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#18 聖女学園の軌跡
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あれから数一〇分が経過し、馬車はようやく帝都──聖アスタライト女学院に到着した。
それまで、俺が乗っていた馬車はあまりにも空気が悲惨で誰も口を開かなかったために居心地が悪いなんてものではなかったが…………うん、どの口が言うかって感じだな。
三人とも小さな窓から外の景色を見るだけで、目を合わそうとはしなかったが……それでもポジションを変える事なく抱きついたままなのだから、ある種の執念すらも感じられた。
ともあれ、ようやく解放されそうになった俺は苦笑いしながら三人に告げる。
「えっと、到着したみたいですけど……」
俺がそう言って一〇秒ほどが経つと、セリカとアイリス先生が立ち上がり言った。
「そうね、私達も行きましょうか」
「はい。アルティナさんも先に行きましょう」
それを聞いたアルティナは一瞬怪訝そうな顔をしたが、すぐに思い至ったようで納得して立った。
「分かりました。それじゃあレン──くれぐれも、さっきのことは忘れるように! いい?」
「り、了解です」
俺のその言葉を聞いて頷いたアルティナは、セリカとアイリス先生の後に付いていってアルティナも馬車から出ていった。
俺は一人、ここで一分ほど待つことにする。別に嫌がらせとかではない。ただ、俺がここで三人と一緒に出てしまうと、他の生徒に目撃されてしまう。そうなると、三人を今の俺の危うい立場に巻き込んでしまう事になる。それを察して、三人は先に馬車から降りたのだ。
「それにしても、さっきのは……」
一人にまった俺は、先程の出来事をつい思い出してしまう。三人が三人とも、タイプの差はあれど絶世の美女と言っても過言ではない。そんな美女達に囲まれ、あまつさえあんなことを……。
やめよう。これ以上考えると、悶々として交流会どころじゃなくなる。
「──っと、そろそろいい頃合いか」
感覚だが、そろそろ三人が出てから一分程が経過した筈だ。
馬車から出ると、そこはもう別世界だった。
一面に花畑が広がっており、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえる。まるで地上の楽園のようなその場所の中央には、お伽話に出てくるような城が建っている。
この場所こそが、貴族御用達の乙女の箱庭──アスタライト女学院だ。
「フェイト魔術学院の皆様ですね? 私、本日皆様の案内役を仰せつかりました──二年生の主任を務めております、トワイ=ライトと申します。短い間ではありますが、どうぞよろしくお願いします」
スカートの端を摘んで挨拶したのは、茶髪で四〇代ほどの教師だった。
さすがに貴族御用達女学院の教師だけあって、その流れるような言動には一切の淀みがない。
「それでは、こちらです。付いてきてください」
トワイさんの後ろをセリカを筆頭に、教師、生徒の順番で付いていく。
そして城に備えられた荘厳な扉の前にトワイさんが立つと、扉の脇の立っていた二人の守衛らしき人物がゆっくりと開けていった。
──中は、想像以上だった。
まるでガラスの靴のお姫様の童話に出てくるような、絢爛豪華な城。レッドカーペットや螺旋階段、金色の装飾やシャンデリアに至るまで、あらゆる部分があまりに浮世離れしすぎており、殆どの人間が呼吸すらも忘れて内部を眺めていた。
呆気にとられていないのは、俺とセドリックとセリカの三人くらいだ。セドリックに関しては、城には慣れているのだろう。というか住んでいるわけだから、慣れていないわけがない。そしてセリカと俺は、立場上王宮に呼ばれることも多いので、それによるものだろう。
しかしそれ以外の者達、それこそアルティナやアイリス先生を含めた殆どがボーッとした様子になっている。無理もない、いくら知識として認識していようとも、現物はやはり凄まじいからな。
そんな城の階段を登っていった俺達は、一つの部屋に案内された。
俺達はトワイさんと教師に先導される形で部屋に入っていった。中は大きめの会議室といった感じで、向き合うようにして二つのイスの固まりができている。
片方──奥側のイスには、この女学院の生徒であり、今回の交流会に参加する二年生であろう女子達が座っている。
「どうぞ皆様、お掛けになってください」
トワイさんに促されるまま、俺達はイスに座っていく。
自然な流れでセドリックが最前列の中央に、俺は最後列の端に座ることとなった。
女学院の生徒の方を見やると、皆藍色の制服に身を包んでいるが、その中でも一際目立つ人物がいる。
最前列の中央──セドリックと向き合う位置に座っている、金髪碧眼の美少女だ。サラサラのロングストレートの髪や、絹のように白い肌は彼女の育ちの良さを表しているかのようだ。雲一つない晴天のように透き通る碧き双眸は、彼女が未だ純粋な心を持っているであろうことを如実にしている。
彼女こそが、セドリックの双子の妹にして帝国王家第一王女──エリーゼ=ラウス=クラウディア本人だ。
「それではまず、本校の代表生徒より歓迎の挨拶を述べさせていただきます」
トワイさんがそう言うと、エリーゼが立ち上がった。まあ確かに、代表生徒なんて彼女くらいしか思い付かないが。
「フェイト魔術学院二年生の皆様、本日はアスタライト女学院にようこそおいでくださいました。ご存知のお方もいらっしゃるとは思いますが、私はエリーゼ=ラウス=クラウディアと申します。……私達、生徒一同は本日の皆様との交流会を待ち遠しく思っていました。僅かな間ではありますが、実りある交流会となるように一同誠心誠意務めさせていただきますので、本日はよろしくお願いします」
エリーゼの名前が出た瞬間、フェイトの生徒がざわついた。もしかしたら……と思っていたのが現実であって、憧れの姫と会えたのも相俟って思わず興奮してしまったのだろう。しかしその一瞬、エリーゼの表情に苦渋がよぎったようにも見えたが、すぐに笑みを浮かべて次の言葉を並べた。
そしてその天使のような声にフェイトの生徒も聴き入ってしまい、最終的に全員が押し黙ってしまった。
……というか、話している最中にエリーゼが凄いこっちをチラ見していた。視線だけだったが、それでも五秒に一回ペースでチラ見していた。俺の隣や前の席に座っている男子が「俺を見ていた」だの「いやいや、俺だから」だの喧しくなってしまったので、できれば自重してもらいたい。
「それではまず、全員で自己紹介をしましょう。最初はアスタライト、次にフェイトの順番にでそれぞれお願いします」
今回の交流会の流れについては予め俺達にも知らされていたが、それにしても全員で自己紹介と言っても、フェイトとアスタライトを合わせれば相当な人数の生徒数になるのだが……。
──実際、俺の予想通りこの自己紹介だけでおよそ授業一限分もの時間を使った。あまりに暇すぎたので、それぞれの反応を見て楽しむことにした。
エリーゼの時は、フェイトの(主に男子)生徒が興奮気味になっていた。彼女が俺をチラ見どころかガン見してきたので、近くも男子生徒が喧嘩しそうになっていた。
セドリックの時は、フェイトとアスタライト両方の女生徒が色めき立っていた。確かにあいつ、見た目と表向きの顔は良いからな。……実際は事あるごとに奢りを要求する、ケチ王子だけど。それが分かっているからか、エリーゼも近くも女子生徒に「セドリック様、カッコいいですね!」と言われて曖昧な笑みだけを浮かべていた。
そして俺の時は、アスタライトの生徒は殆どが興味なさそうだった。まあ彼女達にしてみれば、多数いる男子生徒の一人というだけであって、これといった興味の対象にもならないだろう。もっとも、エリーゼだけは瞳を輝かせてウットリとした様子で俺の言葉を聴いていたが……フェイトの連中は酷かった。俺が出るや否や、一部を除いた殆どの生徒から陰湿なオーラが出ていたのだから。さすがに呆れるレベルだった。
また、自己紹介こそしていないものの、フェイト、アスタライト問わず一部の女性生徒からセリカに向けて憧れの視線が向けられていた。……確かに、あのスタイルは同性なら憧れもするな。もっとも、男子からは邪な視線が飛び交っていたため、何度切り捨てようとしたか数えきれないくらいだ。
「それでは互いのことを知ったところで、しばしの歓談と致しましょう。お茶とお菓子も用意しておりますので、どうぞごゆっくりとお寛ぎください。各教師は、準備のためこちらにお願いします」
トワイさんがそう言うと、どこからか現れたメイド達が紅茶やお茶受けなどを運んできた。よもや、メイドまでいるとは……恐るべし、アスタライト女学院。
そうして生徒だけの歓談が始まったのだが──まあ、想像通りの展開にはなった。
「セドリック様!」
「本日はご機嫌麗しゅう……」
「あ、あのあの!」
とか、
「エリーゼ様!」
「すげえ、天使かよ⁉︎」
「ち、直視できない!」
とかである。
要するに、女子生徒の集まるセドリック周辺と、男子生徒の集まるエリーゼ周辺という二つの集まりに分かれてしまったのだ。メイドさん達もどうにかした方がいいとは思っているようだが、立場上彼等の言動を阻害するわけにもいかず、オロオロしているだけになっている。
当のセドリックやエリーゼにしても、この状況を打開する術が思いつかずにいるようで、たまに俺の方を一瞥するくらいだが……その行為が関係ない生徒を余計に騒がせてしまい、完全な悪循環となってしまっている。
そんな中、俺はというと……。
「……お、このクッキー美味しい」
折角の機会なのだからと、メイドさん達の用意したお茶とお菓子を楽しんでいた。
紅茶やコーヒー、東方風の抹茶まで用意されており、それぞれに合うお茶菓子まである上に、どれもが超一流の味なのだ。普段では絶対に味わえないような物があるのだから、今日くらいは楽しんでおかないと。
「あ、あの~……」
ふと、前方から声がかけられた。
声のした方向を見ると、そこには恐る恐るといった様子で俺に声を掛ける一人のメイドがいた。
周りのメイドが五〇代や六〇代の中、唯一二〇代くらいのメイドということで目立ってはいた人だ。
「なんですか? あ、もしかしてマナー違反とかありました?」
こんだけ無作法に食べていれば、もしかしたメイドさん的にも目に余ったのかもしれない。
「い、いえ、そうではなくてですね……その、貴方はエリーゼ様の所に行かなくてもよろしいのですか……?」
なるほど、そういうことか。確かに、みんな花より団子と言わんばかりにあの二人のところに行っているし、食ってばかりいる俺は逆に怪しまれているのかもしれない。
「だって、今あの二人のところに詰め寄ったって何の意味もないでしょう? 姿を見るだけなら写真で十分だし、向こうからの印象なんてむしろ下がるだろうし。そんな無意味なことをするくらいなら、この美味いお茶飲んでいる方が、よほど有意義というものですよ」
あくまで、俺があの二人と無関係という前提の下に話していく。ここであのセドリックとエリーゼと知り合いだと言ったところで、余計話が拗れるだけだろう。
「そ、そうですか……えへへ、ありがとうございます」
そう言って何故かメイドさんがはにかんだ。……はて、俺が何かお礼を言われるようなことをしただろうか?
「えっと、なんでお礼を言うんですか?」
「あ、すみません……ただ、その紅茶は私が入れたものでして……初めて『美味しい』と言ってもらえて、嬉しかったんです」
そういうことだったのか。
メイドさんの話を聞いて、俺は合点がいった。
メイドさんが働いているアスタライト女学院にいる生徒の殆どが貴族だ。そうなると、舌の肥えた彼女達を満足させるのは並大抵ではないだろうからな。その点、俺なんかこれでも十二分に美味いと思うんだけどな……。
というか、彼女のあの微笑み……どこかで見たような気がするような……。
「……私、昔からドジで間抜けで、みんなから笑われていたんです。でもある日、偶然出会った男の子に言われたんです『そんなの、気にしないでいい。人にどう思われるかより、自分がどうしたいのかの方が大事だから』って。それ以来、いっぱいがんばって、こうして名だたる女学院のメイドになれたんですっ……まあ、まだまだ怒られてばかりですけどね……」
あはは……と渇いた笑いをする彼女を見て、思い出した。
それこそ俺がアインと出会う前──一人で隣町まで行った時、一人の少女と出会った記憶がある。小さな公園で泣きじゃくっていた彼女に俺は、何か言葉を投げた気がする。具体的には全然覚えていないが、当時の俺の絶望を味わって欲しくない──その一心で話したのは覚えている。
そうして話した彼女の別れ際の笑顔──それは、このメイドさんそっくりで……。
「……もしかして──メイちゃん……?」
もし間違っていたらと思うと、とてつもなく恐ろしいが……それでも、俺の記憶が正しいと信じるしかない。
「……ま、まさか──レンくん、なんですか……?」
目を丸くして驚く彼女──メイちゃんを見て、俺は心底安堵する。まさか、本当にあの少女だったとは……偶然って恐ろしい。
「えへへ、嬉しいですっ! 本当に、また会えるなんて……!」
そう言って涙ぐんだ彼女の表情は、俺の記憶の中にあるあの日の少女そのままだった。
「その、ですね……私、あの日からずっとレンくんのこと……」
「また新しい女? 本当に見境のないタラシね」
メイちゃんが何かを言おうとした瞬間、後ろから声が聞こえた。振り返るとそこには、仏頂面して立っているアルティナの姿があった。
「いや別にそんな意図があったわけじゃないんだけど…………ていうかメイちゃん、さっきなんて言おうとしたの?」
「い、いえ、やっぱりなんでもないです……っ」
改めてメイちゃんの方を向いて聞いてみたが、もう言う気は無さそうなので諦めてメイちゃんにお茶のおかわりを催促することにした。
「そう? ならいいけど……それよりも、おかわり貰える?」
「は、はい!」
鼻歌交じりに俺の持っているカップに紅茶を注ぐメイちゃんの姿に、俺は思わず見惚れてしまった。そのくらい彼女の動きは軽やかで、流麗だった。
「…………ふんっ」
しかし現れたもう一人の少女──アルティナの方はと言うと、俺の隣に立ったかと思うと不機嫌そうな声を出しながら適当なクッキーを頬張った。
「ていうか、アルティナはなんでここにいるの? 他の奴らみたいに、あの二人のところに行かなくていいのか?」
俺が部屋の中央を一瞥すると、そこではやっとの事で合流した兄妹と、むしろそれによってほぼ全ての生徒が一箇所に集まるカオスが出来上がっていた。
「今あちらに行ったところで、益体も無いでしょう? それよりも、こうしてレンといた方が有意義よ」
「ふーん、俺なんかといても楽しくないと思うけどな」
「そうでもないよ。実際、つい今さっきも問題行動を止められたしね」
「問題行動──?」
「……なんでもない。それより、あっちはどうにかしなくていいの?」
そう言ったアルティナの視線の先には、大量の生徒に囲まれて身動きすらできないセドリックとエリーゼがいた。
「まあ、そろそろ動くか。──それとメイちゃん、また会えて嬉しかったよ。紅茶美味しかった、ありがとう」
「ふぇ? わ、私こそまた会えて、嬉しかったです! ……えへへ」
俺が感謝の念を込めてメイちゃんの頭を撫でると、彼女もまた嬉しそうに微笑んでくれた。その表情が見れて満足した俺は、名残惜しみながらも二人のいる場所から離れたところから、室内中に聞こえるように叫ぶ。
「──ああ! あんなところに、ここぞとばかりに王族に集るハイエナがいっぱいいるな~! いつからここは、動物園になったんだろう~⁉︎」
俺は挑発するようにして、これでもかというくらいバカにしている声と態度で叫ぶ。刹那、メイちゃんが俺を止めようとしている光景が見えたが、すぐにそれをアルティナが抑えていた。──きっと彼女は分かっていたのだろう。俺がこういう手段しか取れないことを。
そして俺の声はバッチリと生徒達の耳に入っていたようで、あの二人の周囲にいた全生徒が俺のことを睨みつけている。
「え、なにそれ? それで睨んでるつもりなの? 慈愛の眼差しかと思ったくらいだよ! 逆にすごいね!」
とことん彼等彼女等の神経を逆撫でする言葉を俺は発していく。すると徐々に、生徒達はゆっくりと俺に向かって進軍してきた。……そして同時にそれは、セドリックとエリーゼから離れる事を意味する。なれば、俺の目的は達せられたと言える。
「ここでボコられるのも嫌だし、逃げるね! せいぜい追いかけてみなよ! まあ、無理だろうけど!」
そう言ってできるだけ大きな音を上げて扉を開けた俺は、アスタライト女学院の校舎を駆け出す。後ろを振り返れば、どうやら暫く彼等も呆気に取られていたらしく、俺と生徒達にはおよそ五〇メートル程の間隔ができていた。
あとは適度に逃げて、時間になったらあの部屋に戻るようにさえ仕向ければ──そんな俺の思考は即座にストップさせられる。
──ドガァアアアアンッ‼︎
大きな破壊音と共に、天井が崩れ落ちてきた。落下地点は丁度俺のいる位置。生徒達を巻き込む事はないだろうし、安心して避けられる。
バックステップをした俺が、降り注ぐ天井を避けて気付く。
「あ、しまった。これだとあいつらと分断されちゃうけど……まあ、大丈夫かな」
廊下には先程降ってきた天井が積み重ねられており、行き来することは不可能だ。こちら側から破壊するのは不可能では無いが、あちら側の状況が分からない以上は無理にするには得策ではない。最悪それによって死者が出る事すら考えられてしまう。
「というわけで、見事俺は一人になったんだけど……さっさと姿を表してくれない?」
天井が崩れ落ちた事によってぽっかりと空いた穴。それを見上げながら俺が言うと、誰かが空から降りてきた。
「まさか気付かれてるなんてなぁ……円卓会議の名は伊達じゃねぇってことかよ」
俺の眼前に立っているのは、色といい、捻れ方といい、ワカメみたいな髪をした男だ。
そのワカメ男は俺をジッと見つめると……。
「しっかし、こんなヒョロイ男が《灰》の使い手ねぇ……いやはや、世も末だねぇ。お前もそう思わないかぁ?」
「まあ、そうかもしれないな。何せこんな侵入者を許すようなザル警備でも、名門女学院なんだからな」
俺が皮肉げにそう言うと、ワカメ男は「ぷっ」と笑うと、
「あぁ、そうかもしれないなぁ──とりあえずぅ、死ねよ」
非情な言葉と共に、その魔術は発動した──。
それまで、俺が乗っていた馬車はあまりにも空気が悲惨で誰も口を開かなかったために居心地が悪いなんてものではなかったが…………うん、どの口が言うかって感じだな。
三人とも小さな窓から外の景色を見るだけで、目を合わそうとはしなかったが……それでもポジションを変える事なく抱きついたままなのだから、ある種の執念すらも感じられた。
ともあれ、ようやく解放されそうになった俺は苦笑いしながら三人に告げる。
「えっと、到着したみたいですけど……」
俺がそう言って一〇秒ほどが経つと、セリカとアイリス先生が立ち上がり言った。
「そうね、私達も行きましょうか」
「はい。アルティナさんも先に行きましょう」
それを聞いたアルティナは一瞬怪訝そうな顔をしたが、すぐに思い至ったようで納得して立った。
「分かりました。それじゃあレン──くれぐれも、さっきのことは忘れるように! いい?」
「り、了解です」
俺のその言葉を聞いて頷いたアルティナは、セリカとアイリス先生の後に付いていってアルティナも馬車から出ていった。
俺は一人、ここで一分ほど待つことにする。別に嫌がらせとかではない。ただ、俺がここで三人と一緒に出てしまうと、他の生徒に目撃されてしまう。そうなると、三人を今の俺の危うい立場に巻き込んでしまう事になる。それを察して、三人は先に馬車から降りたのだ。
「それにしても、さっきのは……」
一人にまった俺は、先程の出来事をつい思い出してしまう。三人が三人とも、タイプの差はあれど絶世の美女と言っても過言ではない。そんな美女達に囲まれ、あまつさえあんなことを……。
やめよう。これ以上考えると、悶々として交流会どころじゃなくなる。
「──っと、そろそろいい頃合いか」
感覚だが、そろそろ三人が出てから一分程が経過した筈だ。
馬車から出ると、そこはもう別世界だった。
一面に花畑が広がっており、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえる。まるで地上の楽園のようなその場所の中央には、お伽話に出てくるような城が建っている。
この場所こそが、貴族御用達の乙女の箱庭──アスタライト女学院だ。
「フェイト魔術学院の皆様ですね? 私、本日皆様の案内役を仰せつかりました──二年生の主任を務めております、トワイ=ライトと申します。短い間ではありますが、どうぞよろしくお願いします」
スカートの端を摘んで挨拶したのは、茶髪で四〇代ほどの教師だった。
さすがに貴族御用達女学院の教師だけあって、その流れるような言動には一切の淀みがない。
「それでは、こちらです。付いてきてください」
トワイさんの後ろをセリカを筆頭に、教師、生徒の順番で付いていく。
そして城に備えられた荘厳な扉の前にトワイさんが立つと、扉の脇の立っていた二人の守衛らしき人物がゆっくりと開けていった。
──中は、想像以上だった。
まるでガラスの靴のお姫様の童話に出てくるような、絢爛豪華な城。レッドカーペットや螺旋階段、金色の装飾やシャンデリアに至るまで、あらゆる部分があまりに浮世離れしすぎており、殆どの人間が呼吸すらも忘れて内部を眺めていた。
呆気にとられていないのは、俺とセドリックとセリカの三人くらいだ。セドリックに関しては、城には慣れているのだろう。というか住んでいるわけだから、慣れていないわけがない。そしてセリカと俺は、立場上王宮に呼ばれることも多いので、それによるものだろう。
しかしそれ以外の者達、それこそアルティナやアイリス先生を含めた殆どがボーッとした様子になっている。無理もない、いくら知識として認識していようとも、現物はやはり凄まじいからな。
そんな城の階段を登っていった俺達は、一つの部屋に案内された。
俺達はトワイさんと教師に先導される形で部屋に入っていった。中は大きめの会議室といった感じで、向き合うようにして二つのイスの固まりができている。
片方──奥側のイスには、この女学院の生徒であり、今回の交流会に参加する二年生であろう女子達が座っている。
「どうぞ皆様、お掛けになってください」
トワイさんに促されるまま、俺達はイスに座っていく。
自然な流れでセドリックが最前列の中央に、俺は最後列の端に座ることとなった。
女学院の生徒の方を見やると、皆藍色の制服に身を包んでいるが、その中でも一際目立つ人物がいる。
最前列の中央──セドリックと向き合う位置に座っている、金髪碧眼の美少女だ。サラサラのロングストレートの髪や、絹のように白い肌は彼女の育ちの良さを表しているかのようだ。雲一つない晴天のように透き通る碧き双眸は、彼女が未だ純粋な心を持っているであろうことを如実にしている。
彼女こそが、セドリックの双子の妹にして帝国王家第一王女──エリーゼ=ラウス=クラウディア本人だ。
「それではまず、本校の代表生徒より歓迎の挨拶を述べさせていただきます」
トワイさんがそう言うと、エリーゼが立ち上がった。まあ確かに、代表生徒なんて彼女くらいしか思い付かないが。
「フェイト魔術学院二年生の皆様、本日はアスタライト女学院にようこそおいでくださいました。ご存知のお方もいらっしゃるとは思いますが、私はエリーゼ=ラウス=クラウディアと申します。……私達、生徒一同は本日の皆様との交流会を待ち遠しく思っていました。僅かな間ではありますが、実りある交流会となるように一同誠心誠意務めさせていただきますので、本日はよろしくお願いします」
エリーゼの名前が出た瞬間、フェイトの生徒がざわついた。もしかしたら……と思っていたのが現実であって、憧れの姫と会えたのも相俟って思わず興奮してしまったのだろう。しかしその一瞬、エリーゼの表情に苦渋がよぎったようにも見えたが、すぐに笑みを浮かべて次の言葉を並べた。
そしてその天使のような声にフェイトの生徒も聴き入ってしまい、最終的に全員が押し黙ってしまった。
……というか、話している最中にエリーゼが凄いこっちをチラ見していた。視線だけだったが、それでも五秒に一回ペースでチラ見していた。俺の隣や前の席に座っている男子が「俺を見ていた」だの「いやいや、俺だから」だの喧しくなってしまったので、できれば自重してもらいたい。
「それではまず、全員で自己紹介をしましょう。最初はアスタライト、次にフェイトの順番にでそれぞれお願いします」
今回の交流会の流れについては予め俺達にも知らされていたが、それにしても全員で自己紹介と言っても、フェイトとアスタライトを合わせれば相当な人数の生徒数になるのだが……。
──実際、俺の予想通りこの自己紹介だけでおよそ授業一限分もの時間を使った。あまりに暇すぎたので、それぞれの反応を見て楽しむことにした。
エリーゼの時は、フェイトの(主に男子)生徒が興奮気味になっていた。彼女が俺をチラ見どころかガン見してきたので、近くも男子生徒が喧嘩しそうになっていた。
セドリックの時は、フェイトとアスタライト両方の女生徒が色めき立っていた。確かにあいつ、見た目と表向きの顔は良いからな。……実際は事あるごとに奢りを要求する、ケチ王子だけど。それが分かっているからか、エリーゼも近くも女子生徒に「セドリック様、カッコいいですね!」と言われて曖昧な笑みだけを浮かべていた。
そして俺の時は、アスタライトの生徒は殆どが興味なさそうだった。まあ彼女達にしてみれば、多数いる男子生徒の一人というだけであって、これといった興味の対象にもならないだろう。もっとも、エリーゼだけは瞳を輝かせてウットリとした様子で俺の言葉を聴いていたが……フェイトの連中は酷かった。俺が出るや否や、一部を除いた殆どの生徒から陰湿なオーラが出ていたのだから。さすがに呆れるレベルだった。
また、自己紹介こそしていないものの、フェイト、アスタライト問わず一部の女性生徒からセリカに向けて憧れの視線が向けられていた。……確かに、あのスタイルは同性なら憧れもするな。もっとも、男子からは邪な視線が飛び交っていたため、何度切り捨てようとしたか数えきれないくらいだ。
「それでは互いのことを知ったところで、しばしの歓談と致しましょう。お茶とお菓子も用意しておりますので、どうぞごゆっくりとお寛ぎください。各教師は、準備のためこちらにお願いします」
トワイさんがそう言うと、どこからか現れたメイド達が紅茶やお茶受けなどを運んできた。よもや、メイドまでいるとは……恐るべし、アスタライト女学院。
そうして生徒だけの歓談が始まったのだが──まあ、想像通りの展開にはなった。
「セドリック様!」
「本日はご機嫌麗しゅう……」
「あ、あのあの!」
とか、
「エリーゼ様!」
「すげえ、天使かよ⁉︎」
「ち、直視できない!」
とかである。
要するに、女子生徒の集まるセドリック周辺と、男子生徒の集まるエリーゼ周辺という二つの集まりに分かれてしまったのだ。メイドさん達もどうにかした方がいいとは思っているようだが、立場上彼等の言動を阻害するわけにもいかず、オロオロしているだけになっている。
当のセドリックやエリーゼにしても、この状況を打開する術が思いつかずにいるようで、たまに俺の方を一瞥するくらいだが……その行為が関係ない生徒を余計に騒がせてしまい、完全な悪循環となってしまっている。
そんな中、俺はというと……。
「……お、このクッキー美味しい」
折角の機会なのだからと、メイドさん達の用意したお茶とお菓子を楽しんでいた。
紅茶やコーヒー、東方風の抹茶まで用意されており、それぞれに合うお茶菓子まである上に、どれもが超一流の味なのだ。普段では絶対に味わえないような物があるのだから、今日くらいは楽しんでおかないと。
「あ、あの~……」
ふと、前方から声がかけられた。
声のした方向を見ると、そこには恐る恐るといった様子で俺に声を掛ける一人のメイドがいた。
周りのメイドが五〇代や六〇代の中、唯一二〇代くらいのメイドということで目立ってはいた人だ。
「なんですか? あ、もしかしてマナー違反とかありました?」
こんだけ無作法に食べていれば、もしかしたメイドさん的にも目に余ったのかもしれない。
「い、いえ、そうではなくてですね……その、貴方はエリーゼ様の所に行かなくてもよろしいのですか……?」
なるほど、そういうことか。確かに、みんな花より団子と言わんばかりにあの二人のところに行っているし、食ってばかりいる俺は逆に怪しまれているのかもしれない。
「だって、今あの二人のところに詰め寄ったって何の意味もないでしょう? 姿を見るだけなら写真で十分だし、向こうからの印象なんてむしろ下がるだろうし。そんな無意味なことをするくらいなら、この美味いお茶飲んでいる方が、よほど有意義というものですよ」
あくまで、俺があの二人と無関係という前提の下に話していく。ここであのセドリックとエリーゼと知り合いだと言ったところで、余計話が拗れるだけだろう。
「そ、そうですか……えへへ、ありがとうございます」
そう言って何故かメイドさんがはにかんだ。……はて、俺が何かお礼を言われるようなことをしただろうか?
「えっと、なんでお礼を言うんですか?」
「あ、すみません……ただ、その紅茶は私が入れたものでして……初めて『美味しい』と言ってもらえて、嬉しかったんです」
そういうことだったのか。
メイドさんの話を聞いて、俺は合点がいった。
メイドさんが働いているアスタライト女学院にいる生徒の殆どが貴族だ。そうなると、舌の肥えた彼女達を満足させるのは並大抵ではないだろうからな。その点、俺なんかこれでも十二分に美味いと思うんだけどな……。
というか、彼女のあの微笑み……どこかで見たような気がするような……。
「……私、昔からドジで間抜けで、みんなから笑われていたんです。でもある日、偶然出会った男の子に言われたんです『そんなの、気にしないでいい。人にどう思われるかより、自分がどうしたいのかの方が大事だから』って。それ以来、いっぱいがんばって、こうして名だたる女学院のメイドになれたんですっ……まあ、まだまだ怒られてばかりですけどね……」
あはは……と渇いた笑いをする彼女を見て、思い出した。
それこそ俺がアインと出会う前──一人で隣町まで行った時、一人の少女と出会った記憶がある。小さな公園で泣きじゃくっていた彼女に俺は、何か言葉を投げた気がする。具体的には全然覚えていないが、当時の俺の絶望を味わって欲しくない──その一心で話したのは覚えている。
そうして話した彼女の別れ際の笑顔──それは、このメイドさんそっくりで……。
「……もしかして──メイちゃん……?」
もし間違っていたらと思うと、とてつもなく恐ろしいが……それでも、俺の記憶が正しいと信じるしかない。
「……ま、まさか──レンくん、なんですか……?」
目を丸くして驚く彼女──メイちゃんを見て、俺は心底安堵する。まさか、本当にあの少女だったとは……偶然って恐ろしい。
「えへへ、嬉しいですっ! 本当に、また会えるなんて……!」
そう言って涙ぐんだ彼女の表情は、俺の記憶の中にあるあの日の少女そのままだった。
「その、ですね……私、あの日からずっとレンくんのこと……」
「また新しい女? 本当に見境のないタラシね」
メイちゃんが何かを言おうとした瞬間、後ろから声が聞こえた。振り返るとそこには、仏頂面して立っているアルティナの姿があった。
「いや別にそんな意図があったわけじゃないんだけど…………ていうかメイちゃん、さっきなんて言おうとしたの?」
「い、いえ、やっぱりなんでもないです……っ」
改めてメイちゃんの方を向いて聞いてみたが、もう言う気は無さそうなので諦めてメイちゃんにお茶のおかわりを催促することにした。
「そう? ならいいけど……それよりも、おかわり貰える?」
「は、はい!」
鼻歌交じりに俺の持っているカップに紅茶を注ぐメイちゃんの姿に、俺は思わず見惚れてしまった。そのくらい彼女の動きは軽やかで、流麗だった。
「…………ふんっ」
しかし現れたもう一人の少女──アルティナの方はと言うと、俺の隣に立ったかと思うと不機嫌そうな声を出しながら適当なクッキーを頬張った。
「ていうか、アルティナはなんでここにいるの? 他の奴らみたいに、あの二人のところに行かなくていいのか?」
俺が部屋の中央を一瞥すると、そこではやっとの事で合流した兄妹と、むしろそれによってほぼ全ての生徒が一箇所に集まるカオスが出来上がっていた。
「今あちらに行ったところで、益体も無いでしょう? それよりも、こうしてレンといた方が有意義よ」
「ふーん、俺なんかといても楽しくないと思うけどな」
「そうでもないよ。実際、つい今さっきも問題行動を止められたしね」
「問題行動──?」
「……なんでもない。それより、あっちはどうにかしなくていいの?」
そう言ったアルティナの視線の先には、大量の生徒に囲まれて身動きすらできないセドリックとエリーゼがいた。
「まあ、そろそろ動くか。──それとメイちゃん、また会えて嬉しかったよ。紅茶美味しかった、ありがとう」
「ふぇ? わ、私こそまた会えて、嬉しかったです! ……えへへ」
俺が感謝の念を込めてメイちゃんの頭を撫でると、彼女もまた嬉しそうに微笑んでくれた。その表情が見れて満足した俺は、名残惜しみながらも二人のいる場所から離れたところから、室内中に聞こえるように叫ぶ。
「──ああ! あんなところに、ここぞとばかりに王族に集るハイエナがいっぱいいるな~! いつからここは、動物園になったんだろう~⁉︎」
俺は挑発するようにして、これでもかというくらいバカにしている声と態度で叫ぶ。刹那、メイちゃんが俺を止めようとしている光景が見えたが、すぐにそれをアルティナが抑えていた。──きっと彼女は分かっていたのだろう。俺がこういう手段しか取れないことを。
そして俺の声はバッチリと生徒達の耳に入っていたようで、あの二人の周囲にいた全生徒が俺のことを睨みつけている。
「え、なにそれ? それで睨んでるつもりなの? 慈愛の眼差しかと思ったくらいだよ! 逆にすごいね!」
とことん彼等彼女等の神経を逆撫でする言葉を俺は発していく。すると徐々に、生徒達はゆっくりと俺に向かって進軍してきた。……そして同時にそれは、セドリックとエリーゼから離れる事を意味する。なれば、俺の目的は達せられたと言える。
「ここでボコられるのも嫌だし、逃げるね! せいぜい追いかけてみなよ! まあ、無理だろうけど!」
そう言ってできるだけ大きな音を上げて扉を開けた俺は、アスタライト女学院の校舎を駆け出す。後ろを振り返れば、どうやら暫く彼等も呆気に取られていたらしく、俺と生徒達にはおよそ五〇メートル程の間隔ができていた。
あとは適度に逃げて、時間になったらあの部屋に戻るようにさえ仕向ければ──そんな俺の思考は即座にストップさせられる。
──ドガァアアアアンッ‼︎
大きな破壊音と共に、天井が崩れ落ちてきた。落下地点は丁度俺のいる位置。生徒達を巻き込む事はないだろうし、安心して避けられる。
バックステップをした俺が、降り注ぐ天井を避けて気付く。
「あ、しまった。これだとあいつらと分断されちゃうけど……まあ、大丈夫かな」
廊下には先程降ってきた天井が積み重ねられており、行き来することは不可能だ。こちら側から破壊するのは不可能では無いが、あちら側の状況が分からない以上は無理にするには得策ではない。最悪それによって死者が出る事すら考えられてしまう。
「というわけで、見事俺は一人になったんだけど……さっさと姿を表してくれない?」
天井が崩れ落ちた事によってぽっかりと空いた穴。それを見上げながら俺が言うと、誰かが空から降りてきた。
「まさか気付かれてるなんてなぁ……円卓会議の名は伊達じゃねぇってことかよ」
俺の眼前に立っているのは、色といい、捻れ方といい、ワカメみたいな髪をした男だ。
そのワカメ男は俺をジッと見つめると……。
「しっかし、こんなヒョロイ男が《灰》の使い手ねぇ……いやはや、世も末だねぇ。お前もそう思わないかぁ?」
「まあ、そうかもしれないな。何せこんな侵入者を許すようなザル警備でも、名門女学院なんだからな」
俺が皮肉げにそう言うと、ワカメ男は「ぷっ」と笑うと、
「あぁ、そうかもしれないなぁ──とりあえずぅ、死ねよ」
非情な言葉と共に、その魔術は発動した──。
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