2 / 3
1話
しおりを挟む
私の名前はルビー。
この世界の意味で宝石って言う意味よ。
なかなか気に入っているのよ。
たまに、名前負けしてるなんて奴がいるけど、気にしないわ。
だって、私のお父さんもお母さんも、私の事を可愛いと言ってくれるもの。
親バカですって?
それでも良いじゃない!女の子はみんなお姫様みたいになりたいって、一度は思う物じゃないの?
この街では、女の子はみんな自分の名前に因んだ物を身につけて、好きな相手にアピールするの。
『私は自分に自身を持ってます』って事!
グイグイ押しすぎると相手が嫌がるって聞くから、行き過ぎも注意なのよね!
ただ、自身を持ってるライバル達は良き好敵手、嫌いではないわ!
私の両親は靴屋をしてるの。この街ではそれなりに知られているのよ。
仕事が丁寧なんですって。
私もいつかこの靴屋を継ぐの。
そのためには私、婿養子?ってやつを探す必要があるんですって。でも、その位置に落ち着きたいって人を探すのは骨が折れるかも、って今日この頃感じているの。
男の子なら、自分の家に入って欲しいって思う物じゃないのかしら?詳しくは分からないわ。大人同士の話を盗み聞きしてただけだから。ま、私としては気の合う相手がいいなって、いつも思うの。
この国は、ある一強国の属国で、海産資源に恵まれた途上国家よ。
ここにしかない資源を大国に提供する事で、今の地位と利益を手に入れているの。
詳しくは時間があって、私の気が向いた時に説明するわ。
…あ、見て見て、あの人だり分かるかしら?
女の子達にキャーキャー言われて困ってるのは、この街で人気の男の子。
ディル、って言うの。
ディルの側にはいつだって人が集まってるの。
私はとてもその中に入るなんて出来ないし、今まで出来なかったわ。
だって、第一どうやって話しかけたらいいわけ?
競争率なんて知りたくもないわ。
あ、こっち向いた。
ディルとはたまに目が会うの。
頭にしてるな真っ赤な花飾りを無意識にさわってしまう。
ズレてないかしら。
急に不安になる。
本当は私の名前からすると、宝石を身につけるものだけれど、そんな高価なものを身につけられるほど、私自身で稼いでいないし、何より豚に真珠状態よ。私のお気に入りの名前をこれ以上けなされたくないの!いいの、大人の女性になったら、もっと綺麗になるんだから。その時に宝石の件は考えるわ。
そんな事を考えていると、女の子達の群れにおされて、ディルとその他一行の群れは次第に小さくなっていく。
遠くから、『あちらにいいお店が』とか『新しく出来たお菓子屋さんで』とか聞こえた。
思い返してみれば、彼女達の気合の入れ方は普通ではない。
花の名前を持つ子は、花の冠。花柄のワンピース。
音の名前の子は、風にそよぐハープの耳飾り。シャンシャンと細やかな音のする髪飾り。
金属の名前の子は、金縁のバック、メガネ、靴。
皆、思考を凝らしたものばかり。
私は?
私はいいの。いつもの私のまま。
一番好きな赤の、花飾り。まるで、宝石のよう。
ふと、頭上に影がさし、思いがけぬ人物が。
『……やあ、ルビー。王都に行ってたんだよ。---会いたかった。』
お互いを意識しだしたのはいつだっただろうか。前にあった時には、この花飾りをくれた。
『ルビーは宝石のようなこの花がよく似合うよ。これ、君にだよ。もらってくれたら嬉しいな。』
そう言って、昼間の休みにいつもの場所で日向ぼっこしていた私にくれた。私達の間でそんな会話があったなんて、誰も知らない。
その花言葉の意味は---この国ではとても有名で-------。
『魔術師の会議って、面白くてね』
彼がそう言って笑う。
そう、彼はこの国にはよくいる魔法を使える人達の一人で、その中でもかなり魔法に長けてるのだ。
その彼は、王都出会った同じ魔法使いの話や、出来事を面白おかしく話すものだから、私は本当に久しぶりに心の底から笑った。あぁ、安心する。
二人で、肩を並べて、いつもの木の影まで歩いて行く。
私は座り、膝を並べて彼の方に身体を傾ける。
彼は寝そべって片方の手に頭を預けている。
何気ない日常が、こんなにも愛おしい。
世界は今動いているのしら?
もしかして、止まってる?だって、たまに世界の音が、聞こえなくなるから-----。
今、遠くに見えるあの海も、ここまで漂う潮風も、全てがこの私がここに居ると感じさせる。
『ルビ~?聞いてた?』
はっとして、彼のグリーンの瞳を見つめた。
『ごめんなさい、ちょっとぼーっとして……』
すると、彼は肩をすくめて仕方なさそうに笑った。
『いつもの君だ。---その髪飾り、よく似合ってるよ。そうだ、今度僕の友達に会わない?近々、魔術師仲間で小さなパーティーがあるんだ。その髪飾りもしっかり付けて来てよね!』
こちらの顔色を伺いながら、返事を待つ彼は背伸びしていない、私の前での彼そのもの。
『もちろん!外したりしたいわ。それに、誘ってくれて嬉しい!ぜひ連れて行ってね』
その返事に、彼は満面の笑みを浮かべる。
『いつだってルビーの笑顔は、僕の気持ちを明るくしてくれるね。ありがとう...それから---,』
その後も話は尽きない。
風が髪を巻き上げながら通り過ぎ、黄金の平原を駆け上がりながら海飛沫を彼方に散らす。
きっと、沢山の出来事があっても、私達なら----
そう思うルビーの髪飾りに彼の手がそっと触れた。
この花飾りのモチーフとなった花、その花の花言葉は、------人生の輝き,-----。
この世界の意味で宝石って言う意味よ。
なかなか気に入っているのよ。
たまに、名前負けしてるなんて奴がいるけど、気にしないわ。
だって、私のお父さんもお母さんも、私の事を可愛いと言ってくれるもの。
親バカですって?
それでも良いじゃない!女の子はみんなお姫様みたいになりたいって、一度は思う物じゃないの?
この街では、女の子はみんな自分の名前に因んだ物を身につけて、好きな相手にアピールするの。
『私は自分に自身を持ってます』って事!
グイグイ押しすぎると相手が嫌がるって聞くから、行き過ぎも注意なのよね!
ただ、自身を持ってるライバル達は良き好敵手、嫌いではないわ!
私の両親は靴屋をしてるの。この街ではそれなりに知られているのよ。
仕事が丁寧なんですって。
私もいつかこの靴屋を継ぐの。
そのためには私、婿養子?ってやつを探す必要があるんですって。でも、その位置に落ち着きたいって人を探すのは骨が折れるかも、って今日この頃感じているの。
男の子なら、自分の家に入って欲しいって思う物じゃないのかしら?詳しくは分からないわ。大人同士の話を盗み聞きしてただけだから。ま、私としては気の合う相手がいいなって、いつも思うの。
この国は、ある一強国の属国で、海産資源に恵まれた途上国家よ。
ここにしかない資源を大国に提供する事で、今の地位と利益を手に入れているの。
詳しくは時間があって、私の気が向いた時に説明するわ。
…あ、見て見て、あの人だり分かるかしら?
女の子達にキャーキャー言われて困ってるのは、この街で人気の男の子。
ディル、って言うの。
ディルの側にはいつだって人が集まってるの。
私はとてもその中に入るなんて出来ないし、今まで出来なかったわ。
だって、第一どうやって話しかけたらいいわけ?
競争率なんて知りたくもないわ。
あ、こっち向いた。
ディルとはたまに目が会うの。
頭にしてるな真っ赤な花飾りを無意識にさわってしまう。
ズレてないかしら。
急に不安になる。
本当は私の名前からすると、宝石を身につけるものだけれど、そんな高価なものを身につけられるほど、私自身で稼いでいないし、何より豚に真珠状態よ。私のお気に入りの名前をこれ以上けなされたくないの!いいの、大人の女性になったら、もっと綺麗になるんだから。その時に宝石の件は考えるわ。
そんな事を考えていると、女の子達の群れにおされて、ディルとその他一行の群れは次第に小さくなっていく。
遠くから、『あちらにいいお店が』とか『新しく出来たお菓子屋さんで』とか聞こえた。
思い返してみれば、彼女達の気合の入れ方は普通ではない。
花の名前を持つ子は、花の冠。花柄のワンピース。
音の名前の子は、風にそよぐハープの耳飾り。シャンシャンと細やかな音のする髪飾り。
金属の名前の子は、金縁のバック、メガネ、靴。
皆、思考を凝らしたものばかり。
私は?
私はいいの。いつもの私のまま。
一番好きな赤の、花飾り。まるで、宝石のよう。
ふと、頭上に影がさし、思いがけぬ人物が。
『……やあ、ルビー。王都に行ってたんだよ。---会いたかった。』
お互いを意識しだしたのはいつだっただろうか。前にあった時には、この花飾りをくれた。
『ルビーは宝石のようなこの花がよく似合うよ。これ、君にだよ。もらってくれたら嬉しいな。』
そう言って、昼間の休みにいつもの場所で日向ぼっこしていた私にくれた。私達の間でそんな会話があったなんて、誰も知らない。
その花言葉の意味は---この国ではとても有名で-------。
『魔術師の会議って、面白くてね』
彼がそう言って笑う。
そう、彼はこの国にはよくいる魔法を使える人達の一人で、その中でもかなり魔法に長けてるのだ。
その彼は、王都出会った同じ魔法使いの話や、出来事を面白おかしく話すものだから、私は本当に久しぶりに心の底から笑った。あぁ、安心する。
二人で、肩を並べて、いつもの木の影まで歩いて行く。
私は座り、膝を並べて彼の方に身体を傾ける。
彼は寝そべって片方の手に頭を預けている。
何気ない日常が、こんなにも愛おしい。
世界は今動いているのしら?
もしかして、止まってる?だって、たまに世界の音が、聞こえなくなるから-----。
今、遠くに見えるあの海も、ここまで漂う潮風も、全てがこの私がここに居ると感じさせる。
『ルビ~?聞いてた?』
はっとして、彼のグリーンの瞳を見つめた。
『ごめんなさい、ちょっとぼーっとして……』
すると、彼は肩をすくめて仕方なさそうに笑った。
『いつもの君だ。---その髪飾り、よく似合ってるよ。そうだ、今度僕の友達に会わない?近々、魔術師仲間で小さなパーティーがあるんだ。その髪飾りもしっかり付けて来てよね!』
こちらの顔色を伺いながら、返事を待つ彼は背伸びしていない、私の前での彼そのもの。
『もちろん!外したりしたいわ。それに、誘ってくれて嬉しい!ぜひ連れて行ってね』
その返事に、彼は満面の笑みを浮かべる。
『いつだってルビーの笑顔は、僕の気持ちを明るくしてくれるね。ありがとう...それから---,』
その後も話は尽きない。
風が髪を巻き上げながら通り過ぎ、黄金の平原を駆け上がりながら海飛沫を彼方に散らす。
きっと、沢山の出来事があっても、私達なら----
そう思うルビーの髪飾りに彼の手がそっと触れた。
この花飾りのモチーフとなった花、その花の花言葉は、------人生の輝き,-----。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる