異世界侍(A different world samurai )

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エピソード9

18話

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翔太とゼオは暗い穴を抜けると、神秘的な建物にたどり着いた
「ここは?墓?祠?」
翔太とゼオは神秘的な背景に驚いた
「ここに私の父が残した、最高傑作なTシャツがあるわ」
「今思ったけど、何故?Tシャツなのだ?」
翔太が突っ込んだ
「包丁と同じだよ」
「包丁?」
「父は人のために、生活のために快適に暮らせる道具を作りたかった、それがたまたま、質の良い繊維を作る技術を持っていた、戦争で儲けてる商人がたくさん父の所にやってきたわ、それで父と弟子は勿論、断っていた、それがこの悲劇だわ、もし承諾していたら私達、親子は極悪人ね、伝説の武具屋としてね」
娘の幽霊は泣いてるのか皮肉で笑っているのかよくわからない
「武器は人は人を殺さない、殺すのはいつだって悪い人間だよ」
「悲しいかな、人は欲求のためならどんな事もする」
翔太とゼオは心の中で同情した、神秘的な祠にはたくさんの墓がある、娘の幽霊は2人を父の墓の元に案内する
「ここに来て」
そう言われて、父の墓の前に2人は立つ、すると、たくさんの幽霊が現れた、思わず2人は驚きを隠せなかった
「タチサレ...タチサレェェェェェェ!!!」
そして、複数の幽霊は呪詛を唱えるように拒絶するように警告する
「まってぇぇぇぇぇ!!!」
そして、娘の幽霊の大きな声で襲いかかる幽霊達を止める
「彼等は私達の村の呪縛を解き放つ救世主だよ」
(救世主?ああ、そういう事にするか)
翔太は空気に流れるように身を任せる、娘の幽霊は村人達の幽霊に事情を話した、すると村人の幽霊達が次々と消えていった、娘の幽霊は父の墓を2人に掘らせようと説明する
「おい!見ず知らずの他人が墓を荒らしていいのかよ!」
翔太とゼオは戸惑う
「いいわ、この村人達の憎悪を止めるには妥協の判断よ、どうか父を憎悪から解放してください
掘ってみると、土まみれのボロボロの箱が出てきた
「これは...」
「開けてみよう」
翔太は慎重に開けてみる、そしたらなんの変哲のない薄い服が出てきた
「おいおい、これが職人が斬れない服なのか?」
2人は半信半疑になった
「疑いがあるならば、箱と一緒に入ってたハンカチを切ってみてはどうですか?」
娘の幽霊は翔太に試すように促した、翔太は鞘から刀を抜き、変哲のないハンカチを試し切りする
(一体、これが何処が凄いハンカチなんだ)
「全力で切ってくださいね」
「随分と自信があるじゃないか」
翔太が持っている刀、妖刀、鬼丸王牙は剣の中では最高峰の切れ味だと思っている、全力で斬れと言われても試し斬りでハンカチを斬ってみる
「!?」
翔太の袈裟斬りはハンカチを切ることは出来なかった
「次こそ斬って見せる」
ゼオは空中にハンカチを投げる、翔太は鞘に刀を納め、狙いを定めて得意の居合で斬る、眩い銀線がハンカチに横切る、だが、その斬撃はハンカチを切れる事はなかった
「俺の斬撃で切れないだと!?」
翔太とゼオは、そのハンカチの耐久性に驚いた、ゼオはそのハンカチを拾い、引っ張ったり千切ろうとしたり色々試すがびくともしない
「凄いじゃないか、これは確かに武器商人が目をつける訳だ」
「天才はビジネスに役立って天才、それ以外は害悪、って言ってた商売人の言葉を思い出した」
「才能ある者は卑しい者の集団に目をつけられる、悲しいな」
「このハンカチ、ついでに貰っていいか?」
「どうぞ(それは私が作った最高傑作のハンカチ、父よ、どうか目を覚ましてください」
空は相変わらず不気味に薄気味悪い、2人は箱からTシャツを取り出し着替えた
「凄く...着心地がいい...」
「涼しさと温かさが混じり合って気持ちいい」
「どうですか?私の父の服は?」
娘の幽霊は感想を聞いてみる
「ああ、さすが伝説の職人だけではある」
「しかし、どうやって、あの村の怨霊を倒す?」
「んー」
2人は悩む
「行くしかない、バケツを落とした場所は覚えている、行くか」
「ああ」
(父さん、どうか私のハンカチで理性を取り戻してください)
娘の霊は静かに消えていった、そして落としたバケツを取り戻しに行くために再び集落に戻る
「あそこだ」
2人は同時にスタートダッシュをして走る、最初にバケツを手にいれたのは翔太だった、手に触れた瞬間、あの娘の霊の父の怨霊が姿を現した
(現れたか)
そして、娘の霊も姿を現した、父の怨霊は娘の霊を見ると少しの時間、硬直した、翔太はその隙にバケツを村の外に投げ飛ばす、そのバケツは特徴的な樹木の枝に引っかかった、バケツを投げ飛ばした時にポケットから貰ったハンカチが落ちた、怨霊なる父はそのハンカチを見た瞬間、動きが止まった、その時、娘の幽霊が目の前に現れた、父が動揺して不自然な動きをしている、翔太とゼオは振り返り足を止める、父の霊が落ちたハンカチを浮遊させて拾い、涙を流す、父の脳裏にある記憶が蘇った、それは娘が父の職人の腕を見て自分も服を作ろうとした時だ、それで努力の末で完成したしたのが、そのハンカチだ、父はハンカチで目を拭いた
「幽霊なのに...?拭けるのか...」
すると、父から憎悪が消えた、あのハンカチが涙ごと憎悪を拭き取ったのか、そして消え去った
「なあ、俺たちはいらなかったんじゃぁ?」
ゼオがそう言うと
「父は何故か、私の前に現れてくれませんでした、理由は分かりませんが、貴方達がここにきた事で父を憎悪から救いたかった」
「多分、我々を侵略者だと勘違いしたんだろう、また奪われると思い」
「そうね」
(しかし、呆気なく終わったな、まあその方がいい)
そして、霊は消えた、2人はこれで安心して村を捜索出来る、2人は枝に引っかかったバケツを取り、水を汲みにいった、ゼオはもうあの村に怨霊は出ないであろうと思い、建物や家の中にある物を物色した
「さすが、布職人の布団や毛布、何年たっても素晴らしい」
ゼオは埃だらけのタンスから布団や毛布、服、コップや皿など拝借した、翔太は湧き出る天然水を汲み取り、樹洞で隠している達也とレーナの元へ持っていく、樹洞の中で達也とレーナは寝ている、翔太は置き手紙を書き、患者2人に任せる事にした

孤島のとある神殿
「リエール様、ワイバーンとベヒーモスの幹部は倒されました」
「ふーん、彼をここに誘き寄せなさい」
「承知しました」
「ロイタールめ、私にこんな依頼を頼むんて、いいわ、愛する娘の体を手に入れたし、ふふふははははぁぁぁ!!!」
何故か、笑うリエール

そして、翔太とゼオの前にアルカディア信徒が現れる
「貴様は!?」
「やあ、よくぞここまで来ましたね」
翔太は居合の構えをして、ゼオも腕を上げて構える
「少し落ち着いてください、私は戦いに来た訳ではありません」
「はぁ?」
突然の言い草に驚きは隠せない、2人は更に警戒をする
「でしょうね、やはり警戒は解きませんか、では」
アルカディア信徒はポーチから何かを取り出した
「何をしようとしている」
「滅相もない、言ったでしょ、戦いに来たわけでない」
それを投げ出し、何処か飛び去った、そしたらいきなりホログラムのような地図が展開された
「ふん、つまりここのマーカーに来いって訳か、いいだろう」
翔太とゼオは決戦に向けて気合いを入れた、そして樹海を最奥に進み、すると巨大な穴の中に大きな館がある
「ここか」
「随分、豪華な館だな」
門番の前には、アルカディア信徒が見張っている
「どうぞ、招かれざるお客様」
門番を超えた後は大きな広場についた、2人は上から何かやってくる気配を感じた
「上!?」
なんと、上からモンスターが現れた、それは
「こいつ!軍用に調整されたドラゴンだな」
「まじか、招待しておいて、ふん、余興にしてはいいじゃないか」
2人は更なる闘気を上げた、そして、同時に軍用ドラゴンに突撃した
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