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束の間の時間
*【夜】重なる思い
しおりを挟む既に広がっているアナルを、もっと広げるようにお尻に両手を添えた。半分開いた瞳は涙に濡れ、半分開いた口からは吐息が漏れる。
“は、早く……早く……ユキトさん……!”
待ちきれずにアヤはおちんちんの先端からカウパーを零した。ぱたりとシーツに小さなシミを作り、じんわりと広がっていく。
「……どうしてほしい?」
「……え……?」
「どうしてほしいんだ? 奥まで突いて欲しいのか? それとも、ピストンしててほしいのか? 一緒にそのおちんちん扱いてほしい? そこまで、ちゃんと、だ」
「い、いじわる……しないで……ぇ」
「意地悪じゃないぞ? それに、ちゃんと自分が気持ち良い、一番して欲しいことをしてもらいたいだろ?」
「う……うぅ……」
「……ちゃんと言わなきゃ、ずっとこのままだな?」
“あ……そんな――!”
想定していなかったユキトの言葉に、アヤは口ごもった。別に、こんなプレイは今に始まったことではない。これまでにも同じことを言う客は少なからずいたからだ。だが、ユキトはそんな今までの客と同じではない。まだキープ状態とはいえ、身請けを約束してお互い好き同士であると確認した、恋人とほぼ変わらないのだ。
……仕事であれば、何の躊躇いもない。『今求められている【アヤ】として言わなければ』という意識一つで、客が求める言葉を紡ぎ音に乗せられる。しかし今は、仕事であって仕事でないのだ。ユキトは仕事をしているアヤと接しているが、百パーセント仕事上のアヤを求めてはいない。
この狭い、お店に用意された空間で、恋人との情事を楽しみたいのだ。
そしてそれは、アヤも同じ気持ちだった。
意識してしまうと、口にするには恥ずかしい言葉。
“言わなきゃ……”
「ぁ……お、奥まで……いっぱいっ……つ、ついて……くだっ……ください! それに……そ、それに……。お、おちんちん、も……触って……ほしい、です……」
「……そうか。そうしてほしいんだな」
「は……はいっ……」
「良い子だな。よくできました」
さらりとユキトの手がアヤのお尻を撫でた。
「……それじゃ、望み通りに」
「……ぁ……」
アヤの指によってさらに広がったアナルに、ユキトは自分のモノをゆっくりと挿入した。先ほどまで入っていたからだろうか。抵抗なくあっという間に根元まで飲み込まれていく。
「んん……ん……はぁ……はぁ……」
「入った、な」
「はい……」
相手に気持ち良くなってもらいたいという思いは、ユキトもアヤも同じだった。だからこそ、相手がして欲しいことを、相手が望むことをしたいと思うのかもしれない。
「……動くぞ?」
「んっ……は、はい……」
アヤのアナルを満たすユキトのモノが、ユキトの動きに合わせて運動を繰り返す。何度もオーガズムを迎えたはずのアヤの身体は、それでもまだ快楽を求めていた。
「あ……あぁ……ん……っ……」
「はぁ……はぁ……」
ユキトも限界は遠くない。
「……ずっとこうしていたいくらいなんだがな……」
「あぁ……ぼく、も。……僕も……んっ……です、ぅ……ぅ……!」
動きに緩急をつけ、今日最後だろうアヤのナカを楽しむ。我慢出来ずに声を漏らすアヤを愛おしく思い、次はどんな声を聴かせてくれるのかと、ユキトの胸をくすぐった。
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