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救世主
母親に会う
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「それじゃお母さん、目を閉じて玲弥君の部屋を思い浮かべて下さい。思い浮かべたら今度は部屋の中のものを、一つ一つはっきりと鮮明になるまで思ってください」
「わかりました」
母親は目を閉じて玲弥の部屋を思い浮かべ、部屋の中のものを順番に鮮明になるまで思い浮かべていった。
しかしなんの変化もなかった。
母親はさらに部屋ものを細かく思い出してそのまま待った。
それでもなんの変化も起こらなかった。
母親は目を開けて言った。
「ダメみたいです」
「そうですか……何故だろう」
あつしはしばらく考えていたが
「どこか違っている所がないかもう一度確かめてみよう。凪沙さん、玲弥君の部屋に行って見てきてくれないか。それからお母さんも部屋に行って、もう一度部屋の様子を覚えてきてください」
凪沙とお母さんは一緒に玲弥君の部屋に行きしばらくして戻ってきた。
「それじゃ、凪沙さんは玲弥君の所に行って、違う所がないか確かめてきて」
「うん。わかった」
凪沙は玲弥の所へ行った。
玲弥は首を長くして待っていた。
「どうなの?上手く行きそう?」
「なんかダメみたい。だからこの部屋が違っている所がないか確かめに来たのよ」
「そうか……」
「うーん。違ってる所はないのよねぇ……」
凪沙はセンタたちのところに戻ってそう言った。
「どうしてだろう?必要な条件は揃ってるはずなんだが」
重い空気がその場に漂よい出していた。
センタたち三人は口には出さないでいたが、お母さんは自分達のように玲弥君の世界には入れないのかもしれない、と思い始めていた。
母親は
「どうして!どうしてなの?あの子と話がしたい!私の中には楽しそうに話している玲弥がいるのに。ここで、このソファであの子と座って……」
と言って顔をおおって泣き出したが、急にふっと黙った。
そのころ玲弥も母親を待ち焦がれていた。
「お母さん来れないの?会いたい!お母さんに会いたい。お母さんのあの優しい笑顔が見たい!」
玲弥と母親はちょうど同じ時に、二人でソファに座って話していた時のことを思い出していた。
そして
「え?あ……お母さん!」
玲弥はソファに座っていた。
その横には母親が顔をおおって泣いていた。
「お母さん!」
その声に彼女は顔を上げた。
「玲弥!……」
「玲弥なのね!玲弥!」
「お母さん!」
二人は抱き合って泣いた。
母親と一緒にいたセンタたちは黙ってしまった母親をしばらく見守っていた。
「もしかしたら玲弥君と会えたんやろか?」
「うむ。この様子だとそうかもしれないな」
「確かめてみたいけど、邪魔するのもアカンやろうしなぁ」
「そうだね。もう少し待ってみよう」
かなりの間待っていた三人は、もういいだろうと思い玲弥のいる場所へ入っていった。
だが、玲弥はいなかった。
三人が不思議に思っていたところへ玲弥が部屋の中にフワッと現れた。
「ああ、ちょうど良かった。違う場所で会えたんだよ」
そう言った玲弥は泣き腫らした顔をしていた。
「そやったんや!良かったな、玲弥君!」
「うん。ありがとう!君たちのことが気になったから戻ってきたんだ。お母さんが待ってるから戻るね」
玲弥はそう言ってすぐ消えた。
センタたちも戻ってしばらく母親を見守っていたが彼女はずっと目を閉じたままだった。
「わかりました」
母親は目を閉じて玲弥の部屋を思い浮かべ、部屋の中のものを順番に鮮明になるまで思い浮かべていった。
しかしなんの変化もなかった。
母親はさらに部屋ものを細かく思い出してそのまま待った。
それでもなんの変化も起こらなかった。
母親は目を開けて言った。
「ダメみたいです」
「そうですか……何故だろう」
あつしはしばらく考えていたが
「どこか違っている所がないかもう一度確かめてみよう。凪沙さん、玲弥君の部屋に行って見てきてくれないか。それからお母さんも部屋に行って、もう一度部屋の様子を覚えてきてください」
凪沙とお母さんは一緒に玲弥君の部屋に行きしばらくして戻ってきた。
「それじゃ、凪沙さんは玲弥君の所に行って、違う所がないか確かめてきて」
「うん。わかった」
凪沙は玲弥の所へ行った。
玲弥は首を長くして待っていた。
「どうなの?上手く行きそう?」
「なんかダメみたい。だからこの部屋が違っている所がないか確かめに来たのよ」
「そうか……」
「うーん。違ってる所はないのよねぇ……」
凪沙はセンタたちのところに戻ってそう言った。
「どうしてだろう?必要な条件は揃ってるはずなんだが」
重い空気がその場に漂よい出していた。
センタたち三人は口には出さないでいたが、お母さんは自分達のように玲弥君の世界には入れないのかもしれない、と思い始めていた。
母親は
「どうして!どうしてなの?あの子と話がしたい!私の中には楽しそうに話している玲弥がいるのに。ここで、このソファであの子と座って……」
と言って顔をおおって泣き出したが、急にふっと黙った。
そのころ玲弥も母親を待ち焦がれていた。
「お母さん来れないの?会いたい!お母さんに会いたい。お母さんのあの優しい笑顔が見たい!」
玲弥と母親はちょうど同じ時に、二人でソファに座って話していた時のことを思い出していた。
そして
「え?あ……お母さん!」
玲弥はソファに座っていた。
その横には母親が顔をおおって泣いていた。
「お母さん!」
その声に彼女は顔を上げた。
「玲弥!……」
「玲弥なのね!玲弥!」
「お母さん!」
二人は抱き合って泣いた。
母親と一緒にいたセンタたちは黙ってしまった母親をしばらく見守っていた。
「もしかしたら玲弥君と会えたんやろか?」
「うむ。この様子だとそうかもしれないな」
「確かめてみたいけど、邪魔するのもアカンやろうしなぁ」
「そうだね。もう少し待ってみよう」
かなりの間待っていた三人は、もういいだろうと思い玲弥のいる場所へ入っていった。
だが、玲弥はいなかった。
三人が不思議に思っていたところへ玲弥が部屋の中にフワッと現れた。
「ああ、ちょうど良かった。違う場所で会えたんだよ」
そう言った玲弥は泣き腫らした顔をしていた。
「そやったんや!良かったな、玲弥君!」
「うん。ありがとう!君たちのことが気になったから戻ってきたんだ。お母さんが待ってるから戻るね」
玲弥はそう言ってすぐ消えた。
センタたちも戻ってしばらく母親を見守っていたが彼女はずっと目を閉じたままだった。
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