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4、
しおりを挟む正直に言いましょう。
そうです、私の前世はカレンでした。そりゃ記憶ありますから覚えてますよね。
そしてそうです、最初に店入ってきた瞬間から気付いてました。
(元婚約者来たああぁっ!!)
って内心叫んでました。
そう、トワロは紛れもなく私の前世の婚約者でした。と言っても、七歳までの話なんだけどね。
1話目で言いましたが、私は王女だったのですよ。なもんでさっさと決められた婚約者。それが歳の近い公爵家が子息、トワロだったわけです。わーお。
まあそれも七歳の時に聖女だと発覚した時点で無しになったんですけど。
聖女ですから。
結婚なんてしてる暇ないですから。
花嫁修業なんてやってる暇ないっつーの。
そんなわけで、娘の幸せより聖女として馬車馬のように働かせる──祈らせる事を選んだ両親、つまりは国王夫妻によって婚約は白紙に戻されました。当然誰も反対しなかった。
娘の幸せより国の幸せ、ひいては自分たちのためえ!とか豪語してたんだぜ、あの国王夫妻。
政略だったとはいえ、結構うまくいってた私とトワロ。幸せなお嫁さんになれる~!なんてお花畑脳だった自分恥ずかしい。
ただ婚約解消してからは一度も会わなかった。だって聖女として祈るのに忙しかったからさあ。
最初の頃は会いたいと思って涙した事もあったけど、そのうちそんな事を考える暇もなくなったわけだ。
なもんで、私の記憶にあるのは七歳の時に見た八歳のトワロの姿だけ。
それでもすぐに分かってしまったのは、その目に昔の面影を見たからか。
聖女やって死んだのが十七歳。
すぐ転生して今七歳。
そうね、トワロは二十六のオッサンになるわな。いや、オッサンと言ってはいけない年齢なのか?だが七歳にとってはオッサンにしか思えないのだが。
というかトワロって絶対イケメンになると思ったんだけど。無精ヒゲ剃ったらマシになるのかなあ?
思わずシゲシゲと見つめてしまったらニッコリ微笑まれてしまった。──頬を赤く染めながら。あ、パパさんの蹴り入った。みんな止めてら。
無精ヒゲ生えては居るが、どう見ても貴族の様相のトワロに手を出すのはまずい。みんなそう思ってるのだろう。
まあ確かに公爵家長男だもんね。そういや家はいいのかな、こんな長期間留守にして。王都から馬飛ばして一週間はかかるド田舎なんですけど、ここ。
まあとりあえず。
「カレン、今度こそ俺と結婚してはくれないか?」
「ロリコンと結婚する趣味はありません」
とっとと帰ってくれませんかね。
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