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一章

4話 第一次コーラルド戦争 マイヤー編

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ライアンブロッサムが消えてギルドに和気藹々とした雰囲気がある
「あ!キハラ君よ」
「こんちゃーす!」
「うっす!」
ライアンブロッサム解散してナラリアエリアや周辺の民度は少しだけ良くなり大きくの冒険者が目指す者が増えた、中には復帰勢も帰って来た、多くの人がキハラに声をかける、そして後に上原が歩いていると野次馬達が避ける、上原は何故か不満に思っていた
(なんでこんなに俺は避けられているんだ?)
何故か、周囲から避けられて学生時代の時と同じ光景を思い出す、ギルド内にてキハラはクエストボードを見ていると、いろんな冒険者達がキハラとチームを組みたいと押し寄せて来た
「待て待てぇ!今日は俺、一人でサイクロプスを倒しにいくんだ、また今度チーム組んで行こうな」
「えぇ」
「文句言うな、自分もちょっとした鍛錬をする為にね」
上原が影からモテているキハラを嫉妬して睨んでる
「なんでアイツがあんなにモテたりファンが出来るんだぁ?ギギギ...」
そして受付嬢が大きな箱を持って来てキハラの渡す
「キハラさん、沢山の手紙が届いていますよ」
「わわわ!こんなに沢山!」
キハラは一つのラブレターを見て思った
(俺にはリーナがいるんだけどな...)
「あのライアンブロッサムというギルドがなくなって、あなたのファンが増えたみたいね、何かあったのか詮索はしないけど」
「あはは、あの組織結構悪いことしたみたいで、俺が倒した事になってるって噂なんだけどな」
「そうなんですか」
「それでは、サイクロプスの依頼の手続きを始めます、健闘を祈ります」
「おう!」
上原は口を大きくあげて唖然としていた
「あんなラブレターが...」
上原は直ぐに受付嬢に駆け寄った
「おい!受付嬢!俺にも手紙とか贈り物とかないのか!」
「上原さんこんにちは、あなたにも手紙が届いています」
「マジでか!」
受付嬢が一つの手紙を渡すと上原は奪い取るように受け取り人の少ない場所に向けって走り出した
「どけどけどけぇぇぇ!!!邪魔なんだよ!」
そして、安全を確認した上原は息を散らしながら手紙の中身を雑に破り開ける、その内容を見ると上原は激怒して周囲の物を壊すほどの内容が書かれてあった

『調子に乗ってんじゃぁねぇよ!ばぁか!』

「う...う...ふざけんじゃぁねぇぇぇぇぇ!!!ファンなんかいらねぇぇぇぇぇ!!!ばっきゃろぉぉぉぉぉ!!!」

道場施設ではローブとキリトが鍛錬の休憩にこんな話題をしていた
「なんだとぉ!?あのクズ上原にファンが出来ただと!?ふざけた事いってんじゃねぇよ、あんな卑怯者にそんな事があるわけがない」
「それがよ?会いたいって言ってると人がいるんだよ」
「へぇ別に気にしてないけど」
「いやぁ、拳がプルプル増えるえていますけど」
「別に俺は動揺なんかしてないから、別に上原がファンを騙そうが女ファンを食い散らかしそうが俺には関係ない、いいな」
「はぁ」

ギルドの庭にて
「なんやかんや言って見に来るんだもんなぁ」
「たまたま通りかかっただけだ」
すると茂みの中で隠れている上原を見つけたローブは訝しめながら近づく
「お前何やってんだ?こんな所で」
「しーし!黙れって」
「はぁ?」
キハラと女冒険者が二人、上原にめちゃくちゃ怒っていた
「上原ぁ!今日こそ許さないぞ!」
「あのバカ!一人で報酬全部横取りしやがって!」
すると女冒険者が違和感に気付いて木で出来た棒を投げつけた
「そこだぁ!」
そして木の棒がローブの額に当たる
「ご!ごめんなさい」
「可愛いじゃないか....」
「ローブさん!おい!ローブさん!」
そしてローブは気絶して上原はいつに間にか逃げていた

そして、道場にて
「おい!ローブ!聞いているのか?ローブ!!!」
「あの可憐な姿、麗しい瞳は僕の脳裏に焼き付けた」
「何訳わからん事を言ってるんですか?ローブの兄貴」
ローブの弟子は心配する、そして道場の師範が呆れながら言った
「今日の掃除はローブだけどにやらせよ」
師範は鍛錬に身が入らないローブを叱る事はなく放置した

そしてギルド
キハラはソワソワしながらどこかに行こうしたが二人の女冒険者に見つかった
「あ!キハラさんだわ!どこに行くの?分かったわリーナさんだね」
「おいおい、この事は上原には内緒にな」
「この男のどこがいいんですか?優佳ちゃん」
「ちょっと!美香ちゃん」
「上原のやつはいないよな?」
「ふふ、健二には内緒にしてあげる」
「よかった、それじゃぁな」
するとキハラの名を呼ぶ声がした
「おぉぉぉいぃぃぃキハラちゅわぁぁぁ!!!いいクエストがあったからパーティ組んで討伐しに行こうぜ」
そして上原に出くわす優佳と美香
「よう!美香と優佳、キハラの奴見なかったか?」
「おい!テメェ!横取りした銀返せよ!」
三島がヤンキー空調で喋る
「仕方なねぇだろ、食費代と家賃で精一杯なんだから」
「あんた!ただで家を貰った言ってなかったかしら」
「家をタダで貰ったけどタダで住まわすとか言ってないぞ、あのホラ吹き大家さんは」
そして上原はキハラを探しにどこか去っていった
「キハラちゅわぁぁぁ」
そして女冒険者の名前は田辺優佳と三島美香だった、そして田辺は家に帰ると上原との出会いを思い出す

ここは田辺優佳の思い出

「うう...ここはどこなの?」
立ち上がり辺りを見渡すといつの間にか見た事ない風景になっていた
「ここはどこなの?私はさっきまで学校に...夢なのかしら」
草原の中を彷徨っていると見覚えのある女の姿を見つけた
「あれは?もしかして見たことあるような人?」
田辺は倒れている女性の身体をひっくり返して顔を見ると
「あなたは三島美香!?」
「うう...ここは?」
「なんで下半身丸出しで倒れてるの?」
三島はゆっくりと目覚ます、そして下半身に寒さを感じたので視線を向けて見てみると、本当に下半身丸出し丸出しで倒れていた
「わわわ!?」
三島が素早く下着を着る
「あなた!大丈夫?」
「うん、所でここはどこ?」
「私も気がつけばここに倒れていたみたいだわ」
「取り敢えず、情報が欲しいわ」
二人は道中進見ながら、目的もなく歩み続けると、ある事を思い浮かぶ
(なんで美香さんは下半身丸出しで倒れていたのでしょうか)
(言えない...男と青姦していたなんて誰にも言えない)
三島の頬を赤く染めながら優佳の後をついて行く、田辺は思った
「ここは?私たちは本当にどうしたの?」
「確か、頭に何か刺さって」
「私も、それってまさか!?」
「まさか!?」
二人は察した
「ここは死後の世界!?」
二人は錯乱して発狂した、すると冒険者らしき男が声をかけてきた
「おい!いきなりどうした?」
「え?!人?」
「人だけど?!人というより冒険者だけど」
「冒険者?」
田辺と三島は頭が混乱して頭痛がする
「取り敢えず、どこか安全な場所で落ち着こうか」
二人は疑い動かなかった
「おいおいおい、どうした?そうか俺が怪しい人に見えるか?」
「だって剣とか盾とか漫画やアニメのような服装してるし」
「漫画?アニメ?何を言ってるんだ?」
男の冒険者は二人の女がおかしいと思っていた、すると男は何者かの気配を感じた
「何かがいる!」
男の冒険者は素早く剣を抜き臨戦態勢になる、茂みからゴブリンが現れた
「え!?何!この生き物は!」
「下がってろ!」
男は巧みな剣術でゴブリンの攻撃を退ける、そして全てのゴブリンを倒すし剣についた血を拭き取ると二人の女に声をかけた
「君たちはどこから現れたんだ?武器も持たずに外を歩くなんて危ないじゃないか」
「いや、私も目が覚めたら茂みの中で寝ていたわ」
「私もいつのまにか」
「ふん、変な話だな、まあいい、君たちを野放しに出来ないからついてこい」
田辺と三島は疑いながら男について行くとある街について、それはエルモンドシティという名前の街だった
「君たちを一旦、保護施設に預ける、大丈夫だ、人身売買とかじゃないから、居場所がない人が集まる場所と思って貰った方がいい」
「見ず知らずの私たちを助けてくれてありがとう」
「取り敢えず、この施設を使えるように手続きしたから、あとは君たちがどう生きるかだ」
「あなたはどうするの?依頼帰りの報酬を受け取りに行く、それじゃぁね」
(依頼?報酬?さっきモンスター)
田辺は思った、ここは死後の世界だという事をないと、と考えると漫画やアニメの世界に行ったんだと田辺は理解した
「美香、もしかして私、異世界に行ったかもしれない」
「私もそう思った」
二人は大きな声を出して喚いた
「うるせぇ!!!黙れ!」
「う....」
野次馬に注意されて黙った
「嘆いていも仕方ないわ、生き抜く為には情報を集めるのよ」
「しかし、一体どうやって」
田辺はある事を思いついた
「ここの世界がもし漫画やアニメのいうファンタジーなら、憧れの魔法とかあるかもしれない、それにギルドとか入って依頼を達成したりしてお金を稼いだりして食い扶持を稼ぐのよ!」
そして女二人はギルドについて学び、冒険者としての資格を手に入れて、いろんなクエストを達成して銀を稼いだりて生計を立てた
「案外、この生活も悪くないかも」
「慣れればね」
すると、変な男の集団が田辺と三島に声をかけてきた
「うわぁ、ナンパだよ」
田辺は馴れ馴れしく声をかけてきた男にムスッと怒った
「なあ!女、俺たちライアンブロッサムとチーム組んでオーガでも倒しに行かない?」
「私ねぇ!アンタみたいな男が大っ嫌いなのよ!」
「なんだと!?俺達は最強のギルドだぞ!誘われて嫌がる女はいないんだよ!?」
「ガチキモい...」
「き...?きもいだと!」
男は怒っていきなり殴りかかってきた、そして田辺は拳を躱して合気道の投げ技で男を投げ飛ばす、男は思い切り背中を地面に打って大きな音が鳴る
「ふん!穢らわしい」
「お!やるじゃんか!お前ら」
「あなた!もしかして上原健二?」
「よう!お前も頭になんか刺さってこんな訳わからん世界に来たのか」
「そうみたいね、それより、なにさぁ!ずっと傍観していた訳?」
田辺が上原の行動を見て憤りを感じた
「あんた、相変わらずこの世界で人々に迷惑かけてんじゃないでしょうね?」
「なんだ?せっかく同級生二人と感動の再会が出来たっていうのに冷たい奴だな」
「あんたは学校でいつも問題を起こしてるからよ」
三島は顔の頬を赤く染め上げてる、そしてどこか怒りの表情を露わにしていた
「お!美香じゃないか」
「だぁぁぁぁ!!!喋るなぁぁぁぁ!!!」
思い切り跳び膝蹴りをかました
「いってぇぇぇぇ!!!何すんだぁ!!!このあまぁ!」
三島が上原を耳元で学校の不純異性交友について話す
「あんた絶対に学校でやった事、今思えば恥ずかしいしそんな思いしたから、あんたを許さない」
「お互いノリノリでやったじゃないか...それは理不尽だろ...まあいいけど」
上原もなんか恥ずかしくなった、田辺と上原はお互いこの秘密はバレないよう永遠に黙ると誓った、そして話は戻り、田辺が言う
「あんたねぇ!困ってる人がいるなら助けなさいよ、私はこういう奴が大っ嫌いなのよ」
上原は田辺から言いたい放題言われる
「ふん、別に俺は性格悪いし卑怯者だぜ、それに嘘つきもあるぜ、でもあーだこーだ言われる筋はない」
「ふん!」
「こ...殺してやる...」
上原は敵の動きに気付き田辺に声をあげる
「ボサっとするんっじゃねぇ!」
ライアンブロッサムのメンバーがいきなり剣を取って斬りかかってきた、田辺が皮一枚で避けたが手の甲に斬り傷を負った
「てんめぇ!ここで殺人事件犯すつもりかぁ!」
上原はハンカチを取り出して視界を一瞬にして奪い、渾身の拳で黙らせる
「こんな世界でせっかく同級生二人に会えたのに、いってぇ!何すんだよ」
「ありがとう、助けてくれて」
田辺は照れ臭く上原が殴って負った傷を介抱する
「ふん、勘違いするな、俺はこいつらに借りがあるから殴っただけだ、じゃぁな!」
上原は照れ臭いツンデレでどこか行った、三島も過去に上原に助けて貰って惚れた経緯がある、学校で性行為しながら事故によって異世界に飛ばされ下半身丸出しで田辺と遭遇した事が恥ずかしくなった、三島は田辺の表情を察するに惚れているようだった

そして思い出は終わる

ここはナラリアエリアの商店街、ローブが大きな花束を持って誰かを待っているようだ
「ローブさん、物凄く緊張してますね」
「う...うるせぇ!お!俺はいつでも冷静だ」
「すげぇ、身体が震えてますけど」
首を振り冷静になってイケボで喋る
「男、ローブ・ウェルチェ、本日参る!」
深呼吸をして自分の考えたセリフをキザったらしく喋り始める、花束を前に差し出し
「僕は君の姿を見て自分の心に火がついた、美しい朝を迎えてこの花を受け取ってほしい、田辺優佳さん、どうか僕と付き合ってください」
目を瞑り、喋り終わると変なおっさんに向けて喋っていた、目線を向けると田辺は犬をモフモフしていた、持っていた花束は全て散っていった、ローブと田辺は初々しく二人で喫茶店でお菓子や飲み物を飲む、おっさんとキリトは影で二人の様子を見て心配している
「あ...あの田辺さんは...すすすすす好きな人とかいるんですか?」
田辺が両手で押さえて笑顔を浮かべながら顔を隠した
「いやだ!もう!」
田辺はローブの身体を押して椅子から吹き飛ばす
「えっとえと...誰なのか知りたい?」
「は...はい(ゴクリッ)」
「うーん!恥ずかしいぃ」
「もしかして?上原?」
「うん?彼、意外と優しいよ」
田辺のその表情は当たりという感じだった、ローブの精神にヒビが割れて放心状態になって固まった、遠くから見ていたおじさんとペットの犬とキリトは思った
「決まりか...」
「そう見たい」
ローブは倒れた
「ちょ!ローブさん?ローブさん?」
ローブはバーで好きな飲み物を飲んで酔っている、そしてフラれたローブを慰めるために一緒に付き合ってるキリト
「ローブさん!帰りましょうよ、これ以上飲んじゃうと銀が払えなくなるなるよ」
数分すると謎の男の二人がバーにやって来た
「ここか?俺の女に手を出したタコは」
「ん?」
そして乱暴な男は奥の席に座っている男の胸元を掴んだ、飲んでいたジュースは地面に落ちた
「テメェか?俺の女に手を出したバカ野郎は」
「君たちは一体なんなんだよ!」
「あん?アリナは俺が狙ってる女なんだよ!」
「好きなんだ!彼女の優しい瞳に惚れたんだ」
「なんだと!?」
ローブはいきなり割って入る
「好きで何が悪い...」
「あん?テメェ誰だよ!」
「好きで何が悪いんだよ!」
ローブは正拳突きで乱暴な男に繰り出す
「うぎゃぁぁ」
「なんだ!?お前!」
「てんめぇ!俺を誰だと知らないのか?」
圧倒間に二人の暴漢男を蹴散らしたローブ
「しらねぇな!そんな雑魚!文句があるならナラリア道場に来いや!(ふん!決まったな)」
「あ...あのローブさん?あれコーラルドエリアの悪名で有名なギルド、コーラルドウォリアーズじゃない?」
「うしょぉ...」
「だってあのタグ、コーラルドウォリアーズのトレードマーク出し」
「うしょぉ!」

エルモンドシティのコーラルドエリア

ここはコーラルドエリア、多くの問題児や訳ありの人間が住み行く場所、力が正義で暴力でしか解決できない人ばかりで、頭が悪い癖にプライドだけは高い人間ばかり、多くの建物が汚く変な文字や落書きでばかり、数年は整備されていない道路や施設でメンバーと連んで屯している、こんな人間でも冒険者としての資格を申請すれば誰でもなれるのだ、コーラルドウォリアーズというギルドにはメインとサブの二つのギルドがある、良いクエストは大体そいつらが持っていき多くの冒険者も困っている
「いやぁ、今日もサイクロプスにオーガ、いいクエストばかりだだったな」
「ああ、絶対に誰かにいいクエストを受注させるものかって」
「マイヤーさん!討伐任務お疲れ様です!」
「おう!お前らもモンスターとかそこら辺の雑魚ギルドに負けないよう精進するんだぞ」
「肝に銘じます」
マイヤーはコーラルドウォリアーズのサブギルドのリーダーを務める、そしてマイヤーはメンバーの顔をある違和感を感じた
「おい...その顔をどうした?それにいつも連んでるエレンはどうした?」
「いや、その訳があって」
「大体察した、お前、クエストから逃げてオメオメとリタイヤした傷だな?」
するとマイアーはいきなり拳で逃げて来たと告げた男をぶん殴った
「この恥晒し野郎が!ぶっ飛ばされてぇのか?」
「もうぶっ飛ばしてます」
「冷静になって聞いてやる、何があった?」
「えぇと女絡みで男と揉めて...それでつい」
「ふざけてんのか?てめぇ...」
マイアーがもう一度、逃亡者を蹴り飛ばし地面に転がす、そして追撃の蹴りを何度も何度もくらわせる
「この大物恥晒しが!マジでギルドから抜けろや!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「女如きで面倒ごと作りやがって!俺達はなボンクラの集まりなんだよ!ナメられたら終わりなんだよ!いいか!ローブってやろうをここに連れてこいや!いい暇つぶしが出来そうだ」

ナラリアエリア商店街

上原は田辺と三島を連れて商店街を歩く
「最近、しょぼいクエストばかりやっておもんねぇな、俺はアーマードドラゴン倒した猛者だぞ」
「まあ、いいクエストはみんな先に取っちゃうもんね」
(なんかいる...)
上原は建物の隙間にいる何者の存在に気がついた
「健ちゃん?」
三人は近寄ってみると、そこにはキリトがあざだらけで倒れていた
「おい!キリトじゃないか!」
「凄い怪我、一体どうしたの?」
「う...う」
「おーい、目を覚まさないとイタズラいちゃうよぉ」
落書きしようと思った時、キリトが目を開いた
「う...上原?」
小さい声で返事をしたキリト
「おぉ!目が覚めたぞ」
「上原!大変です!ローブさんが!ローブさんが!」
「ローブがどうした!」
「ローブさんがあの悪名のコーラルドウォリアーズと喧嘩になったんだ!」
「何!?コーラルドウォリアーズだと!?それって何?」
「健ちゃん知らないの?」
「あの悪ーい連中が集まったギルドよ」
「俺が潰したライアンブリッサムとはどう違うんだよ」
「ブロッサムね、軽く説明するとライアンブロッサムの上位互換と言った所かな」
「へー興味ないや」
「そんな...ローブさんが困ってるでしょ?」
「うっせぇ!俺には関係ない」
上原は酷くキリトの依頼を断った
「そ...そんなお前がここまでクズだと思わなかった、もういい」
キリトが傷だらけで道場に帰った、そしてキリトは仲間を集めるために同じ道場で修行している門弟に声をかけた
「みんな!大変だぁ!ローブさんがピンチなんだ!」
「どうしたぁ!キリトォ!」
「何があったぁ!」
「ローブさんがどうしたぁ!」
キリトが息を切らしながら喋る
「ローブさんが!コーラルドウォリアーズに絡まれて」
「おおぉ...そうか、ちょっとお腹痛くなったから帰るね」
「ああぁ、俺も少し用事をね」
門弟達はまるでそいつらと関わりたくないような表情を浮かべながら距離を置いた
「なんだよ...お前ら...いつも耳障りのいい精神論や綺麗事を並べながら威張ってる癖に、いざとなったら尻尾巻いて逃げるのかよ」
「しょうがねぇだろうが!あの悪名なコーラルドウォリアーズやぞ?理想論や正論で通じる訳ないだろうが!」
「もういい!偽善者の言い分なんか聞いていたら耳が腐る!」
「おい!」
「なんだよ...いつも説教垂れてる奴がいざとなったら逃げやがってクソがぁ!こうなったら俺一人で立ち向かってやる!」

コーラルドエリア、商店街

ローブはコーラルドウォリアーズのメンバーに連れて行かれる
「どこまで連れて行くきだ?」
「ふん!こっちは五人いるんだぞ」
「てめぇコーラルドウォリアーズ舐めてるとどうなるか、分かってるんだろうな」
「関係ねぇ、それともギルド名でしかイキがれない雑魚の集まりか?」
「なんだとこの野郎!」
「俺と喧嘩すんのテメェだろうが!それとも、お前らは数の暴力でしかイキれない腰抜けか?」
「ふふ!言うじゃねぇか」
不適な笑みを浮かべるコーラルドウォリアーズのメンバー
「オラァ!くっ!?」
いきなり背後から不意打ちを受けたローブ、そこにはマイヤー・ニックソンがニヤつきながら笑っていた
「あぁ!ごめん!ちょっとかっこつけてる姿ムカついてよ!」
「うっ...コーラルドウォリアーズは不意打ちでしか喧嘩出来ない臆病者なのか...」
頭を押さえながら背後を振り返るローブ
「来な、さしで勝負してやる」
「この...クズ野郎!!!」
ローブが正拳突きを繰り出そうとした時に、シールドで思い切り顔面を叩かれた
「う...ぐぉ...」
そして地面にのされてしまう、目を半開きにしながら睨みつける、そして再び立ち上がり立ち向かおう拳を振るうが多勢に無勢だった
「この野郎...」
ヨレヨレになりながらも立ち向かうがマイヤーは容赦なく追撃を行う
「へ!武道家の癖に随分弱いんだな、テメェの拳は飾りかよ、これじゃぁ、パーティにも呼ばれないな!」
「クソが...いい気に...なるなよ...」
「マイヤーさん、もうこれぐらいに」
「死んでしまうよ」
「あん、そうか」
ローブは呻き声を上げながら脇に手を添える
「人数相手に出来る奴がタイマンで負けてるってそんなに俺は有名で強いってか、へへ」
すると、上から誰かが落ちて来た、マイヤーはそれによって一撃で気絶した
「へへへ、お待たせ」
「うわぁ!ローブさん!」
「なんだぁ!てめぇ!」
「愛と勇気のヒーロー、上原健二様だよ」
「こいつ!?最近、アーマードドラゴンを倒したと言われる、生意気な冒険者だって噂の!?」
「何!?」
「おい!テメェ!いつまで乗っかってんじゃねぇよ!」
「おう!ワリワリ!よいしょっと!」
上原はわざと顔を踏んで降りた
「新参者が調子に乗りやがって!」
「俺らが誰だか分かって喧嘩売ってんじゃねぇだろうな!」
「別に喧嘩売ってる訳じゃないけど、お前らの後ろ姿がムカついてついやっちまった」
「上原!?」
「ほら!人間ってたまに空が飛べるって思うじゃん?だから失敗した時にちょうどいいクッションがあったんだわ」
「なんだと!?」
「ふざけやがって!やっちまえ!」
コーラルドウォリアーズは一斉に殴りかかる
「オラァ!オラァ!!!」
上原は三発目の攻撃で当たる
「いてぇな!この野郎!」
上原はシールド入り縦長バックパックで反撃して一人目の人をのしてやった
「おい!」
「大丈夫か!?」
「いってぇ...」
(これが悪名のコーラルドウォリアーズ...一人一人がつえぇや)
メンバーの一人が棍棒を取り初めて周りのメンバーも武器を取り始めた
「調子に乗りやがって!」
「雑魚がアーマードドラゴン倒したぐらいで自分が強いと思ってんじゃねぇよ!」
「ちっ!おい!ローブ!何ぼさっとしてんだ!早く立てよ!」
「ん!?」
「逃すかよ!」
「オラァ!雑魚がぁ!」
そしてローブは思った
(こいつ...もしかして...普段はゲスいことやったり嫌われるような言動を取るが、いざとなったら助ける奴なのか?)
そして嫌な記憶が振り返る、それと田辺の言葉が脳裏に浮かぶ
(「うん?彼、意外と優しいよ」)
ローブ拳を握り締めて立ち上がる
(そうか...上原...普段はゲスいけどこう言う時はいい奴になる、こう言う奴は俺は嫌いになれない、う...う)
そしてローブは涙腺から雫を溢した
「俺は今!物凄く感動している!」
「はぁ?」
上原とコーラルドウォリアーズは何がなんだがさっぱりだ
「コラァ!何を騒いでいるんだぁ!」
「やべっ!ギルド警察が来たか」
「逃げろ!」
「ローブっ!ぼさっとするな!」
「おうふ!」
上原はローにを連れて街中を走り回る
「上原ぁ」
「急げ!ノロマ!」
誰かがギルドを取り締まる運営に騒ぎの事を通報して駆けつけらしい、問題を起こして捕まると理由によって剥奪される場合があるのだ、特にいろいろ問題行動して来た上原にとって捕まっていけない、事情聴取されるとたまったもんじゃない
「やっべぇ!アイツら中々しつこいぞ」
そして二人が逃げた場所は狭い通路、そして大きな川であった
「ローブ!お前、泳げるか?」
「ああ、お前のためならこの世界の一周だってやってやる!」
「あ、そう(なんだ、こいつ)」
「えぇ?何やってんの?」
「ん?俺のためならばこの世界を一周するぐらい泳げるんだろ?」
「えぇ?」
「こうして、こうすると」
「ん?」
「オラァ!俺のため世界一周してこい!」
「うわぁ!?何をするんだぁこの野郎!?」
上原はローブの足に錘つけて川に突き落とした
「あああぁぁぁぁぁ!!助けてぇぇぇ!!!溺れるぅ!溺れるぅぅぅ!!!」
「お前の犠牲無駄にはしない」
「さあ!捕まえたぞ!」
上原はギルド警察によって捕まったが、そんな事より
「おい!友達が溺れているんだ!早く助けろ!」
「何!?」
「助けてぇぇぇ!!!」
「今すぐ助けてやるぞぉ!!!」
「いいぞ!運営!頑張れぇ!」
ローブは水中の中でこう思った
(バカだった...一瞬でも信じた俺がバカだった...)
そして、ギルド警察によってローブは救出される

ナラリア商店街の飲食店で、上原、キハラ、リーナの三人組でジャンクフードを食べている
「上原...あまりはっちゃけたするんじゃなねーよ、そのうち恨まれて殺されるぞ」
「だって、ローブが俺のためならば世界の一周するぐらい泳げるって言うから」
「お前なぁ」
飲食店にゾロゾロと同じタグをつけた人が群がって入って来た、上原はいち早く気付き冷静を保ちつつ警戒をした、そして通りかかるかコーラルドウォリアーズの連中から顔がバレないような仕草で誤魔化す
(マジでやべぇ)
「あれはコーラルドウォリアーズじぇねぇか、おめぇ変な因縁つけたんじゃないだろうな?」
キハラがマジでヤバそうに奴等を語る
「ギルド、コーラルドウォリアーズはマジでヤベェ集団だから関わらない方がいいって」
「うるせぇな、ムカついたからちょっとね、それによぉ?いざとなったら俺とお前でドラゴンやライアンブロッサムを倒せばいいじゃん」
リーナがキハラの太ももを突き言う
「喧嘩はダメよ」
キハラは言う
「悪いが俺は関係ないからな、お前が撒いた種はお前が処理しろ、それじゃな」
「なんだよ...薄情な奴」
キハラとリーナは飲食店で会計を済ませて出て行った
「おい!」
大きな声を思わず出してしまい、コーラルドウォリアーズのメンバーが声がした方向に視線を向ける
「やべぇ!今の声で気づかれたか」

ナラリア商店街
「オラァ!上原健二はどこだぁ!」
「し!しらないよ」
「テメェはナラリアエリアの住人だろうが!」
「そんな事言われても知らないものは知らないよ」
「いいか!よく聞け、上原の野郎を見たら直ぐに俺に伝えろ、そしてこの事を噂話でもして広めろ、いいな」
すると、そこにはキハラとリーナが偶然いた
「コーラルドウォリアーズか」
「よお、ダッサイヘアスタイルの兄ちゃんよ、上原って奴知らない?」
「上原に何のようだ」
マイヤーは物凄い眼光でキハラに威圧する
「この俺様に背後から蹴りを入れやがってよ、マジで許せないんだわ」
「そりゃぁ災難だったな」
「クズ野郎に人道とは何教えてやらないといけないからよ、さっさと呼べや」
「なぜだ?」
「しらばってくれんな!お前は上原と一緒に高難易度クエストのアーマードドラゴンとギルド、ライアンブロッサムを潰したんだろ?仲間なんだろ?」
「知られてたか、いやだね」
「何?」
リーナはキハラをつつく
「争いはやめて」
「分かってる、争うつもりはない」
「あっはっはっは!随分と利口じゃないか、まあ相手が悪すぎたんだからしょうがないな」
「なんだとぉ!?」
キハラはマイヤーの舐め腐った言動に我慢出来ず殴ってしまった
「ぐおぉ!」
「リーナ!逃げろぉ!」
「キハラさん!?」
「いいから!黙ってどっか行け!」
「はいぃ!」
キハラは上から目線でマイヤーを見る
「テメェ!何しやがった」
「わりぃ、お前の態度ムカついて殴っちまった」
「ほう、テメェ、俺達が誰か分かってやってんだろうな」
「しらねぇな!そんな雑魚ども、かかってこいよ!タイマンで蹴りつけてやる」
「けっ!偉そうに大口叩きやがる、来な」
マイヤーはキハラを連れて人気の無い場所に移動する
「聞いときたいんだけど、お前は上原という奴とどういう関係だ?」
マイヤーはキハラに質問を投げかけた
「上原とは偶然、因縁になってたまたまドラゴンかって共通の敵を潰した程度の関係だ」
「へー仲間ではないのか」
「確かにアイツは卑怯者で図々しいけど訳も、何!?」
キハラは思い切りマイヤーの不意打ちを受けてキハラの頭部から血が流れる
「ちぃ!テメェ...」
「へへ!油断してんじゃねぇよ!タコが!」
「ゴミどもが...」
「なんだ!その面は!ムカつくだよ!」
キハラは更なる殴打による追い討ちを受ける、そして地面に倒れるキハラ、容赦無く追撃を行うマイヤーは止める事はしない
「オラオラァ!どうした!雑魚が!こんな程度か?」

ナラリアエリアでリーナ上原を探そうするが一行に見つけられなかった、そして

雑貨屋で飲み物を買って屯しているマイヤーと連れの人達
「あのくたばりぞこないの奴、なんだっけ?あの面がムカつきすぎて名前をド忘れしてしまったわ」
「キハラですよ」
「あーね」
「ま、マイヤーさんの敵ではないね」
「当然だろうが」
「今度、ナラリアエリアの冒険者とギルド共を全員シメてやりますか」
「暇つぶしにな」
「あ!」
「どうした?」
連れの人がある事に気づく、そしてマイヤーも連れと同じ方向に顔を向ける
「よお!マイヤーちゃん」
「お前...」
「勝手に勝ったつもりでいるんじゃねぇよ!」
キハラはマイヤーを思い切りぶん殴った
「ぐぉ!」
そして連れの三人が一斉に殴りかかってきた
「オラァ!雑魚が!テメェ如きのカスにやられるかよ!」
キハラは連れ三人を容赦無く叩きのめす
「どうした!この程度かよ」
そしてマイヤーはキハラの後頭部に向けて木の棒で叩き割った、キハラはあまりにも衝撃で意識が朦朧とし我慢の限界を超えて倒れ込んだ
「おい、やばいだろ!マイヤーさん」
「ふん、こんな雑魚に舐められてたまるかよ、いくぞ」
そしてマイヤーと連れ三人は何処がに去って行った、マイヤーは気にしていないが連れ三人はキハラが死んだかどうか不安でつい言葉を発した
「マイヤーさん、今の打撃、ガチでヤバいですよ」
「死んだんじゃないですか?」
「仮に死んだとしてもギルドにバレなきゃ問題ねぇよ」
マイヤーは振り返ると、ある事に驚いた
「お...おい、嘘だろ...?」
「おい...クソギルド...途中から逃げてじゃねぇよ」
「こいつ...化け物か」
そして連れの三人はキハラの異常性に逃げていった
「お!おい!お前ら!」
マイヤーはキハラを気味悪がる
「なんなんだ!テメェはアンデットか!?」
「へっ!ゴミギルドに舐められるのは俺にとって黒歴史なんだよ」
「へ!そうかい、ならコーラルドウォリアーズの真髄を見せてやろうか」
「やってみろよ」
「野郎!調子に乗ってじゃねぇ!」
二人は殴り合い、殴り合いに制したのはキハラだった
「どうした?その程度か?」
マイヤーが少しずつ後退していく
「へへ!」
不適な笑みを浮かべながら倒れるマイヤー、そして、尻餅をついて休憩に入るキハラ、右から凄い群衆の足音がしてくる、キハラは絶望を感じた
「マジかよ...へへ」
そこにはコーラルドウォリアーズのタグをつけた集団がキハラを囲った
「ゲルニックさん!コイツがキハラです」
「マイヤーさん」
集団の一人がマイヤーの安否を確認する
「お前か?マイヤーをやったのは」
「まあな、大した敵ではないな」
「ふーん、ナラリアエリアの冒険者は雑魚の集まりかと思っていたが、お前、名前は?」
「ふん!そう言うお前は誰だよ」
「てめぇ!誰に口をきいて!」
ゲルニックが怒る連れの肩に手を乗せる、そして自己紹介すると同時に前に出るゲルニック
「俺の名前はゲルニック・スノーデン、コーラルドウォリアーズのギルドリーダーだ、ちなみにそいつはサブリーダーのマイヤーだ」
「大物登場か、噂では聞いてたけど、子供の頃、サイクロプスを倒した村の英雄って聞いてたな」
「過去の事だ、さぁお前の番だ、名乗れ」
「ルーズライト・キハラ、キハラと呼べや」
「キハラ...よぉし、俺に勝ったらナラリアエリアをシメるの勘弁してやる」
「無茶言うぜ、ったく...」
「勝負しろ、キハラくんタイマンも貼れないのか?それでも冒険者か?」
「ったく、チンピラじゃぁあるまいし、しゃーねぇな」
すると、横からキハラの名を呼ぶ女性の声がして来た
「キハラさーん!」
キハラは満身創痍の身体で思い切りゲルニックに向かって殴りかかった
「やってやるよぉぉぉぉ!!!」
だが、ゲルニックの放つ膝蹴りがキハラの溝打ちに入りそのまま、左手で髪を掴んで右手でぶん殴って前蹴りでフィニッシュを決めた
「つ...つえぇ」
「この程度か、期待外れだな」
「まだだ...」
「ん?」
すると、マイヤーが起きやがった
「おい...誰か治癒魔法使える奴いないのか」
「いません」
「ちっ!役立たずが、まあいい、キハラの野郎は何度も何度も打たなきゃ気がすまねぇな」
マイヤーは顔を拭いて立ち上がる
「へへへ、無様なもんだな、オラァ詫び入れろや」
キハラは物凄い眼光で睨みつける
「『ほら、すいませんでしたマイヤー様、二度と逆らいません』って言うんだよ」
「ふ、やっぱゴミカスだな、お前ら」
「まだわかんねぇのか!!!三下ぁ!」

「やめてぇぇぇぇぇ!!!」


 すると、女の大きな声がした
「リ...リーナ...ごふっ」
リーナが倒れているキハラに寄り添い懇願する
「もうやめて、これ以上やったら死んじゃうわ!」
「なんだ?この女」
「どけよ!俺らに喧嘩売ったバカは詫び入れる事になってんだよ!」
「もう十分でしょ!」
「あん?俺はまだ収まりがつかねぇんだよ!」
「やめて!」
「このあまぁ!お前から泣かしてやろうか?それともテメェをどこかの変態に売り渡して」
「きさまぁ!」
「おい!雑魚、こいつがどうなってもいいのか?」
「やめてくれ、リーナだけは手を出すな」
「けへへへ、ちったぁマシ口を聞くじゃないか」
「いやぁ!離してぇ!」
「オラオラぁ!きちんと話さないとこの姉ちゃんの腕が折れちゃうぜ」
「...」
「オラァ!どうすんだぁ?そんな目しやがって、へへへ」

三島は一人、道中を歩いていると、なんか違和感を感じる群衆がした、何事かと思いバレない程度に近づくとキハラが男の群衆に囲いに遭っている、そして更に視線を向けると
「リーナァ!リーナちゃん!?」
三島はただじっとして、どうする事もできなかった、そしてキハラはついに
「ゆ...許してください、ごめんなさい」
コーラルドウォリアーズの阿鼻叫喚のような笑い声が町中に轟き始める

そして夕日のナラリア商店街、鉄塔橋にて、泣きながら三島は道中を歩いていると、上原の声がした
「なんだぁ?おめぇ、なんかクエストでも失敗したのか?」
「う...上原、あんた」
「お前、なんで泣いてんだ?好きな男にでも振られたか?」
「私...キハラさんのこと見直したわ」
三島の涙腺から雫が落ちる
「はぁ?(なんで泣いてんの?)」

そして三日過ぎて、朝、ギルドに上原が猛ダッシュで受付嬢に駆け寄る
「オラァどけどけどけぇ!はぁはぁ」
「あら、上原さん、おはようございます」
「クエストボードに賞金がいいオーガのクエストが発行されたって聞いたぞ」
「はい、ですが、キハラさんとリーナさんが先行してもうクエストに行っておられます」
「なんどだとぉぉぉぉぉぉ!!!」
ギルドに上原の絶叫が響き渡る

キハラはリーナと二人でオーガのクエストの向かっている
「そんな怪我で戦えるの?」
「問題ねぇよ、いざとなったらリーナの回復魔術でサポート頼むわ」
「うん」
クエストは順調に進みなんとかオーガを倒した二人はギルドに向かって報告しにいく
「ねぇ、やっぱその傷、大丈夫?」
「大丈夫だって」
「本当に本当に大丈夫?」
「だ、い、じょ、う、ぶ」
キハラは笑顔で見栄を張った、すると、上原は背後から近づきキハラの怪我してバンソーコを貼っている場所を突いた
「つんつん」
「いってねぇな!!!何すんだ!この野郎!」
「大丈夫なんだろ?」
「上原か」
「どうしたの?その傷、まさかオーガ如きに負った傷じゃないんだろうな」
「それが、その...あ!そうそう、ちょっと他の女見惚れてたらリーナに打たれて階段から落ちたんだ、あはは」
「そ、そうなのよ、あはは、全くこの浮気者にね」
「ふーん」
上原が訝しめる
「いやぁ困ったもんよ、剣振り回すは石を投げるわ大惨事だったんだからな」
キハラとリーナは必死に上原を誤魔化そうとする、そして上原はキハラの肩に手を乗せて呆れた顔で言った
「はぁ、落ちたのぉキハラ、あのキハラがオーガ如きに苦戦してしまうとか、はぁ、なっさけな」
「バレたかな」

上原はナラリアエリアを適当に歩く、そしてどう見てもキハラの傷は魔物のアレじゃない人間の仕業だろうと見抜いていた、そしてそいつが誰なのか皆目検討ついてた
(あの傷はどう見てもオーガじゃないだろ、下手な嘘吐きやがって、クソが)

上原は偶然歩いているとクエスト帰りにパーティと組んでいた三島と出会う
「あ!健ちゃん!どこに行くの?」
上原は考え事で三島に気付かなかった、三島はムッとして背後から上原の背中を押した、すると大胆に転けて驚いた
「まあ、大胆と」
「何しやがった!このアマぁ!」
「無視することないでしょ!」
「考え事してたんだからしょうがないだろうが!」
「まあそれはそれは、それでどこに行くの?」
「お前には関係ない」
「何よそれ!」
「うるせぇ!帰れ!」
「えぇ...」
田島はなんとなくこの先の展開が分かる気がした

コーラルドエリア、歓楽街でマイヤーはストライクアウトして遊んでた
「へへ、最後の五番っと」
上原は割込んで五番の的に飲みかけのポーションの瓶を投げて命中させた
「わりぇな」
「誰だぁ!」
「へへへ、覚えてないか、背後から一発で倒れたもんな」
「は!テメェはクズ野郎の上原か」
「自分から潔く出てくるとはいい度胸じゃないか」
「嬉しいならワンを鳴いて喜べや」
「へっ!でけぇ口叩きやがる、おい!いつの場所で遊んでやるぜ」
「終わったな、上原の奴」
「へへへ」
「ついてこい」

キハラと三島は上原と田島を探し回ってる
「キハラさん!」
「おう!三島か!上原と田島は見つかったか!?」
「いないわ」
「どこに行きやがったあいつ、まさか、田島を連れてマイヤーに喧嘩売りに行った訳じゃないだろうな」
「急いで探しましょう」

マイヤーは上原を連れて人の少ない場所に行く
「へっ!ノコノコついて来やがって」
「別に遠足じゃねぇんだ」
マイヤーが選んだ場所は崩れた神殿であった
「ふーん、神殿か、お前の墓場には悪くない」
「ここなら滅多に人は来ないぜ」
「いいね、やりたい放題か」
「けっ!スカしやがる!」
するとマイヤーはいきなり逃げ出した
「あ!てめぇ!逃げんな!」

コーラルドエリアの周りを走り回るキハラと三島、キハラは心の中で上原を心配する
(上原...油断するんじゃねぇぞ)

上原はマイヤーの後を追いかける、そしてマイヤーは瓦礫なの中に息を潜めて上原が来るの待つ、数分すると誰も来なかったからマイヤーは瓦礫の中から顔を出すと
「へっへっへ!ばーか!」
上原はシールド入り縦長バックバックを構えてマイヤーが顔を出すのをずっと待っていた、そして思い切りマイヤーの顔に向かって殴打して容赦無く叩きのめす
「ぐぉ!てめぇ!」
「甘いな、この程度の卑劣さで勝てると思ってるのか?」
「クソッタレが!いい気になりやがって」

リーナがキハラを探している、この前の仕返しをやりに行くんじゃないと心配してあちこち走り回ってとコーラルドウォリアーズのタグをつけた連中に絡まれてしまう
「お!コイツ!キハラの女やん」
「へへ、あのダッサイ男にはもったいないよな」
リーナ逃げようとすると、コーラルドウォリアーズの一味が掴みかかる
「逃げんじゃねぇよ!」
「俺と遊んでいけよ!」
「嫌だ!やめて!」
「コーラルドウォリアーズと遊んで嫌がった女はいないんだよ!」
「キモい!」
「なんでだよ!俺の方がいい男に決まってるだろ!」
「いやっ!」
すると、いきなり背中を蹴られて顔を地面にぶつけるメンバーの一人
「誰だぁ!?」
「女に絡む男はみっともねぇな」
「あん?」
「ローブさん?」
顔を赤く染めて言うリーナ
「なんだ?テメェふざけやがって」
「女ってのは脅すもんじゃねぇ、守るもんだ」
「かっこいい!ローブさん!」
キリトがすかさずフォローに入る、コーラルドウォリアーズのメンバーは怒ってローブに殴りかかるか、素早く避けてカウンターを叩き込んでやった、そして容赦無く追撃を行いトドメをさした
「ふん!相変わらず、どうしようもねぇ連中だなコーラルドウォリアーズの雑魚ども」
リーナは驚いている
「さあ、行きな」
「はい!ありがとうございます!」
「おう」
「うわぁ!決まりましたローブさん!この調子で上原にギャフンと」
「まっ!こんなもんよ」
しかし
「ん?なんだ!?」
「おい!どうした!?」
ローブとキリトが声がした方向に顔を向けると
「お!あいつ!ムーリクエリアで武道を習ってる門弟のローブじゃねぇか!」
「やろう!懲りてないらしいな」
「ビシッとシメてやらないとな」
ローブとキリトは一瞬にして表情が変わった
「団体付きですか...」
「本当、ついてないんですから」

神殿で上原とマイヤーは正々堂々と殴り合う
「卑怯な手を使おうがまともに戦おうが俺に勝てる訳ないだろうが!」
「はぁはぁ!クソがぁ...」
上原は四つん這いになって息切れを起こしているマイヤーを上から見下ろす
「お前といい、キハラといい、クズの割には執念深いじゃないか...」
「お前等見たいなカスいネームドギルドに舐められると気持ち悪いからな」
「たかが女に振り回されてるナンパ者がよ」
「キハラの事か?ま、何も背負ってないお前にわかんねぇだろうな」
「はっ!ならお前は何を背負ってるんだよ、言えゴラァ!」
「ふん、聞いて驚け、俺が背負ってるのは『運命だ』恥ずかしいから誰にも言わないでくれよ」
「は...?ふざけんなじゃねぇぞ!」
怒ったマイヤーは隠し持ってた聖水の瓶を取り出し、握ったまま上原に向かってパンチを繰り出そうとした、だが上原は細かい所に目が入り、一瞬にしてマイヤーの企みを看破した、聖水の瓶を握った拳を受け止めそのまま瓶を割って聖水をマイヤーの目に入れる
「聖水の瓶で不意打ちで俺を倒そうとしちゃんいかんねぇ、マイヤーくん」
「クソが...」
「言っただろ?お前では俺を出し抜けないって、さて、キハラの分、しっかりお礼させてやるぜぇ!!!」
そこから上原の容赦ない暴力がマイヤーを襲う
「上原ぁぁ!!!」
「上原ぁ!」
キハラと三島の声がして来た
「え!?やっば」
上原は素早くマイヤーをブン殴って倒して倒壊した柱の影で隠れる、するとそこには田島がいた、それにびっくりして驚く上原
「うわぁ!なんでお前がいんの?」
「ずっと観察してたのよ」
キハラと田島がボコボコにのされたマイヤーを見つける
「おい!ここだ!」
「うわぁ...凄い傷...」
三島が口元に手で隠す
「随分、ひでぇ顔だな」
「テメェ等勝った気でいるんじゃねぇぞ...どうした...かかってこいや」
「強気だ、そこまでやったんなら俺のやる事じゃないねーな」
「逃げんのか...こえぇんだろ、コーラルドウォリアーズが、オラ...こいや」
「アイツは俺のダチなんだ、俺がやったもの同じだ」
「何...」
上原がちょっと怒った
「帰るぞ上原」
キハラはすぐ上原が隠れている場所を当てる

「馬鹿タレが、マイヤーをやったのは俺だっつーの、俺がやったの同じとかなんだよ」
「俺は知らんからな、コーラルドウォリアーズのサブリーダーをそこまでボコボコにしてよ」
「あ!そういう奴かお前は」
「キハラさん!」
するとリーナの声がした、顔を赤く染めて心配している
「怪我で心配してない?」
「大丈夫だよ、リーナに悲しい顔はさせないつもりない」
「そんな、キハラさんたら」
「君の想いだけで充分元気が出たから」
そして上原と田島は二人のラブロマンスにヤジを入れる
「あーあーみんなの前で臭いセリフ吐けて」
「あーあーあっついあっつい!」
「ヒューヒュー!かっこいいかっこいい!」
「うるせぇ!!!お前ぇ等一体どういう性格してんだゴラァ!!!」
「お!自分だけカッコつけてこのこの~」
「おい!ゴラァ!!!上原ぁ!やっと見つけたぜ!」
するとローブとキリトがヨレヨレの歩きでやってきた
「あれ?溺れたんじゃないの?ローブちゃん!」
「上原ぁ!この前の借りを返してもらうぜ!」
「しつこい奴だな!だからお前はモテないしついてないんだよ」
「あー!俺の気にしている所、それでも俺は傷ついているんだからね」
上原とキハラとローブは三人で言い合い、弄り合う、田島はバックバックからポーションを取り出して上原のポケットにバレないように入れて女三人は帰ってしまう
「とにかくよぉ!お前のような男は初めてだ!鬼!悪魔!ヒトデナシ!」
「おーおー上原!鬼だってよ」
「なんだ?お前まで言うのかよ」
「大体、お前だけ田島さんと仲良くしてんだじゃねぇよ!この野郎!」
「なななな!何言ってんだお前ぇ!」
「いやっ!上原はムッツリスケベ!」
「それはキハラの方だ」

そして男の言い合いは夕日が沈むまで続いた
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