181 / 250
第十九章 正妻の座(皇子ルート)
181.幻の六連コンボ
しおりを挟む
「キャーーーー!」
突然の叫び声に、ドアノブを掴んだままの状態で凍りつくマリレナ。
彼女は器用にも、首だけでゆっくりと振り返る。
「いっ、いやぁ。わわわ、私の所為じゃないですよぉ……。だって見てないもの。まだ、何にも見てないもの……」
訴えかけるその瞳には、早くも薄っすらと涙が浮かんでいる。
一体何が起こったと言うのか。
もちろんテレビが発達している訳でも無く、かと言って観劇等が広く一般化している訳でも無い世界である。
日頃の生活の中で、女性の悲鳴を聞く事など殆ど無いに等しい。
流石のクロエですら、少々引き気味だ。
「うぉっ! 皇子様の必殺技が炸裂したっぽいですねぇ! 流石は第二回戦! 割と初っ端から大技の応酬になったみたいですねっ!」
なぜだろう……一人だけ目を爛々と輝かせているこの少女。
「あれ? どうしたんですか、先輩っ! 見るなら今しか無いですよ。このままフォールされちゃったら、皇子様の勝利で間違い無さそうな感じじゃ無いですかぁ」
ミルカはそう言うなり、マリレナの開けたドアの隙間から、中を覗き込もうと躍起だ。
しかし、マリレナがドアノブを握りしめたままの姿で固まっているので前に進めない。
「もぉ、先輩、行かないなら、ちょっとそこ退いて下さいなっ!」
ミルカはマリレナの脇の下へ『スルリ』と体を滑り込ませると、そのままドアの中へ。
伊達に格闘技フェチでは無さそうだ。器用なものである。
「さてさて、どの様な大技が炸裂したんですかねぇ。キシシシシッ!」
彼女は少々違う意味の、『いやらしい』笑顔を浮かべながらテルマリウムの奥へと足を運んで行く。
……すると。
「皇子様っ! 皇子様っ! 大丈夫ですか? しっかりっ!」
またもや女性の声が響き渡る。
「はて? さっきはリーティア様の悲鳴だと思ったんですけど、どうやら倒れているのは皇子様の様ですねぇ。って言う事は、皇子様の必殺技をリーティア様が先読みしてらして、カウンターを合わせて来たっちゅー事ですね。うーん。納得です。流石は我らのリーティア様。しっかり皇子様の技は調査済みって事ですねぇ。うんうん。これはリーティア様も隅に置けない……」
――ガゴッ!
テルマリウム入り口手前で腕を組み、これまでの攻防に思いを馳せるミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、三度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
「痛てっ! ってか、うあちちちちっ! はわわわわ! 痛いし、熱いっす! ややややっ! 焦げ臭いっ! 燃えてるっす! 何かが燃えてるっす! ってか、私の髪の毛じゃないですかぁ!」
後頭部を勢いよく擦りながら振り返ると、そこには冷たい目をしたクロエが立っていた。
しかも、彼女の右手にはなぜか凹んだオイルランプが。
「クロエさん! ダメっす。マジでダメなヤツっす! 凶器じゃ無いですか! 凶器はダメですよ、凶器はっ! って言うか、いくら純金製とは言っても硬いんですよ。だって、ちょっと凹んでるじゃ無いですか? それ、凹ますぐらいの力で殴るって、どういう神経してんっすか! って言うか、狂気ですよ。クロエさん狂気っす! もう狂気で凶器って、手に負えないっすよぉ! だいたいっ……」
更に言い募ろうとするミルカに向かって、クロエが一言。
「邪魔っ」
彼女はそう言うなり、手に持っていた純金製のオイルランプをもう一度振り上げたのだ。
「ひぃぃぃ!」
ミルカはその場で頭を抱えてしゃがみ込む。
ちょうどその時。
「騒々しい。一体何があったのですか?」
入口のドアから落ち着いた女性の声が。
「はぁぁっ! 助けて下さい、アドナ様っ! クロエさんが、クロエさんがご乱心でっ……」
――ゴンッ!
ようやく自分の話を聞いてくれそうな人を見つけたミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、四度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
「あぁ、ごめんなさい、ミルカッ。大丈夫? でもダメよっ、そんな所で蹲ってちゃあ、危ないわよっ!」
今度はテルマリウムの方から駆け出して来たリーティア。
薄暗い脱衣所に蹲るミルカに気付かず、彼女の後頭部を足蹴にしてしまったらしい。
「くーっ! リーティア様、酷いっ! 絶対見えてたっす。見えていない訳が無いっす。って言うか、クロエ様が目の前でオイルランプ振り上げてる真っ最中っすよぉ。絶対見えて無いなんて……むぎゅー」
そんなミルカの恨み節など、誰も聞く耳を持たず。
「あぁ、クロエさん、それからアドナさんもっ! 大変なんです。皇子様がっ、皇子様がテルマリウムでお倒れになって!」
リーティアのその言葉を聞いたアドナとクロエ。
二人は顔を見合わせるなり、急いでテルマリウムの中へと駆け込んで行く。
「はわわわわっ、どうしましょ。どうしましょう! 皇子様が、皇子様がぁぁ」
かなり取り乱し気味のリーティア。
「リッ、リーティア様ぁ。ととと、とりあえず私を踏んづけてるこの『おみ足』を、とりあえず退けては頂けないでしょうかぁ?」
うつぶせの状態で、未だリーティアの足下に横たわるミルカ。
「あぁ、ごめんなさいっ! 私とした事が、気が動転しちゃって!」
早速ミルカの背中に乗ったままの足を退けるリーティア。
「……いやぁ、別に良いんですよ。リーティア様のボケは一回きりですからね。これがクロエさんや先輩なんかだと、『天丼』狙って来ますからねぇ。もう、本当に危険が一杯ですよぉ。はぁ、やれやれ、ようやくこれで……」
――ゴンッ、ミシッ!
軽くなった背中にようやく安堵し、ゆっくりと腕立ての要領で起き上がろうとするミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、五度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
しかも今度は、その顔面側からも痛そうな音が。
「何事です、リーティア」
そこには、ミルカの後頭部に足を乗せたままの格好で屹立するダニエラ大司教の姿があった。
「あぁ、大司教様。実は皇子様がテルマリウムで突然お倒れになって! 私、どうして良いかわからず……」
とにかく訴え掛ける様に説明するリーティア。
そんな取り乱したリーティアの様子を見て、ダニエラは一瞬だけ眉根を寄せる。
本来、奴隷であれば、まずは主人の命を第一に考え、適切な対処を取るべきである。
しかも、彼女は第一奴隷の身。
今後いやがうえにも増えて行くであろう、奴隷達を育成し、従えて行かねばならないのである。
その将来に一抹の不安を感じてしまう彼女。
しかし、リーティアはまだ若い。
今後色々と教えて行けば、ゆくゆくは立派な第一奴隷として皇子様に仕える事も出来るだろう。
そう、第一奴隷を躾け、育成して行くのは、正妻となるべき自分の役割である。と、今更ながらに気付くダニエラ。
その点に思い至った彼女は、ついに眉間のシワも消え、温和な微笑みをもってリーティアに接し始めたのだ。
「リーティア。さぞ驚いた事でしょう。でも大丈夫。きっとアドナが何とかしてくれますよ。でも、第一奴隷のあなたが、そんな風に取り乱してはダメ。他の侍女や奴隷達に示しが付きませんよ。ほら、涙を拭いて……」
そっとリーティアの涙を拭うダニエラ。
「ありがとうざいます。大司教様。私、あまりの事に気が動転してしまって……」
「いいえ、良いのよ。分かってくれれはそれで……」
彼女はリーティアにそう優しく告げた後で、今度は自分の後ろに控えているドルカの方へと振り返った。
「ドルカ。アドナの指示に従って、皇子様を寝室の方へと運びなさい」
「はい。畏まりました」
ドルカは礼儀正しく一礼すると、テルマリウムの方へと駆けて行こうとするのだった。
「……って、ちょっと待ったっ!」
「ドルカッ! あんた今、私を踏もうとしたよね。マジで踏もうとしたよねっ! あんたはダメ。流石にあんたはダメよっ。大体、アンタ体重どれだけあんのっ? 言ってみなさいよ。絶対にとんでも無い体重あるんでしょ。その体重で私の後頭部に乗ったら、一発アウトよっ! 完全に一発アウトッ! 絶対に次、目が覚めない自信があるわっ! って言うか、アンタ、何笑ってるのよっ、めっちゃ乗ろうとしてたでしょ! って言うか、アンタ、加減ってものが分って無いのよっ! ほら見なさいよ。ダニエラ大司教様だって、まだ私の頭に足をお乗せ頂いているけど、決して全体重は掛けて無いわよっ。考えても見なさいよ、ダニエラ様が本気で踏んづけて、私が生きてると思う? そな訳無いでしょ! って事は、完全に手加減してくれてるのよっ! そこん所、アンタ、分かってやってるの? マジなのよ。こっちはボケに命懸けて挑もうとしてんのよ。本気なの、このボケとツッコミは本気なのよ。アンタにそれが出来る? 本当に出来るの? えぇ、出来ると思うなら踏んでみるが良いわ。そこまで自信があるならおやりなさい。えぇ受けて立つわよっ、大体、アナタ、ダニエラ大司教様と同じぐらいの身長になった……ぐえっ!」
ミルカの後頭部に乗せていた右足に、もう一度体重を掛けるダニエラ。
「あら、ごめんなさい。また踏んづけちゃったわ」
「あぁ、ダニエラ様。同じ人が二回連続で同じボケをしたら、コンボにはなりませんよぉ」
少し残念そうに話すリーティア。
ここは太陽神殿、皇子様のお屋敷内にあるテルマリウム。
残念ながら今日のボケコンボは五連発で打ち止めとなった。
突然の叫び声に、ドアノブを掴んだままの状態で凍りつくマリレナ。
彼女は器用にも、首だけでゆっくりと振り返る。
「いっ、いやぁ。わわわ、私の所為じゃないですよぉ……。だって見てないもの。まだ、何にも見てないもの……」
訴えかけるその瞳には、早くも薄っすらと涙が浮かんでいる。
一体何が起こったと言うのか。
もちろんテレビが発達している訳でも無く、かと言って観劇等が広く一般化している訳でも無い世界である。
日頃の生活の中で、女性の悲鳴を聞く事など殆ど無いに等しい。
流石のクロエですら、少々引き気味だ。
「うぉっ! 皇子様の必殺技が炸裂したっぽいですねぇ! 流石は第二回戦! 割と初っ端から大技の応酬になったみたいですねっ!」
なぜだろう……一人だけ目を爛々と輝かせているこの少女。
「あれ? どうしたんですか、先輩っ! 見るなら今しか無いですよ。このままフォールされちゃったら、皇子様の勝利で間違い無さそうな感じじゃ無いですかぁ」
ミルカはそう言うなり、マリレナの開けたドアの隙間から、中を覗き込もうと躍起だ。
しかし、マリレナがドアノブを握りしめたままの姿で固まっているので前に進めない。
「もぉ、先輩、行かないなら、ちょっとそこ退いて下さいなっ!」
ミルカはマリレナの脇の下へ『スルリ』と体を滑り込ませると、そのままドアの中へ。
伊達に格闘技フェチでは無さそうだ。器用なものである。
「さてさて、どの様な大技が炸裂したんですかねぇ。キシシシシッ!」
彼女は少々違う意味の、『いやらしい』笑顔を浮かべながらテルマリウムの奥へと足を運んで行く。
……すると。
「皇子様っ! 皇子様っ! 大丈夫ですか? しっかりっ!」
またもや女性の声が響き渡る。
「はて? さっきはリーティア様の悲鳴だと思ったんですけど、どうやら倒れているのは皇子様の様ですねぇ。って言う事は、皇子様の必殺技をリーティア様が先読みしてらして、カウンターを合わせて来たっちゅー事ですね。うーん。納得です。流石は我らのリーティア様。しっかり皇子様の技は調査済みって事ですねぇ。うんうん。これはリーティア様も隅に置けない……」
――ガゴッ!
テルマリウム入り口手前で腕を組み、これまでの攻防に思いを馳せるミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、三度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
「痛てっ! ってか、うあちちちちっ! はわわわわ! 痛いし、熱いっす! ややややっ! 焦げ臭いっ! 燃えてるっす! 何かが燃えてるっす! ってか、私の髪の毛じゃないですかぁ!」
後頭部を勢いよく擦りながら振り返ると、そこには冷たい目をしたクロエが立っていた。
しかも、彼女の右手にはなぜか凹んだオイルランプが。
「クロエさん! ダメっす。マジでダメなヤツっす! 凶器じゃ無いですか! 凶器はダメですよ、凶器はっ! って言うか、いくら純金製とは言っても硬いんですよ。だって、ちょっと凹んでるじゃ無いですか? それ、凹ますぐらいの力で殴るって、どういう神経してんっすか! って言うか、狂気ですよ。クロエさん狂気っす! もう狂気で凶器って、手に負えないっすよぉ! だいたいっ……」
更に言い募ろうとするミルカに向かって、クロエが一言。
「邪魔っ」
彼女はそう言うなり、手に持っていた純金製のオイルランプをもう一度振り上げたのだ。
「ひぃぃぃ!」
ミルカはその場で頭を抱えてしゃがみ込む。
ちょうどその時。
「騒々しい。一体何があったのですか?」
入口のドアから落ち着いた女性の声が。
「はぁぁっ! 助けて下さい、アドナ様っ! クロエさんが、クロエさんがご乱心でっ……」
――ゴンッ!
ようやく自分の話を聞いてくれそうな人を見つけたミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、四度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
「あぁ、ごめんなさい、ミルカッ。大丈夫? でもダメよっ、そんな所で蹲ってちゃあ、危ないわよっ!」
今度はテルマリウムの方から駆け出して来たリーティア。
薄暗い脱衣所に蹲るミルカに気付かず、彼女の後頭部を足蹴にしてしまったらしい。
「くーっ! リーティア様、酷いっ! 絶対見えてたっす。見えていない訳が無いっす。って言うか、クロエ様が目の前でオイルランプ振り上げてる真っ最中っすよぉ。絶対見えて無いなんて……むぎゅー」
そんなミルカの恨み節など、誰も聞く耳を持たず。
「あぁ、クロエさん、それからアドナさんもっ! 大変なんです。皇子様がっ、皇子様がテルマリウムでお倒れになって!」
リーティアのその言葉を聞いたアドナとクロエ。
二人は顔を見合わせるなり、急いでテルマリウムの中へと駆け込んで行く。
「はわわわわっ、どうしましょ。どうしましょう! 皇子様が、皇子様がぁぁ」
かなり取り乱し気味のリーティア。
「リッ、リーティア様ぁ。ととと、とりあえず私を踏んづけてるこの『おみ足』を、とりあえず退けては頂けないでしょうかぁ?」
うつぶせの状態で、未だリーティアの足下に横たわるミルカ。
「あぁ、ごめんなさいっ! 私とした事が、気が動転しちゃって!」
早速ミルカの背中に乗ったままの足を退けるリーティア。
「……いやぁ、別に良いんですよ。リーティア様のボケは一回きりですからね。これがクロエさんや先輩なんかだと、『天丼』狙って来ますからねぇ。もう、本当に危険が一杯ですよぉ。はぁ、やれやれ、ようやくこれで……」
――ゴンッ、ミシッ!
軽くなった背中にようやく安堵し、ゆっくりと腕立ての要領で起き上がろうとするミルカ。
そんな彼女の後頭部からは、五度鈍器の様な物で殴られる音が響く。
しかも今度は、その顔面側からも痛そうな音が。
「何事です、リーティア」
そこには、ミルカの後頭部に足を乗せたままの格好で屹立するダニエラ大司教の姿があった。
「あぁ、大司教様。実は皇子様がテルマリウムで突然お倒れになって! 私、どうして良いかわからず……」
とにかく訴え掛ける様に説明するリーティア。
そんな取り乱したリーティアの様子を見て、ダニエラは一瞬だけ眉根を寄せる。
本来、奴隷であれば、まずは主人の命を第一に考え、適切な対処を取るべきである。
しかも、彼女は第一奴隷の身。
今後いやがうえにも増えて行くであろう、奴隷達を育成し、従えて行かねばならないのである。
その将来に一抹の不安を感じてしまう彼女。
しかし、リーティアはまだ若い。
今後色々と教えて行けば、ゆくゆくは立派な第一奴隷として皇子様に仕える事も出来るだろう。
そう、第一奴隷を躾け、育成して行くのは、正妻となるべき自分の役割である。と、今更ながらに気付くダニエラ。
その点に思い至った彼女は、ついに眉間のシワも消え、温和な微笑みをもってリーティアに接し始めたのだ。
「リーティア。さぞ驚いた事でしょう。でも大丈夫。きっとアドナが何とかしてくれますよ。でも、第一奴隷のあなたが、そんな風に取り乱してはダメ。他の侍女や奴隷達に示しが付きませんよ。ほら、涙を拭いて……」
そっとリーティアの涙を拭うダニエラ。
「ありがとうざいます。大司教様。私、あまりの事に気が動転してしまって……」
「いいえ、良いのよ。分かってくれれはそれで……」
彼女はリーティアにそう優しく告げた後で、今度は自分の後ろに控えているドルカの方へと振り返った。
「ドルカ。アドナの指示に従って、皇子様を寝室の方へと運びなさい」
「はい。畏まりました」
ドルカは礼儀正しく一礼すると、テルマリウムの方へと駆けて行こうとするのだった。
「……って、ちょっと待ったっ!」
「ドルカッ! あんた今、私を踏もうとしたよね。マジで踏もうとしたよねっ! あんたはダメ。流石にあんたはダメよっ。大体、アンタ体重どれだけあんのっ? 言ってみなさいよ。絶対にとんでも無い体重あるんでしょ。その体重で私の後頭部に乗ったら、一発アウトよっ! 完全に一発アウトッ! 絶対に次、目が覚めない自信があるわっ! って言うか、アンタ、何笑ってるのよっ、めっちゃ乗ろうとしてたでしょ! って言うか、アンタ、加減ってものが分って無いのよっ! ほら見なさいよ。ダニエラ大司教様だって、まだ私の頭に足をお乗せ頂いているけど、決して全体重は掛けて無いわよっ。考えても見なさいよ、ダニエラ様が本気で踏んづけて、私が生きてると思う? そな訳無いでしょ! って事は、完全に手加減してくれてるのよっ! そこん所、アンタ、分かってやってるの? マジなのよ。こっちはボケに命懸けて挑もうとしてんのよ。本気なの、このボケとツッコミは本気なのよ。アンタにそれが出来る? 本当に出来るの? えぇ、出来ると思うなら踏んでみるが良いわ。そこまで自信があるならおやりなさい。えぇ受けて立つわよっ、大体、アナタ、ダニエラ大司教様と同じぐらいの身長になった……ぐえっ!」
ミルカの後頭部に乗せていた右足に、もう一度体重を掛けるダニエラ。
「あら、ごめんなさい。また踏んづけちゃったわ」
「あぁ、ダニエラ様。同じ人が二回連続で同じボケをしたら、コンボにはなりませんよぉ」
少し残念そうに話すリーティア。
ここは太陽神殿、皇子様のお屋敷内にあるテルマリウム。
残念ながら今日のボケコンボは五連発で打ち止めとなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる