顔でみんなの中心で、トランプと囲碁と将棋が得意で、ぼくはそんなおじいちゃんと遊ぶのが大好きだった。

*ぼくとおばあちゃんの話

 ぼくのおばあちゃんはとても優しくて、働き者で、よく笑う人だった。ぼくは折り紙が好きだったのだが、まだ折れる種類が多くなくて困っていた時があった。でもそんな時だって、おばあちゃんに聞けば鶴や飛行機、手裏剣だってなんだって折れるようになった。

 おばあちゃんは名家の子で、子供の頃は満州に住んでいて、高校を卒業してからはタイピストとして働いていた。おじいちゃんの上司だった、おばあちゃんのお父さんに言われて結婚することになり、結婚してからは日本に帰っておじいちゃんと暮らしていた。

下松に泊まりに行った時には、よくお昼にカレーを作ってくれて、ぼくのために具を大きめに作ってくれていた。二人で出掛けた時に書店に行き、子供向けの雑誌を買ってもらい、ゴジラのお面を小学校低学年くらいまで田舎に帰る度に付けていた。

おばあちゃんはお上品で、トイレに行く時は、
「どっかしらん行って来るね」

とぼかし言い方をしていたので、最初はどこに行くのか分からなかったのだが、母に聞いてトイレに行くという意味であると分かったのであった。優しくて、面白くて、ぼくをとっても甘やかしてくれるおばあちゃんのことも、ぼくは大好きだった。


*広島の幼稚園の話

妹が生まれて両親の元に返されてからは、広島県呉市の幼稚園に通っていた。そこは少し変わっていて、それはお寺と併設されているところだった。自分たちの居る教室から廊下を3回曲がると本堂へと通じていて、そこにお釈迦様がおられて(大きな仏さまの像がある)一日一回お祈りする時間があった。

だが、その幼稚園の管理にはちょっと問題があって、未だになぜそんなことになっていたのか疑問なのだが、その廊下にいくつもの『画鋲』が落ちていたのであった。ぼくらは上履きを履いていたので直接踏むことはなかったのだが、本堂へ行く度に靴の裏に画鋲が1つか2つ刺さっているのが普通だった。

そんな困難にも負けず、ぼくらは熱心に祈りを捧げ、4月8日のお釈迦様の誕生日などは、みんなで集まって盛大にお祝いしたりしていた。


*ぼくについての話

 ぼくは幼稚園入学前と幼稚園児の頃、ミッキーのぬいぐるみをとても大切に持っていたらしい。ぼくはそのことをあまり詳しく覚えていないのだが、母から聞いたところどうやら一緒にお風呂に入ったり、スパゲッティを口に押し当てて食べさせようとしたりしていたらしい。

そして寝る時はいつも一緒で、家にいる時には大事に抱えて離さなかったそうだ。
夏は半袖のポロシャツ、冬は長袖のトレーナーをよく着ていて、長ズボンだけは意地でもはかないというような元気な子だった。


*幼稚園の友達の話 

広島で幼稚園に通っていた時に、一番仲が良かったのが、偶然誕生日が同じだったますみくんだ。この幼稚園には園児が80人ほどしかいなかったため、確率的にはかなりレアな存在で、背の順で順番が近かったこともあって入園後、わりとすぐに仲良くなった。

遊具で遊んだり園内を移動したりお弁当を食べたりとわりといつも一緒に居ることが多かった。その後、千葉に引っ越してから、ますみくんとは会っていなかったのだが、山口の田舎に帰った時に乗った船で、偶然彼の家族と出くわす機会があった。

約1年ぶりにあった彼はかなり背が伸びており、顔つきも少し変わったように見えた。偶然の再会に心躍った二人だったが、残念ながらそれ以来彼とは会っていない。


*脳の話

 ぼくたちには秘密の話題がある。それは『博士』というあだ名の子がしてくれる脳の話だ。毎日、物置の裏に隠れて、先生たちに内緒でいろいろな脳の仕組みを教えてもらう。

 けど、博士はタダでは秘密を教えてくれない。最近あった面白い話とか、誰かの秘密とか、情報を渡さないと脳の話をしてくれない。どことなく話が間違っていそうだったりとか、超能力ってホントにあるのかな?とか、ホントはちょっと引っかかるんだけど、『博士』の話は面白いからそんなことは気にしないようにしていた。


*サンタさんが来てくれた話

 ぼくが幼稚園年中の時、サンタさんがうちにプレゼントを持って来てくれたことがあった。それが嬉しすぎて玄関までの間にあった扉に突っ込んで、左手首の内側にガラスが刺さってしまったほどであった。その時の傷が血管がYの字になっているのと逆の形で今も残っていて、それを見ると今でもその日のことを思い出す。

いざサンタさんと対面してみると、ぼくはその顔を見てハッとなったのだが、父と母が「よかったね~サンタさんが来てくれて~」

と言って喜ばそうとしてくれていたので黙っておくことにした。プレゼントは大きめの箱に入っていて、中身はグニャグニャよく曲がるパーツと、それを差し込むブロックだった。

サンタさんにお礼を言って、ひとしきり話をした後、彼は颯爽と帰って行った。サンタさんが出て行ったあと、少し離れた所でまたドアの音がしたのだが、ぼくは気づかないフリをしていた。


----------------------------

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

現在作者は創作大賞2024に応募中です!

下記リンクで『♡を押して頂けると』凄く助かります。

あなたの1票でデビューにグッと近づきます!

全てのページに『♡が10個以上』ついた場合、

アルファポリスにて本作を特別に50話までフル公開します!

宜しくお願い致します。


https://note.com/aquarius12/n/n0bf94361816e

https://note.com/aquarius12/n/n485711a96bee

https://note.com/aquarius12/n/ne72e398ce365

https://note.com/aquarius12/n/nfc7942dbb99a

https://note.com/aquarius12/n/n787cc6abd14b
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

【親子おはなし絵本】ドングリさんいっぱい(2~4歳向け(漢字えほん):いろいろできたね!)

天渡 香
絵本
「ごちそうさま。ドングリさんをちょうだい」ママは、さっちゃんの小さな手に、ドングリさんをのせます。 +:-:+:-:+ ドングリさんが大好きな我が子ために作った絵本です。 +:-:+:-:+ 「ひとりでトイレに行けたね!」とほめながら、おててにドングリさんを渡すような話しかけをしています(親子のコミュニケーションを目的にしています)。 +:-:+:-:+ 「ドングリさんをちょうだい」のフレーズを繰り返しているうちに、子供の方から「ドングリさんはどうしたらもらえるの?」とたずねてくれたので、「ひとりでお着がえできたら、ドングリさんをもらえるよ~」と、我が家では親子の会話がはずみました。 +:-:+:-:+ 寝る前に、今日の「いろいろできたね!」をお話しするのにもぴったりです! +:-:+:-:+ 2歳の頃から、園で『漢字えほん(漢字が含まれている童話の本)』に親しんでいる我が子。出版数の少ない、低年齢向けの『漢字えほん』を自分で作ってみました。漢字がまじる事で、大人もスラスラ読み聞かせができます。『友達』という漢字を見つけて、子供が喜ぶなど、ひらがなだけの絵本にはない発見の楽しさがあるようです。 +:-:+:-:+ 未満児(1~3歳頃)に漢字のまじった絵本を渡すというのには最初驚きましたが、『街中の看板』『広告』の一つ一つも子供にとっては楽しい童話に見えるようです。漢字の成り立ちなどの『漢字えほん』は多数ありますが、童話に『漢字とひらがなとカタカナ』を含む事で、自然と興味を持って『文字が好き』になったみたいです。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

不幸でしあわせな子どもたち 「しあわせのふうせん」

山口かずなり
絵本
小説 不幸でしあわせな子どもたち スピンオフ作品 ・ ウルが友だちのメロウからもらったのは、 緑色のふうせん だけどウルにとっては、いらないもの いらないものは、誰かにとっては、 ほしいもの。 だけど、気づいて ふうせんの正体に‥。

ナナの初めてのお料理

いぬぬっこ
児童書・童話
ナナは七歳の女の子。 ある日、ナナはお母さんが仕事から帰ってくるのを待っていました。 けれど、お母さんが帰ってくる前に、ナナのお腹はペコペコになってしまいました。 もう我慢できそうにありません。 だというのに、冷蔵庫の中には、すぐ食べれるものがありません。 ーーそうだ、お母さんのマネをして、自分で作ろう! ナナは、初めて自分一人で料理をすることを決めたのでした。 これは、ある日のナナのお留守番の様子です。

【完結】カラフルな妖精たち

ひなこ
児童書・童話
星野愛虹(ほしの・あにー)は小学五年女子。絵を描くのが大好き。ある日、絵を描いていると色の妖精・彩(サイ)の一人、レッドに出会う。レッドはガスの火を変化させて見せる。サイは自分の色と同じ物質をあやつり、人の心にまで影響できる力を持つ。さらにそのサイを自由に使えるのが、愛虹たち”色使い”だ。  最近、学校では水曜日だけ現れるという「赤の魔女」が恐れられていた。が、実はサイの仲間で凶悪な「ノワール」が関わっていた。ノワールは、人間の心の隙間に入り込むことを狙っている。彼を封印するには、必要な色のサイたちをうまく集めなくてはいけない。愛虹の所有するサイは、目下、赤と白。それでは足りず、さらに光のカギもないといけない。一体どこにあるの?仲間を探し、サイを探し。   これは愛虹と仲間たちが、たくさんの色をめぐって奮闘する冒険物語。児童向け、コミカルタッチの色彩ファンタジーです。

雀の六三郎の約束

プロップ
児童書・童話
走れメロスのように仲間の伝書鳩のために、雀の六三郎ががんばるお話です。

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

処理中です...