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第二十一章 女子会(皇子ルート)
221.美紗編 Ⅴ
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しかも、しかもよっ!
この人も……この人も……めっちゃ溢れてるっ!
って言うか、めっちゃ、はみ出してるっ!
なぜなの? なぜはみ出してるの? 寒いから? 北陸は寒いから、熱を蓄える必要があるって事? それとも、吹雪きの中、散居村で道に迷った時に、飢えてしまわない様に、水と栄養が詰まっているって事? もうそれ、人じゃ無くって、ラクダよっ! ふたこぶラクダッ! 過酷な生存環境に適応する為、やむなく進化を遂げたって事なのね? そう言う事なんでしょっ! そうじゃ無いと辻褄が合わないもの。でも、そんな進化論たとえダーウィンが許しても、この大谷美紗が許しませんからねっ! だって、こんな年増なオバサンに、最愛の慶太くんを渡す訳には行かないんだものっ!
はぁ、はぁ、はぁ。
って、オバサンって言ってはみたけど、彼女……どう見ても二十代半ばよね。
どう言う事? 彼女、この若さと美貌で、しかも頭も良くって、お祖母様の会社の役員なの?
……うっ、うぇぇぇん。
私、勝てる要素、全然無いじゃない。どうしたら良いの。どうやったら勝てるのぉ?
無理、ムリ、無理……絶対に無理。
私には……勝てない……。
こんな北陸まで、最愛の慶太くんを追って、やって来たけど。
やっぱり無理。
私、慶太くんに相応しい女性では無かったって事よね。
えぇ。そうよね。
所詮、私なんかが恋をするなんて、高望みだった……って事なのよね。
……
……
……
でも、ちょっと待って!
こんな時は……こんな時こそ、慶太くんの笑顔を思い出すのよっ。
――ぱぁぁぁっぁぁぁ!
はうはうはう!
恋のエネルギー充填完了!
慶太くん! 負けないっ! 美紗は負けないわ。
最初が肝心よっ。
ガツンと。ガツンと挨拶をするの。
油断しちゃ駄目。戦闘モードよ。美紗、戦闘モードになるのっ!
よーし、行くわよっ!
「あなたがダニエラさんですねっ。お帰りなさーい」
私は精一杯の笑顔でご挨拶したわっ。
「あがっ! お帰りなさい……ってあなたっ!」
おりょ! 効いてる、効いてる!
ダニエラさんの顔色が驚きの表情に変わって行くっ!
よしっ、もう一押しよっ!
「初めまして。私、大谷美沙と申します。こちらの慶太くんとは、お付き合いさせて頂いております。今後とも何卒宜しくお願い致します」
「おごっ! おおお、お付き合いって、あなたっ?!」
ぬふふふふ! ダニエラさん、めっちゃ焦ってる!
あの女は、ちょっと何を考えているのか分からなかったけど、彼女の気持ちは、手に取る様に分かるわっ!
よぉぉし! ここで止めを刺してやるっ!
「はい。お付き合いしてますっ!」
ぷはぁぁぁ。
言ってやった。言い切ってやったわ。
「みみみ、美穂さん、これってどう言う?」
あらあら、ダニエラさんったら、目を白黒させて、義母様に助けを求めたわよっ!
完全にロープ際まで追い込んだ感じね。
「あぁ、ダニーちゃん。どうやら、慶太の彼女さんらしいわよぉ。可愛らしいわよねぇ。慶太も幸せ者だわぁ」
やったー!
お義母様、グッジョブ! まさか義母様が最後の追い打ちを掛けてくれるなんてっ、夢にも思わなかったわっ!
……はっ!
良い事思いついちゃった。
さっき、ダニエラさんが、こっそりお義母様……って呼ぼうとしてらっしゃったの。
聞き逃さないわよぉ。えぇ、絶対に聞き逃すものですか。
と、言う事はよ?
あの声のトーンからすると、ダニエラさんも、まだお義母様って呼べて無い様ね。
ふっ、ふぅ~ん。
お義母様と呼んで良いのは私だけ。
絶対に他の人からは、そう呼ばせないわっ。
よぉぉし。
決着がつくまでの間、『お義母様』と言う呼び方は、封印させて頂く事にしましょうか。
何しろ、私以外の人から、そんな気軽にお義母様……なんて呼んでいただいては、周囲の方々に余計な誤解を招く事にもなりかねませんからねっ。
それでは、さっそく。
「えへへ。それほどでもぉ。あぁ、お義母様ぁ、そんな事、私がやりますからぁ。あっ、でも、こんなにお若くて、綺麗な方に、お義母様って言うのも失礼ですねぇ。……ふぅぅん。それじゃあ、美穂姉様で良いですかぁ?」
「あら、やだぁ! 美紗ちゃん。分かってるわねぇ。もう、本当にカワイイわねぇ。この娘ったら。ねぇ、ダニーちゃんも、そう思うでしょ?」
うふふっ。どう?
これで、貴女も簡単に、お義母様とは呼べなくなったでしょ?
ほらほら、貴女。
空いた口が塞がらないって、顔してるわよっ。
さぁ、まだまだ、これからよ。
これから楽しい宴が始まるの。
きっちりこの場で、白黒つけさせていただくわっ。
私は自信たっぷりに、大ぶりのお皿に積み上げられたベニズワイガニを、そっと居間のお炬燵の上へと置いたのよ。
……にしても、あの女、何処に行ったのかしら? 部屋を出て行く時に、私に向かって何故だか、勝ち誇った様な笑顔を……。
ぐぬぬぬっ。侮れないわっ!
この人も……この人も……めっちゃ溢れてるっ!
って言うか、めっちゃ、はみ出してるっ!
なぜなの? なぜはみ出してるの? 寒いから? 北陸は寒いから、熱を蓄える必要があるって事? それとも、吹雪きの中、散居村で道に迷った時に、飢えてしまわない様に、水と栄養が詰まっているって事? もうそれ、人じゃ無くって、ラクダよっ! ふたこぶラクダッ! 過酷な生存環境に適応する為、やむなく進化を遂げたって事なのね? そう言う事なんでしょっ! そうじゃ無いと辻褄が合わないもの。でも、そんな進化論たとえダーウィンが許しても、この大谷美紗が許しませんからねっ! だって、こんな年増なオバサンに、最愛の慶太くんを渡す訳には行かないんだものっ!
はぁ、はぁ、はぁ。
って、オバサンって言ってはみたけど、彼女……どう見ても二十代半ばよね。
どう言う事? 彼女、この若さと美貌で、しかも頭も良くって、お祖母様の会社の役員なの?
……うっ、うぇぇぇん。
私、勝てる要素、全然無いじゃない。どうしたら良いの。どうやったら勝てるのぉ?
無理、ムリ、無理……絶対に無理。
私には……勝てない……。
こんな北陸まで、最愛の慶太くんを追って、やって来たけど。
やっぱり無理。
私、慶太くんに相応しい女性では無かったって事よね。
えぇ。そうよね。
所詮、私なんかが恋をするなんて、高望みだった……って事なのよね。
……
……
……
でも、ちょっと待って!
こんな時は……こんな時こそ、慶太くんの笑顔を思い出すのよっ。
――ぱぁぁぁっぁぁぁ!
はうはうはう!
恋のエネルギー充填完了!
慶太くん! 負けないっ! 美紗は負けないわ。
最初が肝心よっ。
ガツンと。ガツンと挨拶をするの。
油断しちゃ駄目。戦闘モードよ。美紗、戦闘モードになるのっ!
よーし、行くわよっ!
「あなたがダニエラさんですねっ。お帰りなさーい」
私は精一杯の笑顔でご挨拶したわっ。
「あがっ! お帰りなさい……ってあなたっ!」
おりょ! 効いてる、効いてる!
ダニエラさんの顔色が驚きの表情に変わって行くっ!
よしっ、もう一押しよっ!
「初めまして。私、大谷美沙と申します。こちらの慶太くんとは、お付き合いさせて頂いております。今後とも何卒宜しくお願い致します」
「おごっ! おおお、お付き合いって、あなたっ?!」
ぬふふふふ! ダニエラさん、めっちゃ焦ってる!
あの女は、ちょっと何を考えているのか分からなかったけど、彼女の気持ちは、手に取る様に分かるわっ!
よぉぉし! ここで止めを刺してやるっ!
「はい。お付き合いしてますっ!」
ぷはぁぁぁ。
言ってやった。言い切ってやったわ。
「みみみ、美穂さん、これってどう言う?」
あらあら、ダニエラさんったら、目を白黒させて、義母様に助けを求めたわよっ!
完全にロープ際まで追い込んだ感じね。
「あぁ、ダニーちゃん。どうやら、慶太の彼女さんらしいわよぉ。可愛らしいわよねぇ。慶太も幸せ者だわぁ」
やったー!
お義母様、グッジョブ! まさか義母様が最後の追い打ちを掛けてくれるなんてっ、夢にも思わなかったわっ!
……はっ!
良い事思いついちゃった。
さっき、ダニエラさんが、こっそりお義母様……って呼ぼうとしてらっしゃったの。
聞き逃さないわよぉ。えぇ、絶対に聞き逃すものですか。
と、言う事はよ?
あの声のトーンからすると、ダニエラさんも、まだお義母様って呼べて無い様ね。
ふっ、ふぅ~ん。
お義母様と呼んで良いのは私だけ。
絶対に他の人からは、そう呼ばせないわっ。
よぉぉし。
決着がつくまでの間、『お義母様』と言う呼び方は、封印させて頂く事にしましょうか。
何しろ、私以外の人から、そんな気軽にお義母様……なんて呼んでいただいては、周囲の方々に余計な誤解を招く事にもなりかねませんからねっ。
それでは、さっそく。
「えへへ。それほどでもぉ。あぁ、お義母様ぁ、そんな事、私がやりますからぁ。あっ、でも、こんなにお若くて、綺麗な方に、お義母様って言うのも失礼ですねぇ。……ふぅぅん。それじゃあ、美穂姉様で良いですかぁ?」
「あら、やだぁ! 美紗ちゃん。分かってるわねぇ。もう、本当にカワイイわねぇ。この娘ったら。ねぇ、ダニーちゃんも、そう思うでしょ?」
うふふっ。どう?
これで、貴女も簡単に、お義母様とは呼べなくなったでしょ?
ほらほら、貴女。
空いた口が塞がらないって、顔してるわよっ。
さぁ、まだまだ、これからよ。
これから楽しい宴が始まるの。
きっちりこの場で、白黒つけさせていただくわっ。
私は自信たっぷりに、大ぶりのお皿に積み上げられたベニズワイガニを、そっと居間のお炬燵の上へと置いたのよ。
……にしても、あの女、何処に行ったのかしら? 部屋を出て行く時に、私に向かって何故だか、勝ち誇った様な笑顔を……。
ぐぬぬぬっ。侮れないわっ!
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