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妄想編
26話【off duty】新條 浩平 20歳:自宅前(新條編)
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『あんっ、あんっ、いい、いいのっ、もっと、もっと突いて!!』
『ここか!? ここがいいのか!?』
『ああっ、そこよ、そこ、もっと、ああ、ああああっ!』
ガチャ。ガチャガチャ。ガタガタ、ドンドン!
……おい、なんだよ、今すっげーいいとこなのに、こんな夜中に誰だよ!? アパートのドアを開けようとする音。無視しようかと思ったけど、泥棒のわりには大胆だし、誰か急用なのかも?
俺はビデオの一時停止ボタンを押すと、テレビの電源を切って、もうちょっとでイキそうだった俺の息子を無理やりジャージのズボンの中にしまった。上着を羽織って、何とか勃起してるのがばれないようにする。
魚眼レンズから覗くと、意外にも立っているのは女性だった。ドアを開けると、女性が固まって、次の瞬間、とんでもない悲鳴を上げようとする。え、ちょっと待ってよ、今誰か来ちゃったら、俺、完全に変質者じゃん!? こんなかわいい女の人が叫んでて、目の前には勃起した男って、マジやばいからっ!
俺はあわてて女の人の口をふさいだ。……あっ、やべ、こっちの手……ああ、大丈夫、チンコしごいてたのは反対の手だった。
女性はしりもちをついて、なおもじたばたともがく。……ちょっと、これ、本当に俺が襲ってるみたいになっちゃってますけど! やばいって、早く何とかしないと……!
「やめてくださいよ、人を不審者みたいに……。勝手に人んちに入ってこようとして、あなたのほうが不審者じゃないですか」
テンパりながらも、何とか相手を落ち着かせようと、丁寧に話して聞かせる。……お、よかった、ちょっと正気に戻ったみたいだぞ。
「手、離すけど、叫ばないでくださいね?」
女性がうなずいた。よかった、何とか警察に捕まるのは免れそうだ。そっと手を離すと、女性は息苦しかったのか、はあはあと大きく息をついだ。……押さえてた手のひらに、この人の温もりが残ってる。なんか、あったかくて、湿ってる。……あ、やばい、こんな状況なのに、また俺の息子が……。
「部屋、間違えてません?」
俺が落ち着いて話してきかせると、女性はみるみる青くなって、俺んちのドアの前で土下座を始めた。
「すすす、すみませんでした! ホントすみませんっっ!」
必死の形相で謝ってる。そこまで慌てることないのに。部屋を間違えるくらい、誰だってあるよ。なんか、なごむなあ、この人。ほら、もう目なんかこんなに涙溜めて、今にも泣きそう。うるうるした大きな目で、そんな上目遣いにすがるように見られたらさあ……って……あれ? この人……。もしかして……? 私服だと、別人みたいに見えるけど……そう、だよね?
「……もしかして、先生ですか? 藍原先生」
うん、間違いない。絶対そうだ。先生は、俺のこと、覚えていないみたい。そりゃそうだ、毎日出会う何十人もの患者の中のひとりだもんな。
「す、すみません、よく覚えていなくて、あの、いつお会いしましたっけ、何でいらっしゃいました?」
え、それ、ここで聞く? ……て、そうか、覚えてないんだから仕方ないよな。
「あの、2週間くらい前に、……痔で」
……ちょっと、恥ずかしい。こんなアパートの廊下で、そんなこといわせないでよ……。
「どうですか、その後、調子のほうは!?」
「あ、おかげさまで、すごく調子いいです」
……なんだ、この会話。
「お酒も控えてます? 飲みすぎたら次は救急搬送じゃ済まないかもしれませんよ」
え、先生、痔のことだけじゃなくて、その前に俺が急性アルコール中毒で運ばれたことも、覚えてくれてたの? なんだかうれしいような、恥ずかしいような。でも、偶然会っちゃった俺に、こんなに体調を気遣った声をかけてくれるなんて、いい先生だなあ。うん、やっぱり、なごむなあ。
藍原先生は、後ずさりしながら気まずそうに隣の自分の部屋に入っていった。それを見送ってから、俺も部屋に戻る。テレビをつけたら、AV女優のイキそうな顔がアップで静止してた。
……なんだろう。さっきまであんなに夢中になってチンコしごいてたのに、そんな自分がすげぇしょーもない生き物に思えてくる……。あんなに可愛く恥ずかしがって恐縮する藍原先生を見ちゃうと……。ていうか、診察室で会ったときは、可愛いなとは思ったけど、やっぱ医者だし、頼もしいような安心感みたいなのがあった。でも、今の藍原先生は……。
俺はしばらく立ち尽くしたあと、もう一度テレビの電源を切った。そのまま布団に入る。目を閉じると、潤んだ目で俺を見つめてくる藍原先生の顔が……。やばい、それだけで息子が元気になるって、どんだけだよ。
結局俺は、布団を頭までかぶって、さっきの続きを始めた。……すみません、藍原先生。今夜のおかずにさせていただきマス。
『ここか!? ここがいいのか!?』
『ああっ、そこよ、そこ、もっと、ああ、ああああっ!』
ガチャ。ガチャガチャ。ガタガタ、ドンドン!
……おい、なんだよ、今すっげーいいとこなのに、こんな夜中に誰だよ!? アパートのドアを開けようとする音。無視しようかと思ったけど、泥棒のわりには大胆だし、誰か急用なのかも?
俺はビデオの一時停止ボタンを押すと、テレビの電源を切って、もうちょっとでイキそうだった俺の息子を無理やりジャージのズボンの中にしまった。上着を羽織って、何とか勃起してるのがばれないようにする。
魚眼レンズから覗くと、意外にも立っているのは女性だった。ドアを開けると、女性が固まって、次の瞬間、とんでもない悲鳴を上げようとする。え、ちょっと待ってよ、今誰か来ちゃったら、俺、完全に変質者じゃん!? こんなかわいい女の人が叫んでて、目の前には勃起した男って、マジやばいからっ!
俺はあわてて女の人の口をふさいだ。……あっ、やべ、こっちの手……ああ、大丈夫、チンコしごいてたのは反対の手だった。
女性はしりもちをついて、なおもじたばたともがく。……ちょっと、これ、本当に俺が襲ってるみたいになっちゃってますけど! やばいって、早く何とかしないと……!
「やめてくださいよ、人を不審者みたいに……。勝手に人んちに入ってこようとして、あなたのほうが不審者じゃないですか」
テンパりながらも、何とか相手を落ち着かせようと、丁寧に話して聞かせる。……お、よかった、ちょっと正気に戻ったみたいだぞ。
「手、離すけど、叫ばないでくださいね?」
女性がうなずいた。よかった、何とか警察に捕まるのは免れそうだ。そっと手を離すと、女性は息苦しかったのか、はあはあと大きく息をついだ。……押さえてた手のひらに、この人の温もりが残ってる。なんか、あったかくて、湿ってる。……あ、やばい、こんな状況なのに、また俺の息子が……。
「部屋、間違えてません?」
俺が落ち着いて話してきかせると、女性はみるみる青くなって、俺んちのドアの前で土下座を始めた。
「すすす、すみませんでした! ホントすみませんっっ!」
必死の形相で謝ってる。そこまで慌てることないのに。部屋を間違えるくらい、誰だってあるよ。なんか、なごむなあ、この人。ほら、もう目なんかこんなに涙溜めて、今にも泣きそう。うるうるした大きな目で、そんな上目遣いにすがるように見られたらさあ……って……あれ? この人……。もしかして……? 私服だと、別人みたいに見えるけど……そう、だよね?
「……もしかして、先生ですか? 藍原先生」
うん、間違いない。絶対そうだ。先生は、俺のこと、覚えていないみたい。そりゃそうだ、毎日出会う何十人もの患者の中のひとりだもんな。
「す、すみません、よく覚えていなくて、あの、いつお会いしましたっけ、何でいらっしゃいました?」
え、それ、ここで聞く? ……て、そうか、覚えてないんだから仕方ないよな。
「あの、2週間くらい前に、……痔で」
……ちょっと、恥ずかしい。こんなアパートの廊下で、そんなこといわせないでよ……。
「どうですか、その後、調子のほうは!?」
「あ、おかげさまで、すごく調子いいです」
……なんだ、この会話。
「お酒も控えてます? 飲みすぎたら次は救急搬送じゃ済まないかもしれませんよ」
え、先生、痔のことだけじゃなくて、その前に俺が急性アルコール中毒で運ばれたことも、覚えてくれてたの? なんだかうれしいような、恥ずかしいような。でも、偶然会っちゃった俺に、こんなに体調を気遣った声をかけてくれるなんて、いい先生だなあ。うん、やっぱり、なごむなあ。
藍原先生は、後ずさりしながら気まずそうに隣の自分の部屋に入っていった。それを見送ってから、俺も部屋に戻る。テレビをつけたら、AV女優のイキそうな顔がアップで静止してた。
……なんだろう。さっきまであんなに夢中になってチンコしごいてたのに、そんな自分がすげぇしょーもない生き物に思えてくる……。あんなに可愛く恥ずかしがって恐縮する藍原先生を見ちゃうと……。ていうか、診察室で会ったときは、可愛いなとは思ったけど、やっぱ医者だし、頼もしいような安心感みたいなのがあった。でも、今の藍原先生は……。
俺はしばらく立ち尽くしたあと、もう一度テレビの電源を切った。そのまま布団に入る。目を閉じると、潤んだ目で俺を見つめてくる藍原先生の顔が……。やばい、それだけで息子が元気になるって、どんだけだよ。
結局俺は、布団を頭までかぶって、さっきの続きを始めた。……すみません、藍原先生。今夜のおかずにさせていただきマス。
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