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学園編
第27話
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「あ~ あのSクラスか!」
あのSクラスって言われてるんだ…。
少し驚きだけど疑問が出てきた。
「にしても、ウィニッツくんは俺たちって分からなかったみたいだけど、入学式のときに話したりクラス内戦で目立ったと思ってたんだけどな。」
「あ~…入学のときは席が遠いし近くの人と話してたからね。クラス内戦では森で見つけたキノコにあたってたんだよね…」
「え?大丈夫?じゃあクラス内戦では仕方ないか。でも弓とかを撃つときはかなり遠くから見えてたみたいだけど見えなかったの?」
「遠くから見えてるのは魔法の《水鏡のスコープ》っていう独自で創った魔法なんだよね。僕は魔法を飛ばせないみたいだからこんな風に魔法を改良して補助として使うんだ。」
「なるほど。魔法を飛ばせないって不便だな。けど、確かに魔力量は多そうだな。」
「わかるの⁉」
「一応少しはわかるけど?」
「へぇー!!そんなことも出来るんだ!」
「俺たちは二人とも出来るけどそんなにすごいのか?」
「すごいよ!!相手の戦力がパッとわかるんだから!!」
確かに俺たちみたいに魔力量が分かるとは聞いたことがないが、そういうのは一定以上強かったらわかるもんなんじゃないのか?
「うわ~分かってなさそうだね…。それね?確かだけど相手の戦力を勝手に盗み見ることが出来たのは国宝級のアーティファクトのはずだよ?」
「「えっ」」
思ったよりもすごいな…。
「へ、へぇ~。俺たちも知ってたけどこんなに制度は粗くないだろ…。」
少々目をそらしながらそういうと、ウィニッツはニヤッと笑う
「絶対今知っただろ!」
そんなじゃれ合いをしながら俺達は宿に帰る。
「俺らはここの宿だから。」
「オッケー。じゃあな!」
ウィニッツくんと別れて宿の自室に入ると、少し疲れが出たのかベッドに倒れ込んだ。
今日の出来事を思い返しているうちに、ふとさっきの会話を振り返る。
「あのSクラスって言われてるのか…」と、少し驚いた言葉を心の中で繰り返しつつ、ウィニッツくんのことを考える。
彼は魔力量も多く、独自の魔法まで創り出せる才能を持っている。
そう考えると、自分たちの能力が特別ではないと再認識し、少し肩の力を抜いて笑いあってしまった。
次の日、学校に行くと、教室に入った途端にリュウくんが話しかけてきた。
「なぁ、ソウ、シュウ。お前たちがドラゴンを倒しているみたいなことを聞いたんだが…本当か?」
突然の質問に少し戸惑いながらも、ソウが答える。
「えっ、リュウくん見てたの?」
リュウくんは少し困った表情を浮かべながら答える。
「いや、俺が見たわけじゃないんだ。ただ、噂が広がっていて、みんなお前たちのことを話してるんだ。あのSクラスの二人と誰かがドラゴンを倒したって。」
ドラゴンを倒した事実が、こんなに早く広まるとは思っていなかった。
「その様子だと本当みたいだな…」
「まぁ、倒したのは事実だけど、そんなに大げさな話じゃないよ。俺たちがただ運が良かっただけだし、ドラゴンもそんなに強くなかったんだ。」
「そんなこと言っても、ドラゴンはドラゴンだぞ。Aランク冒険者数人がかりでも大変だろうに…」
そう言ってハッと何かにリュウくんが気づく。
嫌な予感を感じ取ったのかどんどん顔色が悪くなる。
「まて、お前たちがドラゴンを倒した。それはまだ、わからなくもないが…」
間を空け、口を開く。
「もう一人…誰かと一緒に倒したのか?」
「うん。」
なんの気負いもなくソウが返事をする。
「どういうことか分ってるのか?……お前たちが連携を取れる仲間とか規格外がまだ他にいるのか…?」
最後の方は小声で聞こえなかったがかなりリュウくんは驚いているようだ。
「ん?ヒュドラを3人で倒したんだから2人で倒したってよりはまだ現実味あると思うんだけど?」
コレは俺もそう思うのだが、それを聞いたリュウくんは一度ため息をつき教えてくれる
「いやいや…ヒュドラはドラゴンの中で攻撃力は低いほうだか再生能力や攻撃の多彩さが厄介な魔物だぞ!しかも、それを3人でだと!あの首の多さにたった3人だ!2人でもおかしいが3人もおかしいことには変わりないだろう!」
「そうか?」
正直に言えばどれだけ異常なことをしているかがまだ実感として湧いていなかった。
「そうだよ。ヒュドラを倒すには、通常なら大規模な部隊と緻密な作戦が必要なんだ。3人だけでそれをやったってことは、相当な実力と連携が必要だってことだ。」
「連携って言っても近く?に居たウィニッツくんが手伝ってくれただけだよ。」
「近くに居てからと言ってもヒュドラの討伐は普通は手伝うわけがないだろうが…」
リュウくんはしばらく黙っていたが、ようやく口を開いた。
「いや…待てよ。ウィニッツって、Bクラスにいるウィニッツか?」
「そうだけどよく知ってたね。」
「一応、公爵家だ。何かあったときのために全員の名前と顔はは覚えているつもりだ。」
「公爵家ってすごいんだね……」
あのSクラスって言われてるんだ…。
少し驚きだけど疑問が出てきた。
「にしても、ウィニッツくんは俺たちって分からなかったみたいだけど、入学式のときに話したりクラス内戦で目立ったと思ってたんだけどな。」
「あ~…入学のときは席が遠いし近くの人と話してたからね。クラス内戦では森で見つけたキノコにあたってたんだよね…」
「え?大丈夫?じゃあクラス内戦では仕方ないか。でも弓とかを撃つときはかなり遠くから見えてたみたいだけど見えなかったの?」
「遠くから見えてるのは魔法の《水鏡のスコープ》っていう独自で創った魔法なんだよね。僕は魔法を飛ばせないみたいだからこんな風に魔法を改良して補助として使うんだ。」
「なるほど。魔法を飛ばせないって不便だな。けど、確かに魔力量は多そうだな。」
「わかるの⁉」
「一応少しはわかるけど?」
「へぇー!!そんなことも出来るんだ!」
「俺たちは二人とも出来るけどそんなにすごいのか?」
「すごいよ!!相手の戦力がパッとわかるんだから!!」
確かに俺たちみたいに魔力量が分かるとは聞いたことがないが、そういうのは一定以上強かったらわかるもんなんじゃないのか?
「うわ~分かってなさそうだね…。それね?確かだけど相手の戦力を勝手に盗み見ることが出来たのは国宝級のアーティファクトのはずだよ?」
「「えっ」」
思ったよりもすごいな…。
「へ、へぇ~。俺たちも知ってたけどこんなに制度は粗くないだろ…。」
少々目をそらしながらそういうと、ウィニッツはニヤッと笑う
「絶対今知っただろ!」
そんなじゃれ合いをしながら俺達は宿に帰る。
「俺らはここの宿だから。」
「オッケー。じゃあな!」
ウィニッツくんと別れて宿の自室に入ると、少し疲れが出たのかベッドに倒れ込んだ。
今日の出来事を思い返しているうちに、ふとさっきの会話を振り返る。
「あのSクラスって言われてるのか…」と、少し驚いた言葉を心の中で繰り返しつつ、ウィニッツくんのことを考える。
彼は魔力量も多く、独自の魔法まで創り出せる才能を持っている。
そう考えると、自分たちの能力が特別ではないと再認識し、少し肩の力を抜いて笑いあってしまった。
次の日、学校に行くと、教室に入った途端にリュウくんが話しかけてきた。
「なぁ、ソウ、シュウ。お前たちがドラゴンを倒しているみたいなことを聞いたんだが…本当か?」
突然の質問に少し戸惑いながらも、ソウが答える。
「えっ、リュウくん見てたの?」
リュウくんは少し困った表情を浮かべながら答える。
「いや、俺が見たわけじゃないんだ。ただ、噂が広がっていて、みんなお前たちのことを話してるんだ。あのSクラスの二人と誰かがドラゴンを倒したって。」
ドラゴンを倒した事実が、こんなに早く広まるとは思っていなかった。
「その様子だと本当みたいだな…」
「まぁ、倒したのは事実だけど、そんなに大げさな話じゃないよ。俺たちがただ運が良かっただけだし、ドラゴンもそんなに強くなかったんだ。」
「そんなこと言っても、ドラゴンはドラゴンだぞ。Aランク冒険者数人がかりでも大変だろうに…」
そう言ってハッと何かにリュウくんが気づく。
嫌な予感を感じ取ったのかどんどん顔色が悪くなる。
「まて、お前たちがドラゴンを倒した。それはまだ、わからなくもないが…」
間を空け、口を開く。
「もう一人…誰かと一緒に倒したのか?」
「うん。」
なんの気負いもなくソウが返事をする。
「どういうことか分ってるのか?……お前たちが連携を取れる仲間とか規格外がまだ他にいるのか…?」
最後の方は小声で聞こえなかったがかなりリュウくんは驚いているようだ。
「ん?ヒュドラを3人で倒したんだから2人で倒したってよりはまだ現実味あると思うんだけど?」
コレは俺もそう思うのだが、それを聞いたリュウくんは一度ため息をつき教えてくれる
「いやいや…ヒュドラはドラゴンの中で攻撃力は低いほうだか再生能力や攻撃の多彩さが厄介な魔物だぞ!しかも、それを3人でだと!あの首の多さにたった3人だ!2人でもおかしいが3人もおかしいことには変わりないだろう!」
「そうか?」
正直に言えばどれだけ異常なことをしているかがまだ実感として湧いていなかった。
「そうだよ。ヒュドラを倒すには、通常なら大規模な部隊と緻密な作戦が必要なんだ。3人だけでそれをやったってことは、相当な実力と連携が必要だってことだ。」
「連携って言っても近く?に居たウィニッツくんが手伝ってくれただけだよ。」
「近くに居てからと言ってもヒュドラの討伐は普通は手伝うわけがないだろうが…」
リュウくんはしばらく黙っていたが、ようやく口を開いた。
「いや…待てよ。ウィニッツって、Bクラスにいるウィニッツか?」
「そうだけどよく知ってたね。」
「一応、公爵家だ。何かあったときのために全員の名前と顔はは覚えているつもりだ。」
「公爵家ってすごいんだね……」
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