君が見た春を

稲佐オサム

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第一幕:高校編 ― 出会いと対立 ―

3章 ほころびの音

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澪に優しくする佐久間に気づいたのは、派手女子たちも同じだった。

「ねぇハルキ、あの子に何かされたの?」
「まさか、地味子が色仕掛け~?」

だけど、佐久間は笑って答えた。

「中谷さん、ちゃんと人のこと見てるし、誰よりも優しいよ」

その一言が、レナたちの中に微かな動揺を生む。
そんな折、ある日クラス内で誰かの陰口が流れた。

「〇〇ってさ、陰で超調子乗ってるって有名だよ」

その言葉に、皆が笑ったとき、澪は初めて口を開いた。

「……それ、違うと思う」

澪の声に、教室が静まり返った。

「私はその人が、毎日必死に頑張ってるのを見てた。笑うようなことじゃない」

――空気が止まった。
それでも、澪は震える声で言い切った。

それをきっかけに、レナたちの澪を見る目が、少しずつ変わっていく。
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