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第8話 初めての運動会
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*怖い話の話
1年生の2学期に、当時仲良くしてくれていたさくらちゃんと、怖い話について話していたことがある。
「ねえけんちゃん、『呪いの田んぼ』って知ってる?」
「何それ!?知らない。どんなとこなの?」
その言葉を聞いたことがなかったぼくは、怪しげなフレーズに興味津々だった。
「私の家の近くにあるんだけど、4時44分にその田んぼにいたら死ぬんだって!」
「ええ~ウソだ。そんなわけないよ」
ぼくが疑ってそう言うと、さくらちゃんはちょっとムキになって話を続けた。
「ウソじゃないよ。ほんとに怖いんだから。りゅうじくんでも逃げて帰ったんだよ」
りゅうじくんは同じクラスの子でドラえもんの出木杉くんのような、顔がカッコよくてなんでもできるクラスの女の子から人気のある子だった。『運動ができるのび太』という感じのぼくは、正直このりゅうじくんがあまり好きではなかった。
「じゃあ、ぼくが行って確かめてくるから場所を教えてよ。ぼくなら大丈夫だから」
「ええ~。でも、りゅうじくんに危ないから他の子には教えちゃダメって言われたし――」
教えてもらえなかったことで、疎外感を感じたぼくは、なんだか面白くないような思いがした。
「なんだよそれ」
「やめたほうがいいよ、死んじゃったら、みんなと遊べなくなっちゃうんだよ」
さくらちゃんにそう言われると、なんだか妙に納得してしまって、
「う~ん。それもそうだね。じゃあ、やめとく」
「そうだよね、絶対そのほうがいいよ!」
この頃からぼくは人に何か言われると、わりと素直に意見を変えることが多かった。こうして結局、『呪いの田んぼ』に行くことはなかったのだが、果たして本当にそんなものがあったのだろうか?少し怖くて、不思議な話なのであった。
*初めての運動会の話
1年生の十月の第二日曜にぼくは生まれて初めての運動会に参加することになった。日本の小学校には『赤白帽』というものがあって、これは赤と白の面がリバーシブルになっていて両面とも使えるという優れもので、細いゴムがついていてそれが口に入ってしまって舐めるとちょっとしょっぱかったりもした。その赤白帽によって組を分け、楽しい種目に参加して勝敗を競うこととなった。
まず最初にやった『徒競走』では無事に1位を取ることができ、親の前で良い所を見せられたのが嬉しかった。ただ、この頃(1994年)にはもうビデオカメラが普及していて父が撮影してくれていたのだが、運動会あるあるだと思うのだが、人が入り乱れて動く時に、『余所の子』を撮ってしまっていることが多々あった。
『綱引き』ではアンカーの一つ前の位置に陣取って奮闘し、『玉入れ』では一つでも多く入れようと躍起になって挑み、『ムカデ競争』では張り切って一番声を出し、『借り物競争』では校長先生を借りて来たりしながら、とにかく自分の『赤組』が勝つようにと尽力していた。
校庭には運動会の定番の曲である『道化師のギャロップ』や『天国と地獄』、『クシコスポスト』が流れ、6年生の応援団長が歌う、当時流行っていたウルフルズの『ガッツだぜ』の替え歌を「ガッツだぜ、赤組勝つぞ!」と大きな声で歌っていた。
そして、最終種目はメインとなる『リレー』であった。ぼくは運動では抜きん出ていたので、クラスで行われた選抜でリレーの選手に選ばれることができていて、そこからは体育の授業の時に別メニューでやったり、放課後に集まって練習したりしていた。
1年生は3クラスしかなかったので、2年生の3チームと合わせて勝負し、激闘の末2位になった。それからもリレーの選手に選ばれ続け、熱戦を繰り広げたのだが、この初めての運動会が大葉小で一番記憶に残った運動会であった。
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1年生の2学期に、当時仲良くしてくれていたさくらちゃんと、怖い話について話していたことがある。
「ねえけんちゃん、『呪いの田んぼ』って知ってる?」
「何それ!?知らない。どんなとこなの?」
その言葉を聞いたことがなかったぼくは、怪しげなフレーズに興味津々だった。
「私の家の近くにあるんだけど、4時44分にその田んぼにいたら死ぬんだって!」
「ええ~ウソだ。そんなわけないよ」
ぼくが疑ってそう言うと、さくらちゃんはちょっとムキになって話を続けた。
「ウソじゃないよ。ほんとに怖いんだから。りゅうじくんでも逃げて帰ったんだよ」
りゅうじくんは同じクラスの子でドラえもんの出木杉くんのような、顔がカッコよくてなんでもできるクラスの女の子から人気のある子だった。『運動ができるのび太』という感じのぼくは、正直このりゅうじくんがあまり好きではなかった。
「じゃあ、ぼくが行って確かめてくるから場所を教えてよ。ぼくなら大丈夫だから」
「ええ~。でも、りゅうじくんに危ないから他の子には教えちゃダメって言われたし――」
教えてもらえなかったことで、疎外感を感じたぼくは、なんだか面白くないような思いがした。
「なんだよそれ」
「やめたほうがいいよ、死んじゃったら、みんなと遊べなくなっちゃうんだよ」
さくらちゃんにそう言われると、なんだか妙に納得してしまって、
「う~ん。それもそうだね。じゃあ、やめとく」
「そうだよね、絶対そのほうがいいよ!」
この頃からぼくは人に何か言われると、わりと素直に意見を変えることが多かった。こうして結局、『呪いの田んぼ』に行くことはなかったのだが、果たして本当にそんなものがあったのだろうか?少し怖くて、不思議な話なのであった。
*初めての運動会の話
1年生の十月の第二日曜にぼくは生まれて初めての運動会に参加することになった。日本の小学校には『赤白帽』というものがあって、これは赤と白の面がリバーシブルになっていて両面とも使えるという優れもので、細いゴムがついていてそれが口に入ってしまって舐めるとちょっとしょっぱかったりもした。その赤白帽によって組を分け、楽しい種目に参加して勝敗を競うこととなった。
まず最初にやった『徒競走』では無事に1位を取ることができ、親の前で良い所を見せられたのが嬉しかった。ただ、この頃(1994年)にはもうビデオカメラが普及していて父が撮影してくれていたのだが、運動会あるあるだと思うのだが、人が入り乱れて動く時に、『余所の子』を撮ってしまっていることが多々あった。
『綱引き』ではアンカーの一つ前の位置に陣取って奮闘し、『玉入れ』では一つでも多く入れようと躍起になって挑み、『ムカデ競争』では張り切って一番声を出し、『借り物競争』では校長先生を借りて来たりしながら、とにかく自分の『赤組』が勝つようにと尽力していた。
校庭には運動会の定番の曲である『道化師のギャロップ』や『天国と地獄』、『クシコスポスト』が流れ、6年生の応援団長が歌う、当時流行っていたウルフルズの『ガッツだぜ』の替え歌を「ガッツだぜ、赤組勝つぞ!」と大きな声で歌っていた。
そして、最終種目はメインとなる『リレー』であった。ぼくは運動では抜きん出ていたので、クラスで行われた選抜でリレーの選手に選ばれることができていて、そこからは体育の授業の時に別メニューでやったり、放課後に集まって練習したりしていた。
1年生は3クラスしかなかったので、2年生の3チームと合わせて勝負し、激闘の末2位になった。それからもリレーの選手に選ばれ続け、熱戦を繰り広げたのだが、この初めての運動会が大葉小で一番記憶に残った運動会であった。
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