道楽草

十三岡繁

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止まらないし止まれない

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 年末の天神を歩いてきました。福岡の中心部である天神は、今天神ビッグバンの呼び声高く既存のビルがどんどん建替えられています。中身はオフィスビルにホテルに商業施設です。まだ使えるとか、歴史的にどうだとか街の成り立ちだとかはあまり関係ないように見えます。容積がアップして床面積が増えれば。工事費をかけても経済的にはまわるだろうという理屈です。老朽化した建物はいつかは建て替えが必要ですし、少し未来が見えるような気がして、正直ワクワクしてしまう部分もあります。

 今年2023年の日本の出生数は75万人を切る勢いです。一番多かった頃の半分どころか1/3以下です。一方高齢化も進んで死者数は増加の一方です。原因はさておき過去の予測の一割り増しの人が亡くなっています。出生数の倍以上の人数です。当然日本人口は毎年出生数以上の減少となります。

 インフラの維持は悲鳴を上げています。水道管も下水道管もガス管も全て定期的に更新しないといけません。公共施設や道路も同じです。予算が足りなくて雨漏りが放置されている様な校舎もあります。ガス管が破裂して、消防車が出動したりしています。人口が減っているのだからこれからもどんどんインフラの維持は難しくなって、事故も多くなるでしょう。2050年には殆どの地域で人口が三割減るとの事ですが、インフラを現在の三割削らない限りは、維持するための負担は三割増えます。いや、実際は労働者も高齢化し納税者も減るので、体感的には負担はもっと重いものになるでしょう。現役世代の負担が増えれば更に少子化も進行するんでしょうね。

 このまま行けばどういう未来が待っているのか、考えるまでもなく当然誰もが分かる事でしょう。しかし止まりません。気付きたくない事だから目を瞑るのでしょう。都市インフラという点では、我々建築に携わる人間にも大きな責任があるように思います。しかしある程度物が言える立場になった人間も、基本的には自分のやりたい事に邁進するだけです。

 行くところまで行かないと止まらない。それもまた人間の業なんでしょうね。これを人類をあげての大いなる道楽といえるのかどうか…結末を見たいような見ない方がいいような…そんな心持の年末です。
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