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1、まだ悪役令嬢ではない
しおりを挟む正直に言えば、処刑エンドが回避出来るならそれに越したことはない。
が、しかし!
そのためにはヒロインと一切関わらないか、仲良くするしかないからそれは無し。
このマルシェスタを舞台とした乙女ゲーム──「マルシェスタの鐘が鳴るとき聖女が舞い降りる」のヒロインは、イケメン攻略対象が大人気だった。だが、それを攻略しようとするヒロインはとんでもなく嫌われていた。
なぜって生粋のぶりっ子だったから。
とにかく男性陣の前での態度とそれ以外での態度が違いすぎる!
こうすれば可愛いと思われるだろうというツボを心得てるって意味では凄いやつだと思う。なんせどのキャラもメロメロだったもの。
乙女ゲームってのは、共通イベントを終えて誰か一人のルートに入ってからラブイベントが発生したりするんだけど、このマルシェスタはちと違った。
なんせ最後まで逆ハーでいけちゃうし、ともすれば全キャラとキスしちゃうという!
え、おかしくない?全キャラとキッスって!どんなビッチよ!
そういえばこのゲーム、R18ものも出すとかいう話あったっけ。それやった記憶無いって事は、プレイしなかったのか発売前に死んでしまったのか。
記憶が定かではないけれど、それは今は関係ない。
とにかくビッチなヒロインを虐めて虐めて虐め抜くキャラであるアンナシェリ。それが今の私。
これは神が私に与えたチャンス!ビッグチャンスなのだ!
最後に待つのが死でも構わない!
やったろーじゃん、悪役令嬢!私の極悪ぶりをとくと見よ!
と。
全てを思い出した10歳の私は固く決意するのだった。
とりあえず、ゲームが始まるのは6年後。
それまではヒロイン出てこないから、悪役令嬢になる必要もない。
ここでよくある転生話なら、努力して能力上げるとこなんだけど~。
すいません、私努力嫌いです。我慢嫌い。ぐうたらしたい。
だって悪役令嬢だから。──こう言っとけば、全て通るとか思ってたりする。
なもんで、ぐうたらします!折角高貴な貴族に生まれたのだから!なのだから!
ぐうたらするよね、普通。
あ、太らないようにだけ気を付けよう。悪役令嬢たるもの、やっぱり美人でなくちゃね!ゲームのアンナシェリもとっても美人だったし!どうしてあんな美人が最後に死刑なのかと怒ったけれども、まあそれはいい。
とにもかくにも折角大好きなゲームの世界に入ったのだから。
この世界、じっくり堪能させていただきましょう!
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