異世界侍(A different world samurai )

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エピソード7

4話

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聖域レアルカリスで
「リエール様!翔太御一行を山岳の陸橋で川に落としました」
「ふむ、良くやった、だが私の計画が変わってしまったようね」
「残念だなロイタール、どうやら翔太がここに来る可能性は潰えたな、なあ、ワイバーン使いの部下は優秀だろう?そう思わないかい?」
「貴公には随分、優秀な部下が追従しておられるのだな、では、私は秘宝を探しに行く」
ロイタールが魔剣でゲートを作り、そこに入って行き消えた
「では、祝福の花瓶の捜索を行う、では行け!」
アルカディア信徒は聖域を荒らすように探しま回る、祝福の花瓶は伝説の骨董品、多くの一攫千金の夢に見た探検家を聖域で葬った場所、信徒が所見殺しの罠にかかり、次々と命を落とす

とある小さな村で達也とレーナは拾われベッドの上で覚ます
「うーここは?あぁぁ、頭が痛い...」
先に達也が目を覚ます
「!?翔太!?どこだ?!」
「あ!?男1人目が覚めました!」
小さな子供が誰かを呼びに行く
「あん?!」
髪が特徴的な爺さんが現れた
「アンタが拾ってくれたのか?」
「見つけたのはワシの孫じゃ、そしてワシと妻でが看病した」
「そうか、その女の分も感謝する」
「ふ~む」
「爺さん、何をずっと俺を見ている...」
「お主さん、強くなりたいと、そう顔に出ている」
「はぁ?!」
「お爺ちゃんはかつて国の英雄だったんだ!凄いんだよ!」
達也が部屋を見渡す、そこには勲章らしき物飾ってあった
「うーん、ここは?」
「あ!姉ちゃんが目を覚めた!」
「お爺さん、貴方が助けてくれたの?」
「この、ワシの孫がお主さん達を見つけてワシと妻と一緒に運んで看病した」
「ありがとうございます」
「おや、爺さん、可愛いお嬢ちゃんとお兄ちゃんが目が覚めたいみたいね」
温厚そうなお婆さんが温かい飲み物を持ってきて達也、レーナにご馳走した
「この飲み物は身体を癒す葉を調合して作ったハーブティー」
「ありがとうございます」
「どうも」
達也は猫舌でなかなか舌にハーブティーに触れられない、レーナは熱いハーブティーを啜る
「熱くないのか?」
「氷の魔術よ」
「あーそ」
お婆さんがレーナをじっと見つめる
「貴方は魔法使いでしょ」
「そうだけど、それがどうしたんですか?」
「レーナ、この夫婦只者じゃないかもしれない...」
「ええ、謎の強さを感じる、何か懐かしさを感じる...」
「あのーご夫婦さん達は何者なんですか?あの勲章は?」
達也が質問を投げかける、爺さんが勲章を手に取る
「自慢話をするが、ワシと妻はとある国家の偉大な勇者で、妻は魔法使いじゃぁ」
「懐かしいの~爺さんと若い頃はいろんな各地を回った」
「だが、ワシらが守ってきた王国は誇れるような国ではなかった、滅ぼされてよかったのか、それともあんな国でもワシらの祖国、守るべきだったのか」
「その時の受賞した勲章」
「魔剣士ジェダ、彼の憎悪に満ちた剣術は今でも忘れない...」
「おおっと、すまないね、話がずれちゃって」
「ワシだって国の英雄なんだから、兄さんがある程度強い戦士だって事が分かるのじゃ」
(ある程度強い)
達也はこの言葉に少し間に触った、達也は内心焦っていた、この先の戦いで翔太の足を引っ張りたくないと、しかも強者達は悉く自分の強さを看破しやがる、この爺さんも同じだった、レーナも同じだった、この先に待ち構える猛者を相手に出来るか、エリーゼを救えるのか不安になってきた、ゼオと離れ離れになって更に不安が加速する
「お嬢ちゃんとも兄さんと同じ不安を抱えている」
「...」
「強くなりたい?」
「そしゃぁ~強くなりたい」
「でも、そんな甘い話は無いし乗らないわ」
「面白い場所を教えよう『試練の塔』っていう場所に向かうといい」
「なんだ?その『試練の塔』って」
「強くなりたいと、そう思う戦士に応えて試練を課す塔だ」
「特にお嬢ちゃんは使命がある、だが、今の魔力では力不足だよ」
「...」
達也が立ち上がる
「じゃぁ、その試練の塔ってどこにある?時間がないんだ」
「この村の南の方に向かい、行くと小さな川がある、川沿いを向かうと遺跡はがある、そして、近づくと塔が現れるはずじゃ」
「そうか、ありがとな、レーナ、行くぞ」
「うん、ハーブティー美味しかったわ」
「うむ」
レーナはコップを机に置いてご馳走さまと礼を言い、達也は爺さんも言う通り『試練の塔』に向かう事にした
「ごめんね、エリーゼ、私、ちょっと寄り道するわ」
「翔太は俺はお前に負けない...待っていろ!」
「あっ!ちょっと!達也!待って」
達也が突然走り出す

一方、翔太とゼオは浜辺で目が覚めた
「うがぁぁぁ」
翔太が立ち上がる
「うぅぅ、ほう、刀はなんとか失くさず持った」
翔太が腕や手を確認する、刀を失くさず常に力強く納刀状態の鞘を握り締めてたから手に甲が痣だらけになっていた、翔太は素振りした、素早い斬撃に納刀、居合、問題はなかった、そしてゆっくり鞘に刀を納める
そして、ゼオが頭を抱えながら起き上がる
「う~、久しぶりに死の危機を感じたわ~、はぁ、ハァァァクション!!!」
ゼオのくしゃみに浜辺の鳥が飛び出す
「おぉ先に目を覚ましたか」
「どうやら、達也とレーナとはぐれたようだな」
「そうだな、で、どうする?どう、あいつらと合流する?」
「分からない、というかここはどこだ?」
「浜辺だ」
「見れば分かる」
「・・・」
「・・・」
「これからどうする?」
「分からん、取り敢えず、2人と合流する方法を考えよう」
「そうだな」
「しかし、腹減ったな」
「浜辺か~魚でも釣るか」
翔太は鞘から刀を抜き、ゼオは拳に気を纏う、そして浜辺で泳いでいる魚を捕まえる、翔太が木の枝をかき集める、ゼオが石を拾ってカチカチして火を起こす、魚が焼けるまで、翔太は刀を手入れする、ゼオが瞑想して集中力を上げる、数分すると魚の焼けたいい香りが2人の鼻を突く

試練の塔
達也とレーナは爺さんの言う通りに遺跡の辿り着いた、近づくと塔が現れた
「これが爺さんが言ってた塔か」
「はおぉ~」
そして、達也がその塔の入り口に入り込む、そして辺り一変が真っ暗にな、達也とレーナは突然離れ離れになった
「おい!レーナ!どこだ?!」
「何々?!」
達也が刀を抜く、するといきなり幻影が顕現した
「翔太...なのか?」
翔太の幻影が達也の前に現れた、その幻影はいきなり達也に襲い掛かった、達也が受け止める
「くぅぃ」
幻影が達也の腹に蹴りを与える
「うぉぉぉ!!!」
達也は吹き飛ばされる
「・・・」
幻影の翔太は無表情で何も言わない、ただ無口に達也を斬りつけるだけ、容赦ない幻影の翔太の剣術に達也は防戦一方だ
「くぅぅ、偽物でも強い...」
幻影の翔太が少しニヤついた、達也はそれ見過ごさなかった
「!?」
幻影の翔太が鞘で達也の足をはらう、そして空中に舞った達也を回し蹴りで吹き飛ばす幻影の翔太
「ぐぉぉ!!!」
達也は地面を転がる、刀を地面に突き刺し立ち上がる、立ち上がった瞬間に幻影の翔太がニヤつきながら達也を斬りかかる、力も剣術も幻影の翔太が上だ、強引な鍔迫り合いで達也の膝が地に着く
「雑魚が...俺は貴様の無意識な劣等感が作り出した幻」
「なんだと!?」
幻影の翔太が上から目線で喋る
「村上達也...ここで貴様の自尊心を破壊してやる...フフ」
「翔太...なんでお前はそんなに強いんだ...この世界に来るまでなんとも思わなかったけど、この世界で生きていくうちにいつの間にか差がついた...一体何がお前を強くした?!」
「体感するがいい、鬼の狂気を」
幻影の翔太の周りには邪悪なオーラが纏う、そして構える、素早い居合が達也を襲う、こみかみに浅い切り傷が出来る、なんとか躱したが、達也にとってそれが限界だった、次の斬撃で死を悟った
「そうか、俺に足りないのは狂気を身につける勇気がなかったからか...」
斬られる瞬間、達也の愛刀、『白雪』が勝手動き始めて幻影の翔太の斬撃を防いでいたのだ
「!?」
「何が起こった!?」
一瞬にして辺り一変がダイヤモンドダストに包まれた、いつの間にか愛刀である白雪を手放してる、達也は今、素手でいる
「一体...何が起ころうとしている...!?」
達也は何か懐かしい気配を感じたい
「ここは?北海道?俺の故郷?随分懐かしい幻影を見せるもんだなぁ」
達也は極寒の中を突き進む
「さ、寒い...」
数分、進むと何か人影が見えてきた
「誰だ?!」
人影が振り返る
「村上達也、力が欲しいのか...」
「だから、お前は誰だ!?」
豪雪の怪しい人影が達也に語り告げる
「私の名は白雪」
「白雪!?俺の刀、なのか?」
「そうだ、そなたの持っている刀の本来の姿、村上達也よ、そなたは強くなりたいか?あの鬼の戦士のように」
「甘い話はない!」
「そなたは鬼になる事は出来ないが、氷のように冷たい戦士になる事が出来る」
「氷の戦士?氷のように冷酷な戦士になれって事か?」
「そなたは理解が早くて助かる」
(氷の様な冷酷さ)
極寒の冷たさが達也を襲う

達也は冷酷な寒さを身に纏う、そして、目の瞳が水色に変化した
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