夏から夏へ ~SumSumMer~

崗本 健太郎

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第4話 友達たち

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*しょうちゃんとの話

 ぼくらが子供の頃には、いわゆる『超合金』と呼ばれるロボットが流行っていて、近所の子はだいたいの子が持っていた。5歳の時に『大獣神』というのがどうしてもほしくて、視聴者プレゼントの応募に4枚ハガキを書いて出してみたことがあった。

数か月間、期待して待っていたのだが結局当たらず、誕生日まで待って買ってもらった時には凄く嬉しくて、一日中それで遊んでいた。

 また、それと似たようなやつでショベルカーとブルドーザーとダンプカーが合体して一体のロボットになるというのも持っていた。ただ、これはあまりいい話とは思えないのだが、後からもう一体出てきてドリル車を加えて4体合体になってしまった。

当時ぼくは何とも言えない心持ちだったのだが、これには母がご立腹で「後から付け足すなんて卑怯だ」と怒っていた。しょうちゃんの家に行った時に、「近くの崖に恐竜の骨が埋まっているんじゃないか」とか言いながら遊んでいると、例のドリル車があって、そのことを何気なく母に話すと

「買ってあげようか」と言われたのだが、なんだか悪い気がして、
「別のがほしいからいい」とごまかして断っていた。

他にも、学校が恐竜になって合体するヤツとか(これも最終回に一体増えた)パトカーと護送車が合体するヤツ、救急車と消防車が合体するヤツもあって、さらにその2体が合体したりと、やりたい放題だった。

あとは、戦隊もののヒーローとかも人気で、『ジュウレンジャー』とか『カクレンジャー』とか、そこにもとにかくロボットが出てきて、今にして思えば、たぶん商品が儲かるからなのだろうが、なんでそんなにロボット押しなんだと思うくらいだった。


*かわのくんとの話

 1年生の2学期頃になって、河野くんという子と遊ぶようになった。この子は身長は普通くらいで口数が少ないが、凄く力が強い子だった。それに伴ってケンカが強く、殴り合いになった時には絶対に負けないという意思がある勝気な子だった。だが、ガキ大将のように横暴な態度を取ることはなく、みんなの一員という感じだった。

ぼくらが小学生の時にはとにかく異常なくらいドラゴンボールが流行っていて、子供にも大人にも大人気だった。そこで、放課後に河野くんの家に集まって『天下一武道会』をやったことがあった。
かわのくん家には10m四方くらいの芝生が生えた庭があり、そこで参加する8人がそれぞれがクジを引いて、トーナメント形式で闘うことになり、危ないので顔への攻撃はなしというルールで行われることになった。

1回戦はしょうちゃんと闘うことになったのだが、別に怒ってもないし、もちろんしょうちゃんには何の恨みもないので、殴り掛かるのはなんだか気が引ける話だった。どちらかが負けを認めるか、地面に倒されるまでやるという感じだったので、柔道のように足を掛けると、しょうちゃんはすぐに倒れてぼくの勝ちとなった。

2回戦(準決勝)は同じクラスのもっちゃんで、この子は殴り合いのケンカをするようなタイプではなかったのでちょっと闘った後、ギブアップすると言った。そして決勝戦に駒を進めた訳だが、対戦相手の河野くんは俄然やる気で、ドラゴンボールのキャラみたいに腕をグルグル回してアップし始めていた。

ぼくは怒っていれば殴り合いになるようなタイプなのだが、その時はそんな感じでもなかったので、どうしたもんかと悩んでいた。そうこうしているうちに河野くんとの試合が始まってしまい、殴られるのが結構痛いので応戦していると河野くんの『鼻』にぼくのグーパンチが当たってしまって、河野くんが泣いてしまった。

もちろんその時点でぼくの反則負けなのだが、わざとではないにせよ、顔面に拳を当ててしまったことに対して申し訳なく思う反面、本気で怒っている河野くんを誰も止められず、結局その日は謝って帰宅することにした。
翌日学校に行くと河野くんはもうそれほど怒ってはおらず、普通に目を合わせてくれたので、勇気を出して話し掛けることにした。

「昨日はごめん」
「いいよ。けど、結構痛かったな」
「本当ごめん。次から気を付けるよ」
「うん、大丈夫」

という感じで仲直りできたのだが、わりと仲良くしていた河野くんと、あの日からもう話せなくなるんじゃないかと思って学校に行くのがかなり不安だったので、許してくれたことに対して安堵の気持ちが強かった。
人間関係は『ありがとう』と『ごめんね』と『挨拶』が言えればそれなりに上手く行くと言うが、この時素直に謝ったお陰で関係がこじれずに済んで良かったと今になっても思う。


*もっちゃんとの話

1年生になって少し経ってから、それまであまり遊んだことがなかった持谷くんという子と仲良くなった。この子はちょっと身長が低く、色が白くてよくしゃべる子だった。

ある時、家に遊びに行ったことがあり、そこでもっちゃんのお姉ちゃんと遊んだことがあって、お姉ちゃんは3つ年上の5年生で2年生のぼく達からするとかなり大人に見えた。そしてこの人が本当によくしゃべる人で、次から次へとどんどん言葉が出てくるのであった。

一般的に姉がいる男は言葉を話すようになるのが早く、口が達者で女の子にモテると言われるが、年上の兄弟が居ないぼくは“上に兄弟が居るというのはこんな感じなんだな”と疑似的にではあるが体感することができた。

そして、もっちゃんと遊ぶときはこのお姉ちゃんが家に居ることがほとんどで、お姉ちゃんの友達が来て4人で話すということもわりとあった。そうなると他の3人に会わせるのがわりと大変で、このことで少しばかり話すのが上手くなったような気がした。

友達の家に行くと、だいたい『テレビゲーム』か『ミニ四駆』で遊ぶことが多かったのだが、きっと世の女の子たちは、家でこうやっておしゃべりを楽しんで遊んでいたんだろうなと今になって思う。
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