異世界侍(A different world samurai )

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エピソード10

4話

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翔太は大きなドアを刀でクロス斬りで切り裂き神殿の上層部の最奥部に辿り着いた、そこにはロイタールが禍々しい王座に座って待っていたような感じで待っていた
「よう阿久津翔太、久しいな」
「くだらない挨拶だな」
刀を前に出して冷徹な目で威圧する翔太
「それでは最後のウォーミングアップを始めようか」
「フン!ウォーミングアップで終わらせてやる」
翔太は刀を両腕に持って斬りかかる、ロイタールは邪悪な剣を取り出し鍔迫り合いに持ち込む
「互角か!」
「そう思うか?」
「!?」
ロイタールは鍔迫り合いの中で指から魔法光線を撃ってきた、超反応で躱したが無理をしすぎたせいで体勢が転けた
「これで終わりだ、残念だよ」
ロイタールが翔太の顔に目掛けて隙の大きい大振りの一撃を叩き込む、だが、それは完全に避けられるぐらいの隙はあった
「舐めているのか、当たる方が難しいんだよ」
翔太はスルリと皮一枚で避ける、そして素早い斬撃を反撃に振るうが紙一重で避けた、二人は斬撃の嵐を起こしながら斬り合いになった
「自慢の魔法はどうした!」
「そう急ぐな」
ロイタールは斬撃の合間に魔弾を放つ
「二度目はきかん!」
素早く鞘に刀を納めて閃光の居合斬りでロイタール胸元を切り裂いが、そして大きく吹き飛んで左腕で胸元の傷を触る、すると、傷が癒えたのだ
「どうなってやがる!?」
「阿久津翔太!好きなだけ斬ってよいぞ!」
ロイタールは胸を曝け出し翔太に挑発をする
「ふざけんな!」
翔太は激怒して容赦無くロイタールの胸元もとを斬り刻む、だが幾ら切り刻んでも肉体が再生してダメージが追いつかない
「マジでどうなってやがる、幾ら切っても身体が再生しやがる」
「無駄だ、私の体は既に生物としてに頂点に立っている」
「ふん!戯言だな、なら好きなだけ切らせてもらう」
翔太の斬撃が加速し始める
「さあ!貴公の体力が尽きるか私の体力が尽きるが我慢くらべだな!」
翔太が斬撃に集中しているとロイタールは指先から魔道砲を撃つ
「いい加減しつこいぜ!」
首元に斬撃の横払いを入れようとする、この斬撃が決まれば奴の命を断つことが出来る、だがこの大振りは当然決まらなかった、さっき指から放たれてきた魔導砲が跳ね返って翔太のこめかみに当たる、避けた代償は大きく、ロイタールの大魔弾の攻撃を直接受けた、翔太は吹き飛んで地面を転がりながらなんとか立ち上がり反撃を試みる
「大した戦術だわ」
翔太の目に鬼が宿った
「その眼をよく見せろ!そして私の眼を見るがいい!」
翔太はロイタールの眼を見た、それは完全に自分と似たようで違う、何か親近感を覚えたような感じがした、ロイタールの悪魔のような目付きに翔太は一瞬怯んだ
「コイツ...こんな眼をしていたのか」
考える余裕がないくせに癖で考えてしまって隙を作ってしまった、翔太は素早く距離を取り攻撃を喰らわないように後ろに下がる
「遊びは終わりだ」
ロイタールは三つの石と翔太から摘出した結晶を取り出した
「そうだ、二つの国から奪った石と神殿から取った石、そして貴公の精神から摘出した結晶だ」
「それをどうするつもりだ!?」
「光栄に思うがいい」
三つの石が結晶を覆って三角のフォーメーションを取る、そこにロイタールは一体化するように眩い光が広がった、眼を開くとそれは魔王の姿をしたロイタールだった
「魔王...ゼルキオラ...なのか?」
「ゼルキオラ?ゼルキオラは私の遠い先祖だ」
「先祖?まあどうでもいい貴様を倒して国を守る!」
膨大な魔力の収束がロイタール右手に纏う、あれは誰かが見てもヤバそう攻撃を放つ事は明確だ、翔太は紙一重で避けようと微動だもしない、そして極限の集中力でロイタールの絶大な威力を放つ魔道砲を皮一枚で避ける、翔太は神速の如く近づき居合で斬りかかる、瞬間移動で避けられてしまう
「なんだと!?」
「甘いな」
翔太は顔を掴まれた、そして掴まれたまま魔導拳を打たれて神殿から落ちた、達也は偶然落ちる翔太を見て絶叫した
「翔太ぁぁぁぁ!!!」
翔太は大きな広場にある深い噴水場に落ちた、物凄い潮吹きが地面を濡らす、達也やレーナ、ゼオが翔太の落下を目撃している、魔物の軍勢は半分にまで減っている、ゼオが今まで旅をしてきて共に戦ってきた仲間、一時休戦したかつての難敵を集合させて、残りの猛者達に魔物の軍勢を任せた、達也、ゼオ、レーナ、エリーゼ、シノブ、リーの六人は神殿の頂上に辿り着いた
「翔太の寄生虫が来たか」
六人は眼を開く
「ロイタール...なのか?」
「いや魔王ゼルキオラだよ」
「貴様は誰だ!?」
「今から死ぬ者に語る言葉はない」
ロイタールは眼圧で大地を抉るぐらいの衝撃波を飛ばす、六人は怯んだ、達也とゼオが率先して四人を率いる
「リー!行くぞ!」
「命令するな!」
「エリーゼ!行くよ!」
「ここで終わらせる!」
「翔太とはいつか決着つけなければならん」
達也は怒りの表情で誓った
「翔太、俺が仇を取ってやる」
「所でウィーズリーの野郎は?」
リーが気づく、だが五人はそんな事を考える暇はない、ゼオが先頭を切って前に出る、全力の発勁を繰り出しがロイタールが顔を下に向けたまま視線を合わせない、そしてそのまま手のひらで拳を受け止めるロイタール
「くう!」
ゼオは瞬時に上段蹴りを繰り出すがロイタールには届かなかった
「貴様では役不足だ」
軽く押しただけでゼオは吹き飛ばされた、達也が背後から斬りかかるが瞬間移動で避けられた、そして指先から放たられる波動砲をモロに当たった、リーもシノブも連携を取って接近戦に持ち込むが攻撃が当たらない
「くそ!悉く避けられる!」
「喋ってないで集中しろ!」
ロイタールは右手でリーを掴み、左手でシノブを掴む、翔太がもらった攻撃を二人に与え壁に激しく吹き飛ばす、二人は血を吐き地面に倒れ込む、リーは耐えながら呻き声を上げながら立ち上がろうと奮い立つ、そしてシノブもリーを見て立ちあがろうと奮い立つ
「金がかかっている」
「一生分の金がなぁ!」
二人は血を吐きながら闘気を手放さない、次にエリーゼも近接を仕掛けレーナが氷の魔法で援護する
「あなただけは絶対に許さない!」
「私も同じよ!」
エリーゼの感情に身を寄せた攻撃はロイタールに当たりはしない、レーナが放つ氷の魔術は邪悪な魔術によって瞬間的に溶かされてしまう
「貴様等ゴミどもが私に適うはずないだろう、私の祖先の理想を叶えるために構っている時間はない、消えろ」
エリーゼもレーナも衝撃波によって吹き飛ばされしまう
「う...」
「そんな...」
達也とゼオが満身創痍で立ち上がる
「ここで俺が立ち上がらないと世界はこんなアホに支配されてしまう」
「こんなバカに支配されるぐらいなら滅んだ方がマシだ」
「それはよくないな」

ウィーズリーは神殿の外に出て翔太が落下した噴水場所に居た、魔力で翔太の居場所を把握して助けようとする
「くう...クソが...」
ウィーズリーは翔太の顔に宿る怒りの表情に驚愕した
「この顔...そうか」
翔太のお腹から木の棒の破片が刺さっている、当たり一体血塗れで重症だ、翔太は身体に刺さっている木の破片を無理矢理に引っこ抜く、物凄い絶叫で痛みに耐える、そして貰った霊薬を怒りに身をまかしながら飲み干して神殿の上を見る
「待ってろよ!クソやろう、貴様を刀の錆にしてくれるわ」
「待て!翔太!」
「あん!?」
狂気じみた返事にウィーズリーは怖気ついた、だが怖い気持ちを押し殺して意見を言った
「翔太、今のままではまた返り討ちにあってしまう」
「あん?まずはお前から死にたいのか?」
(完全にキレてやがる、だが試してみたい、私の考案した秘術でコイツの力を引き出してみたい)
ウィーズリーは懐から禍々しい霊薬を取り出した
「これを飲んでくれ!これを飲めば力が増す」
翔太はウィーズリーの言葉を聞いて少し冷静になって頭を冷やす
「どういう事だ、その悪役が持ってそうな薬はなんだ?」
ウィーズリーが説明をした、どうやらこの薬を飲めば一時的に能力が上がるらしい
「話はわかった、背に腹はかえられない」
翔太は覚悟を決めて怪しい薬を一気に飲み干すすると、物凄いオーラを放ち
「貴様ぁ!一体何を飲ませたんだぁぁぁぁぁ!!!」
翔太が絶叫しながら物凄い衝撃波を放つ
「うおぉ!」
そして数分すると落ち着きを取り戻し静かに立つ、翔太は振り返りウィーズリーの方を見つめると、そしてウィーズリーは翔太の顔を見る、翔太の顔には幾つか赤黒い線と禍々しいオーラを放っている
「やっぱり、鬼の精神が顕現するとこうなるのか」
「ウィーズリー、この力はなんだ?あの薬はなんだ?整理が追いつかない」
「そんなことより早くロイタールを倒せ、そんな時間はないだろ」
「そうだな」
そして口笛を吹いて翼竜を呼び寄せる
「さあ捕まれ!これで一気にロイタールの元へ」
翔太はウィーズリーの呼び寄せた翼竜に捕まり一気に神殿の最上階まで登る、そしてロイタールとの決着をつけるため全てをかけるのであった
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