夏から夏へ ~SumSumMer~

崗本 健太郎

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第23話 妹

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*ひみくんの挑戦の話
 3年生のクラスには比見くんという子がいて、普段からおとなしい子なのだがわりとガンコで、自分の意見を曲げないような子だった。

 ある時、みんなで音楽の授業のために教室移動をしていると、突然ひみくんが壁にぶつかって大きくこけてしまった。おでこが赤くなっていて、念のため保健室で休むことになったのだが、障害物が何もないところで急にぶつかったので、みんな不思議に思っていた。

 あとになって分かったことなのだが、ひみくんは目をつむって歩く練習というのをやっており、これは小学生がよくやる自転車に手放しで乗るようなもので、特に意味はないのだが、自分の限界に挑戦するために行ったものだった。

 先生からこってりとしぼられはしたのだが、しばらくたつとまた同じことをやって怒られていたので少しあきれつつも、こりずに挑戦するのは見習うべきだなとも思ったりしていた。


*チョコボールの話
 幼少期というのは不思議な能力を備えていることがあるもので、『前世の記憶』があるだとか、『動物と話ができる』だとか不思議な話を聞くことがある。ぼくにもその経験があり、チョコボールの箱を目をつむって見てみると、当たりの箱のくちばしの形になる部分が光って見えるというものだった。これはいわゆる『透視』というもので、古来では『千里眼』という遠くの景色や過去、未来が見えるというものの一種であった。

 ある時、母と妹とスーパーへ買い物に出掛けた時、100円くらいならお菓子を買っていいと言ってもらい、例の透視をやってチョコボールを2箱選んだら、『銀のエンゼル』が2つ出てきた。母は凄く驚いていたが、ぼくは中が当たっていることは知っていたので、別に凄いことだとは思っていなかった。

 この『銀のエンゼル』を5枚集めるか、1000箱に1枚入っていると言われる『金のエンゼル』を1枚手に入れると、『おもちゃの缶詰』と呼ばれるグッズと交換してくれるのだ。ぼくはこういう形でエンゼルを集めていたので、『銀のエンゼル』を最大14枚持っていた。大人になってからは自然と使えなくなった能力だが、7歳までは神の子と言われるように、幼少期には霊的な力が残っているものなのだろう。

 他にも二つに折れるアメリカの黒い猫のキャラクターが描かれたガムの当たりクジが連続で4回出たことがあったり(これは透視を使っていなかったので、単に当たりが出やすかったのかも)、と子供の頃は不思議な出来事がたくさん起こっていた。


*妹の話
ぼくの妹は小学校1年生からぼくが習っていたところとは違うところで、ピアノを習い始めてずっと続けていた。そのお陰か、小さい頃からかなり記憶力がよく、特に『固有名詞』をよく覚えているのが印象的だった。ピアノで左脳、水泳で右脳が鍛えられるので、小学生の習い事としてはこの2つは定番と言ってよく、これらをやっていた妹は常に学校の成績はトップクラスだった。

また、歳が3つ離れていたので腕力ではぼくに勝てなかったり、ぶたビックと呼んで泣かせてしまっていたりもした。凄く忍耐強いタイプで一度決めた予定はめんどうでもさっさとこなして行くような子だった。鳥が好きだったので、『日本野鳥の会』に登録して父と一緒によくバードウォッチングに行っていた。ぼくはこの頃は兄貴風を吹かせていたので、遊ぶ時に何かと口出ししたりしていた。


*テトリスの話
小学校3年生の時(1996年)に『テトリスjr』という携帯ゲーム機が発売された。当時は発売日に、その爆発的な人気から長蛇の列ができ、ぼくと妹も母に連れて行ってもらって、家電量販店の入口に並んで貯めていたお小遣いで買って帰ったことがあった。

 その日から毎日のようにやっていたのだが、次の視力検査で視力が0.7まで落ちてしまい、そのことで父に取り上げられてしまった。結局それから一度もやらず終いなのだが、ゲームが始まる時に流れる『コロブチカ』というロシア民謡は今でも耳に焼き付いている。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ただいま作者の崗本は『賞レース中にて書籍化のチャンス』に直面しております!!

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