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第五話 嫌な噂
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「あの安藤さんってちょっと格好良かったねー」
笹野舞が嬉しそうに言った。
「うん。モテそう」
「そうだね、やっぱ、モテるかも」
野沢奈々と笹野舞は先程まで佐野元秋と安藤聖とファミレスで会っていた。
今は別れて自転車を引きながら駅の方に向かって歩いていた。
「LINEするって言ってたけど、よこすかな?」
舞が言った。
「誰?佐野君?」
「違うよ、安藤さん。何かあの人達、私のイメージと違った。全然学校とか気にしてなくて、普通に優しかったな」
「今日の朝佐野君言ってた。自分達が意識し過ぎなのかもね」
奈々が言った。
「そうかも。あのさー奈々、佐野さんの事好きなの?」
舞が尋ねた。
「神様だからねー。一目惚れ。何か最初に会った時から幾らでも話していたくなっちゃう。会いたくなっちゃう。やっぱり運命の赤い糸で繋がってるのかな~」
奈々が答えた。
「一目惚れ?でも何で安藤さんじゃなくて佐野さん?」
舞がまた尋ねた。
「確かに安藤さんは格好良いと思うけど、好みって人それぞれでしょ」
「確かに」
舞は奈々の答えに納得した。
「上手く行くと良いね~」
「フフ、ありがとう」
奈々は少しにやけながら言った。
駅に着いた二人は、奈々は駐輪場に自転車を置き、舞と別れ駅構内へと入って行った。舞は奈々を見送ると自宅へ向けて自転車を漕いだ。
「良かったなー、これでLINE出来るから、お前何時でも奈々ちゃんと連絡取れるじゃん」
安藤が言った。
「いやー、お前じゃないからそんなしないよ。大体何話して良いか分らん。クラスの女子ともしてないのに」
元秋が言った。
「あれ、そうだっけ。そう言えばお前からLINE来た記憶無いな。ツイッターもやってないだろ?お前普段夜なにやってんだ?」
安藤が尋ねた。
「LINEは今年二回はお前と遣り取りしたぞ。夜はゲームやったり、音楽聴いたり、ライブDVD見たり、ニコ生見たり、結構忙しいよ。LINEはお前みたいにこまめに遣り取りしてないだけ」
元秋が答えた。
「フーン。ま、俺とはいいから奈々ちゃんと頑張ってLINEしな。それにしても舞ちゃん知ってたな。胡瓜ってあだ名」
安藤が言った。
「ああ」
「可哀想に、意識して。東京だったら大学でそういう格付けになるんだろうけど、この辺みたいな地方だと何故か高校の偏差値で世間が見るんだよな」
安藤が言った。
「親と学校。大人が悪いんだよ」
元秋が言った。
「知ってるか。西女って、ハンドボールで県大会一位になったんだぞ。次は東北大会だって言ってた。世間はそう言うのは直ぐ忘れちゃうんだよな」
安藤が言った。
「へー、凄いじゃん。で、誰が言ったの?」
元秋が尋ねた。
「西女のハンド部の娘」
「そういう事ね」
やっぱりという顔で、元秋が言った。
「ついでに俺の人脈で奈々ちゃん情報調べてやるよ」
笑いながら安藤が言った。
話しながら歩いて来た二人も途中で別れ、それぞれの帰途に着いた。
深夜一時頃。
ブーブー
バイブモードにしてあった元秋のスマホが鳴った。
睡眠を邪魔されるのが嫌で元秋は毎夜寝る時はスマホをバイブにしているのだ。
珍しくバイブの音に気付き、元秋は起き上がりスマホを見た。
夕方別れた安藤からのLINEだった。
[先に謝っとく、ごめん。奈々ちゃん、嫌な噂あった(´・_・`)]
「一時でこんなの貰ったら眠れないじゃないかよ」
スマホの画面を見ながら、元秋は呟いた。
つづく
笹野舞が嬉しそうに言った。
「うん。モテそう」
「そうだね、やっぱ、モテるかも」
野沢奈々と笹野舞は先程まで佐野元秋と安藤聖とファミレスで会っていた。
今は別れて自転車を引きながら駅の方に向かって歩いていた。
「LINEするって言ってたけど、よこすかな?」
舞が言った。
「誰?佐野君?」
「違うよ、安藤さん。何かあの人達、私のイメージと違った。全然学校とか気にしてなくて、普通に優しかったな」
「今日の朝佐野君言ってた。自分達が意識し過ぎなのかもね」
奈々が言った。
「そうかも。あのさー奈々、佐野さんの事好きなの?」
舞が尋ねた。
「神様だからねー。一目惚れ。何か最初に会った時から幾らでも話していたくなっちゃう。会いたくなっちゃう。やっぱり運命の赤い糸で繋がってるのかな~」
奈々が答えた。
「一目惚れ?でも何で安藤さんじゃなくて佐野さん?」
舞がまた尋ねた。
「確かに安藤さんは格好良いと思うけど、好みって人それぞれでしょ」
「確かに」
舞は奈々の答えに納得した。
「上手く行くと良いね~」
「フフ、ありがとう」
奈々は少しにやけながら言った。
駅に着いた二人は、奈々は駐輪場に自転車を置き、舞と別れ駅構内へと入って行った。舞は奈々を見送ると自宅へ向けて自転車を漕いだ。
「良かったなー、これでLINE出来るから、お前何時でも奈々ちゃんと連絡取れるじゃん」
安藤が言った。
「いやー、お前じゃないからそんなしないよ。大体何話して良いか分らん。クラスの女子ともしてないのに」
元秋が言った。
「あれ、そうだっけ。そう言えばお前からLINE来た記憶無いな。ツイッターもやってないだろ?お前普段夜なにやってんだ?」
安藤が尋ねた。
「LINEは今年二回はお前と遣り取りしたぞ。夜はゲームやったり、音楽聴いたり、ライブDVD見たり、ニコ生見たり、結構忙しいよ。LINEはお前みたいにこまめに遣り取りしてないだけ」
元秋が答えた。
「フーン。ま、俺とはいいから奈々ちゃんと頑張ってLINEしな。それにしても舞ちゃん知ってたな。胡瓜ってあだ名」
安藤が言った。
「ああ」
「可哀想に、意識して。東京だったら大学でそういう格付けになるんだろうけど、この辺みたいな地方だと何故か高校の偏差値で世間が見るんだよな」
安藤が言った。
「親と学校。大人が悪いんだよ」
元秋が言った。
「知ってるか。西女って、ハンドボールで県大会一位になったんだぞ。次は東北大会だって言ってた。世間はそう言うのは直ぐ忘れちゃうんだよな」
安藤が言った。
「へー、凄いじゃん。で、誰が言ったの?」
元秋が尋ねた。
「西女のハンド部の娘」
「そういう事ね」
やっぱりという顔で、元秋が言った。
「ついでに俺の人脈で奈々ちゃん情報調べてやるよ」
笑いながら安藤が言った。
話しながら歩いて来た二人も途中で別れ、それぞれの帰途に着いた。
深夜一時頃。
ブーブー
バイブモードにしてあった元秋のスマホが鳴った。
睡眠を邪魔されるのが嫌で元秋は毎夜寝る時はスマホをバイブにしているのだ。
珍しくバイブの音に気付き、元秋は起き上がりスマホを見た。
夕方別れた安藤からのLINEだった。
[先に謝っとく、ごめん。奈々ちゃん、嫌な噂あった(´・_・`)]
「一時でこんなの貰ったら眠れないじゃないかよ」
スマホの画面を見ながら、元秋は呟いた。
つづく
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