異世界侍(A different world samurai )

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エピソード10

5話

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神殿の最上階の広場で必死に奮闘している達也、もう立ち上がっているのは彼しかいなかった、ゼオは腕を負傷していてもう立ち上がる事は出来ずただただみていることしか出来なかった、シノブもリーも出血しすぎてもう戦う事が出来ない、エリーゼは途中で剣を失い戦うことが出来ずただ座っているだけだった、レーナも魔力が枯渇してもう氷の魔術を使う事が出来ない、もう誰も消費アイテムもなく、ただ達也の戦闘見守るだけだった
「いい加減、楽になるがいい」
「ここで俺が倒れたら世界が、翔太の仇を討つ」
達也が気合いと根性で無理矢理にでも身体を動かしなんとか震える身体を我慢していた、圧倒的な力の前に無意識に恐怖を感じる
「矮小な剣士よ恥じることない、絶対的支配者の前では仕方がないことなのだ」
「ふざけるな誰もお前なんか王と認めない!」
達也が最後の一振りをしようと斬りかかろうとする、ロイタールは右腕の衝撃波だけで達也を吹き飛ばし神殿の外へ飛ばそうした
「せめての情けだ、友と同じ場所で眠るといい」
すると翔太は吹き飛ばされた達也を優しく受け止めて
「よく持ち堪えたな、後は任せろ」
「翔..太?」
達也は安堵したようなどこかで不安そうに翔太の顔を見て気を失った、翔太は達也を安全な場所に置いてロイタールの方に視線を向ける
「貴様!その姿はなんだ?」
「貴様を殺すために目覚めた俺の姿だ」
(まさかコイツも私と同じ同族なのか?違う、そんな筈はない)
翔太は鬼のような姿でロイタールは魔王や悪魔のような姿をしている、お互いどこか親近感を感じていている
「貴様のその姿、やはり、いやそれは貴様を生きたまま捕まえれば分かる事」
「こいよ!魔王気取りの裸の王様」
翔太が上から目線で挑発する、ロイタールは激怒した
「貴様と私が同じ人間だと思うなよ!」
「それは随分と不名誉で、名誉毀損な事だな」
「なんだと?!」
ロイタールは更に激怒した、自分と近しい人間でありながら見下している人間と同じだったのに拒絶された、複雑な感情を持っていた、二人は同時に剣を取り出し鍔迫り合いから戦闘が始まった
「力はほぼ互角だと!?」
ロイタールは驚く、翔太の妖刀とロイタールの邪剣が激しく斬り合いの嵐を起こす、近づけば千切りされる、達也はその激しい斬り合いの轟音で目が覚めた、見ている者達が二人の戦闘に見惚れている、そして恐怖を感じている
「こんな戦い見たことがない」
「恐ろしく怖い...」
翔太の神速の居合がロイタールのこめかみにかすり傷を与えた
「この私が本気になって避けただと!?」
「どうした?!何がおかしい?」
翔太の真顔のセリフに腹が立つロイタール、そして反撃に魔力を帯びた手で魔力の剣を作って翔太の右肩の服を割いた
「この技、アイツを連想してイヤなんだよな」
翔太は素早く刀を鞘に収めて真空斬りの斬撃を飛ばす
「この技!?」
そしてロイタールが避けた先を読んで神速の踏み込みで奴の胸元を切り裂く
「なんだと!?」
奴は驚いた、ジェダと似たような剣技をみて一瞬の隙を突かれて斬られたのだ、大量の血飛沫が地面に垂れ落ちた
「私は選ばれし特別な種族!貴様等下等な人間共とは違う!我が一族の悲願のためにこんな奴に負けられない!」
「知らんがな、俺はよう、意味も分からぬままこの世界にやって来て流れるままに一つの王国を救うために血や汗を流して今ここに立っているけど、この世界で世話になった人たちや恩人たちが好きになったんだ、貴様なんかに世界をわたしてたまるか!」
「どうでもいい、私の脅威になるんだったら、あの時洞窟で会った時に、そして素早く排除すべきだった、早く計画を進めるべきだった」
ロイタールの悔し紛れ戯言と後悔を口にする、翔太からみればどうでもいい事、世界を汚すなら誰であろうと拒むことだ
「調子に乗るなぁぁぁ!!!」
ロイタールは翔太の胸元に魔力を帯びた発勁を繰り出す、その威力は周囲を圧倒して空間が捩れるほどだった、だが翔太は足の裏を引きながら後退して耐えた、顔は無表情でロイタールの顔を見る
「この程度か?」
「!?」
ロイタールの顔が歪む
「いいだろう!そんなに苦しみたいなら応えてやろう!光栄に思うがいい!」
奴は全魔力を解放して禍々しいオーラを放ちながら新たな姿に変貌した
「貴様がどんな姿に変貌しようが俺には勝てん」
「その発言、後悔するなよ」
そしてロイタールと翔太は鍔迫り合いから勝負を開始する、前より激しい剣撃の嵐が周囲を切り刻む、剣撃の嵐の合間に指先から魔道砲を撃つが翔太は首を右に振って紙一重で避ける、そして撃った魔道砲は跳ね返り翔太の後頭部に向かうが剣撃の嵐の合間に素早い斬撃で凌いだのだ、そして翔太は上段蹴りでロイタールの顔面を蹴り飛ばした、翔太の強靭な上段蹴りはロイタールの顔面を酷く変形させた
「醜い顔だな」
「くう!こんな筈ではぁ!こんな筈ではぁ!」
超巨大な魔道砲を撃つ、その威力は神殿の壁を貫き禍々しい赤黒い空を切り裂き神殿がぐらつく、翔太は超巨大な魔道砲を紙一重で避けて素早く胸元に斬撃を与えて、そしてロイタールの顎に前蹴りで更に追い討ちをかける、ロイタールは反撃で手に魔力の帯びた剣で翔太の腹を突き刺す
「くう!?」
だが翔太はロイタールの右腕を掴み、反撃に奴の腹を突き刺す、憎悪の目でお互いを睨み合い血を地面に撒き散らす、そして翔太はトドメにロイタール腹を横一閃の斬撃を入れた、血を盛大に撒き散らしながらロイタールは膝をついた、そして切先をロイタールの顔に向けて勝負ついた事を分からせる
「ここで貴様を殺してもいい、だが俺一人の私情でお前を殺めない、お前はここで全世界の晒し首になるだろう」
ロイタールは黙ったまま顔を下に向けている、手を縛り上げて今にも崩れそうな神殿から脱出しようとここに来た仲間達を一丸となって出ようとする、その時だった、鋭い斬撃の光波が飛んできた、翔太は素早く反応して避けた
「この技!?まさか!?」
「倒してくれてありがとうな」
謎の刀身の切先がロイタールの胸元を突き刺す
「ジェダ..ジェダロイエス!」
「悪いがそいつは俺の獲物だ」
ロイタールの心臓から禍々しい宝石を取り出し胸元のポケットにしまう

ゼオや達也、ここに来た者たちはウィーズリーの飼っている翼竜に捕まり神殿を脱出する、翔太とジェダ、そして負けたロイタールを残して
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