異世界侍(A different world samurai )

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エピソード9

25話

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リエールの館で親友のエリーゼの心を救うために、いろんな人と出会い別れ、面白い経験をしていろんな場所を訪れ、あの花瓶を手に入れるために、娘に勝手に依頼を押し付けられて、そして今、リエールの冒険譚が終わろうとしている、レーナは冷気の暴風でリエールの分身を凍らせるとそのまま杖で砕き、本物のリエールに向かって氷の刃を斬りつけようと接近する、リエールも魔剣を作り出し接近戦に迎え撃つ
「あなたは娘を愛しているんじゃ」
「妾は娘の潜在能力を愛していただけじゃ、肉体だけが手に入ればそれでよかったのじゃ」
「そんな...」
怒りがだんだんと込み上げてきた、そしてレーナの背中からリエールの娘の霊が現れた、リエールの娘の霊は物凄い形相で母であるリエールを睨む

昔、リエールは有名な魔術師であった、最高峰の魔術師として誰も彼女の才能には敵わなかった、そして運命の勇者と結ばれて娘を授かった、娘は母譲りの魔術と父譲りの身体能力を持って産まれたハイブリット、その卓越した能力は15歳で父と母を超えていた、父はその才能に祝福した、母はその才能に嫉妬した、リエールはあの力を自分の物にしたいと企む、今夜は娘の晩餐だ、魔術学校でトップの成績を取り、父が祝いをしようと色々と支度をする、母は晩餐の食べ物の中に毒を仕込んで娘を毒殺しようと企む
「フフフ...これで娘を殺めて、私の作った結界で娘を保存して、身体を乗っ取る」
食卓の上には豪華な料理が並んでいる、あれは娘が大好きな特製のシチューがある、父が毒味をして母の作ったシチューを確かめる、すると舌が違和感を感じた
「なんだ?この違和感...」
不審に思った父はシチューからサンプルを取り出して検査する、すると猛毒の成分が含んであった
「この毒...まさか!」
父はこの毒の魔術を使う者に心当たりがあった、急いで母の部屋のドアを開ける
「あらぁ、騒がしい事ね、早く娘の晩餐をやりたいのかしら」
「どういう事だ?何故娘を...」
「あらぁ、私の計画を見抜いたの?」
リエールの顔は魔女のように恐ろしい形相になっていた、シワは更に深みを増して、ドス黒いオーラを放つ
「そうよ、貴方の憶測通りだよ、知ってる?私は過去、最強の魔術師だったわ、それで貴方は私の遺伝子に惚れた」
「遺伝子に惚れるってどう意味だよ」
「私は私の魔術師としてのプライドがある、誰であろう私以上の才能を持った逸材は許せないだけよ」
「なんて!女だぁ!娘を殺すなら最初から娘を」
娘は何事かと思い、影から両親の喧嘩を見ていた、娘はその言葉を聞いて深く傷ついた、その場から去ろうとした瞬間、足音を鳴らして両親にバレた
「どこに行くのかしら、私の愛しい娘よ」
「逃げろ!」
「いいわ、いつでも捕まえれるもの」
「貴様...娘を一体、どうするつもりだ...」
リエールは包み隠さず話した
「貴方も分かるでしょ、私の貴方の間に産まれた娘の能力を、娘は私の全盛期以上の力を持つ、だから娘を殺して身体を乗っ取る事にした」
「何を言ってるんだ...コイツ...」
そして、大きな豪邸の中で盛大な夫婦喧嘩が始まる、リエールは得意の魔弾を放出して先手を取る、父は素早く躱して自分の部屋に戻って、若かりし頃、その手に握って使っていた宝剣を取り出す、父は過去に国家に仕えた勇者、とある出来事で魔女であるリエールと結ばれた、リエールの魔弾が引火して豪邸が火で赤く染まる、お互いに武器を構えながらジリジリと睨み会う夫婦、そして最初に踏み出し始めたのが父であった、リエールは杖で受け止める
「衰えているのぉ」
「ぬう!?」
父は簡単に吹き飛ばされた、その時に思い切り頭を打って額から血を流す、リエールはトドメを刺そうする顔に父は特に印象的だった、共に困難を乗り越え、愛し合い、そんな父と娘を手にかけようとする、信じられなかった、信じたくなった
「せめて苦しまないように楽にしてやろう」
父は涙を流しながらリエールの手によって殺された、娘は暑さに耐えられず豪邸から離れた、無我夢中に助けを求め逃げていると、足元にある石ころにつまづいて膝を打った
「いったぁぁ...」
膝から血が滲み出る、そしてリエールが娘に追いついてきた
「さぁ苦しくはない、楽になろう」
「やめて!こっちに来ないで!」
娘はただ絶叫をあげることしかできなかった、リエールは特別な魔術で作った結界を再生して、次に魔術の鞭で娘を拘束する、物凄い絶叫で拒む娘、誰も助けに来てくれない、そして娘を特別な魔術で作った結界の中に閉じ込めて変な霧で充満させる、娘は咳をしながら結界を叩く、数分すると娘は動かなくなった、そしてその遺体は綺麗な形を保ちながら保存する

レーナは戦闘中にこんな背景見せられた
「なんなの?このバックストーリー...」
リエールはレーナの背後にいる霊に気づいた
「あんた...とんでもない悪党なんだね...」
レーナは怒りと同時に何処か哀れみを感じた
(貴様...忌々しい我が娘...)
リエールはレーナはの背後に映る娘の霊に向けて、超強力な魔法のビームを放つ、レーナは氷の壁を張ってガードするが耐えられない
「なんて...魔力なの!こんな攻撃、耐えられないわ!」
今にも崩れそうな氷の壁、だがレーナの背後に現れたリエールの娘の霊がレーナに魔力を与える
「何!この魔力!初めて感じる...まあいいわ、先にあの悪女を倒すことが大事よ」
レーナは細かい事は気にせず、リエールの娘の霊から分け与えられた魔力で、母、リエールに迎え討つ、レーナ自身はこの力は何なのか理解してない、だが、誰かが推しているという感覚だけ分かる、超強力なビームを耐えたのだ
「なんじゃと!妾の渾身の攻撃を耐え凌いだというのか!」
悔しかった、この魔術はどんな相手も葬ってきたから、絶対的な自信があったから、幾ら娘の霊がレーナに力を与えたからといって防がれる訳がないと思っていた、プライドが傷つき、怒りによって更に魔力を増幅させる
(任せて、私が更に魔力を増幅させるから)
レーナの魔力も増幅させる、巨大な氷の氷柱の雨をリエールの頭上に降り注がせる、まるで彗星のような輝き放ち、リエールを襲う、驚異的な身体能力で降り注ぐ氷柱を躱す
(なんて精度なの!さすが私の自慢の娘、腹が立つわ)
「この力...凄い!これで倒しきる」
レーナは更に魔力を増幅させる、そして氷の弾丸を的確な精度で発射する、リエールは避ける事で必死になっていた、レーナはそれを無抜き、死角から氷の刃を腕に纏って切り付ける、その氷の刃はリエールの頬を切り裂いた、超反応で躱して見せるが微かに頬に切り傷を入れる
「私の自慢の顔に!なんて事を!」
「あんたの顔じゃないでしょ」
と、冷静なツッコミを入れる、リエールとレーナは弾幕を張り合う、レーナの背後からリエールが死角から攻撃を仕掛ける、素早く振り向いて回し蹴りで迎撃する、しかしそれはリエールがいつのまにか生み出した分身だった
「そんな!」
大きく脚を空振り隙をつくる、そして思い切り杖でレーナの顔をぶん殴る、だが殴られる瞬間、娘の霊がレーナの顔に当たる前にプロテクターを貼って守っていたのだ
「小賢しい!」
レーナは吹き飛ばされたが痛みは感じなかった
(何!?なんで痛くないの?)
一瞬、不思議に思った、レーナは余裕で身体を回転させて態勢を整える、そしてリエールが杖の先端に魔術で再生した魔法剣で接近戦を持ち込む、レーナも瞬時に氷の刃を作って鍔迫り合いに持って行く
「貴様ぁ...妾に対する嫌味かぁぁぁぁ!!!」
レーナの背後から娘の霊が微笑む、母リエールは煽られていると思い、逆鱗を起こした、リエールは魔術で作った巨大なハンマーをレーナを叩き潰そうと振り下ろす、だが、レーナは避けなかった、思い切り氷の刃で魔術のハンマーを切り裂き砕いた、リエールは素早く距離を取り、右手に全力の魔力を込めて再び超強力なビームを放つ、レーナは氷の壁を片手で張って防いだ
(こやつ!こんなにも魔力を増幅させるのか!認めぬぞ!私より優れた魔術師など!)
レーナは氷の弾丸で硬直後のリエールに向けて無尽蔵に発射する
「これで終わりよ!」
リエール身体は氷の弾丸によって削られていく、そして断末魔をあげながら倒れた、もうリエールの身体はボロボロで立ち上がることが出来ない
「私の自尊心が...私の肉体が...最高峰の魔力が失われていく...」
「哀れなものね...」
レーナと娘の霊はヒトデのように血を流しながら寝ているリエールを下に見る、特に娘の霊は軽蔑した眼差しで見る、それは母リエールが過去に経験した辛い屈辱感だった、自分より才能を持った魔術師に見下され傷ついた過去を思い出す
「貴様もアイツのように妾を見下すのかぁぁぁぁ」
この台詞が最期言葉だった
「アイツって誰よ...」
レーナは数分、リエールの遺体見つめた
「しかし、何故...急に魔力が上がったのかしら」
役目を終えたレーナの背後にいた娘の霊は静かに消えていった、背後からキャロルの声がしてきた
「レイナァァァ!!!」
息を切らしながら走るキャロルがレーナの元へ駆け寄った
「キャロル、全て片付けたわ」
「そうか...」

そして、6人はエスタン王国に帰国するのであっ
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