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歓迎の晩餐2
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「ええ、是非きて下さい。大歓迎ですわ」
「レイカや、あまり紫音様のお邪魔をしてはいけないよ」
「あら、お父様。わたくしもう子供じゃないんだから、それくらい分かっていますわ。お父様ったら、わたくしをいつも子供扱いするんだから」
「ハハハ…レイカにも困ったもんだ」
ハシバにとっては、少し前まで又こうやってレイカに手を焼きながらも、くったくなく話せるとは、思いもよらなかった事だった。
以前はその我儘を快く思わなかった事もあったが、レイカが健康になった今はそれさえも愛しく思え、レイカを見る目も思わず潤んでくるのだった。
「ハハハ。お父さん思いのいいお嬢さんではないですかのぉ」
ハシバ国王の様子を見ていたシュリ婆が口を開いた
「大人しすぎて何も言えんより、はっきり言える方がええと思いますじゃ」
「うむ、まぁそうかも知れんがの」
「しかし国王様もお一人では寂しかろう。後添えをもらわれるおつもりはないのですかえ?」
「む・・・今はまだじゃな。妻のことが忘れられぬのだ」
「仲のよいご夫婦とは聞いておりましたが、やはりまだ忘れられませぬか?」
「うむ、いい妻じゃった。若い頃はやんちゃな所もあったが、優しくて芯はしっかりしていて・・・美人であった」
「ほっほっほ・・・王様ののろけを聞くとは思わなんだ」
「シュリ婆が聞くからじゃ」
ハシバ王とシュリ婆の話を聞いていた皆は思わず笑った。
シュリ婆とハシバ王も釣られて笑ったあとメインの肉料理が出てきた。
「おお、これはうまそうじゃ」
大きな皿から切り分けられていく肉を見ながらハシバ王が言った
「ささ、食べようぞ」
みんなは目の前の肉を口にした
「うむ、旨い」
皆それぞれ口々に肉の美味しさを褒め称えながら平らげてしまい、最後のデザートが出て来た。
「おぉ、これは珍しい」
シュリ婆が思わず声を上げた。
ふた皿のうちの一つは果物にソースをかけたものと、小さめのチョコレートケーキ。
もうひと皿はオレンジのシャーベットが乗っていた。
まだ暖かいこの時期では、氷菓などどこを探してもなかった。
「どうじゃ。驚いたであろう。これに使う氷は、冬の間に凍らせたものを地中に室を作って入れ、土を被せて密閉して保管しておくのじゃ」
ハシバ王が得意げに言った。
「そして、必要な時だけ室から取り出すのじゃ。この時期になると、かなりの量を蓄えておいても残り少なくなっておる」
「そうじゃろなぁ・・・それにしても、なんともこの・・・ひやっこさと酸味と甘さが口の中で溶けていくのが・・・むむ・・・美味じゃわ」
シュリ婆は感に耐えない面持ちで、何度もシャーベットを口に運んだ。
この氷菓にしても、ハシバ王の紫音に対する、感謝してもしきれない思いを表した心づくしであった。
こうして、ハシバ王の贅を尽くした晩餐が終わった。
紫音とシュリ婆がハシバ王に晩餐のお礼を述べたあと、レイカ姫が紫音に言った。
「さぁ、紫音様。お茶を飲みながらお話しましょ」
レイカが立ち上がり、紫音の手を引っ張りながら談話室へ連れて行った。
「では、我々もお茶を飲むとしようか」
ハシバ王の言葉で他の者も立ち上がり談話室へと移動していった。
「レイカや、あまり紫音様のお邪魔をしてはいけないよ」
「あら、お父様。わたくしもう子供じゃないんだから、それくらい分かっていますわ。お父様ったら、わたくしをいつも子供扱いするんだから」
「ハハハ…レイカにも困ったもんだ」
ハシバにとっては、少し前まで又こうやってレイカに手を焼きながらも、くったくなく話せるとは、思いもよらなかった事だった。
以前はその我儘を快く思わなかった事もあったが、レイカが健康になった今はそれさえも愛しく思え、レイカを見る目も思わず潤んでくるのだった。
「ハハハ。お父さん思いのいいお嬢さんではないですかのぉ」
ハシバ国王の様子を見ていたシュリ婆が口を開いた
「大人しすぎて何も言えんより、はっきり言える方がええと思いますじゃ」
「うむ、まぁそうかも知れんがの」
「しかし国王様もお一人では寂しかろう。後添えをもらわれるおつもりはないのですかえ?」
「む・・・今はまだじゃな。妻のことが忘れられぬのだ」
「仲のよいご夫婦とは聞いておりましたが、やはりまだ忘れられませぬか?」
「うむ、いい妻じゃった。若い頃はやんちゃな所もあったが、優しくて芯はしっかりしていて・・・美人であった」
「ほっほっほ・・・王様ののろけを聞くとは思わなんだ」
「シュリ婆が聞くからじゃ」
ハシバ王とシュリ婆の話を聞いていた皆は思わず笑った。
シュリ婆とハシバ王も釣られて笑ったあとメインの肉料理が出てきた。
「おお、これはうまそうじゃ」
大きな皿から切り分けられていく肉を見ながらハシバ王が言った
「ささ、食べようぞ」
みんなは目の前の肉を口にした
「うむ、旨い」
皆それぞれ口々に肉の美味しさを褒め称えながら平らげてしまい、最後のデザートが出て来た。
「おぉ、これは珍しい」
シュリ婆が思わず声を上げた。
ふた皿のうちの一つは果物にソースをかけたものと、小さめのチョコレートケーキ。
もうひと皿はオレンジのシャーベットが乗っていた。
まだ暖かいこの時期では、氷菓などどこを探してもなかった。
「どうじゃ。驚いたであろう。これに使う氷は、冬の間に凍らせたものを地中に室を作って入れ、土を被せて密閉して保管しておくのじゃ」
ハシバ王が得意げに言った。
「そして、必要な時だけ室から取り出すのじゃ。この時期になると、かなりの量を蓄えておいても残り少なくなっておる」
「そうじゃろなぁ・・・それにしても、なんともこの・・・ひやっこさと酸味と甘さが口の中で溶けていくのが・・・むむ・・・美味じゃわ」
シュリ婆は感に耐えない面持ちで、何度もシャーベットを口に運んだ。
この氷菓にしても、ハシバ王の紫音に対する、感謝してもしきれない思いを表した心づくしであった。
こうして、ハシバ王の贅を尽くした晩餐が終わった。
紫音とシュリ婆がハシバ王に晩餐のお礼を述べたあと、レイカ姫が紫音に言った。
「さぁ、紫音様。お茶を飲みながらお話しましょ」
レイカが立ち上がり、紫音の手を引っ張りながら談話室へ連れて行った。
「では、我々もお茶を飲むとしようか」
ハシバ王の言葉で他の者も立ち上がり談話室へと移動していった。
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