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恋愛編
29話【seminar in Chiba】西園寺 すみれ:温泉(藍原編)③
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「あら、西じゃないの。一緒にどう?」
西園寺先生がまったく動じずにいう。西先生は、タオルでかろうじて下半身を覆ったまま、あたし同様固まっていた。
「お、お、どうしておまえがここに!? あっ、藍原先生までッ!?」
あたしはもう何もいえずに、とりあえず顎スレスレまでお湯に浸かる。もう、長いこと湯ぶねに入って、西園寺先生にもてあそばれ、完全にのぼせそう。お湯、透明だけど、中までは見えないわよね? あたしの体、見られてないわよね?
「ここ、女湯よ? あんた、間違えてるんじゃないの? ああ、それとも、わざと?」
「わざとなわけがあるか! 確かに男湯の暖簾がかかっていたから入ったつもりだったがっ、……と、とにかく、すまなかった! すぐ出るから――」
「あらいいのよ。せっかくだから、浸かっていきなさいよ。湯冷めするわよ?」
いやいや、なんでそこで引き留めてるんですか、西園寺先生!
「お、おまえは気にしなくても、俺と藍原先生は気にするんだよ」
そういって背を向けようとする西先生に、西園寺先生が……
「あら、今出ていっていいの? せっかく藍原先生と、キモチいいことしてたのに……」
「ええ!? ちょ、西園寺先生、何いって……ああんっ」
慌てるあたしの中の、先生の指が、また突然動き出した。不意を突かれてあられもない声が口から飛び出す。西先生がびっくりした顔であたしを見て……やだっ、信じられない、こんなところ見られるなんて! もう、穴があったら入りたい! お湯があったら潜りたいっ!!
「やだっ、も、やめてください、せんせ……ああっ、ひゃあ……ッ」
「あら、藍原さん、西がいたって気にしなくっていいのよ。ああ、それとも、見られてるほうが燃えちゃうかしら? ほら、藍原さん、あなた前、西の体が好みだとかいってたものね?」
「ああっ、そ、そんな、ことっ、いって……んんんっ」
いいながら、先生の指があたしの一点を捉えて執拗に擦り続ける。もう、恥ずかしくて西先生のほうを向けない。先生は、足を止めたまま動かない。もうやだ、西先生、早く、出ていって……!
「やっ、やめっ、あっ、ん、んんっ、あっ、ダメっ、んんん――ッ!」
片手で必死に自分の口を押さえて、声を我慢する。激しく動く西園寺先生の指は、あたしを再び絶頂へ押し上げた。ぶるぶると体が震え、大きく肩で息をする。白旗をあげるように、あたしはぐったりと西園寺先生にもたれかかった。
もう、おしまいだ。西先生に、イクところを、見られた。恥ずかしすぎて死んでしまいたい……。
「あらあら、藍原さん、我慢しなくてもいいのに。イクときのあなたの可愛い声、もう一度聞きたかったわ」
何もいえないあたしに代わって、西先生が口を開いた。
「さ……西園寺ッ、おまえっ、嫌がる相手に何やってんだ!? 早く彼女を放せ!」
「何いってるの西、彼女の感じてるところ、穴が開くほど凝視してたくせに」
うわ、やっぱり、見られたんだ。
「な、何をいってる、そんなことは……っ」
「じゃあどうして、あなたの下半身はそんなに興奮してるのかしら?」
西園寺先生の言葉に、ついうっかり、目だけ西先生のほうへ……うわああ! か、かろうじて大事なところだけを隠している白いタオルが……っ、さっきと違って、お、おかしな形に……さながら砲台のように! 上を、向いているわ!?
次の瞬間、うかつにも、西先生とバッチリ目が合ってしまった。
「あああっ、藍原先生っ、違います、これは断じてっ、そういうことでは……ッ!」
西先生が慌てふためいて、タオルを両手で前のほうへ遠ざける。あ、砲台が消えて、ただのタオルになった……。じゃ、なくて! そんな手品が見たいんじゃなくて、あたしはとにかく、一刻も早くこのあり得ない状況から、逃げ出したいのよ!
「あのっ、西先生っ、こ、これは夢です! すべて夢ですから、目が覚めたら忘れるやつですからっ! けして現実のものでは、ありませんからっっ!」
ああ、西先生に無理やりな嘘をついて騙すのはこれで何回目だろう? 今度という今度こそ、もう騙されてはくれないかもしれない。と、とにかく、ここから出ないと! あたしのタオル……あった!
湯ぶねの端っこに置いておいたタオルを何とか広げると、両胸をえいっと寄せてタオルで隠し、下まで何とか隠れてるのを確認してから、あたしは西先生に背を向けないよう気をつけて湯ぶねからささっと出た。
「あっ、あたしはお先に上がりますんで、先生方、どうぞごゆっくり!」
よしっ、このまま撤収すればっ、とりあえずは……あれ……ちょっと待って、頭が急に、くらーっと……あ、これ、まずいやつだ……
「……藍原先生!?」
遠くのほうで西先生の声が聞こえた。いや、ホントは近くにいるのに、遠くに聞こえる。そのまま世界がふわーっとなって……
あ、これ、倒れる。まずい、あたし、頭打って死んじゃうかも……
なぜか、頭は打たなかった。温かくて柔らかいものがあたしの頭を支えて……んん? 西先生が、顔を近づけて叫んでる。やだ、あたし、まだ風呂場なの? 西先生に、裸、見られちゃう。
朦朧とする意識の中で、何とか体だけは隠そうと、持っていたタオルを引き寄せて……ああダメ、タオルがよれて股しか隠せない。む、胸、胸、隠さないと……
「藍原先生!? しっかりしてくださいっ」
視界に、ぼやけた西先生の顔と、……あ、タオル。目の前にあった。途切れそうになる意識の中で、あたしは何とかもう一枚のタオルを胸に当てて……
ああ、これで、何とか、なるかな? 起きたら全部、夢だといいな……西先生……迷惑かけて、ごめんなさい……。
西園寺先生がまったく動じずにいう。西先生は、タオルでかろうじて下半身を覆ったまま、あたし同様固まっていた。
「お、お、どうしておまえがここに!? あっ、藍原先生までッ!?」
あたしはもう何もいえずに、とりあえず顎スレスレまでお湯に浸かる。もう、長いこと湯ぶねに入って、西園寺先生にもてあそばれ、完全にのぼせそう。お湯、透明だけど、中までは見えないわよね? あたしの体、見られてないわよね?
「ここ、女湯よ? あんた、間違えてるんじゃないの? ああ、それとも、わざと?」
「わざとなわけがあるか! 確かに男湯の暖簾がかかっていたから入ったつもりだったがっ、……と、とにかく、すまなかった! すぐ出るから――」
「あらいいのよ。せっかくだから、浸かっていきなさいよ。湯冷めするわよ?」
いやいや、なんでそこで引き留めてるんですか、西園寺先生!
「お、おまえは気にしなくても、俺と藍原先生は気にするんだよ」
そういって背を向けようとする西先生に、西園寺先生が……
「あら、今出ていっていいの? せっかく藍原先生と、キモチいいことしてたのに……」
「ええ!? ちょ、西園寺先生、何いって……ああんっ」
慌てるあたしの中の、先生の指が、また突然動き出した。不意を突かれてあられもない声が口から飛び出す。西先生がびっくりした顔であたしを見て……やだっ、信じられない、こんなところ見られるなんて! もう、穴があったら入りたい! お湯があったら潜りたいっ!!
「やだっ、も、やめてください、せんせ……ああっ、ひゃあ……ッ」
「あら、藍原さん、西がいたって気にしなくっていいのよ。ああ、それとも、見られてるほうが燃えちゃうかしら? ほら、藍原さん、あなた前、西の体が好みだとかいってたものね?」
「ああっ、そ、そんな、ことっ、いって……んんんっ」
いいながら、先生の指があたしの一点を捉えて執拗に擦り続ける。もう、恥ずかしくて西先生のほうを向けない。先生は、足を止めたまま動かない。もうやだ、西先生、早く、出ていって……!
「やっ、やめっ、あっ、ん、んんっ、あっ、ダメっ、んんん――ッ!」
片手で必死に自分の口を押さえて、声を我慢する。激しく動く西園寺先生の指は、あたしを再び絶頂へ押し上げた。ぶるぶると体が震え、大きく肩で息をする。白旗をあげるように、あたしはぐったりと西園寺先生にもたれかかった。
もう、おしまいだ。西先生に、イクところを、見られた。恥ずかしすぎて死んでしまいたい……。
「あらあら、藍原さん、我慢しなくてもいいのに。イクときのあなたの可愛い声、もう一度聞きたかったわ」
何もいえないあたしに代わって、西先生が口を開いた。
「さ……西園寺ッ、おまえっ、嫌がる相手に何やってんだ!? 早く彼女を放せ!」
「何いってるの西、彼女の感じてるところ、穴が開くほど凝視してたくせに」
うわ、やっぱり、見られたんだ。
「な、何をいってる、そんなことは……っ」
「じゃあどうして、あなたの下半身はそんなに興奮してるのかしら?」
西園寺先生の言葉に、ついうっかり、目だけ西先生のほうへ……うわああ! か、かろうじて大事なところだけを隠している白いタオルが……っ、さっきと違って、お、おかしな形に……さながら砲台のように! 上を、向いているわ!?
次の瞬間、うかつにも、西先生とバッチリ目が合ってしまった。
「あああっ、藍原先生っ、違います、これは断じてっ、そういうことでは……ッ!」
西先生が慌てふためいて、タオルを両手で前のほうへ遠ざける。あ、砲台が消えて、ただのタオルになった……。じゃ、なくて! そんな手品が見たいんじゃなくて、あたしはとにかく、一刻も早くこのあり得ない状況から、逃げ出したいのよ!
「あのっ、西先生っ、こ、これは夢です! すべて夢ですから、目が覚めたら忘れるやつですからっ! けして現実のものでは、ありませんからっっ!」
ああ、西先生に無理やりな嘘をついて騙すのはこれで何回目だろう? 今度という今度こそ、もう騙されてはくれないかもしれない。と、とにかく、ここから出ないと! あたしのタオル……あった!
湯ぶねの端っこに置いておいたタオルを何とか広げると、両胸をえいっと寄せてタオルで隠し、下まで何とか隠れてるのを確認してから、あたしは西先生に背を向けないよう気をつけて湯ぶねからささっと出た。
「あっ、あたしはお先に上がりますんで、先生方、どうぞごゆっくり!」
よしっ、このまま撤収すればっ、とりあえずは……あれ……ちょっと待って、頭が急に、くらーっと……あ、これ、まずいやつだ……
「……藍原先生!?」
遠くのほうで西先生の声が聞こえた。いや、ホントは近くにいるのに、遠くに聞こえる。そのまま世界がふわーっとなって……
あ、これ、倒れる。まずい、あたし、頭打って死んじゃうかも……
なぜか、頭は打たなかった。温かくて柔らかいものがあたしの頭を支えて……んん? 西先生が、顔を近づけて叫んでる。やだ、あたし、まだ風呂場なの? 西先生に、裸、見られちゃう。
朦朧とする意識の中で、何とか体だけは隠そうと、持っていたタオルを引き寄せて……ああダメ、タオルがよれて股しか隠せない。む、胸、胸、隠さないと……
「藍原先生!? しっかりしてくださいっ」
視界に、ぼやけた西先生の顔と、……あ、タオル。目の前にあった。途切れそうになる意識の中で、あたしは何とかもう一枚のタオルを胸に当てて……
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