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本編
第23話 続 決めゼリフ品評会
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魔王にされてしまった勇者の恋人。彼女は自分を討ち滅ぼしにきた勇者を相見えた時、何を思い、何を話すのか。
フールズゲームメンバーによる自己解釈の元、恋人魔王の決めゼリフが今ここに爆誕する。
「というわけで、トップバッターは誰からにします?」
「俺がいこう」
むんずと鷲津が手を上げる。鷲津の両サイドでは、鷲津! やっちゃいなさい! 鷲津先輩ガンバです! と女性陣がやいのやいのと盛り上がっていた。おほんと時田が咳払いをする。
「では参ります。勇者はついに魔王の元へと辿り着いた⋯⋯そう。行方不明だった恋人の元に」
「殺すぞ」
やいのやいの言っていた女性陣の動きがピタリと止まった。まさに青菜に塩状態。まさかそんなはずはないと思い直した時田が念のために確認する。
「⋯⋯終わり?」
「そうだが?」
「うっそだろ!? 安直すぎるだろ! 勇者の恋人なんですけど相手⋯⋯なんかこう、もっとあるだろ! 積もる想いがさ!」
「お前は分かってないな。長ったらしいセリフだけが全てじゃない。短い言葉にこそ真意は宿るものだ」
確かに⋯⋯と、時田は思ってしまった。思ってしまったが。
「それらしいこと言ったって騙されねえぞ」
「ふん。騙されたかどうかは戦闘後のセリフを聞いてから考えるんだな」
そう言って、鷲津は胸の前で両腕を組んだ。どうも自信があるらしい。
「わかったよ⋯⋯確かに好意的に捉えれば、殺すぞと短く言うことで、むしろ勇者に対する殺意がビンビン伝わってくるような感じがするよ。きっと破局寸前だったんだろうな。うん」
と、自分を無理やり納得させて、
「じゃあ準備は良いか?」
鷲津に用意を促した。
「ああ」
真剣な眼差しで頷く鷲津に対して、時田はこくりとゆっくり頷き返す。
「魔王は膝をついた。勇者が差し向ける剣の前で⋯⋯」
「やられた」
「お前ふっざけんなよ!?」
これでもかと言わんばかりに、時田は鷲津の顔面に顔を近づけた。さすがの鷲津も目を逸らす。
「すまん。思いつかなかった」
「最初から素直にそう言えっての! びっくりするわほんと。けどあえて短くするというのはありだな。サンキュ鷲津」
こくりと頷いた親友は、女性陣二人に目を向ける。
「次はどっちが行く? ハードルは最大限に下ろしておいたぞ」
「やかましいわ」
巻原はそう言ってからキッと睨み、ふんと鼻を鳴らす。
「今の私はハードルが高ければ高いほど燃えるの。あんたの次に評価されても全然嬉しくないわけ」
「じゃ、じゃあうち行きたいです! ⋯⋯その、うちもそこまで自信ないので」
やれやれと時田がかぶりを振った。他二人も同じ気持ちなのか、何を言っているんだと言わんばかりの顔をしていた。金星はまだ自分の才能に対する自覚がない。そう。残酷的表現が異様に上手いという才能への自覚が。
鷲津がグッとガッツポーズを決めた。
「行け! 金星! 残酷の申し子!」
巻原も鷲津に続いた。同じようなガッツポーズをする。
「お願い金星ちゃん! このままだと張り合いがないの。私の必殺の決めゼリフが輝くにふさわしい場を用意して!」
「どっちも嬉しくない声援です⋯⋯」
金星は至極当然な感想を述べると、両手で頬をパンパンと叩いた!
「田中金星⋯⋯いかせてもらいます」
「良いねえ! ではさっそく」
時田はすうっと息を吸い、目を閉じた。それを見ていた三人が息を呑む。金星のターンが始まる。
フールズゲームメンバーによる自己解釈の元、恋人魔王の決めゼリフが今ここに爆誕する。
「というわけで、トップバッターは誰からにします?」
「俺がいこう」
むんずと鷲津が手を上げる。鷲津の両サイドでは、鷲津! やっちゃいなさい! 鷲津先輩ガンバです! と女性陣がやいのやいのと盛り上がっていた。おほんと時田が咳払いをする。
「では参ります。勇者はついに魔王の元へと辿り着いた⋯⋯そう。行方不明だった恋人の元に」
「殺すぞ」
やいのやいの言っていた女性陣の動きがピタリと止まった。まさに青菜に塩状態。まさかそんなはずはないと思い直した時田が念のために確認する。
「⋯⋯終わり?」
「そうだが?」
「うっそだろ!? 安直すぎるだろ! 勇者の恋人なんですけど相手⋯⋯なんかこう、もっとあるだろ! 積もる想いがさ!」
「お前は分かってないな。長ったらしいセリフだけが全てじゃない。短い言葉にこそ真意は宿るものだ」
確かに⋯⋯と、時田は思ってしまった。思ってしまったが。
「それらしいこと言ったって騙されねえぞ」
「ふん。騙されたかどうかは戦闘後のセリフを聞いてから考えるんだな」
そう言って、鷲津は胸の前で両腕を組んだ。どうも自信があるらしい。
「わかったよ⋯⋯確かに好意的に捉えれば、殺すぞと短く言うことで、むしろ勇者に対する殺意がビンビン伝わってくるような感じがするよ。きっと破局寸前だったんだろうな。うん」
と、自分を無理やり納得させて、
「じゃあ準備は良いか?」
鷲津に用意を促した。
「ああ」
真剣な眼差しで頷く鷲津に対して、時田はこくりとゆっくり頷き返す。
「魔王は膝をついた。勇者が差し向ける剣の前で⋯⋯」
「やられた」
「お前ふっざけんなよ!?」
これでもかと言わんばかりに、時田は鷲津の顔面に顔を近づけた。さすがの鷲津も目を逸らす。
「すまん。思いつかなかった」
「最初から素直にそう言えっての! びっくりするわほんと。けどあえて短くするというのはありだな。サンキュ鷲津」
こくりと頷いた親友は、女性陣二人に目を向ける。
「次はどっちが行く? ハードルは最大限に下ろしておいたぞ」
「やかましいわ」
巻原はそう言ってからキッと睨み、ふんと鼻を鳴らす。
「今の私はハードルが高ければ高いほど燃えるの。あんたの次に評価されても全然嬉しくないわけ」
「じゃ、じゃあうち行きたいです! ⋯⋯その、うちもそこまで自信ないので」
やれやれと時田がかぶりを振った。他二人も同じ気持ちなのか、何を言っているんだと言わんばかりの顔をしていた。金星はまだ自分の才能に対する自覚がない。そう。残酷的表現が異様に上手いという才能への自覚が。
鷲津がグッとガッツポーズを決めた。
「行け! 金星! 残酷の申し子!」
巻原も鷲津に続いた。同じようなガッツポーズをする。
「お願い金星ちゃん! このままだと張り合いがないの。私の必殺の決めゼリフが輝くにふさわしい場を用意して!」
「どっちも嬉しくない声援です⋯⋯」
金星は至極当然な感想を述べると、両手で頬をパンパンと叩いた!
「田中金星⋯⋯いかせてもらいます」
「良いねえ! ではさっそく」
時田はすうっと息を吸い、目を閉じた。それを見ていた三人が息を呑む。金星のターンが始まる。
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