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第十章 女神降臨(ルーカス/ミランダルート)
100.アゲロスの覚悟
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「……なぜここに魔獣が?」
ここは、奴隷専用館の中庭。
陶器のグラスを片手に幅広のソファーに寝そべる男は、無造作にその足を投げ出していた。
グラスには酒では無く果汁を加えた蜂蜜水が入っており、酔いを覚ますでなく一人夜風に吹かれていた所だ。
そして、彼の視線は庭園のとある一点にクギ付けとなる。
男はグラスを手にしたままゆっくりとソファーから立ち上がると、まるで夢遊病を患う者の様に不安定な足取りで二歩、三歩と庭園に向けて歩き出したのだ。
「アゲロス様、よろしいでしょうか? 先ほどの警笛でございますが……」
アゲロスの背後から声を掛けたのは、執事のペトロス。
主人の摩訶不思議な行動をいぶかしく眺めつつも、たった今、玄関先で仕入れて来たばかりの情報を伝えようと彼の後ろから声を掛けたのだ。
そして、何気に向けた視線の先、主人の肩越しに見える庭園には、青白い月明かりに照らされ、神々しくも猛々しい姿の魔獣が、己が威容を誇示するかの様に屹立していた。
「……ヒィッ!」
思わず小さく悲鳴を上げてしまうペトロス。
実際には、咄嗟に自分の口元を両手で押える事で、大声を出してしまいそうになる弱い自分をグッと抑え込んだに過ぎない。
そして、急に我に返ったペトロスは、慌てて主人へと声を掛ける。
「アゲロス様、危のうございます! 急ぎ館の中へ! とっ、とにかく館へっ!」
今にも館内の方へと走り出さんばかりに、主人の袖を引き始めるペトロス。
「騒ぐなっ、ペトロス」
「……サロスは未だ戻らぬか?」
そんな執事の慌てぶりを軽く一喝。その上で、半分、自分自身に言い聞かせでもするかの様に、己の最も信頼する部下の事を確認する。
「はっ、まだこちらには。……ただ、先ほどから兵士が一名お目通りを願い出ております。夜分でもあり相手にしておりませんでしたが、もしやこの件かと」
「うむ。その兵士をここへ連れて参れ……」
アゲロスには何か思う所があったのであろう。日頃は伝令の兵士に直接会う事など毛頭無いのだが、何の気まぐれかこの場へと呼び寄せる様に指示を出す。
「それからペトロス。即刻兵舎へ赴き……いや、いい。そんな事は、サロスがもう、手配済であろう……」
更に追加の命令を下そうとするのだが、それは思案途中の独り言の様に小さく消え入る様な声となり、ペトロスの耳へ届く事はなかった。
「とっ、とにかく、館の中へ!」
その場から全く動こうとしないアゲロス。そんな彼を一刻も早く安全な所へと移動させたいペトロスは己が焦りを隠そうともしない。
「いや。良い。ワシに出来る事はこの場に残る事だけであろう」
「いや、しかしっ!」
落ち着きはらったアゲロス。そんな彼に向かって尚も言い募るペトロス。
「狼狽えるなっ!」
「総大将が戦場を離れるなど、言語道断。お前はワシに笑い者になれと申すかっ!」
「いっ、いいえっ! 滅相もございません」
余りにもペトロスの狼狽ぶりが目に余ったのか、今度は大声で一喝するアゲロス。その形相には固い決意が見て取れた。
「マロネイア家は、代々エレトリア王に仕える戦士の家系。先代の功績によりこの様な暮らしをしてはおるが、一度槍を持てば、その心根は常に戦場を駆ける戦士であるっ!」
「まっ、誠に申し訳ございませんっ!」
ペトロスの方も、そんな主人の覚悟を感じ取り、思わずその場へと平伏する。
「分かれば良し。即刻その口を閉じ、ワシの甲冑を持って参れっ!」
下知を受けたペトロスは、平伏した姿勢のまましばらく後ずさると、突然跳ね起きて中庭奥の扉の方へと駆け出して行った。
一人、庭園を望む中庭に残されたアゲロス。
再び、庭園中央に視線を向けると、暗闇の向こうで繰り広げられている死闘の現場を余すところ無くその視界に収めようとでも言うのか、彼はその鋭い双眸をめいいっぱい広げ、食い入る様に魔獣を見つめ始めた。
「……しかし、一体誰と戦っておるのだ?」
◆◇◆◇◆◇
「はぁ、はぁ。サロス様……私では、付いて行くのがやっとでございまして……」
館の壁伝いに庭園の方へと走る三人の兵士。
先頭の男が庭園を見渡す事が出来るであろう、館壁の陰に到達すると、急に後ろを振り向いて後続の者へと指示を出す。
「……シッ! 静かに。おいっ、松明を貸せっ!」
サロスは、最後尾を走っていた兵士から松明を受け取ると、庭園奥の暗闇へと大きく輪を描く様に松明を翳して見せる。
すると、同じように庭園奥の森の中から小さな松明の光が、同じように輪を描いて反応を返して来るのだ。
なにやらしばらく松明の火を複雑に動かした後、満足そうに頷きながらサロスは松明を最後尾の兵士へと返した。
「よしっ。これから魔獣を挟み撃ちにする」
「見えるか? 庭園中央の噴水の近く。ぼんやりと光っている所……」
確かに、庭園中央には月明かりに照らされた噴水が見える。そして、その近くには丈の低い植木に半分隠れてはいるものの小山の様な何かが蹲っていた。
その何かは、月明かりにてらされただけではない。明らかに自らの力で光輝いている様に見える。
「恐らくあれが魔獣であろう……」
「私はこのままアゲロス様の御座す中庭の方へと向かう。お前達は途中で別れ魔獣の捕獲へと向かえ」
「しかし、サロス様。このまま放っておけば魔獣なら勝手に不審者を見つけ出してくれるものかと……」
そんなサロスの命令に、思わず口答えしてしまう十人隊長。
「上官の命令は絶対である。命令不服従にて即刻その首跳ね飛ばしても良いが……」
ドメニコスの言葉を半ば遮る様に、ドスの効いた言葉で話を終わらせるサロス。
「いえっ! とんでもございません。ご命令の通りに」
「うむ……分かったのであれば、行けっ!」
「「はっ!」」
十人隊長ともう一人の若い兵士は承諾の返事を返したかと思うと、急ぎ足で魔獣の方へと駆け出して行った。
ここは、奴隷専用館の中庭。
陶器のグラスを片手に幅広のソファーに寝そべる男は、無造作にその足を投げ出していた。
グラスには酒では無く果汁を加えた蜂蜜水が入っており、酔いを覚ますでなく一人夜風に吹かれていた所だ。
そして、彼の視線は庭園のとある一点にクギ付けとなる。
男はグラスを手にしたままゆっくりとソファーから立ち上がると、まるで夢遊病を患う者の様に不安定な足取りで二歩、三歩と庭園に向けて歩き出したのだ。
「アゲロス様、よろしいでしょうか? 先ほどの警笛でございますが……」
アゲロスの背後から声を掛けたのは、執事のペトロス。
主人の摩訶不思議な行動をいぶかしく眺めつつも、たった今、玄関先で仕入れて来たばかりの情報を伝えようと彼の後ろから声を掛けたのだ。
そして、何気に向けた視線の先、主人の肩越しに見える庭園には、青白い月明かりに照らされ、神々しくも猛々しい姿の魔獣が、己が威容を誇示するかの様に屹立していた。
「……ヒィッ!」
思わず小さく悲鳴を上げてしまうペトロス。
実際には、咄嗟に自分の口元を両手で押える事で、大声を出してしまいそうになる弱い自分をグッと抑え込んだに過ぎない。
そして、急に我に返ったペトロスは、慌てて主人へと声を掛ける。
「アゲロス様、危のうございます! 急ぎ館の中へ! とっ、とにかく館へっ!」
今にも館内の方へと走り出さんばかりに、主人の袖を引き始めるペトロス。
「騒ぐなっ、ペトロス」
「……サロスは未だ戻らぬか?」
そんな執事の慌てぶりを軽く一喝。その上で、半分、自分自身に言い聞かせでもするかの様に、己の最も信頼する部下の事を確認する。
「はっ、まだこちらには。……ただ、先ほどから兵士が一名お目通りを願い出ております。夜分でもあり相手にしておりませんでしたが、もしやこの件かと」
「うむ。その兵士をここへ連れて参れ……」
アゲロスには何か思う所があったのであろう。日頃は伝令の兵士に直接会う事など毛頭無いのだが、何の気まぐれかこの場へと呼び寄せる様に指示を出す。
「それからペトロス。即刻兵舎へ赴き……いや、いい。そんな事は、サロスがもう、手配済であろう……」
更に追加の命令を下そうとするのだが、それは思案途中の独り言の様に小さく消え入る様な声となり、ペトロスの耳へ届く事はなかった。
「とっ、とにかく、館の中へ!」
その場から全く動こうとしないアゲロス。そんな彼を一刻も早く安全な所へと移動させたいペトロスは己が焦りを隠そうともしない。
「いや。良い。ワシに出来る事はこの場に残る事だけであろう」
「いや、しかしっ!」
落ち着きはらったアゲロス。そんな彼に向かって尚も言い募るペトロス。
「狼狽えるなっ!」
「総大将が戦場を離れるなど、言語道断。お前はワシに笑い者になれと申すかっ!」
「いっ、いいえっ! 滅相もございません」
余りにもペトロスの狼狽ぶりが目に余ったのか、今度は大声で一喝するアゲロス。その形相には固い決意が見て取れた。
「マロネイア家は、代々エレトリア王に仕える戦士の家系。先代の功績によりこの様な暮らしをしてはおるが、一度槍を持てば、その心根は常に戦場を駆ける戦士であるっ!」
「まっ、誠に申し訳ございませんっ!」
ペトロスの方も、そんな主人の覚悟を感じ取り、思わずその場へと平伏する。
「分かれば良し。即刻その口を閉じ、ワシの甲冑を持って参れっ!」
下知を受けたペトロスは、平伏した姿勢のまましばらく後ずさると、突然跳ね起きて中庭奥の扉の方へと駆け出して行った。
一人、庭園を望む中庭に残されたアゲロス。
再び、庭園中央に視線を向けると、暗闇の向こうで繰り広げられている死闘の現場を余すところ無くその視界に収めようとでも言うのか、彼はその鋭い双眸をめいいっぱい広げ、食い入る様に魔獣を見つめ始めた。
「……しかし、一体誰と戦っておるのだ?」
◆◇◆◇◆◇
「はぁ、はぁ。サロス様……私では、付いて行くのがやっとでございまして……」
館の壁伝いに庭園の方へと走る三人の兵士。
先頭の男が庭園を見渡す事が出来るであろう、館壁の陰に到達すると、急に後ろを振り向いて後続の者へと指示を出す。
「……シッ! 静かに。おいっ、松明を貸せっ!」
サロスは、最後尾を走っていた兵士から松明を受け取ると、庭園奥の暗闇へと大きく輪を描く様に松明を翳して見せる。
すると、同じように庭園奥の森の中から小さな松明の光が、同じように輪を描いて反応を返して来るのだ。
なにやらしばらく松明の火を複雑に動かした後、満足そうに頷きながらサロスは松明を最後尾の兵士へと返した。
「よしっ。これから魔獣を挟み撃ちにする」
「見えるか? 庭園中央の噴水の近く。ぼんやりと光っている所……」
確かに、庭園中央には月明かりに照らされた噴水が見える。そして、その近くには丈の低い植木に半分隠れてはいるものの小山の様な何かが蹲っていた。
その何かは、月明かりにてらされただけではない。明らかに自らの力で光輝いている様に見える。
「恐らくあれが魔獣であろう……」
「私はこのままアゲロス様の御座す中庭の方へと向かう。お前達は途中で別れ魔獣の捕獲へと向かえ」
「しかし、サロス様。このまま放っておけば魔獣なら勝手に不審者を見つけ出してくれるものかと……」
そんなサロスの命令に、思わず口答えしてしまう十人隊長。
「上官の命令は絶対である。命令不服従にて即刻その首跳ね飛ばしても良いが……」
ドメニコスの言葉を半ば遮る様に、ドスの効いた言葉で話を終わらせるサロス。
「いえっ! とんでもございません。ご命令の通りに」
「うむ……分かったのであれば、行けっ!」
「「はっ!」」
十人隊長ともう一人の若い兵士は承諾の返事を返したかと思うと、急ぎ足で魔獣の方へと駆け出して行った。
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【AIの使用について】
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