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うちのヒロインは兄です
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カイスはただアイザックが羨ましかったらしい。両親や周囲にもっと自分を見て欲しかった、アイザックに負けたくなかった。そんな可愛らしい子供の嫉妬がカイスファンクラブを設立するきっかけとなったようだ。
カイスが作ったとはいえ流石に表立って自分のファンクラブの運営や統制は出来ない。私ですらレベッカに頼っているのだからそりゃ規律がなって無くて当然か。
「貴方のファンが貴方の為だと豪語して品のない振る舞いをすれば、それは貴方に返ってきます。このままだとカイスファンクラブは解散、カイス・ワイアットの評判も落ちるかもしれません」
解散に至っては私がそうするつもりだった。今の状態で放置する訳にもいかないし、彼女たちの態度が悪化すればアイザックにも被害がいく可能性も出てくる、それじゃ意味がないんだよ。
「そんなんゆわれても、どうしたらええんか分からん.......」
確かにここでカイス本人が出ても解決しそうにないな。
「ならこの件は私に任せて頂けませんか?」
「アテでもあるん?」
「ありますよ。カイス様のこと大好きでよく理解してるだろうお方が」
「はぁ!? そんなんおるわけないやん、どうせそいつもボクよりアイザックの方が」
「いるじゃないですか。カース様が」
「おとん?」
カース・ワイアットは多分息子大好きだぞ。自分と似た名前を子に与えるのは貴族によくある事だ、だがそれは自分の子供なんだと自慢したい親心が根底にあってこそ。そもそも息子がファンクラブ自分で作ってるのに気づかない人じゃないだろう、一度彼から話を聞いてみたい。
「話は私が通しておきますよ。カイス様は過激なファンの子達に一言「そういうのボク好きじゃないな~」くらい言えば大丈夫です」
「それくらいやったら全然いけそうやけど.......なぁその様付けやめてくれん? ボクだけめっちゃ礼儀なってない子みたいやん」
いきなり呼び捨てしてきた奴にそんな事言われてもな~。
「ボクのことはカイスくんでええよ、ボクもアイリーンお姉ちゃんって呼ぶし」
「カイス、お姉ちゃんはやめて」
「結局呼び捨てかいな」
二人して思わず吹き出してしまった。
「正直カイスに会うまではもっと意地の悪そうな子供を想像してたんだけど余計な心配だったかな」
「ボクもワガママで性格の悪いアイザックの腰巾着ってイメージやってんけどな、ただの悪人面でよかったわ」
最後のはよくないだろ。お互い負のイメージを払拭出来たらしい。
「でもアイリーンってあれよな、手のかかる子好きやろ?」
「何を根拠に」
「ボクの天使っぷりにやられんかったんも普段から慣れてるとかやろ?」
まぁ同じ家に天使いるしな。
「案外身内に甘いタイプって感じやわ」
「分析やめて」
思い当たる節があるだけにむず痒い。
「そういえば私から一つお願いがあるんだけど」
「何や?」
「アイザック様ともっと仲良くして欲し」
「無理や!!」
私が言い終わるより先にカイスは勢いよく首を振った。アイザックは弟みたいな存在が出来て喜んでいるのに実は若干苦手意識を持たれているなんて知れたらショックを受ける、それを回避したかったのにな。
「やってアイザックとおると何か緊張してもうてあんまり話せへんし!! 何かこう.......ドキドキして」
「えっ恋?」
「違うわ!!」
うちのアイザックモテすぎだろ。私よりヒロインをしている兄の顔を浮かべながら苦笑した。
「確かにめちゃくちゃ顔ええし優しいし、スタイルええし聞いた話やと頭もええ将来優良物件やろうけど.......」
あくまで憧れってことか。
「と、とにかくボクはアイザックよりずっと男前になってカッコくて可愛い存在に」
「僕が何かな?」
声のする方を向けば、扉の近くにアイザックが少し照れながら立っていた。
「お兄様.......」
「へ!? い、いつから」
「少し前からね。カイスくんとアイリーンの声が聞こえてすごく盛り上がってたからつい気になって、その」
「っ!!」
カイスは顔を茹でダコみたいに染め上げ、声にならない悲鳴を上げながらうずくまった。まぁ本人前にしてべた褒めしてたからな。恥ずかしいだろうよ。
「でも嬉しいなぁカイスくんがそんなふうに僕のこと思ってたなんて」
「違っ、違くないけど、えっあのだから」
助けてくれと懇願するように私を見つめてくる。
「良かったですね、これで変に誤解されることなく大好きなアイザックお兄様と仲良くなれますよ?」
「アイリーン!?」
これは裏切りではなく今日のドレス代だ。
「ふふっ、いつの間にかアイリーンともそんなに仲良くなってたなんて僕も混ぜて欲しいな」
アイザックはそう言いながらカイスに駆け寄り彼をあたふたさせている。
ふと思い返す。今まで出会った攻略対象の中で唯一アイザックと関わっていないのはハワードだけだ。しかし彼ら二人は将来的に魔法学という分野で深く関わることになる。
カイスはアイザックに憧れ。
クロードはアイザックの親友。
ブラウンはアイザックを義兄として慕い。
ハワードはアイザックを優秀な人材として賞賛する。
裏工作している私よりもずっとメインキャラクターと交流を深めている兄アイザック。
流石だ、ヒロインの力は絶大なのかもしれない。
そんなことを思いながら私は目の前の微笑ましい光景にただ目を向けていた。
カイスが作ったとはいえ流石に表立って自分のファンクラブの運営や統制は出来ない。私ですらレベッカに頼っているのだからそりゃ規律がなって無くて当然か。
「貴方のファンが貴方の為だと豪語して品のない振る舞いをすれば、それは貴方に返ってきます。このままだとカイスファンクラブは解散、カイス・ワイアットの評判も落ちるかもしれません」
解散に至っては私がそうするつもりだった。今の状態で放置する訳にもいかないし、彼女たちの態度が悪化すればアイザックにも被害がいく可能性も出てくる、それじゃ意味がないんだよ。
「そんなんゆわれても、どうしたらええんか分からん.......」
確かにここでカイス本人が出ても解決しそうにないな。
「ならこの件は私に任せて頂けませんか?」
「アテでもあるん?」
「ありますよ。カイス様のこと大好きでよく理解してるだろうお方が」
「はぁ!? そんなんおるわけないやん、どうせそいつもボクよりアイザックの方が」
「いるじゃないですか。カース様が」
「おとん?」
カース・ワイアットは多分息子大好きだぞ。自分と似た名前を子に与えるのは貴族によくある事だ、だがそれは自分の子供なんだと自慢したい親心が根底にあってこそ。そもそも息子がファンクラブ自分で作ってるのに気づかない人じゃないだろう、一度彼から話を聞いてみたい。
「話は私が通しておきますよ。カイス様は過激なファンの子達に一言「そういうのボク好きじゃないな~」くらい言えば大丈夫です」
「それくらいやったら全然いけそうやけど.......なぁその様付けやめてくれん? ボクだけめっちゃ礼儀なってない子みたいやん」
いきなり呼び捨てしてきた奴にそんな事言われてもな~。
「ボクのことはカイスくんでええよ、ボクもアイリーンお姉ちゃんって呼ぶし」
「カイス、お姉ちゃんはやめて」
「結局呼び捨てかいな」
二人して思わず吹き出してしまった。
「正直カイスに会うまではもっと意地の悪そうな子供を想像してたんだけど余計な心配だったかな」
「ボクもワガママで性格の悪いアイザックの腰巾着ってイメージやってんけどな、ただの悪人面でよかったわ」
最後のはよくないだろ。お互い負のイメージを払拭出来たらしい。
「でもアイリーンってあれよな、手のかかる子好きやろ?」
「何を根拠に」
「ボクの天使っぷりにやられんかったんも普段から慣れてるとかやろ?」
まぁ同じ家に天使いるしな。
「案外身内に甘いタイプって感じやわ」
「分析やめて」
思い当たる節があるだけにむず痒い。
「そういえば私から一つお願いがあるんだけど」
「何や?」
「アイザック様ともっと仲良くして欲し」
「無理や!!」
私が言い終わるより先にカイスは勢いよく首を振った。アイザックは弟みたいな存在が出来て喜んでいるのに実は若干苦手意識を持たれているなんて知れたらショックを受ける、それを回避したかったのにな。
「やってアイザックとおると何か緊張してもうてあんまり話せへんし!! 何かこう.......ドキドキして」
「えっ恋?」
「違うわ!!」
うちのアイザックモテすぎだろ。私よりヒロインをしている兄の顔を浮かべながら苦笑した。
「確かにめちゃくちゃ顔ええし優しいし、スタイルええし聞いた話やと頭もええ将来優良物件やろうけど.......」
あくまで憧れってことか。
「と、とにかくボクはアイザックよりずっと男前になってカッコくて可愛い存在に」
「僕が何かな?」
声のする方を向けば、扉の近くにアイザックが少し照れながら立っていた。
「お兄様.......」
「へ!? い、いつから」
「少し前からね。カイスくんとアイリーンの声が聞こえてすごく盛り上がってたからつい気になって、その」
「っ!!」
カイスは顔を茹でダコみたいに染め上げ、声にならない悲鳴を上げながらうずくまった。まぁ本人前にしてべた褒めしてたからな。恥ずかしいだろうよ。
「でも嬉しいなぁカイスくんがそんなふうに僕のこと思ってたなんて」
「違っ、違くないけど、えっあのだから」
助けてくれと懇願するように私を見つめてくる。
「良かったですね、これで変に誤解されることなく大好きなアイザックお兄様と仲良くなれますよ?」
「アイリーン!?」
これは裏切りではなく今日のドレス代だ。
「ふふっ、いつの間にかアイリーンともそんなに仲良くなってたなんて僕も混ぜて欲しいな」
アイザックはそう言いながらカイスに駆け寄り彼をあたふたさせている。
ふと思い返す。今まで出会った攻略対象の中で唯一アイザックと関わっていないのはハワードだけだ。しかし彼ら二人は将来的に魔法学という分野で深く関わることになる。
カイスはアイザックに憧れ。
クロードはアイザックの親友。
ブラウンはアイザックを義兄として慕い。
ハワードはアイザックを優秀な人材として賞賛する。
裏工作している私よりもずっとメインキャラクターと交流を深めている兄アイザック。
流石だ、ヒロインの力は絶大なのかもしれない。
そんなことを思いながら私は目の前の微笑ましい光景にただ目を向けていた。
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