23 / 25
Risoluto 〔決然と〕
23
しおりを挟む
二度と戻ってこないつもりで出てきた部屋に、すぐに戻ってきてしまった。自分の間抜けさに苦笑する。真尋に連絡を取ろうと、落としてあったスマホの電源を入れると、画面が着信を知らせた。
愁だ。昨日からメッセージをたくさん入れてくれてあった。返事が出来ていなかったので、心配をかけてしまっただろう。放置することもできなくて、通話ボタンを押すと、愁の声が耳に突き刺さった。
「あ! やーっと、でた! 何回着信入れたと思ってんの!」
「ごめん」
「いやそれよりも! 奏始のα最高過ぎ!」
「は?」
「さっきのいってらっしゃいテレビ、久しぶりに腹抱えて笑った」
「うん?」
「あ、やばい。俺仕事行かなきゃ。ま、大変だろうから落ち着いたらまた連絡してよね! 飲み行こう!」
ぶつりと通話が切れる。奏始の返答なんて何一つ聞いちゃいなかった。嵐のような電話がいかにも愁らしい。それにしても、なんだったんだ。いってらっしゃいテレビとは、真尋が生放送で出演しているはずの番組だ。そこで何かがあったのか。慌ててテレビをつけて、レコーダーを立ち上げる。2人で出演する予定だったので録画をしてあったのだ。早送りで真尋の姿を見つけて、再生する。直後、違和感を覚えた。ヴァイオリンを持っていない。というかソファにアナウンサーと向かい合って座っている? 演奏だけの予定だったはずなのになぜ? 真尋はいつものにこやかな好青年然とした様子ではなく、冷ややかな表情で座っている。静かな怒りを秘めてそこに座しているのがわかった。
『今朝はゲストの宮瀬真尋さんをお迎えしております。宮瀬さんは世界で活躍するヴァイオリニストで、最近はピアニストである香坂奏始さんとユニットを組んで活動しておられます。本日は宮瀬さんのみの出演、また予定を変更して演奏をお聞かせいただくのではなく、お話をお伺いする形となりました。ご了承ください』
アナウンサーが頭を下げるのに対して、真尋は軽く首を傾げるような動作のみ。その不遜な態度にハラハラする。にしても、なぜ対談? 奏始が出られなくなったから? でも真尋の演奏だけでも十分なコーナーになるはずだ。真尋もこんな変更があったとは言っていなかった。混乱する奏始を余所に、映像は進んでいく。
『では、宮瀬さん。よろしくお願いいたします』
『よろしくお願いします』
『……今日は香坂さんをお呼び出来ずに申し訳ありません』
『いえ、事情はわかっています。その分、私も演奏ではなくこうしてお話させていただく形を希望したんですから大丈夫ですよ』
『まず、何か宮瀬さんからお話ししたいことはありますか?』
『ええ、では少しだけ。まず今回の件で世間の皆様をお騒がせしてしまっていること、心苦しく思います。ああ、今回の件というのは香坂がΩだということですが』
前触れなく切り込んだ真尋に、心臓が跳ねた。一体何を言うつもりなのか。
『インタビューを受けている方の発言を少し訂正したくて』
『訂正、ですか』
『はい。その方は俺たちのコンサートに足を運んでくれたと言っていました。2週間前のコンサートだと。その際に香坂のフェロモンを感じて、また会場にいたαも反応していたと』
『はい』
『それはあり得ないんです』
『あり得ない、とは?』
『私たちは1ヶ月も前に番契約を交わしていますから』
奏始が、ひゅっと息を飲むのと同時にスタジオの空気がざわりと動いた。
『番契約を交わしたΩのフェロモンは相手のαにしか影響しません。もしあのコンサートで香坂に惹かれたというのなら、それはただ彼が持つ魅力に嵌まっただけですね』
しれっと言い放たれた言葉に唖然となる。
『加えて、もし番でないとしても、あの規模のホールで客席にいる方がフェロモンに当てられるというのもあり得ない話ですね。抑制剤を飲んでいるのなら尚更。そもそも発情期であっても、その影響範囲はそう広くありません。フェロモンが影響し合うのは、広くてお互いの手を広げてぶつからない程度の範囲まで』
『それは宮瀬さん自身の経験からのお話ですか?』
『自分もそうですが、医学的な話も含めてです。ああ、α値が低いから感じないだけでは、という反論があるかもしれないので先に言っておきますが、α値が最高ランクである私からの意見であるということも覚えておいていただきたいですね』
なんだこれ。口角が上がりそうになって、とっさに唇を噛み締めた。平然とした表情で話を進めているが、内容はとんでもなくぶっ飛んでいる。
『今回、香坂さんがΩであるということが問題として取り上げられてしまったのですが、これについてはどういった思いがありますか?』
『そうですね……正直な話をすると』
『はい』
『Ωだとかαだとか、そんなことどうでもいいんですよね』
堪えきれず奏始は吹き出した。余りにもすぱっと言い切りすぎている。アナウンサーが言葉に詰まってしまって、スタジオが異様な空気に包まれているのが画面のこちらにも伝わった。番組側としては、「Ωにも権利を」だったり、「番の扱いが不満です」というような話を期待していたんじゃないだろうか。真尋がそれをわからない訳が無い。わかっていて、無視したんだ。
『音楽を追求する上で性別なんて何の関係もないんですよ。強いて言うなら、Ωが不当な扱いをされているせいで、世に出るはずだった素晴らしい音楽が消えてしまったかもしれないことに腹が立っています』
目に涙が滲んで、画面がゆらりと歪む。指の先で水滴を拭って、そのまましばし奏始は目を閉じた。初めて会った時から互いに感じていたことが、今、カチリと音を立てて重なった気がした。いつだったか、真尋に「お前は音を食べて生きているのか」と言われたことがある。自分を棚に上げて何を言うのだと思った。お前だって同類だ。奏始も真尋も、音を食べて、吸って、吐いて、生きているのだ。それがない自分たちなんてどうだっていいと思って生きている。真尋に出会えてよかった。この孤独を分かち合える相手に出会えたことが奇跡だと思えた。
『香坂は、Ωである彼らは、きっといろんなことを飲み込んで生きている。私なんかがそれを語るのは傲慢です。……だけど、この報道が出たとき、香坂はきっと音楽を辞めるつもりだった。そんなこと許さない。俺の側でずっと笑ってピアノを弾いててもらわなきゃ困るんですよ』
ここまで流暢に話してきた真尋の、少し言葉を探して詰まる声にそっと目を開く。困ったように眉を下げる真尋の顔が目に映って、奏始はまたぎゅっと目を閉じた。心臓が痛い。目が熱い。次に真尋と顔を合わせた途端に自分はきっと彼の腕に飛び込むんだろうと思った。まだこの夢を続けていいのか。まだ、隣にいていいのか。そんな葛藤を吹き飛ばす言葉をもらった。
テレビでは、コーナーが終わろうとしている。アナウンサーが締めの言葉を言いかけたとき、真尋が『あ、最後にこれだけ』とそれを遮った。
『来年の話になるんですが、同じヴァイオリニストのリッキー・マディソンとドイツでコンサートをすることになりました。もちろん私は香坂と出ます。見に来ていただける方はぜひ』
最高にいい笑顔で言い放った真尋を最後に、コーナーは移り変わった。そっとテレビの電源を落とす。静かになった部屋に奏始の笑い声が響いた。腹の底が震えて、やがてその震えは強張った体の力を取り去っていった。ぱたりと後ろに寝転がる。天井を見上げながら思うのは、これからのことだった。ずっと気を張っていた。いつΩだとバレて、糾弾されるかわからない。まるで薄氷の上を歩くような。でもそんなこと、すべて真尋が吹き飛ばしてくれた。母の言葉を思い出す。「世界が憎いでしょ」確かにそれは事実だった。奏始はずっと暗く濁った世界を見ていた。でも、今は違う。明るく開けた世界に解き放たれた気がした。
着信音が鳴って、スマホを目の前に翳すと、今もっとも会いたい人の名前が表示されていた。
「もしもし」
「見たか?」
「うん、見た」
「俺も見た」
「え?」
「お前のインタビュー」
「……そっか」
「で、どうする?」
「世界一を目指す。俺と、お前で」
「よし」
満足気な声に笑う。たったそれだけで、その表情まで鮮明に思い描くことができた。
「じゃあ今すぐ空港集合な。パスポート持ってきてくれ」
「はいはい。他は?」
「なくてもなんとかなるだろ」
「了解」
最悪な気分で詰め込んだスーツケースの荷物の隙間。真尋のパスポートとありったけの楽譜を入るだけ詰め込んで奏始は再び家を出た。
空港に着くと、エントランスで真尋が待っていた。広げられた腕に迷わず飛び込む。痛いほどの力で抱きしめられた。数秒、数分。お互いの気が済むまでそうして心臓を重ねて呼吸した。
離れる瞬間は同時で、そして視線が合わさるのも同時だった。そして、笑う。
「どこ行く?」
「とりあえず1番早く乗れる飛行機はどこ行きだ?」
「あー……シンガポール?」
「ありだな」
「ありだね」
「……そっからまたどっか飛べばいいか」
「そうしよ」
思案する真尋の声は弾んでいる。きっと奏始も同じなんだろう。だって最高にわくわくしている。
まずは煩わしい全てを振り切るところから始めよう。そして2人で音楽を奏でるのだ。きっとそれは世界一、幸せに満ちた音楽になるだろう。
愁だ。昨日からメッセージをたくさん入れてくれてあった。返事が出来ていなかったので、心配をかけてしまっただろう。放置することもできなくて、通話ボタンを押すと、愁の声が耳に突き刺さった。
「あ! やーっと、でた! 何回着信入れたと思ってんの!」
「ごめん」
「いやそれよりも! 奏始のα最高過ぎ!」
「は?」
「さっきのいってらっしゃいテレビ、久しぶりに腹抱えて笑った」
「うん?」
「あ、やばい。俺仕事行かなきゃ。ま、大変だろうから落ち着いたらまた連絡してよね! 飲み行こう!」
ぶつりと通話が切れる。奏始の返答なんて何一つ聞いちゃいなかった。嵐のような電話がいかにも愁らしい。それにしても、なんだったんだ。いってらっしゃいテレビとは、真尋が生放送で出演しているはずの番組だ。そこで何かがあったのか。慌ててテレビをつけて、レコーダーを立ち上げる。2人で出演する予定だったので録画をしてあったのだ。早送りで真尋の姿を見つけて、再生する。直後、違和感を覚えた。ヴァイオリンを持っていない。というかソファにアナウンサーと向かい合って座っている? 演奏だけの予定だったはずなのになぜ? 真尋はいつものにこやかな好青年然とした様子ではなく、冷ややかな表情で座っている。静かな怒りを秘めてそこに座しているのがわかった。
『今朝はゲストの宮瀬真尋さんをお迎えしております。宮瀬さんは世界で活躍するヴァイオリニストで、最近はピアニストである香坂奏始さんとユニットを組んで活動しておられます。本日は宮瀬さんのみの出演、また予定を変更して演奏をお聞かせいただくのではなく、お話をお伺いする形となりました。ご了承ください』
アナウンサーが頭を下げるのに対して、真尋は軽く首を傾げるような動作のみ。その不遜な態度にハラハラする。にしても、なぜ対談? 奏始が出られなくなったから? でも真尋の演奏だけでも十分なコーナーになるはずだ。真尋もこんな変更があったとは言っていなかった。混乱する奏始を余所に、映像は進んでいく。
『では、宮瀬さん。よろしくお願いいたします』
『よろしくお願いします』
『……今日は香坂さんをお呼び出来ずに申し訳ありません』
『いえ、事情はわかっています。その分、私も演奏ではなくこうしてお話させていただく形を希望したんですから大丈夫ですよ』
『まず、何か宮瀬さんからお話ししたいことはありますか?』
『ええ、では少しだけ。まず今回の件で世間の皆様をお騒がせしてしまっていること、心苦しく思います。ああ、今回の件というのは香坂がΩだということですが』
前触れなく切り込んだ真尋に、心臓が跳ねた。一体何を言うつもりなのか。
『インタビューを受けている方の発言を少し訂正したくて』
『訂正、ですか』
『はい。その方は俺たちのコンサートに足を運んでくれたと言っていました。2週間前のコンサートだと。その際に香坂のフェロモンを感じて、また会場にいたαも反応していたと』
『はい』
『それはあり得ないんです』
『あり得ない、とは?』
『私たちは1ヶ月も前に番契約を交わしていますから』
奏始が、ひゅっと息を飲むのと同時にスタジオの空気がざわりと動いた。
『番契約を交わしたΩのフェロモンは相手のαにしか影響しません。もしあのコンサートで香坂に惹かれたというのなら、それはただ彼が持つ魅力に嵌まっただけですね』
しれっと言い放たれた言葉に唖然となる。
『加えて、もし番でないとしても、あの規模のホールで客席にいる方がフェロモンに当てられるというのもあり得ない話ですね。抑制剤を飲んでいるのなら尚更。そもそも発情期であっても、その影響範囲はそう広くありません。フェロモンが影響し合うのは、広くてお互いの手を広げてぶつからない程度の範囲まで』
『それは宮瀬さん自身の経験からのお話ですか?』
『自分もそうですが、医学的な話も含めてです。ああ、α値が低いから感じないだけでは、という反論があるかもしれないので先に言っておきますが、α値が最高ランクである私からの意見であるということも覚えておいていただきたいですね』
なんだこれ。口角が上がりそうになって、とっさに唇を噛み締めた。平然とした表情で話を進めているが、内容はとんでもなくぶっ飛んでいる。
『今回、香坂さんがΩであるということが問題として取り上げられてしまったのですが、これについてはどういった思いがありますか?』
『そうですね……正直な話をすると』
『はい』
『Ωだとかαだとか、そんなことどうでもいいんですよね』
堪えきれず奏始は吹き出した。余りにもすぱっと言い切りすぎている。アナウンサーが言葉に詰まってしまって、スタジオが異様な空気に包まれているのが画面のこちらにも伝わった。番組側としては、「Ωにも権利を」だったり、「番の扱いが不満です」というような話を期待していたんじゃないだろうか。真尋がそれをわからない訳が無い。わかっていて、無視したんだ。
『音楽を追求する上で性別なんて何の関係もないんですよ。強いて言うなら、Ωが不当な扱いをされているせいで、世に出るはずだった素晴らしい音楽が消えてしまったかもしれないことに腹が立っています』
目に涙が滲んで、画面がゆらりと歪む。指の先で水滴を拭って、そのまましばし奏始は目を閉じた。初めて会った時から互いに感じていたことが、今、カチリと音を立てて重なった気がした。いつだったか、真尋に「お前は音を食べて生きているのか」と言われたことがある。自分を棚に上げて何を言うのだと思った。お前だって同類だ。奏始も真尋も、音を食べて、吸って、吐いて、生きているのだ。それがない自分たちなんてどうだっていいと思って生きている。真尋に出会えてよかった。この孤独を分かち合える相手に出会えたことが奇跡だと思えた。
『香坂は、Ωである彼らは、きっといろんなことを飲み込んで生きている。私なんかがそれを語るのは傲慢です。……だけど、この報道が出たとき、香坂はきっと音楽を辞めるつもりだった。そんなこと許さない。俺の側でずっと笑ってピアノを弾いててもらわなきゃ困るんですよ』
ここまで流暢に話してきた真尋の、少し言葉を探して詰まる声にそっと目を開く。困ったように眉を下げる真尋の顔が目に映って、奏始はまたぎゅっと目を閉じた。心臓が痛い。目が熱い。次に真尋と顔を合わせた途端に自分はきっと彼の腕に飛び込むんだろうと思った。まだこの夢を続けていいのか。まだ、隣にいていいのか。そんな葛藤を吹き飛ばす言葉をもらった。
テレビでは、コーナーが終わろうとしている。アナウンサーが締めの言葉を言いかけたとき、真尋が『あ、最後にこれだけ』とそれを遮った。
『来年の話になるんですが、同じヴァイオリニストのリッキー・マディソンとドイツでコンサートをすることになりました。もちろん私は香坂と出ます。見に来ていただける方はぜひ』
最高にいい笑顔で言い放った真尋を最後に、コーナーは移り変わった。そっとテレビの電源を落とす。静かになった部屋に奏始の笑い声が響いた。腹の底が震えて、やがてその震えは強張った体の力を取り去っていった。ぱたりと後ろに寝転がる。天井を見上げながら思うのは、これからのことだった。ずっと気を張っていた。いつΩだとバレて、糾弾されるかわからない。まるで薄氷の上を歩くような。でもそんなこと、すべて真尋が吹き飛ばしてくれた。母の言葉を思い出す。「世界が憎いでしょ」確かにそれは事実だった。奏始はずっと暗く濁った世界を見ていた。でも、今は違う。明るく開けた世界に解き放たれた気がした。
着信音が鳴って、スマホを目の前に翳すと、今もっとも会いたい人の名前が表示されていた。
「もしもし」
「見たか?」
「うん、見た」
「俺も見た」
「え?」
「お前のインタビュー」
「……そっか」
「で、どうする?」
「世界一を目指す。俺と、お前で」
「よし」
満足気な声に笑う。たったそれだけで、その表情まで鮮明に思い描くことができた。
「じゃあ今すぐ空港集合な。パスポート持ってきてくれ」
「はいはい。他は?」
「なくてもなんとかなるだろ」
「了解」
最悪な気分で詰め込んだスーツケースの荷物の隙間。真尋のパスポートとありったけの楽譜を入るだけ詰め込んで奏始は再び家を出た。
空港に着くと、エントランスで真尋が待っていた。広げられた腕に迷わず飛び込む。痛いほどの力で抱きしめられた。数秒、数分。お互いの気が済むまでそうして心臓を重ねて呼吸した。
離れる瞬間は同時で、そして視線が合わさるのも同時だった。そして、笑う。
「どこ行く?」
「とりあえず1番早く乗れる飛行機はどこ行きだ?」
「あー……シンガポール?」
「ありだな」
「ありだね」
「……そっからまたどっか飛べばいいか」
「そうしよ」
思案する真尋の声は弾んでいる。きっと奏始も同じなんだろう。だって最高にわくわくしている。
まずは煩わしい全てを振り切るところから始めよう。そして2人で音楽を奏でるのだ。きっとそれは世界一、幸せに満ちた音楽になるだろう。
50
あなたにおすすめの小説
泡にはならない/泡にはさせない
玲
BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――
明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。
「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」
衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。
「運命論者は、間に合ってますんで。」
返ってきたのは、冷たい拒絶……。
これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。
オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。
彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。
——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。
BL小説家ですが、ライバル視している私小説家に迫られています
二三@冷酷公爵発売中
BL
BL小説家である私は、小説の稼ぎだけでは食っていけないために、パン屋でバイトをしている。そのバイト先に、ライバル視している私小説家、穂積が新人バイトとしてやってきた。本当は私小説家志望である私は、BL小説家であることを隠し、嫉妬を覚えながら穂積と一緒に働く。そんな私の心中も知らず、穂積は私に好きだのタイプだのと、積極的にアプローチしてくる。ある日、私がBL小説家であることが穂積にばれてしまい…?
※タイトルを変更しました。(旧題 BL小説家と私小説家がパン屋でバイトしたらこうなった)2025.5.21
お世話したいαしか勝たん!
沙耶
BL
神崎斗真はオメガである。総合病院でオメガ科の医師として働くうちに、ヒートが悪化。次のヒートは抑制剤無しで迎えなさいと言われてしまった。
悩んでいるときに相談に乗ってくれたα、立花優翔が、「俺と一緒にヒートを過ごさない?」と言ってくれた…?
優しい彼に乗せられて一緒に過ごすことになったけど、彼はΩをお世話したい系αだった?!
※完結設定にしていますが、番外編を突如として投稿することがございます。ご了承ください。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
王太子専属閨係の見る夢は
riiko
BL
男爵家のシンは、親に売られて王都に来た。
売られた先はこの国最大の相手!? 王子の閨係というお仕事に就いたのだった。
自分は王子が婚約者と結婚するまでの繋ぎの体だけの相手……だったはずなのに、閨係なのに一向に抱いてもらえない。そして王子にどんどん惹かれる自分に戸惑う。夢を見てはいけない。相手はこの国の王太子、自分はただの男娼。
それなのに、夢を見てしまった。
王太子アルファ×閨担当オメガ
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます。
物語、お楽しみいただけたら幸いです!
孤独なライオンは運命を見つける
朝顔
BL
9/1番外編追加しました。
自分はアルファであると信じて生きてきたのに、発情したことがキッカケで、オメガだったと発覚してしまった。
アルファだと思っていた時も、孤独で苦しかったのに、オメガになったことで俺の人生はより厳しいものになった。
そんな時、俺は運命と呼べる相手と出会うことになる。
※※※※※
高校生×高校生で、オメガバースの設定をお借りしています。
設定はよくあるものだと思いますが、おかしなところがあったら、すみません。
オメガバースについて詳しい説明などは省略しています。
シリアスあり、ラブコメもあり、淡くて青い恋愛がメインのお話です。
※重複投稿
全十話完結済み
欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点
運命の息吹
梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。
美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。
兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。
ルシアの運命のアルファとは……。
西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる