異世界侍(A different world samurai )

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エピソード9

23話

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ウィーズリーを先頭に走り出す5人
「待ってろ、翔太、今すぐ駆けつける」
達也が特に心配していた、そしてゼオの前にリエールが立ち塞がる
「き...貴様が原因か」
ゼオが力を振り絞って正拳突きを繰り出すが、リエールの右手のヒラで軽々と受け止める
「そんな下品な技が妾に通じるとでも?」
そして、膨大な魔力でゼオを捩じ伏せ地に寝かせる、禍々しいビームは容赦なく翔太を襲う、ゼオはただ見ているだけにすぎない、翔太の身体から邪悪に満ちた何かが摘出されている
「何...あれ...」
そして謎の男が現れる
「リエール、よくやった、この男から採れる鬼の魔力を摘出する」
「鬼の魔力は何ですの?ロイタール」
「貴公が知るような事ではないが、まあ少しだけ教えてやろうか、鬼の魔力は理不尽と不幸の中で生きてきた者でしか生まれない特別な力の事だ、努力して身につける事は出来ない魔力だ」
禍々しいビームは翔太から力を搾り取る、翔太の頭の上に禍々しい結晶化が作られる
「これよ!この特殊な生き様でしか宿らない力」
そして、翔太を襲うビームを止み、そのまま倒れ込み気絶した、ゼオは微かな目で見ていた、ロイタールはその手に鬼の結晶化を取ろうとした瞬間、どこからかやって来た真空波がロイタールを襲う
「この技...貴様か...」
「よお...」
「ジェ...ダ...」
ゼオが小さな声で呟く
「ロイタール、その結晶も、そして両国から奪い取った石、神殿を荒らして奪った石、渡して貰おうか」
「やはり、貴様とあの忌々しい賢者だけが私の野望を見抜いていたか...」
「御託はいい、貴様から奪い取るだけだ」
リエールがニヤニヤしながらジェダとロイタールから距離を取る
「ふふふ、なんだが面白そうな展開になったわね」
ジェダが先手の真空波を飛ばす、ロイタールは軽々と首を横に振って躱す、そして反撃に人差し指から魔力を込めた光線を出す、ジェダは刀を鞘に納めたまま左手で回しながら弾き返す、そして素早く急接近して翔太に似た居合を繰り出す、ロイタールは軽々と頭を上に上げて最小限の動きで避ける
「簡単に見切れる、ふざけているのか?舐めているのか?遊んでいるのか?」
「貴様如き、ふざけて舐め腐って遊んでいる程度で十分かと思っていたが、面白い」
ロイタールの背後から幾つの紋章が浮かび上がる、そして物凄い数の魔弾がジェダに襲いかかる、ジェダは瞬間移動するようにステップして躱す
「ふざけているのか?ちゃんと当てろよ、節穴野郎」
そして、一瞬でロイタールの間合いに入り、既に抜刀術の構えに入る、ジェダの渾身の居合がロイタールの髪を微かに切る
「ちっ!」
「ふん!」
そしてジェダの高速剣技が容赦無くロイタールを切ろうと乱舞する、だがロイタールの邪眼はジェダの斬撃を容易く見抜く
(あの目の紋章で俺の太刀筋を完全に見切っているのか)
ロイタールは瞬間移動で距離を取り、禍々しい魔弾をジェダに向けて放つ、ジェダも神速のステップであの魔弾の嵐を掻い潜り、居合の態勢を構えながら再び急接近する、ロイタールの瞳に紋章が浮かび上がる、そしてジェダの神速の居合斬り、だが、空を斬る、見透かされたまま攻撃すると簡単に避けられてしまう
(あの目が光っている限り、俺の攻撃があたらん)
ジェダはどうやってあの眼を潰してやろうか考えながら動いている、ロイタールは腕に魔力で再生した魔剣で斬りかかる、そして2人は激しい斬り合いになった、太刀筋や剣術はジェダの方が上だが、ロイタールの要領の良さも相待って驚異的な対応術で全ての斬撃を避ける、ジェダは口の中に仕込んであった唾をロイタールの眼に向けて飛ばす、ロイタールはその下品な攻撃に苛立ちをし、その一瞬の隙をついて目に刺突をするジェダ、ロイタールの邪眼は壊れて消えた
「なかなかやるじゃないか」
「小細工なんか俺に通じない」
そして、ジェダは魔剣を飛ばして追撃を行う、そして魔弾で迎撃するロイタール、魔力のぶつかりによって凄い爆発がする、煙の中からジェダの刺突が繰り出される、しかし、左手で剣先を握りしめて受け止められてしまう
(手から血が流れない...魔力で覆ているのか)
ジェダは瞬時に左手に魔剣を作り、神速の横払い、だが瞬間移動で避けられてしまう、そこでウィーズリー達がやって来た
「ちっ!ここまで」
ジェダは素早く戦闘から離脱してどこか去って行った、ロイタールもその隙を見て消えた
「ジェダ、察しのいい奴め」
ウィーズリーは微かにジェダの姿を捉えた
「翔太!」
達也が駆け寄り体を起こす
「意識を失っている...」
「あれは?ゼオ?」
ゼオは辛うじて意識を保っている、キャロルとキーリシアンに肩を貸して貰って起き上がる、達也は翔太をおんぶして持ち上げる、そしてウィーズリーは2人を安全な場所に運ぶ、安全な場所に2人を運び地に下ろすと、霊薬をポーチから取り出し、翔太とゼオに飲ませる、そしてそのまま2人を横にして安静に寝かせる
「あれ?レーナは?」
キャロルが気づく

リエールの館は静かになった、そして館のベランダで優雅に眺めているリエールはどこかに去ろうとした瞬間、どこから氷の弾丸が降り注いできた、リエールはそれを魔法陣を貼ってガードした
「誰じゃ...」
「やっと追いついたわ、貴方を倒して全て終わらせるわ」
レーナが本気の目でリエールを凝視する
「よいじゃろう、暇つぶしに妾が相手をしてやろう、さあ、新たに生まれ変わった妾の力を思い知るといいわ」
レーナは全力を出し一気に詰めようと氷の刃で接近戦に持ち込む、リエールは厚い魔法陣を貼って氷の刃を通さない、そしてリエールは分身を作り出し、四方八方から魔弾を繰り広げレーナに反撃の隙を与えない、だが氷の壁を貼って弾幕を凌ぎ防ぐ
「やっぱり強い...めんどくさい技ばかり」
レーナが激しい攻撃を凌いでると、本物のリエールは巨大な魔力の球を片手で再生して投げ飛ばす、レーナは超反応でその巨大な魔力玉を躱す、魔力玉は地面に直撃して物凄い爆発がする
「あ...危ないわね」
広場は巨大な穴が出来た、その爆発音を聞いてキャロルは再びリエールの館に戻る
「レーナ...一体...誰と戦っている…」
キャロルの前に武具を纏い、剣や斧を持った骸骨人間が立ち塞がる
「スケルトンウォーリアー、ソーサラー、アーチャー、そしてスケルトンロード」
キャロルはウォーリアー、ソーサラー、アーチャーは一体ずつ瞬殺しながら動き回る
(一体一体は大した戦闘能力はない、問題はスケルトンロード)
だが、大したスケルトンは再び蘇る、これでは埒が開かないと思い、どこか深い穴があるか逃げ回りながら探した、そして後ろから後をスケルトン達が追いかけてくる、その列の後ろにはスケルトンロードが威風堂々と跡をつける
「あれは?」
キャロルが大きなオンボロの吊り橋を見つける、そして一気にスケルトン達を奈落の底に落とそうと画策をする、今にちぎれそうな吊り橋、1人なら何とか渡れそうだが、2人以上だと確実に糸が切れてしまう、キャロルは切れて落ちる前にオンボロの吊り橋を渡り、するとスケルトン達が一気にオンボロの吊り橋を渡りきろうとする、吊り橋が中盤辺りに差し掛かると、案の定重さに耐えられなくなってスケルトン達は一気に奈落の底に落ちていく、そして別の場所からリエールの館に戻ろうとした時、奈落から巨大な骸骨が現れた、スケルトン達が一つ群がって大きな身体を作ったのだ
「なん...だと!?」
巨大な骸骨は大きな手でキャロルを掴み掛かろうと振って来た
「捕まるかよぉ!」
キャロルはアクバティックな動きで巨大骸骨の掴み攻撃を避ける、そして反対の手で叩き潰そうしてくる、それを何とか回避して奈落の崖の橋を走りながら様子を見る、そしてキャロルはポーチから爆弾を取り出し煙幕を貼った、そして一時的に戦闘から離脱する、キャロルは巨大な樹木の枝に腰を下ろし、望遠鏡で覗き、あの巨大骸骨の弱点を覗いて観察してた
「ん?あの背中のコア...あれが弱点か?」
キャロルは矢を構えて精度良く射抜きコアの部分に当てる、すると大きく怯んで驚く、そして、巨大骸骨は飛んできた矢からキャロルの場所を把握して、超巨大な骨の手を再生して、思い切り叩き潰そうと振り下ろす、キャロルは避け切れず潰される
「ぐぉぉ!!!」
大木を切り飛ばし、身体を起き上がらせる、服装が枝によって所々裂けて破けている、内出血で身体中が痛い
「いてぇな...」
そう呟きながら、ポーチから霊薬を取り出して身体を治癒させる、そしてお互い真顔で睨み合うのであった
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