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第二十章 失踪(ルーカス/ミランダルート)
203.岩清水の音色
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「とにかく早く探しなさいっ!」
「絶対に敷地の中にいるはずよっ! あんな病気の体で遠くになんて行ける訳が無いのよっ。とにかく虱潰しに探しなさいっ!]
「「「はいっ!」」」
天窓の様にも見える便座の丸い穴。
その穴の外から響いて来る金切り声は、その女性の不機嫌さを十二分に表していた。
そんな声を聞いて、思わず肩を竦め、顔を見合わせるクリスとルーカス。
「あぁそれから、ステファナ。ヴァンナ様の第一侍女である貴方にこんな事をお願いするのは筋違いだとは思うのだけど……」
先ほどとは打って変わって、冷静な雰囲気で話し始めるその女性。
「もう一度、館の中をくまなく探してもらえないかしら? えぇそうね。恐らく館の中に隠れていると言う事は流石に無いとは思うのだけど、何かの『切っ掛け』で、また舞い戻って来ていると言う事も考えられなくは無いわ。申し訳無いのだけれど、もし見つけたら私に連絡を頂けるかしら?」
気遣いながらも、別の女性に館の捜索を依頼している様だ。
「畏まりました。イリニ家政婦長様。ヴァンナ様からも家政婦長様の指示に従う様に……とのご命令を頂いております。早速、他の侍女と共に館の中を捜索致しましょう」
イリニからの直接の依頼を受け、承諾の意を伝えるステファナ。
家政婦長も満足げに頷いて見せる。
実は、同じメイドでも『侍女』と呼ばれるメイド達は、妾クラスの女性に付き従う専任のメイドとなっている。
その為、いくら家政婦長と言えども直接指揮命令を下す事は出来ず、必ず女主人の許可が必要となるのである。
正直、今は少しでも人手の欲しい時。
しかも、ステファナは第一婦人と呼ばれる正夫人様からヴァンナ様へ下賜された、非常に優秀な侍女であると聞いている。
この非常時に心強い味方を得た……と言う心境なのだろう。
「イリニ家政婦長様。私はこちらで用を足してから捜索を始めます。あぁ、それから貴方たち。ちょっと伝言を頼まれてくれないかしら?」
ステファナは、自身の配下となる二人の侍女になにやら伝言を託すと、もう一度いイリニ家政婦長の方へと向き直った。
「それではイリニ家政婦長様。お任せ下さいませ」
そう告げると、深々とお辞儀をするステファナ。どうやらそのままの姿勢で、イリニ家政婦長と一緒に二人の侍女も外へと送り出した様だ。
――パタン。
「……ふぅ」
頭上でドアの閉まる音を確認したステファナは、ようやくお辞儀の姿勢を解いて小さくため息を付く。
そして、これから用を足そうと言うのだろう。彼女は自身の下着に手を掛けたのだった……。
そして、トイレの奥底。
そこには、ステファナの声を聞いた途端、顔面蒼白となったクリスが、直立不動の状態で固まっていた。
「……あっ、兄貴っ、どうしたんです? 顔が真っ青になってますよ? ほらほらぁ、念願の美女がやって来たじゃないっすかぁ? どうしたんです? 緊張してんすか?」
この期に及んでも、まだふざけた事を宣うルーカス少年。
「ルルル、ルーカスッ! ヤベェッ。アイツはヤベェッ!」
クリスは震える唇を無理やりこじ開け、何とかそれだけの言葉を絞り出したのだが、当然唇が震えている所為で、上手く言葉が伝わらない。
「えっ? 何です? 兄貴ぃ、変ですよ。本当にどうしたんすか?」
未だ状況が呑み込めず、眉根を寄せて更にクリスの顔色を伺うルーカス少年。
ちょうどその時、便座の小窓から女性の声が聞こえて来たのだ。
「さて、そこに居るのは誰かしら? 痴漢さんなの? それとも何か事情のある人なのかなぁ?」
その女性はそう告げると、便座の部分からそっと覗き込んで来た。
「マズッ!」
その様子をいち早く察知したルーカス少年。
彼は便器側からは見えにくい、小部屋奥の壁際へ貼り付く様にその身を隠してしまう。
なんだかんだで、一週間も『肥え汲み』を行っていた手練れのルーカスである。
死角も含めて下調べは万全だ。
しかし、と言うか、もちろん……と言うか。そんな事情を知る由も無いクリスは、依然その場で固まったまま。ガッツリ、ステファナと目が合ってしまった。
「あら? そこに居るのは、ルーカスじゃない?」
便器の外からクリスを見つけたステファナは、彼に向かってそう話し掛ける。
急に名前を呼ばれたルーカス少年。
依然壁際に貼り付いたままで怪訝な表情を浮かべ、『俺じゃないよ?』とでも言わんばかりに、自分の顔の前で右手を左右に振っている。
「あらぁ? 昨日折角見逃してあげたのにぃ、こんな所に隠れてるなんて、ちょっと浅はか過ぎないかしらねぇ」
「それとも、ルーカス君は、元々こう言う趣味の子なのかしら?」
少し困った様な表情を浮かべ、クリスの事を見下ろすステファナ。
そして、やっぱり壁際に貼り付いたままのルーカス少年。
彼は更に怪訝な表情を浮かべ、『俺は違うよっ!?』とでも言わんばかりに、自分の顔の前で右手を左右に振っている。
「いっ、いやぁ。おおお、俺っ。ももも、元々が汚物商だから……しっ仕事で肥え汲みしてるんっす! あっ、でも、仕事終わったんで、もう帰りますっ! どうぞ、存分に用を足して下さいっ! それじゃっ!」
流石にこれはマズいと感じたクリス少年。
今更ではあるけれど仕事に託け、とにかくこの場を逃げ出そうとするのだが、次のステファナの一言で、彼の足が釘付けとなる。
「あらっ? 折角だし、私の『用を足す所』、見て行かないのぉ?」
「はうっ?!」
今にも逃げ出そうと、小部屋のドアを掴んだはずの手がピタリと静止するクリス。
「別に見られて減るもんじゃ無いしぃ。良いわよ。別に。見せてあげてもぉ」
彼女はそう言うと、今度はストラの裾を軽やかにめくり上げ、その形のよいお尻を便器の上にストンと乗せたのだ。
丁度、逃げ出そうとしていた為に、便器へは自身の背を向けた状態のクリス。
この『慶事』をその網膜に焼き付ける為には、まず、何を置いても振り向く必要がある。
……彼は悩んだ。
このまま振り返る事は容易い。しかし、本当にここで振り返っても良いものかどうか? もしここで振り返ってしまったら、自分の中で大切にしている何かが壊れて、消え去ってしまう様な気がしないでも無い。
しかも、逃げ出すなら今だ。
流石に用を足している時に他人を呼ぶと言う事は無いだろう。そうだ。これは逃げるチャンスなんだ。絶対にそうすべきだ。そうすれば、自分の中の大切な何かも守れるし、自分の身の安全も確保できる。そうさ、そうに違い無い。
クリスは必死にそう自分に言い聞かせながら、ドアノブを握る右手に力を籠めようとした。
しかし、その時。
――チョロロロロロ……
正に岩清水。
この薄暗い空間に、山間の岩清水を思わせる『清流での慎ましやかな滝の音』が聞こえて来たのだ。
「絶対に敷地の中にいるはずよっ! あんな病気の体で遠くになんて行ける訳が無いのよっ。とにかく虱潰しに探しなさいっ!]
「「「はいっ!」」」
天窓の様にも見える便座の丸い穴。
その穴の外から響いて来る金切り声は、その女性の不機嫌さを十二分に表していた。
そんな声を聞いて、思わず肩を竦め、顔を見合わせるクリスとルーカス。
「あぁそれから、ステファナ。ヴァンナ様の第一侍女である貴方にこんな事をお願いするのは筋違いだとは思うのだけど……」
先ほどとは打って変わって、冷静な雰囲気で話し始めるその女性。
「もう一度、館の中をくまなく探してもらえないかしら? えぇそうね。恐らく館の中に隠れていると言う事は流石に無いとは思うのだけど、何かの『切っ掛け』で、また舞い戻って来ていると言う事も考えられなくは無いわ。申し訳無いのだけれど、もし見つけたら私に連絡を頂けるかしら?」
気遣いながらも、別の女性に館の捜索を依頼している様だ。
「畏まりました。イリニ家政婦長様。ヴァンナ様からも家政婦長様の指示に従う様に……とのご命令を頂いております。早速、他の侍女と共に館の中を捜索致しましょう」
イリニからの直接の依頼を受け、承諾の意を伝えるステファナ。
家政婦長も満足げに頷いて見せる。
実は、同じメイドでも『侍女』と呼ばれるメイド達は、妾クラスの女性に付き従う専任のメイドとなっている。
その為、いくら家政婦長と言えども直接指揮命令を下す事は出来ず、必ず女主人の許可が必要となるのである。
正直、今は少しでも人手の欲しい時。
しかも、ステファナは第一婦人と呼ばれる正夫人様からヴァンナ様へ下賜された、非常に優秀な侍女であると聞いている。
この非常時に心強い味方を得た……と言う心境なのだろう。
「イリニ家政婦長様。私はこちらで用を足してから捜索を始めます。あぁ、それから貴方たち。ちょっと伝言を頼まれてくれないかしら?」
ステファナは、自身の配下となる二人の侍女になにやら伝言を託すと、もう一度いイリニ家政婦長の方へと向き直った。
「それではイリニ家政婦長様。お任せ下さいませ」
そう告げると、深々とお辞儀をするステファナ。どうやらそのままの姿勢で、イリニ家政婦長と一緒に二人の侍女も外へと送り出した様だ。
――パタン。
「……ふぅ」
頭上でドアの閉まる音を確認したステファナは、ようやくお辞儀の姿勢を解いて小さくため息を付く。
そして、これから用を足そうと言うのだろう。彼女は自身の下着に手を掛けたのだった……。
そして、トイレの奥底。
そこには、ステファナの声を聞いた途端、顔面蒼白となったクリスが、直立不動の状態で固まっていた。
「……あっ、兄貴っ、どうしたんです? 顔が真っ青になってますよ? ほらほらぁ、念願の美女がやって来たじゃないっすかぁ? どうしたんです? 緊張してんすか?」
この期に及んでも、まだふざけた事を宣うルーカス少年。
「ルルル、ルーカスッ! ヤベェッ。アイツはヤベェッ!」
クリスは震える唇を無理やりこじ開け、何とかそれだけの言葉を絞り出したのだが、当然唇が震えている所為で、上手く言葉が伝わらない。
「えっ? 何です? 兄貴ぃ、変ですよ。本当にどうしたんすか?」
未だ状況が呑み込めず、眉根を寄せて更にクリスの顔色を伺うルーカス少年。
ちょうどその時、便座の小窓から女性の声が聞こえて来たのだ。
「さて、そこに居るのは誰かしら? 痴漢さんなの? それとも何か事情のある人なのかなぁ?」
その女性はそう告げると、便座の部分からそっと覗き込んで来た。
「マズッ!」
その様子をいち早く察知したルーカス少年。
彼は便器側からは見えにくい、小部屋奥の壁際へ貼り付く様にその身を隠してしまう。
なんだかんだで、一週間も『肥え汲み』を行っていた手練れのルーカスである。
死角も含めて下調べは万全だ。
しかし、と言うか、もちろん……と言うか。そんな事情を知る由も無いクリスは、依然その場で固まったまま。ガッツリ、ステファナと目が合ってしまった。
「あら? そこに居るのは、ルーカスじゃない?」
便器の外からクリスを見つけたステファナは、彼に向かってそう話し掛ける。
急に名前を呼ばれたルーカス少年。
依然壁際に貼り付いたままで怪訝な表情を浮かべ、『俺じゃないよ?』とでも言わんばかりに、自分の顔の前で右手を左右に振っている。
「あらぁ? 昨日折角見逃してあげたのにぃ、こんな所に隠れてるなんて、ちょっと浅はか過ぎないかしらねぇ」
「それとも、ルーカス君は、元々こう言う趣味の子なのかしら?」
少し困った様な表情を浮かべ、クリスの事を見下ろすステファナ。
そして、やっぱり壁際に貼り付いたままのルーカス少年。
彼は更に怪訝な表情を浮かべ、『俺は違うよっ!?』とでも言わんばかりに、自分の顔の前で右手を左右に振っている。
「いっ、いやぁ。おおお、俺っ。ももも、元々が汚物商だから……しっ仕事で肥え汲みしてるんっす! あっ、でも、仕事終わったんで、もう帰りますっ! どうぞ、存分に用を足して下さいっ! それじゃっ!」
流石にこれはマズいと感じたクリス少年。
今更ではあるけれど仕事に託け、とにかくこの場を逃げ出そうとするのだが、次のステファナの一言で、彼の足が釘付けとなる。
「あらっ? 折角だし、私の『用を足す所』、見て行かないのぉ?」
「はうっ?!」
今にも逃げ出そうと、小部屋のドアを掴んだはずの手がピタリと静止するクリス。
「別に見られて減るもんじゃ無いしぃ。良いわよ。別に。見せてあげてもぉ」
彼女はそう言うと、今度はストラの裾を軽やかにめくり上げ、その形のよいお尻を便器の上にストンと乗せたのだ。
丁度、逃げ出そうとしていた為に、便器へは自身の背を向けた状態のクリス。
この『慶事』をその網膜に焼き付ける為には、まず、何を置いても振り向く必要がある。
……彼は悩んだ。
このまま振り返る事は容易い。しかし、本当にここで振り返っても良いものかどうか? もしここで振り返ってしまったら、自分の中で大切にしている何かが壊れて、消え去ってしまう様な気がしないでも無い。
しかも、逃げ出すなら今だ。
流石に用を足している時に他人を呼ぶと言う事は無いだろう。そうだ。これは逃げるチャンスなんだ。絶対にそうすべきだ。そうすれば、自分の中の大切な何かも守れるし、自分の身の安全も確保できる。そうさ、そうに違い無い。
クリスは必死にそう自分に言い聞かせながら、ドアノブを握る右手に力を籠めようとした。
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