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君の目になりたい

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 「僕は、大人になったら君の目になりたい。」

「何故」



「君はいつも「今」をみているだろう。僕も同じ景色を見ている。なのに、君はいつも僕とは違うものをみている。僕はそれがみてみたい。」

「君は何か勘違いをしている。僕が見ているのは、ただ目の前にあるものだけだ。」



「違うね、君は確実に他のなにかをみている。きらびやかで、目を細めたくなるようななにかを。」

「そうかい、僕はそんなものを見ているつもりはないけれどね。ただ、生きるために必死なだけだ。きっと君と変わらぬ「今」を見ているよ。」


 ーーー
「けれど、強いていうなら、僕は「先」を見ているよ。「今」だけ考えていたって、未来をよくすることはできないだろう?それくらいだ。それくらいしか見ていないよ。」



「そうらみろ!そうらみろ!君はやっぱり凄い奴だ。僕は「今」を見るのに精一杯!なったって君は「先」を行く!君はやっぱり凄い奴だ。







僕は絶対、大人になったら君の目になるよ。君のみている行く末を、一度でいいからみてみたい!」
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