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星加のん

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Ep.5 サブカル女子は人気ウェブ作家の夢を見るか?

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 サブカル女子という言葉があります。
 わたしはほぼ自覚がなかったのですが、以前ネットの記事を読んでいたら、サブカル女子の特徴として星野源の話題になったら「星野源ならわたしサケロック時代から聴いてたし」と言いがちと書かれてありました。
 それにはめっちゃ心当たりがあって、何なら「サケロックっていう名称はマーティン・デニーのSAKEROCKという曲があってだなぁ」まで言うけどねってくらいです。
 その記事を目にして初めて、あ、わたしってサブカル系なのかと自覚するに至ったわけです。

 そもそもサブカルってなんなのかと言えば、サブカルチャーのことなのは知られていることかと思います。これはメインストリーム――大量消費されるような文化(映画や音楽、ファッション、漫画、その他色々)――ではなく、ひっそり脇道を歩んでいるような文化を指す言葉です。そういうものを追い求める人をサブカル系、女子であればサブカル女子なんて呼ぶわけです。

 最近はあまり耳目に触れることがありませんが、以前は何だかオタクVSサブカル論争がしばしば起こっていたようです。わたしはそもそもオタクにもサブカルにも帰属意識を持ってはいなかったので、個人的にはどうでもいいようなことかと思うのですが。

 オタクとサブカルって何が違うのかと言うと、これは諸説あるのでわたしもはっきりこうだとは言い切れません。でも東京の街でオタクと言えば秋葉原と結びつくことが多いでしょうし、一方のサブカル系の人が主に活動している街と言ったら下北沢や高円寺辺りになります。中野ブロードウェイで有名な中野にはオタクとサブカルがクロスオーバーしているような印象ですね。
 お店で言ったらアニオタにとってのアニメイトがサブカル人間のヴィレヴァン(ヴィレッジ・ヴァンガード)みたいな感じでしょうかね。

 オタクと言った場合には、アニメだったり鉄道だったりゲームだったりアイドルだったり、メインカルチャーであろうがサブカルチャーであろうがそこは関係なく、何か一つのジャンルを掘ってる人といった印象です。一方のサブカル系の人種はと言えば、アートや音楽、ファッション、映画等、節操なく色んなジャンルを縦横無尽に、商業的なメインストリームからはちょっと離れたものに執着して掘ってるイメージでしょうか。そして割と「これを発掘したわたしのセンスどうよ」とか、自分のセンスの良さに悦に浸ってたりするところがあるのがサブカル系の人でしょうか(偏見です)。

 うちの兄なんかもそういった傾向が顕著で、パフュームが「ポリリズム」でブレイクしたのは2007年だったでしょうか。その年の正月に、今年はパフュームが来ると宣言して果たしてその通りブレイクしたものですから、あの頃のドヤ顔が未だに鼻について忘れられません。で、売れたらもうあんまり興味がなくなるらしくあまり聴かなくなるんですよ、冷たいことに。
 そもそも中田ヤスタカがブレイクする前から聴いていたとかで、その関連で彼がプロデュースしていたパフュームも聴いていたというのです。以前書いたことがありましたが、プロデューサーで聴くという聴き方ですね。
 まぁ、家にあったのでわたしも聴いていましたけどね(←こういうところです)。

 そう言えばQJ(クイック・ジャパン)みたいなサブカル系雑誌はありますが、オタク文化は細分化されていてジャンルごとのマニアをオタクと呼ぶ感じなので、オタク向け雑誌もオタク文化全体を扱ったものではなく、やはりジャンルごとといった感じですよね。

 で、ウェブ小説や漫画やアニメの中では、オタクな主人公や登場人物ってよく出てくるのですが、サブカル系の主人公ってなかなか出てこない気がするのは気のせいでしょうか。個人的にあまり出てこないように思えるので、わたしの書いているお話では主人公はサブカル系なんですよね。
 だからといって別にサブカル的なものを書こうという意識を持って書いているわけでは全然なくて、メインストリームのテンプレものを書く気満々で始めるのに、結果的に何だかそこから外れ気味になってしまうというのは、結局やはり自分がサブカルチャー寄りの人間であるゆえのさがなのでしょうか。別に主流のものを避けたりとかは全然ないのに謎です。
 まぁ確かにEXILEとか聴いてもピンとこなかったりと思い当たる節もなくはないのですけど……。いやでも人気のウェブ作家さんがザイル聴いてるわけでもないか、知らないですけど。

 我が家には普通のコミック誌と同じように古いガロなんていうサブカル系そのものみたいな漫画雑誌もありましたしね。「のだめカンタービレ」や「ハチミツとクローバー」と一緒に「ねじ式」みたいなつげ義春のコミックが身近にあるという変な家庭で育ってしまいました。困ったことに。

 そんなわたしですが、これからも真正直にメインストリームのテンプレ小説を書こうとしながら結局外してしまうという路線を、もうしょうがないからそういう個性として書いていくことになるのでしょう。わたしのお話を読んでくださる希少な読者のみなさまに見捨てられませんように。
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