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一章

5話 第一次コーラルド戦争 ゲルニック編

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上原はあるクエストで有害モンスターで農家を悩ましている魔物の討伐をしていた、ソイツの名前はモノバル、モノバルは巨大な花びらに大きな口がある、甘い匂いで生き物を誘い捕食して栄養を摂取するのだ、上原はモノバルの生態を理解して悪い事を思いついた、モノバルは自然に擬態して獲物が罠にハマるのを待って油断した所を一気に触手で捕らえて捕食つもりだった、上原は草食動物を捕まえて毒生肉を括り付けてモノバルが捕食するのを待つ、そしてモノバルはその草食動物を捕らえて毒生肉と一緒に食べてしまう
「へーあそこに擬態していたのか、ん?あそこに岩崖があるな、よぉし、あの口にションベンでもかけて追い討ちしてやるか、俺って天才!だっはっはっは!!!」
上原はモノバルの大きく開いた口の中に私物のゴミと尿を飲ませてやった、そしてモノバルは食べた毒生肉と上原の私物のゴミで絶命した、あとはどうやって処理するかいろいろ考えた

ナラリアエリア、川沿いで田島と三島は二人で歩いてい、三島は何故か上原の愚痴を吐いていた
「キハラさんは上原と別のクエストに言ったみたいですね」
「そうだね」
「上原の奴、報酬のいいクエストばかり受けてばっかでホンマ腹立つ」
「美香ちゃん、どうして健ちゃんをそこまで悪く言うの?」
「金に汚くて卑怯で狡賢くて、そんな彼が昔好きだったからよ」
「かわいそう、でも本当の悪党でもないわよ」
「憎めないタイプなのは分かるけど...でも、あーー!思い出すだけで腹が立つわ」
三島は上原と青姦してた事を思い出す、その時お互い好きだったし冷静に考えれば恥ずかしい、もし記憶を改竄出来るならお互いこのような思い出は無かった事にしたい
「ねぇ!記憶を改竄出来る魔法とかありませんか!?」
「何!?いきなりなんなの?なんの話よ」
すると水溜りを踏んだ足音が聞こえた
「何!?」
「よお!」
「アンタは!?」
「あぁ!?健ちゃんにボコボコにされた奴!」
「けっ!あの時は卑怯者のクズに油断しただけだ、ちょっくら面かしな、上原の女」
三島は「上原の女」という台詞にキレて
「誰があのバカの女だよ!」
三島は剣を取り出しマイヤーに斬りかかる
「ちょっと美香!?」
田辺は止めようとする
「おっと!?ここで武器を振り回すのは法律違反じゃない?」
「何よ!?」
マイヤーは斬撃を軽々と避けて蹴り飛ばして三島を無力化する、田島はそのまま地面に倒れた
「よくも!」
田辺は怒ってマイヤーが連れて来た仲間を得意な格闘術で無力化した
「女の割にがなかなかやるじゃん、しかし、こいつ等と来たら、雑魚が!」
マイヤーは仲間を蹴り飛ばして怒った
「だがよぉ!一緒に来て貰うぜ、上原を誘き寄せる餌としてな」
「誰が!餌になるものか」
マイヤーは田辺を掴もうとした瞬間、背負い投げを喰らった
「このあま!調子に乗るなよ!」
マイヤーはキレて田辺を強引に拘束する、いくら武道で鍛えたと言えマイヤーの腕力には勝てなかった
「おっと!動くなよ、こいつの顔に傷をつけたく無かったらな」
「優佳...」
人質を取られて何も出来ないまま数秒すると待つと、マイヤーの背中に蹴りを入れた者が現れた
「あなたは?」
「相変わらず女に手を出すゲス野郎だな」
「誰だぁ!?」
「ローブさん!?」
「ローブ」
「さぁ早く逃げるんだ」
「う...うん!行こう美香ちゃん」
「ありがとう」
「俺の女に手を出してんじぇねよ、タコ」
「あん?アイツは上原の女だろう?」
「なんだと!?ゴラァ!」
ローブはその言葉にキレた、マイアーと互角の勝負するが、ローブの背後からコーラルドウォリアーズの連れが立ち上がり不意打ちをかます
「ごぉ!相変わらず汚い野郎」
「なんとでも言え、俺たちは舐められたら終わりなんだよ、はっ!そもそも、あんな軟弱な道場で修行してる雑魚に負ける訳にはいかないんだよ!」
「オラァ!雑魚が!」
「調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
田島と三島は振り返り遠くからローブが囲いに遭ってる姿を確認した
「こんな時に健ちゃんがいてくれたら...」
そして囲いに遭ってるローブを見たキリトは誰かを助けようと頼れる人を探しに行った
「あぁ!ローブさん、待ってろ!今すぐ助けてを呼んでやるからな」
キリトは道場に向かって門弟達に協力を申し込んだ
「大変だ!ローブさんが!ローブさんが!」
「どうしたキリト!」
「何があったぁぁぁ!!!」
「ローブさんがコーラルドウォリアーズとまた喧嘩してるんです、援護に来てくれ!」
「あぁあ、そう言えばちょっと用事があって」
「俺もこの後、外せない用事が」
言道場の門弟達は言い訳を並べてどこか去っていった
「まただよ!どうして、もう二度と頼らん!」
キリトは道端でイライラしながらあるく
「いつもいつもデケェ口で偉そうにばっかで言いやがって、こうなったら一人でもローブさんを助けてやる」
キリトは覚悟を決めてローブを救おうと決心した

クエストから帰還した上原は一匹の狼に懐かれて困っている、歩いているとどこまでも着いてくる
「テメェ!少し優しくしたぐらいで簡単に懐いてんじゃねぇぞ!犬!」
「はぁはぁはぁはぁ!わん!」
「おやこれは珍しい光景やな」
「なんだ?おっさん」
上原は知らないおっさんに話を持ちかけれる
「これは魔犬グルーだな普段は懐く事はないが、優しくされるとソイツを主人と認める」
「まあ、俺が作った罠にマヌケ面で引っかかったアホ犬だからな、可哀想だから開放して介抱してやった」
魔犬グルーは笑顔になって上原を見つめる
「しゃーねぇ、お手!」
「お!いいねぇ!ペットとして評価高いぞ!」
「ちんちん!」
「わん!」
「わぁぁ!どこの触ってる!」
グルーは上原の股間に手を当てた、驚いてグルーの頭を殴った

キリトはイライラが止まらなかった、そんな道中、キハラとぶつかり鉢合わせた
「おい、キリトじゃないか、どうした?そんな眉間にシワを寄せて」
「お前には関係ない!」
「そう言うな、知らない仲じゃないだろ」
「うるさい!どうせ、頼りにならないし」
「そう言うな、話なら聞くぜ、もし深刻な問題だったら協力するよ」
「キハラ...」

ナラリアエリアでローブはコーラルドウォリアーズの囲いに長時間の暴行を受けている、だがなんとか連れだけは倒し、体力の限界が尽きていた
「どうした?ムーリクエリアのだせぇ武道家が俺たちのギルドに勝てる訳ないだろうが」
「だせぇな...お前ら...そうやって看板でしかイキがれないから、周囲からバカにされてるんだぜ...」
「ほう?なら俺たちをバカにしてる奴らを教えろよ、舐めた口を聞けなくしてヤキを入れてやるからよ」
マイヤーは更なる追い討ちを喰らわす
「そもそも、テメェのせいで女が逃げたんだよ!バカが!」
「そのぐらいにしとけ!大馬鹿もの」
そこへキハラが颯爽に現れた
「あん?誰だぁ?てめぇは!キハラ!ふん!また謝りに来たのか?」
「ちっ!お前ら、一人の相手を集団で囲っておいてデケェ口叩く、恥って言うの知らないのか!」
「へー!だったらもう一度やり合うか?」
「いいぜ、場所変えるか」
キハラとマイヤーは二人で決闘する場所に向かった、倒れているローブの元へキリトがやって来た
「キ...キリト...余計な事をすんじゃねぇ...」
「ごめんなさい、でも、助けがないとローブさんが危ないから」
「まあいい、直ぐに追うぞ、キリト」
「はい」
ローブはキリトの手を借りてなんとか立ち上がり、マイヤーとキハラの跡を追った

上原は着いてくる魔犬グルーに段々ムカついてきた
「犬!テメェ!どこまで着いてくるんだよ!」
「わん!わん!」
魔犬グルーはどこかに行き出す、目線を上げればそこのは田辺と三島がいた
「おい、お前らこんな所で何してんだよ」
「おい!上原!あなたのせいだぞ!」
「なんだ?いきなり」
「あなたが他のギルドの人と揉めるから!学校の喧嘩とは違うんだぞ!」
「ちょっと美香...」
「あいつは昔から喧嘩好きで人の迷惑を顧みないクズ野郎だよ、優佳ちゃんも好きになるのやめた方がいい、一度好きだった私が言うんだから」
(イヤな所を見て幻滅したのね)
田辺はそう思った
上原は察した、三島が何故を俺を嫌うのか、何故あんな嫌悪な態度を示すか
「三島、何故、俺を嫌うのか」
上原は三島の耳元でこう言った
「外でエッチしてたのがバレたからでしょ?」
三島はそう言われると、顔が赤くなってあまりにも恥ずかしさに気絶した
「ちょっ!美香!健ちゃん!」
「だっはっはっはっは!!!」
上原は高笑いしながら去っていく

ここはナラリアエリアのゴミ置き場所、沢山の使えない大木や瓦礫がここに集まって山のようになっている、マイヤーとキハラはそこで対面しあい睨み合う
「ズタボロにされる前に聞いといてやる、ライアンブロッサムといいお前らといい、どうして他の冒険者を手をだし、挙句に関係のない人々に迷惑をかける?」
「ふん!随分とまともな事を言うじゃないか、俺達はボンクラの集まりなんだよ、そこら辺のギルドや冒険者に舐められたら終わりなんだよ」
「まあゴミの集まりと言うわけが」
「けっ!言ってくれるじゃん!謝罪のキハラくん」
「ほう、お前だって上原に豚まんみたいにのされていたじゃねぇか」
「あれはテメェんとこの卑怯者がやったんだよ」
「卑怯と言えば、上原もそうだけど、金に汚いわ、友達より利益を取るわ、自分の欲求が最優先って感じの奴だけどよぉ、別に嫌いじゃないし謎の憎めなさがあるんだよ、何故かアイツに妙な情があるんだよ、そんな奴を嵌めようとする奴は俺が許さねぇ!」
「へぇ!くっせぇ台詞を恥ずかしさもなく吐きやがるぜ」
すると後ろから拍手する音がした
「ブラボーブラボー!」
「上原!てめぇ!」
「上原!」
「あまりにもいい話だからつい、感動したよ、僕ちん」
「上原!テメェからやってくるといい度胸じゃないか!」
「上原!テメェは黙って見ていろ!」
「そう硬い事言うなよ、ここは俺に任せなキハラちゃん」
「ダメだ!このカスはけちょんけちょんにぶちのめさないと気がすまねぇ!」
「だめぇ!もうキハラだけにはいい格好させねぇよ!」
「お前だってあの神殿でボコボコにしたじゃないか!今度は俺にやらせろよ!」
「いいのいいの、後は俺に任せればいいの!」
「よくねぇよ!引っ込んでろ!」
「キハラくん、俺はなもう一度このボケをボコボコにしないと腹の虫が収まらねぇ!」
上原は怒声をあげなら拳を振るった

ローブとキリトはナラリアエリアでキハラとマイヤーを探しているが見失った
「アイツらどこに行ったのかな」
「いつのまにか見失ったね」
「見失ったね」
「すみません、俺がキハラなんか頼んでいなかったら」
「いいんだ、俺のためだろ?気にすんな」
「それより田辺とその連れの女を守ったんだ、問題ない」
どこからか集団でこちらにやってくる音がした
「よお!ローブちゃんよ」
「なんだ?お前ら!ぶっ殺されたいのか!」
「いや?マイヤーの助っ人だよ、今、どこにいんのか教えろよ」
「お前、上原の身内なんだろ?」
「あん?しらねぇよ!そもそも上原なんか嫌いだし身内でもないよ」
「ほう?だったら上原とキハラをボコボコにすることに協力しろや」
「ふん!だったら俺に勝ったら協力してやるよ!」
ローブはいきなり先手の正拳突きお見ましてぶっ飛ばそした
「手負いだからって舐めんなよ、コーラルドウォリアーの雑魚どもが!」

ゴミ置き場所で上原は圧倒的な強さでマイヤーをボコボコにする
「オラオラァ!どうした!コーラルドウォリアーの雑魚がぁ!調子に乗ってんじゃねぇぞ!関係ない人まで迷惑かけやがって、テメェのような奴が許せねんだよ!」
「もうやめろ!マイヤーの奴、完全に意識がなくなってる」
「止めんじゃね!テメェもボコボコにされたいか!」
「落ち着け!」
「はぁはぁ...ぺっ!」
上原は容赦無い暴力でマイヤーを徹底的に叩き潰す、二度と悪さ出来ないように

ローブとキリトが上原とキハラと出会す
「よう!ローブ」
「これ!お前がやったのか?」
「そうだよ、で?お前はどうなんだ?」
「全部、上原に持っていかれた、なんか張り切っちゃってさ」
「うるせぇ!」
「おーおー照れてやがる~」
「お前!何が言いたい」
「どうせ、上原だ、卑怯な手使ったんだろ?」
「お前こそ、コーラルドウォリアーズの雑魚共に不意打ちでもかましたんじゃないの?ローブちゃん」
「お前と一緒にするな」
そしてみんなは笑い出し雑談したり弄り合いなどして時間を潰した

コーラルドウォリアーズ根城

ゲルニックがマイヤーの朗報を聞いてありとあらゆる置物に当たり散らす
「クソがぁ!またしてもマイヤーが負けたのか!」
「ひぃ...」
「マジかよ...」
「マジでゲルニックさん怒らせたようだな」
「洒落にならんて」
メンバー全員がゲルニックの怒りに怯えている
「ナラリアエリアの野良冒険者にムキになる事はねぇと思っていたが、ちょっと甘く見すぎたか」
数秒悩んだ挙げ句
「人数集めろ、なんとしても二人の冒険者をここに連れてこい!」
「おい!ゲルニック!」
「ちっす!」
「うっす!」
「先代リーダー...」
「おいおいおい!最近コーラルドウォリアーズが二人の野良の冒険者に舐められてるらしいじゃねぇか!」
「だからこのギルドに魔法使いや僧侶とか」
メンバーの一人が口を挟むと
「あん?舐めてんのか?俺たちはまともな冒険者になれなかった集まりなんだよ、インテリぶったソーサラーや善人ぶった僧侶から嫌われるぐらいのな、だが暴力だけは誰にも負けてはいけない、ウォリアーとファイターとしての誇りがあるんだよ!」
先代リーダーがそう言った
「左様ですか」
「おい!ゲルニック!テメェがでけぇ面が出来るのは俺のおかげって事を忘れるよ、けっ!汗臭くて息できねぇ」
「はい」
ゲルニックは大剣を見て誓った
「なら、法を犯してまでも上原とキハラを叩き潰してやろうかコーラルドウォリアーズの恐ろしさをこの剣で叩き込んでやる」
そしてここの中で愚痴を吐いた
(大人しく武器屋の商人しておけばいいもの、いつまでも先輩面しやがって)
そして、メンバーにこう告げる
「なんとしても二人を俺の元へ連れてこい!(とことんやってらぁ!覚悟しろよ!)」

昼間のムーリクエリア、ローブとキリトは道場に向かい鍛錬に向かう
「大丈夫ですか?ローブさん」
「ああ、問題ない、これから沢山の戦闘が待ち受けてるかもしれんから鍛錬はしないとな、いろんなパーティに呼ばれるよう特技とか磨かないといけない」
「さすがムーリク最強の武道家!」
「ふっ!」
「所で随分とコーラルドウォリアーズのタグをつけた人が多いな」
「関わるな、これ以上面倒ごとはゴメンだ」
「はい」
道場の門を潜るとそこには、大量のお菓子とおもちゃが散乱していた
「なんなんだ!これはぁぁぁ!!!」
「よお!ローブアンドキリト!」
「あぁぁぁぁぁ!!!何やってんだテメェら!!!」
ローブ絶叫が道場中に轟く
「お前もボーッとしてないで注意するか追い出せよ!!!」
「いやぁ、ローブさんのお友達って言うから」
「こんな奴らダチでもなんでもねぇ!」
「なんだ薄情な奴だなお前」
「テメェも時と場所を考えろ!こんな神聖な道場でお菓子食ってんじゃねぇ!それより、コーラルドウォリアーズの連中がお前らを探しているぞ!」
「何!?」
「マジか」
「喧嘩はやめて」
リーナがすかさず心配する
「時と場合によるかも」
「出来るだけ穏便にね」
「あぁ」
そして上原がキハラに対して難癖を言う
「キハラ!てめぇのせいだぞ!」
「なんだと!?テメェ脳みそ腐ってんのか?マイヤーやったのお前だろ!二度も」
「なんだ!?テメェやる気か?」
「おう!上等だ!一度テメェとはケリつけてみたかったんだわ」
「おう!こいや!特別な場所を案内してやるぜ!」
「けっ!デケェ口叩きやがって偉そうに」
「喧嘩はダメだって!」
そして、上原、キハラ、田辺、三島、リーナは道場から出て行った、そして道場の中でお菓子や飲み物の残りカスが散らばっている
「コラァァァァァ!!!貴様らぁ!!!」
すると道場の入り口から物凄い怒声がした
「し!師匠ぉぉぉ!!!」
「貴様...休んでいる間にこんなに精神が弛んでいたか、貴様ら!全員の腐った精神を叩き込んでやる!!!」
師匠は物凄い闘気をあげて門弟達のボコボコにし始める
「持ってくれ!これには訳が!」
「問答無用!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
「本当についてない...」

ムー力エリアはやたらとコーラルドウォリアーズのタグをつけた人が多い、そしてあちこち視線を感じる
「上原...」
「分かってる」
「お前らはここでお別れだ」
「どうして?」
「いいから帰れぇ!」
田辺は帰るふりして隠れるが直ぐに上原に見破られる
「お前は俺の言った言葉の意味が分かるか?」
「あははは!怒った時の健ちゃんは案外かっこいいかも」
「ったく!」
二人はコーラルドエリアに向かいわざと人の少ない場所に行った
「ったく、コーラルドウォリアーズのメンバーどいつもこいつもガラの悪い奴ばっかだな」
「ほーそんなヘアスタイルで良く言えるぜ」
「卑怯と陰湿さなら上原もいい線ってるぜ」
「へへへへへ」
「ふふふ」
「ふん!何ニヤついてんだ?この野郎」
「ニヤつかずにいられるかよ!最強の二人相手にこの程度の人数寄越しやがって」
「しょうがねぇな!俺一人でコーラルドウォリアーズを潰せるって事を証明してやるか!なあ!上原!」
上原はいつの間にか逃げて行った、そして、いつのまにかメンバーの数人がのされて顔に足跡がついていた
「ああ!てんめぇ!一人で逃げんじゃねぇ!!!」
キハラも上原の跡を追った
「普通人を置いて逃げるか?」
「一人でもコーラルドウォリアーズの潰せるんだろ?」
「ん!ん!前言撤回、喧嘩するの疲れるし殴られるの痛い...」
「憎めない奴」
「とにかく!逃げるぞぉぉぉぉ!!!」
二人はナラリアエリアまで逃げて来た
「はぁはぁ、まだ追いかけてくる」
「ひぃぃ!アイツらマジでしつこいぞ!」
走り続けるとある武器屋と雑貨屋を通り抜ける、そこには運搬中であった武器や消耗品が置いてあった、上原は通り過ぎる時にいくつか盗んでバックパックに素早くしまった
「おい!個数が足りないぞ!」
「そんなバカな、もう一度数えてみろ」
「はぁ怠すぎ」
運搬業者はなんか訝しむ、そして二人は出会い頭にゲルニックとその連れに会ってしまう
「まず!」
「おいおい!マジかよ!」
「こいつ、コーラルドウォリアーズの長だぜ」
「デカいな」

田辺とリーナが二人を探しているとトラバサミに引っかかってしまい動けなくなった
「なんでこんな所に罠があるのよ」
「へっへっへ!絶対ここを通ると予想して罠を張ったのよ」
「あなたは!?」
「健ちゃんに豚まんにされたマイヤー」
「いい加減、過去のことを遡る事はやめろ!ちょっと面かしな」

道場で門弟達がグチグチと上原とキハラの悪口を言って床掃除をしている
「ちっくしょぉ...上原の奴...マジで許せねぇ...やっぱアイツと距離をとった方がいいな、アイツは疫病神だ」
雑巾を洗いながら絞り水をきっている最中、コーラルドウォリアーズのメンバーに目をつけられた
「おい、ローブ」
「上原の居場所教えろや」
「なんで俺が知ってんだよ、前にも言ったように上原には関わりたくないんや」
「あん?お前仲間だろ?上原の」
「ふざけるなよ、俺はあんな奴の顔を見たくないんだが?」
「ほーなら協力しろや」
「協力?上原をどうするつもりだ?」
「捕まえて晒し首にするんだよ」
「あとボコボコにな」
「コーラルドウォリアーズに逆らった人間の末路を周囲の人たちに教えてやらないといけない」
それを聞いたローブは冷たい雑巾でメンバーの一人を頬に向かってはたいた
「てんめぇ!」
そして素早い正拳突きが炸裂して吹き飛ばした
「何しやがったてめぇ!」
「あんま上原上原言ってると、虫唾が走るんだよ!ボケが!」
「やってらぁ!」
そして後の二人目のメンバーが殴りかかってきた、ローブは軽く避けて膝蹴りで腹部を蹴り発勁で吹き飛ばした
「いいか!よく聞け!上原を倒すのはこの俺だ!二度と手を出すんじゃねぇ!」

二人はコーラルドエリアの人の少ない場所へ連れて行かれて囲いに合う、上原はゲルニックの筋骨隆々な肩幅と背中に背負ってる大剣を見て思った事を言った
「コイツ...ガチで俺らを殺す気か、しかし、威圧感がエグいな」
「ゲルニックさん、アイツこの前、謝罪したキハラという奴ですぜ」
「おーあの時の」
「醜く恥ずかしく謝罪してたじゃないか」
キハラの目が鋭くなり顔が強張る
「そういえば、お前の名前、えーとキハラ、キハラ、ルーズベルト・キハラだっけ」
「ルーズライト・キハラだ!」
「物覚えの悪いお頭だな」
上原はキハラの顔を見てある疑問に思う
(前から気になっていたんだけど、こいつ、どう見ても日本人だよな?異世界に来て別名でも名乗ってるのかな)
「何ジロジロ見てるいる」
キハラが上原の視線を気味悪がった
「いやぁ?顔についてた汚れが気になっただけだ」
「そんな事気にする時ではない」
「ん?」
「おい!貴様ら!誰と話している!」
いきなりゲルニックの怒声が二人の耳に入る
「うるせぇな!物覚えが悪いからそんなに声がデカいのか?」
「取り敢えず、貴様は後で殺す、所でキハラくん、君は嘘つきなのか?二度と逆らわないって謝罪したよな」
「構う事はない、お前の言いたい事を言ってやれ」
「この前の謝罪はな前言撤回するぜ!彼女に心配させたくないから演技で謝ったんだよ、バカ」
「あーあ言っちゃった、おーれしーらない」
「てんめぇーな!」
「冗談!冗談!まあそういう事だ、騙されたテメェのお頭が弱いんだよ、バカ」
「お前ら...この俺を怒らせて本気で死にたいらしいな」
「しししししにゅぅぅぅ!!!」
「おいおい」
「今すぐこの煽りをやめさせてやる!やってしまえ!」
ゲルニックの命令でコーラルドウォリアーズのメンバーが一斉に襲い掛かる
「おい!タイマンも貼れないのか!」
「上原!」
二人は直ぐに構えて迎撃体勢になってありとあらゆる攻撃を退けて行く、コーラルドウォリアーズは武器を取り出して完全に殺しにかかる
「コイツら!本物の武器を振り回して!」
「行く所まで行ったな!」
「邪魔な二人を殺してしまえ!」
ゲルニックから殺意を感じる、上原とキハラは剣を盾を取り出し、本気の殺し合いを始める
「ローブさん、アイツらマジでやっちゃってるって、ギルドに通報しましょうか?」
「いいや、やめとけ、いいザマだな上原(ズタボロになったら助けてやるか、しかしなんだこの気持ち悪さ)
「しかし、よう殺さずにやりますね」
「まあな、いくら卑怯者の上原と言って殺人とか犯すのような腐った奴じゃないとだろ、俺とタメを張る男なら同然だな」
上原とキハラは剣で上手く捌いて隙を突いて四肢に斬撃を入れる
「てめぇ!お前が何をしてんのか分かってんのか!タコ!」
「コーラルドウォリアーズをここまで舐めたお前らは命を持って償うんだよ」
「ふざけるな!だから多くの冒険者が困ってるんだろうが!」
「俺はな魔法使いや僧侶といった将来有望な冒険者が憎くて憎くて仕方ないんだよ!だからどうした!」
上原は一瞬の動揺で二人組に捕まり、タガーナイフを刺されそうに陥る
「上原!」
そしてキハラも上原を心配して動きが止まり二人組に使って両腕を拘束された
「ゆっくり刺してやれ」
「貴様ぁ!」
「はなせぇ!はなせや!それでも冒険者か!」
「関係ない俺たちに楯突く者死あるのみだ」
ローブは拳を握りしめながら堪えている
「嬉しい筈なのにこのイライラはなんだ」
「ローブさん?」
「さぁて、上原!ゆっくりと腹を刺してやる」
「やめろぉぉぉ!!!」
すると、高速で飛んでくる石ころがタガーナイフを持っている手に当たりナイフを落とした
「いってぇ!誰だぁ!」
「あん?」
「お前ら!恥ずかしくないのかよ!数に頼って、しかも武器など取り出して、仮にもギルドなんだろ、コーラルドウォリアーズの名が泣くぜ」
「なんだお前は」
「うわぁ!ローブだぁ!よく来たな武道家のチェンバースの弟子!ヒロインのキハラが寂しがってたぞ!」
「誰がチャンバースさんの弟子だ!伝説の武道家に失礼だぞ!」
「よく聞け!コーラルドウォリアーズのゴキブリども!コイツは伝説の武道家!チャンバースの弟子だぁ!テメェ如きに勝てる筈がない!」
「伝説の?武道家の弟子?」
「武道を極めし戦士の前ではどんな敵も勝てるわけない!ね!ローブちゃん!」
「えぇ...え」
「ちっ!舐めやがって」
「あれでも武道家なのかよ」
「やっぱ上原を助けるんじゃなかった」
「さぁどうぞ!ローブさん!」
上原はローブの背中を押して再び戦闘が始まった、押されたローブは先手殴られた
「クズどもが!刃物なんか握ってんじゃねぇ!」
三人は多勢に無勢で息が乱れるぐらい疲れた
「言っただろ!逆らう者は容赦しないと、どんな手を使っても勝てばいいと、人を殺めてもな!」
ゲルニックはニヤニヤしながら息が乱れる三人組を追い詰める
「そうだな...どんな手を使っても勝てばいい、俺もその言葉は賛成だ!」
「何?」
「これなぁぁぁんだ?」
「それは?魔導書!」
「勝負は勝ちゃいいんだろ?俺もその言葉は共感するぜ」
「汚ねぇぞ!」
「おお!こういう時には頼りになる」
「お前ら、この魔導書を詠唱すると敵に向かって流星群が落ちて来る、その瞬間に蹴りをつけるんだ、行くぞ!」
「おう!」
魔導書が光り輝いた、そして、上空から光る隕石が落ち来てた、それはギルド運営の人達が大騒ぎなって慌てる、町中の人々も大騒ぎになって逃げている
「一体、何事だぁ!」
「誰かが街中で魔法を詠唱したんだ!」
「バカが!例の問題児か!」
ギルド運営は早急に人々を集めて現場に向かった、上原が持っている魔導書は光る紋章が消えて効果が無くなった、そして煙の中ではキハラとローブが戦っている、徹底的に相手の持っている武器を取り上げてはどこかに投げ飛ばす
「比較的に大きい奴...アイツか!オラァ!死ねぇ!タコ!」
「オラオラァ!コーラルドの雑魚ども!どうした!?武器を握って弱いじゃないか!情けねぇな!」
煙が消えるとここにいる全てのコーラルドウォリアーズのメンバーは全員が地面に倒れている
「へ!結局コーラルドウォリアーズのリーダーも俺の手にかかれば大した事ないな」
「おうそうだな」
「調子に乗ってんじゃねぇ!」
「えぇ!?」
「はぁ!?」
ゲルニックは流星群が落ちる前に安全な場所に避難して身を潜めていたのだ
「こんな魔法で俺を倒せると思っていたのか、お前ら完全にコーラルドウォリアーズを舐め腐ってるな、処刑だじゃぁ許さねぇな」
「あっらぁ!」
「ちょと待てよ?じゃぁコイツは?」
「なん...で...こう.なるの...」
「あっらぁ!ローブ、てめぇ!よくも大親友のローブをやったな!」
「上原、それは無理があるぞ」
「あらそう」
ゲルニックが眉間にシワを寄せて言う
「ガタガタ言わずに二人でかかってこいや」
「何!?お前如き俺一人で十分なんだよ!」
「まてよ!上原!今回は俺に譲れ!」
「いやだ!俺がやる」
「ダメだ!マイヤーの時譲っただろ!」
「あぁ!おっきな金塊!」
「えぇ!」
上原は睡眠ガスが詰まって瓶を取り出し割ってキハラに吸わせて
「上原!てめぇ!」
キハラは眠ってそのまま倒れた
「というわけで、俺が相手だ」
「この俺と正々堂々と勝負するだと?」
「俺は世界最強の冒険者だぜ?」
「でかい口言ってんじゃねぇ!」
「上等だ!」
お互いの拳が両者の頬を貫く
(こいつ!?できる!)
(さすがコーラルドのリーダーだぜ、ブロッサムのリーダーとは比べものにならない)
上原とゲルニックは睨み合う、すると
「話してよ!」
「いやぁ!」
「田辺!l
「リーナ!」
そこにはマイヤーと連れに拘束された田辺とリーナがいた
「相変わらず汚い奴だぜ」
「どうだ?ゲルニック、この女を拘束すれば殴りたい放題だぜ」
「余計な手を出すなマイヤー」
「おいおい、それはないだろ?俺がせっかく捕まえたのに」
マイヤーは一瞬、気が緩んだ、その隙を突いて服を掴み背負い投げでマイヤーを地面に投げ付ける、そしてマイヤーの連れに向かって跳び膝蹴りをお見舞いしてリーナを救った
「汚い手で触らないで」
「ありゃぁ」
すると、サイレンのような音がした
「やっば!運営ギルドのサイレンだ」
「逃げろ!」
上原、キハラ、ゲルニックは逃げ出した
「うわぁ...誰がこんな悲惨な事を」
「コイツ...完全に伸びてやがる」

真夜中のコーラルドエリア、河川敷で一人、綺麗な虫の音を聞きながら夜空を見つめながら歩くゲルニック
「飛んだ邪魔が入ったぜ」
せっかく持って行った大剣が無駄になった、この大剣は先代が受けついた大剣だ、だが最近思うようになった、何故、俺たちはどうして意地を張っているんだ、誰のために戦っているんだ、コーラルドウォリアーズの人達はどうしようもない連中の集りだ、学もなければ精神もない、そんな冒険者だからウォリアーやファイターという職業だ、賢者とか魔法使いとか僧侶とか武道家とか、本当は嫌いなわけではない、なれないからこそ憎むしかなかった、そう考えていると、目の前に人影が現れた
「よう、ゲルニック」
「ちょうどいい、探す手間が省けたぜ!」
いきなり上原はゲルニックに向かって剣を投げ捨てた
「どういう事だ?」
「腐ってもウォリアーなんだろ?取れや、剣士として俺と正々堂々しろや」
「舐めてんのか!俺はコーラルドウォリアーズのゲルニック・スノーデンだ!」
「俺は地上最強の冒険者!上原健二様だぁ!」
「でけぇ!口叩くんじゃねぇ!」
二人はお互い剣で斬り合う、純粋な殺意から繰り出される斬撃はお互いの皮膚を抉り血飛沫をあげる、そしてゲルニックは一瞬の疲れで動きが鈍り、上原の斬撃がゲルニックの手の甲を斬る、そして大量の出血で剣を落とし戦え無くなった
「はぁはぁ!どうした!もうお終いか!かかってこい」
「ふん!命まで取るわわけないだろ」
「なんだと!ビビっているのか!このゲルニック・スノーデンを!」
「そんな気合いがあれば戦士として立派だぜ」
「何!?」
「お前はひねくれすぎだ!戦士なら正々堂々としていればいい、ただされだけだ!」
「偉そうに講釈たれんな!」
「じゃぁな、戦士くん」
「おい!待て!逃げるのか!」
上原はどこかに行った、そして背後からキハラが現れた
「次はテメェか!いいぜ!かかってこい!どうした?!その剣で殺してみろ!」
「そんな手で剣を握れるわけないだろ、気合いだけは認めてやるよ」
「どいつもこいつも舐めやがって!俺はコーラルドウォリアーズのゲルニック・スノーデンだぞ!ふざけんな!」
「そんな傷で俺と戦える訳ないだろ、その手が治ったらいつまでも相手をしてやる、もちろん、命のやり取りはなしでな」
「お前ら!俺はお前らを殺そうとしたんだぞ!許すというのか!」
「許した訳じゃないよ、別にお前を殺す理由がないだけだ」
「俺にはあんだよ!お前らを殺す理由が!」
「そんな事を言うから周りから疎まれるんだぜ、いい加減、くだらない自尊心は捨てな、じゃぁな」
「おい!お前もアイツのような綺麗事を言って説教でもすんのか!おい!」
キハラは去って行った、そして、ゲルニックの脳裏に昔、嫌な記憶が思いでる

ゲルニックが幼い頃
「いいか?ゲルニック、お前は人一倍に身体がデカいから誰かのために戦うんだ」
そう教えるのは父親であった、だが子供の頃の感性は純粋で残酷だ、身体の大きいゲルニックは同じ同級生から揶揄われたり軽い冗談やイジメに会う、それでも父は「お前は強いんだから周りの同級生が何を言っても我慢しない、綺麗事を守れない者に強者はいない」っと言って話にならなかった、ゲルニックは父の言う通りに我慢を強いられた、いつか勇者になって一流の冒険者になるのだから
「おい!ゲルニック!お前は身体がデカいだけで何もしないよな!」
そういっていじめっ子達はゲルニックの身体的な所をいじったりこずいたりして揶揄う、それでも我慢をしたゲルニック、だがあるセリフによって自体が変わる
「ゲルニックって図体だけデカくて大した事ないよな、親も木偶の坊だったりして!ギャハハ!!!」
その言葉を聞いたゲルニックは烈火の如く怒り狂った、容赦無く叩きのめし、いじめっ子達は打撲や骨折など生涯に残る後遺症を負わせてやった、ゲルニックはそこまで頭が回るような人じゃなく、ただ暴力でしか抵抗出来なかった、後日、傷害事件を起こしたゲルニックは勇者学校を退学になって両親を失望させた、父による激しい暴力で説教を喰らった
「ゲルニック!貴様!あれだけ人に暴力を振るうなって!弱者に優しくするべきって教えてじゃないか!」
「でも、あいつら俺の両親をバカにした」
「言い訳はするな!耐えられなかったお前が悪い」
「強い人は抵抗する権利はないんですか?」
「当たり前だ!強い人は殴られても笑え!それが勇者の器だ!」
ゲルニックは失望した、父の言う綺麗事は嘘だった、そして全ての名言や良い台詞に欺瞞を持つようになってグレていった、父は被害者の両親に対して土下座ばかりした、
「申し訳ございません!うちの息子が酷い暴力を振るって」
「ったく!これだから木偶の坊が、図体ばかりデカくなってキレて暴れるゴリラかよ、野蛮人か」
「はい!私たちの家族は野蛮人で暴力しか取り柄のない一族でございます、どんな罰を受ける所存です」
「うちの息子はな、精神障害を患っていたにもかかわらず必死に努力したんだぞ!ちょっとした揉め事でこんな悲惨な後遺症を残すぐらい暴力を起こすなんて、一体どんな教育を受けたんだ?それでも勇者学校に通う同級生ですか?」
ゲルニックはただただ言われるがまま黙ったまま、車椅子生活を強いれたいじめっ子の同級生は口を開いた
「世の中にはいろんな弱者がいる、僕はその弱者のために勇者なって世界を救いたかった、いろんな障がい者を救いたかったんだ、僕はこんな身体のデカい人だけには負けたくなった、悔しいよ、図体がデカい奴に負けるのが」
それを聞いたいじめっ子の親は感動した
「なんて素晴らしい精神性なんだ!やはり我が子は勇者に相応しい!そこの加害者の親もそう思うだろ?」
「はい!うちの出来損ないの息子とは大違いです!」
車椅子のいじめっ子はそれを聞いた瞬間ニヤニヤした、それを見たゲルニックは上段蹴りで車椅子のいじめっ子を蹴り飛ばした、そしてゲルニックは黙ったまま部屋を去っていった
「おい!どこへ行く!」
「うるさいですよ!てゆうか、あんた誰よ?」
実の父に向かって言うゲルニック、そして彼は家族から勘当されてコーラルドエリアのギルドに所属した、そこにはゲルニックと同じような想いをした人ばかりで案外、心地よかった、初めてのクエストでファイターとウォリアーばかりで組んだパーティで倒したサイクロプスはこれほどにない高揚感を覚えた、力こそ正義、そこに変な綺麗事や耳障りのいい言葉はない、多くのコーラルドウォリアーズのメンバーは過去に正義や綺麗事に騙された人ばかりだった、勇者の言う綺麗事はそんな彼らの嫌悪感を刺激するばかり、綺麗事なんてメリットなければただの戯言でしかない「暴力はしていけない」「人を傷つけたらいけない」そんな言葉は弱者が勝つための戦略と言い訳でしかない、親父が言っていた「強い奴は耐えるべき」という思想は質の悪い弱者に舐められる事に気がついた、力と暴力で支配すれば舐められる事はない、だが質の悪い弱者からは嫌われるだけで何も問題はない、あの傷害事件は大きくなった時でも納得いかなかった

ここはコーラルドエリアの商店街、ボーッとしていると車椅子ユーザーの人達にぶつかった
「おい!どこ見て歩いてんだよ!木偶の坊!脚が生えた健常者の癖にまともに歩けないんか!」
(なんだ?この身体障がい者、今まで助けて貰って生きてきたからこんな傲慢な態度がとれるんか)
ゲルニックが図々しい車椅子ユーザーを見てこう思った、そしてかつて理不尽な想いをさせたいじめっ子のような性格だった
「おい!聞いてんのか!木偶の坊!」
「うるさいぞ!障がい者」
「はぁ?」
ゲルニックは生意気な車椅子ユーザーを蹴飛ばした、野次馬達はそれを見てドン引きした
「やっぱ気に食わん奴は平等に制裁をな」

上原とキハラは夜中の街を歩く
「なぁにが『戦士なら正々堂々としていればいい、ただされだけだ』だ、柄に似合わん事言ってんじゃねぇよ、上原のくせによ」
「ばぁか!シメる時はシメんだよ!」
「ふん!二度とテメェと組まねよ」
「おうおう!上等じゃねぇか」
「なんだ!?やる気か?」
「いつでもこいや」
そして二人は笑い合う
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