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46話:技術の進歩と一つの手がかり
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部屋の内装は木製のベッドがひとつと、小さな机と椅子、荷物を置く用の小スペースがあるだけの簡素な造りだ。手入れは行き届いているようで、床には埃ひとつ落ちていない。
フィリアの部屋がある壁を軽く叩いて音を確認したところ、壁の厚さもそれなりのようで、これならば大声で話さなければこちらの声が外に漏れることはないだろう。
部屋の安全面を確認し終わった俺は、ようやく荷物を下ろし身体を楽にした。
「やれやれ、なんだかどっと疲れた気がするな……まさかフィリアがついてくることになるなんてな」
俺ひとりであれば不測の事態があっても多少の無茶で乗り切れるかもしれないが、フィリアも居るとなるとそういうわけにもいかない。
彼女も俺に劣らない頑固な性格の持ち主だ。ついていくと言った以上、俺がどれだけ言っても曲げることはない。彼女の荷物を見た限り、たとえ俺がどこか適当な場所で彼女を撒いたとしても、諦めて村に帰るなんてことはせず、宣言通りひとりで旅を続けるだろう。フィリアという娘はそういう人物だ。
「結局、面倒を見るしかないのか……」
ひとつの国を滅ぼした身では説得力は皆無だろうが、友人を見殺しにするほど俺は非情ではない。
フィリアをひとりで彷徨わせるくらいなら、多少面倒でも近くに居てもらった方が安心できるというものだ。幸い昼間の戦闘を見た限り、足手まといにはならないだろう。
そう結論付けたタイミングで、扉から軽いノック音が響いた。
「アゼルー、入れて―」
扉の外から聞こえるのはフィリアの声だ。ついさっき別れたばかりだというのに、何か用だろうか?
疑問を抱きつつ俺が扉を開けると、マントを脱いだラフな格好をしたフィリアが部屋に入って来た。
「どうした? 夕食にはまだ早いと思うが?」
「別におなかが空いたから来たんじゃないわよ。ちょっと今後のことを聞こうと思って」
「ああ、そういえば何も言ってなかったな」
なし崩し的に一緒に旅をすることが決まった上、なんだかんだ日中は色々とあって忙しかったから、この町に来た理由を話すのを忘れていたな。
「何から言ったものか……前提として、フィリアは俺が夜王の遺物――ひいては血追いの徒を探していることを知っているんだよな?」
「うん。いくら血塗れ夜王のことが嫌いだからって、まさか血追いの徒まで追うなんてね」
「別に嫌いだから追っているってわけじゃ……いやまったく違ってはないか、うん」
夜王の遺物の破壊は過去の責任から来るものだし、血追いの徒を探しているのは手がかりを持っているのがそいつらだからという理由が大きい。しかし個人的な感情をとっても、血追いの徒のことは嫌いだと言える。
村を襲ったのはコーネル個人の判断であり、そのコーネルへの復讐は既に果たしたから恨みの大部分は解消されてはいた。とはいえ勝手に俺の名を使っているのは個人的に気に入らないため、本拠地を見つけたら徹底的に潰してやろうと思う。
「でも、どうやって見つけるつもり? たまに騒ぎを起こしている血追いの徒だったら頑張れば見つかるかもしれないけど、夜王の遺物なんてこれまで聞いたことないわよ?」
「それなんだがなあ……ぶっちゃけ、どうやって見つけるかは見当がつかない」
「ええ……何かアテがあって旅に出たんじゃないの?」
あっけらかんという俺に、フィリアは呆れた声を零した。
期待していたようだが、俺もつい最近その存在を知ったばかりだから、何もかも手探りな状態だ。血追いの徒に関しても、夜王の遺物の在り処に関しても、持っている情報はほとんどゼロと言っても差し支えない。
「とは言え、まったく情報がないというわけじゃない。血追いの徒の一員だったコーネルが言うには、教団の本拠地には二〇〇以上の遺物があるらしい。そして血追いの徒の信徒にも、夜王の遺物にも、それぞれ見分けるための印がつけられているみたいだ」
「印? 血追いの徒の胸には教団の刺青が彫られていることはお父様から聞いていたけど、夜王の遺物にも何かあるの?」
「ある。夜王の遺物の大半はこういった紋様がどこかに刻まれているはずだ」
俺はポーチから手帳と筆記具を取り出して、そこに図形を描いていく。
「円に……その中に菱形……それからこれは、蛇かしら?」
フィリアは真剣な眼差しで俺の手元を見つめ、線を引き図形が形になる度に言葉を漏らす。
魔術紋様とは魔術にとっての象徴であり、図形を解読することでその紋様に込められた魔術がどのような効果を持っているかを知ることができる。
紋様を理解するためにはそれなりの知識が必要だが……どうやらフィリアは魔術学園では、かなり勉強熱心な生徒だったみたいだな。
「蛇じゃなくて蛭だ。外側の円は基本的な陣でも使用されるが、この魔術紋様の場合は内側の菱形とセットになっていて、月と星を表している」
「あ、これセットなのね! それにこのS字の紋様も蛭なんだ……蛇の紋様は再生や毒の象徴として使用されることが多いけど、蛭だとどんな効果があるんだろう?」
熱心に考察を続けるフィリアを見ていると、彼女は本当に魔術が好きなんだということがわかる。このまま考えさせてどんな答えを出すか見守ってみたいところだが、このままでは説明が進まないため解説を始める。
「この蛭の這い紋が持つ効果は「吸血」だよ。不死骸である喰血哭が血液を身体に纏っていたのは、夜王の遺物に刻まれていたこの紋様の効果によるものだ。這い紋に加えて、この月と星の紋が刻まれている武器が夜王の遺物だ――と、コーネルは言っていた」
「へー……さすがは血追いの徒といったところね。伝説の血塗れ夜王の魔術を解析しているなんて」
「……ちなみに、それを聞いて転用してみたものがこっちだ。今後は、俺も使っていくことにするから、フィリアも怪我をした状態で不用意に触れるなよ?」
そう言って俺はフィリアの前に【渇紅紋】が付与された血染布を出す。
「え、あなたもこの魔術紋様使えるの⁉」
そりゃあ、俺が作った魔術だからなあ……。
「……こほん、同じ固有魔術だからな、原理がわかれば転用は簡単だ」
「凄いわねそれ……ちなみに、怪我をした状態で触ったらどうなるの?」
「患部に当てなければ問題ないが、包帯の要領で当てようものなら怪我の度合いによっては数分で失血死する」
「こわっ⁉ ってちょっと待って、昼間渡された布持ったままなんだけど⁉」
フィリアは慌てて懐をまさぐると、昼間に渡した【飢魔招香】が付与されていた血染布を取り出した。
そういえば渡したまま回収していなかったな。
「それには【渇紅紋】……あー、吸血効果を持つ紋様は無いから安心しろ。魔力も抜けているから、今はなんの効力も持たない。ただの血に染まった布だよ」
そう言いながらフィリアの手から血染布を回収すると、フィリアは安心した様子で胸を撫で下ろした。
安心しているがそもそもの話として、フィリアは怪我をしていないし、【渇紅紋】自体も瘴気の魔力を流してやらなければ起動しない。
喰血哭に刺さっていた槍が二〇〇年もの間起動し続けていたのは、ひとえに喰血哭が瘴気の魔力を内包している魔物の身体を貫いていたからだ。多少の損傷でも問題なく動ける不死骸であったことも大きな要因だろう。
これが精気の魔力を内包している魔物であったなら、何の影響も及ぼさなかっただろうに。
「……ん? じゃあなんで、コーネルはナイフの魔術紋様を起動できたんだ?」
改めて考えを整理してたことで、今まで気付いていなかった事実が発覚した。
コーネルはたびたび、俺が作ったナイフで血を回収している様だった。それはつまり、通常は不活性状態の【渇紅紋】を起動させていたということだ。
魔術紋様という形を取っている以上、俺の魔力でなくとも瘴気の魔力を持つ固有魔術使いであれば起動はできる。いくら唯一性の高い固有魔術とは言え、術式に落とし込んで道具に付与してしまえば、属性魔術で動いている他の魔道具たちと大して変わらない。動力エネルギーである瘴気の魔力さえ用意できればいいのだ。
しかし、コーネルは間違いなく属性魔術使いであり、その魔力の性質は精気に由来している。瘴気の魔力を操ることは不可能なはずだが……。
「どうしたのアゼル?」
「……なあフィリア。属性魔術使いが、瘴気由来の魔力を操る術ってあるか?」
「瘴気の魔力? うーん、属性魔術使いが使うなんて聞いたことないけど……」
フィリアはしばらく悩んだ後、「あっ」と声を上げる。
「思い出した! 確か魔石から魔力を引き出す術式があったわ」
「本当か?」
「うん。瘴気の魔力っていうのですぐには気が付かなかったけど、市販で売られている魔道具用の魔石は全部この術式が付与されているし、この術式で普通の魔石から瘴気の魔力を抜いているわ。魔石の生成所では魔力が抜けた魔石に注いだ魔力を封じ込める魔術があるようだけど、そっちは企業秘密ということで一般には広まっていないはず」
魔石から魔力を抜いて属性の魔力を込める技術があることはこの十六年で耳にしていたから知っていたが……まさかそんな方法で作っていたとは。そもそも、魔石を外付けの魔力として利用すること自体が、俺の前世ではなかった発想だったから、知った当初はどう作っているかまでは考えが及ばなかった。
「……つまりその術式を使えば、魔物の魔石から引き出した瘴気で、固有魔術が込められた魔道具を動かすことができると言うことか?」
「そうね。少なくとも魔術学園の授業ではこの魔石から魔力を引き出す術式を教えているし、魔術師の間では結構一般的な技術よ? 実際、古代魔道具の研究ではそうやって魔道具に込められた固有魔術の研究をしているって話だし」
「そ、そうか……」
フィリアの説明を聞いた俺は愕然とする。
領主様が使っていた【万里往く旅浪の視座】といい、フィリアの使っていた【魔術障壁】なる防御魔術といい、どうやら俺が死んだ二〇〇年の間に随分と魔術の開発が進んでいるようだ。
二〇〇年前は魔術は特権階級の者しか扱えなかったというのに、現代では属性魔術が普遍的に広まり、さらには固有魔術使いだけの特権だった瘴気に干渉する力まで扱えるようになるとは。
「そんなに驚くこと? アゼルって妙に魔術に詳しいくせに、意外と知らないことも多いわよね。【魔術障壁】にも驚いていたみたいだったし」
「……ああそう言えば、それも気になってたんだよな。あれ中級魔術だろ? 随分展開が早かったが、実際どの程度の攻撃まで耐えられるんだ?」
興味本位で聞いたことだったが、それを聞いたフィリアはきょとんとした顔をした。まるで「何を言っているんだろう?」と言わんばかりの、心底不思議そうな表情だった。
「えっと、【魔術障壁】よね? あれって、基本的な防御魔術よ? 魔術師ならまず最初に習うような……」
「は? いやいや、それはないだろ」
強度や、防壁に込められた魔力量は昼間の戦闘でしっかり調べた。あれは断じて下級魔術では収まらないレベルだった。中級の魔術でも間違いなく防ぐことができる、十分に高度と言える魔術だ。
あんなものが基礎魔術であるはずがない。
「……まさかと思うけど、アゼルって汎属性魔術を知らないの?」
「はん、ぞくせい?」
フィリアの言葉が理解できず、俺は思わず首を傾げて疑問符を浮かべた。
ここで改めて魔術の基礎知識をおさらいする。
まず魔術の属性は火・水・土・風の四属性であり、その名を冠した現象を発現するための四種の術式と、四つの魔力が存在している。これを一般的に属性魔術と呼んでいる。
一部の生物を除けば、この四つの魔力は個人によって偏りはあるものの、ほぼすべての生物が備えている。フィリアを例にすると、彼女が内包する魔力は火属性の魔力が多く、土属性の魔力が少ない。属性の相性的には、火が優位ならば水の魔力が少なくなりそうなイメージがあるが、そうでないことから個人が内包する魔力の属性は、産まれた瞬間にほとんどランダムで決まることがわかる。
ちなみに一部の生物というのは、瘴気の魔力を持った俺たち固有魔術使いと魔物たちだ。
つまり俺の魔術の常識から考えたら「汎」なんて属性は存在しない。
「そもそも、昼間の防御魔術に使われていたのはフィリアが得意としている火属性の魔力だった。汎属性なんて言う、わけのわからない属性じゃない」
「それはそうよ。なにせ汎属性魔術に使われるのは、普通の四属性の魔力なんだから。特別なのは、魔力じゃなくてその術式。いい? 汎属性魔術っていうのは略称のようなもので、正式名称は「汎用性魔術式」っていうの。またの名を全属性魔術と言って、ここに属する魔術はすべての属性の魔力でまったく同じ効果を得られるの」
フィリアの説明は続く。
汎属性魔術は一〇〇年以上前には開発されており、魔術の普及化と共に属性魔術を扱うための基礎教材用として伝わっていったようだ。しかしその効果は、単純でありながらも非常に優秀なものだ。
属性魔術による防御魔術のような特化性は無いものの、単純な障壁として用途は高く、物理でも魔術でも大抵の攻撃は防ぐことはできるそうだ。
加えて、術者の魔力量によって強度が変動し、魔力を込めれば込める程に防壁が強固になっていく。
フィリアが展開した防壁が中級魔術並の強度を持っていたのは、それ相応の魔力量を注ぎ込んだが故だ。
その万能性が故に、下級魔術よりも消費魔力は少しばかり多いそうだが、それを補って余りあるほどに優秀な魔術となっている。
「さっき言った、魔石から魔力を引き出す術式も汎属性魔術に分類されているわ。他にも探索系の魔術とかもあるけど、何故か攻撃の魔術だけはまだないのよね。汎属性魔術の研究者が開発しているって噂だけど、あんまり上手くいってい無いみたい」
「それでもかなり便利だが、何で無いんだ? 魔術なんて基本的に攻撃性を持ったものが先に出来るだろうに」
火属性魔術のような攻撃性の高いものを使えるならばいらないかもしれないが、人によっては内包する火の魔力が生まれつき少なくて攻撃の手段が少ない者もいるだろう。属性に囚われない汎属性魔術に攻撃魔術があるならば、助かる者も多いだろうに。
「うーん、これも噂なんだけど、汎属性魔術を生み出した人――大賢者エクリシア・ヴァルメイリアが汎属性の攻撃魔術の開発に反対しているとかなんとか」
「先せ――――ごほん、大賢者が?」
ここでまさかの知っている名前が出て、驚きのあまりかつての呼び方が出かけたが、すんでのところで飲み込むことができた。
しかし先生が開発したとなれば、色々と納得だ。なぜ攻撃魔術の開発を止めているかは知らないが、魔術を普及しただけでは飽き足らず、属性に囚われない魔術までも開発するなんて。
「なんというか……魔術の進歩ってのは凄いな」
「そんなお爺ちゃんみたいなこと言って……でも同感ね。今では基礎的な魔術として当たり前にあるけど、出来た当時は魔術界における偉大な発明と世界で称賛されたみたいだしね。私もいつかそんな発明をしてみたいわ」
そう言って、俺はどこかにいるであろうあの女性に思いを馳せる。
遙か太古から今を生きる伝説であり、神秘の体現者。彼女は今何を思い、この世界をどう見ているのだろうか。
懐かしい気持ちが蘇るが、残念ながら今の俺があの人と会うことはないだろう。……合わせる顔がないとも言う。
「あれ、何の話してたっけ?」
「……そういえば、今後の計画についての話をしている最中だったな」
「そうだった。夜王の遺物に刻まれている魔術紋様から、話が逸れちゃったわね。遺物を見分ける方法はわかったけど、肝心なのはどうやって探すのかよ。何か方法があるの?」
魔術紋様の話から随分と脱線してしまったが、本題に戻ることができた。
フィリアほどではないが、俺も知らない魔術が出てくるとついついそちらへ興味が逸れてしまう。そういった点では、俺とフィリアは昔から話が合う。
本音を言えば魔石から魔力を引き出す魔術と【魔術障壁】を教えて欲しいところだが、それはまたの機会にするとしよう。
「それこそ血追いの徒だよ。二〇〇以上の遺物を収集しているってことは、遺物を探し出す何らかの手段を持っているってことだろ? 接触すれば、何らかの手がかりは得られるはずだ」
「なるほど……でもそんなに上手く信徒が見つかる? そこら辺に歩いているわけでもないでしょうし」
「言っただろ、情報がないわけじゃないって。コーネルは血追いの徒の一員だったが、表ではBランクの冒険者で、なおかつこの町から来た。つまり――」
「――冒険者組合に行けば、コーネルさんがどこから来たのかわかるってこと?」
「その通り」
国家に囚われない世界を股に掛けた一大組織――冒険者協会。
世界に多くの拠点と組合員を持ち、市井から王族まで多くの依頼を請け負う、一組織でありながら国家レベルの信用を持った組織だ。その歴史はとても古く、前世の俺が生まれるよりも前から組織として存在していた。
そこへ行けば世界からあらゆる情報が得られるだろうし、奴らとしても隠れ蓑としてこれ以上のものはそう無いだろう。
コーネルを足掛かりに冒険者協会で情報を集めていけば、少なくとも次に向かうべき場所くらいは定まるだろう。
「じゃあまさか――」
フィリアの目が期待で輝いた。おそらくロスウェル村に来た彼等と出会ってから、憧れがあったのだろう。
そんな彼女の期待に応えるように、俺は頷いた。
「とりあえず明日は、この町の冒険者協会へ行く。そこで俺たちは今後冒険者として働き、路銀を稼ぎつつ血追いの徒と夜王の遺物の情報を探っていく」
フィリアの部屋がある壁を軽く叩いて音を確認したところ、壁の厚さもそれなりのようで、これならば大声で話さなければこちらの声が外に漏れることはないだろう。
部屋の安全面を確認し終わった俺は、ようやく荷物を下ろし身体を楽にした。
「やれやれ、なんだかどっと疲れた気がするな……まさかフィリアがついてくることになるなんてな」
俺ひとりであれば不測の事態があっても多少の無茶で乗り切れるかもしれないが、フィリアも居るとなるとそういうわけにもいかない。
彼女も俺に劣らない頑固な性格の持ち主だ。ついていくと言った以上、俺がどれだけ言っても曲げることはない。彼女の荷物を見た限り、たとえ俺がどこか適当な場所で彼女を撒いたとしても、諦めて村に帰るなんてことはせず、宣言通りひとりで旅を続けるだろう。フィリアという娘はそういう人物だ。
「結局、面倒を見るしかないのか……」
ひとつの国を滅ぼした身では説得力は皆無だろうが、友人を見殺しにするほど俺は非情ではない。
フィリアをひとりで彷徨わせるくらいなら、多少面倒でも近くに居てもらった方が安心できるというものだ。幸い昼間の戦闘を見た限り、足手まといにはならないだろう。
そう結論付けたタイミングで、扉から軽いノック音が響いた。
「アゼルー、入れて―」
扉の外から聞こえるのはフィリアの声だ。ついさっき別れたばかりだというのに、何か用だろうか?
疑問を抱きつつ俺が扉を開けると、マントを脱いだラフな格好をしたフィリアが部屋に入って来た。
「どうした? 夕食にはまだ早いと思うが?」
「別におなかが空いたから来たんじゃないわよ。ちょっと今後のことを聞こうと思って」
「ああ、そういえば何も言ってなかったな」
なし崩し的に一緒に旅をすることが決まった上、なんだかんだ日中は色々とあって忙しかったから、この町に来た理由を話すのを忘れていたな。
「何から言ったものか……前提として、フィリアは俺が夜王の遺物――ひいては血追いの徒を探していることを知っているんだよな?」
「うん。いくら血塗れ夜王のことが嫌いだからって、まさか血追いの徒まで追うなんてね」
「別に嫌いだから追っているってわけじゃ……いやまったく違ってはないか、うん」
夜王の遺物の破壊は過去の責任から来るものだし、血追いの徒を探しているのは手がかりを持っているのがそいつらだからという理由が大きい。しかし個人的な感情をとっても、血追いの徒のことは嫌いだと言える。
村を襲ったのはコーネル個人の判断であり、そのコーネルへの復讐は既に果たしたから恨みの大部分は解消されてはいた。とはいえ勝手に俺の名を使っているのは個人的に気に入らないため、本拠地を見つけたら徹底的に潰してやろうと思う。
「でも、どうやって見つけるつもり? たまに騒ぎを起こしている血追いの徒だったら頑張れば見つかるかもしれないけど、夜王の遺物なんてこれまで聞いたことないわよ?」
「それなんだがなあ……ぶっちゃけ、どうやって見つけるかは見当がつかない」
「ええ……何かアテがあって旅に出たんじゃないの?」
あっけらかんという俺に、フィリアは呆れた声を零した。
期待していたようだが、俺もつい最近その存在を知ったばかりだから、何もかも手探りな状態だ。血追いの徒に関しても、夜王の遺物の在り処に関しても、持っている情報はほとんどゼロと言っても差し支えない。
「とは言え、まったく情報がないというわけじゃない。血追いの徒の一員だったコーネルが言うには、教団の本拠地には二〇〇以上の遺物があるらしい。そして血追いの徒の信徒にも、夜王の遺物にも、それぞれ見分けるための印がつけられているみたいだ」
「印? 血追いの徒の胸には教団の刺青が彫られていることはお父様から聞いていたけど、夜王の遺物にも何かあるの?」
「ある。夜王の遺物の大半はこういった紋様がどこかに刻まれているはずだ」
俺はポーチから手帳と筆記具を取り出して、そこに図形を描いていく。
「円に……その中に菱形……それからこれは、蛇かしら?」
フィリアは真剣な眼差しで俺の手元を見つめ、線を引き図形が形になる度に言葉を漏らす。
魔術紋様とは魔術にとっての象徴であり、図形を解読することでその紋様に込められた魔術がどのような効果を持っているかを知ることができる。
紋様を理解するためにはそれなりの知識が必要だが……どうやらフィリアは魔術学園では、かなり勉強熱心な生徒だったみたいだな。
「蛇じゃなくて蛭だ。外側の円は基本的な陣でも使用されるが、この魔術紋様の場合は内側の菱形とセットになっていて、月と星を表している」
「あ、これセットなのね! それにこのS字の紋様も蛭なんだ……蛇の紋様は再生や毒の象徴として使用されることが多いけど、蛭だとどんな効果があるんだろう?」
熱心に考察を続けるフィリアを見ていると、彼女は本当に魔術が好きなんだということがわかる。このまま考えさせてどんな答えを出すか見守ってみたいところだが、このままでは説明が進まないため解説を始める。
「この蛭の這い紋が持つ効果は「吸血」だよ。不死骸である喰血哭が血液を身体に纏っていたのは、夜王の遺物に刻まれていたこの紋様の効果によるものだ。這い紋に加えて、この月と星の紋が刻まれている武器が夜王の遺物だ――と、コーネルは言っていた」
「へー……さすがは血追いの徒といったところね。伝説の血塗れ夜王の魔術を解析しているなんて」
「……ちなみに、それを聞いて転用してみたものがこっちだ。今後は、俺も使っていくことにするから、フィリアも怪我をした状態で不用意に触れるなよ?」
そう言って俺はフィリアの前に【渇紅紋】が付与された血染布を出す。
「え、あなたもこの魔術紋様使えるの⁉」
そりゃあ、俺が作った魔術だからなあ……。
「……こほん、同じ固有魔術だからな、原理がわかれば転用は簡単だ」
「凄いわねそれ……ちなみに、怪我をした状態で触ったらどうなるの?」
「患部に当てなければ問題ないが、包帯の要領で当てようものなら怪我の度合いによっては数分で失血死する」
「こわっ⁉ ってちょっと待って、昼間渡された布持ったままなんだけど⁉」
フィリアは慌てて懐をまさぐると、昼間に渡した【飢魔招香】が付与されていた血染布を取り出した。
そういえば渡したまま回収していなかったな。
「それには【渇紅紋】……あー、吸血効果を持つ紋様は無いから安心しろ。魔力も抜けているから、今はなんの効力も持たない。ただの血に染まった布だよ」
そう言いながらフィリアの手から血染布を回収すると、フィリアは安心した様子で胸を撫で下ろした。
安心しているがそもそもの話として、フィリアは怪我をしていないし、【渇紅紋】自体も瘴気の魔力を流してやらなければ起動しない。
喰血哭に刺さっていた槍が二〇〇年もの間起動し続けていたのは、ひとえに喰血哭が瘴気の魔力を内包している魔物の身体を貫いていたからだ。多少の損傷でも問題なく動ける不死骸であったことも大きな要因だろう。
これが精気の魔力を内包している魔物であったなら、何の影響も及ぼさなかっただろうに。
「……ん? じゃあなんで、コーネルはナイフの魔術紋様を起動できたんだ?」
改めて考えを整理してたことで、今まで気付いていなかった事実が発覚した。
コーネルはたびたび、俺が作ったナイフで血を回収している様だった。それはつまり、通常は不活性状態の【渇紅紋】を起動させていたということだ。
魔術紋様という形を取っている以上、俺の魔力でなくとも瘴気の魔力を持つ固有魔術使いであれば起動はできる。いくら唯一性の高い固有魔術とは言え、術式に落とし込んで道具に付与してしまえば、属性魔術で動いている他の魔道具たちと大して変わらない。動力エネルギーである瘴気の魔力さえ用意できればいいのだ。
しかし、コーネルは間違いなく属性魔術使いであり、その魔力の性質は精気に由来している。瘴気の魔力を操ることは不可能なはずだが……。
「どうしたのアゼル?」
「……なあフィリア。属性魔術使いが、瘴気由来の魔力を操る術ってあるか?」
「瘴気の魔力? うーん、属性魔術使いが使うなんて聞いたことないけど……」
フィリアはしばらく悩んだ後、「あっ」と声を上げる。
「思い出した! 確か魔石から魔力を引き出す術式があったわ」
「本当か?」
「うん。瘴気の魔力っていうのですぐには気が付かなかったけど、市販で売られている魔道具用の魔石は全部この術式が付与されているし、この術式で普通の魔石から瘴気の魔力を抜いているわ。魔石の生成所では魔力が抜けた魔石に注いだ魔力を封じ込める魔術があるようだけど、そっちは企業秘密ということで一般には広まっていないはず」
魔石から魔力を抜いて属性の魔力を込める技術があることはこの十六年で耳にしていたから知っていたが……まさかそんな方法で作っていたとは。そもそも、魔石を外付けの魔力として利用すること自体が、俺の前世ではなかった発想だったから、知った当初はどう作っているかまでは考えが及ばなかった。
「……つまりその術式を使えば、魔物の魔石から引き出した瘴気で、固有魔術が込められた魔道具を動かすことができると言うことか?」
「そうね。少なくとも魔術学園の授業ではこの魔石から魔力を引き出す術式を教えているし、魔術師の間では結構一般的な技術よ? 実際、古代魔道具の研究ではそうやって魔道具に込められた固有魔術の研究をしているって話だし」
「そ、そうか……」
フィリアの説明を聞いた俺は愕然とする。
領主様が使っていた【万里往く旅浪の視座】といい、フィリアの使っていた【魔術障壁】なる防御魔術といい、どうやら俺が死んだ二〇〇年の間に随分と魔術の開発が進んでいるようだ。
二〇〇年前は魔術は特権階級の者しか扱えなかったというのに、現代では属性魔術が普遍的に広まり、さらには固有魔術使いだけの特権だった瘴気に干渉する力まで扱えるようになるとは。
「そんなに驚くこと? アゼルって妙に魔術に詳しいくせに、意外と知らないことも多いわよね。【魔術障壁】にも驚いていたみたいだったし」
「……ああそう言えば、それも気になってたんだよな。あれ中級魔術だろ? 随分展開が早かったが、実際どの程度の攻撃まで耐えられるんだ?」
興味本位で聞いたことだったが、それを聞いたフィリアはきょとんとした顔をした。まるで「何を言っているんだろう?」と言わんばかりの、心底不思議そうな表情だった。
「えっと、【魔術障壁】よね? あれって、基本的な防御魔術よ? 魔術師ならまず最初に習うような……」
「は? いやいや、それはないだろ」
強度や、防壁に込められた魔力量は昼間の戦闘でしっかり調べた。あれは断じて下級魔術では収まらないレベルだった。中級の魔術でも間違いなく防ぐことができる、十分に高度と言える魔術だ。
あんなものが基礎魔術であるはずがない。
「……まさかと思うけど、アゼルって汎属性魔術を知らないの?」
「はん、ぞくせい?」
フィリアの言葉が理解できず、俺は思わず首を傾げて疑問符を浮かべた。
ここで改めて魔術の基礎知識をおさらいする。
まず魔術の属性は火・水・土・風の四属性であり、その名を冠した現象を発現するための四種の術式と、四つの魔力が存在している。これを一般的に属性魔術と呼んでいる。
一部の生物を除けば、この四つの魔力は個人によって偏りはあるものの、ほぼすべての生物が備えている。フィリアを例にすると、彼女が内包する魔力は火属性の魔力が多く、土属性の魔力が少ない。属性の相性的には、火が優位ならば水の魔力が少なくなりそうなイメージがあるが、そうでないことから個人が内包する魔力の属性は、産まれた瞬間にほとんどランダムで決まることがわかる。
ちなみに一部の生物というのは、瘴気の魔力を持った俺たち固有魔術使いと魔物たちだ。
つまり俺の魔術の常識から考えたら「汎」なんて属性は存在しない。
「そもそも、昼間の防御魔術に使われていたのはフィリアが得意としている火属性の魔力だった。汎属性なんて言う、わけのわからない属性じゃない」
「それはそうよ。なにせ汎属性魔術に使われるのは、普通の四属性の魔力なんだから。特別なのは、魔力じゃなくてその術式。いい? 汎属性魔術っていうのは略称のようなもので、正式名称は「汎用性魔術式」っていうの。またの名を全属性魔術と言って、ここに属する魔術はすべての属性の魔力でまったく同じ効果を得られるの」
フィリアの説明は続く。
汎属性魔術は一〇〇年以上前には開発されており、魔術の普及化と共に属性魔術を扱うための基礎教材用として伝わっていったようだ。しかしその効果は、単純でありながらも非常に優秀なものだ。
属性魔術による防御魔術のような特化性は無いものの、単純な障壁として用途は高く、物理でも魔術でも大抵の攻撃は防ぐことはできるそうだ。
加えて、術者の魔力量によって強度が変動し、魔力を込めれば込める程に防壁が強固になっていく。
フィリアが展開した防壁が中級魔術並の強度を持っていたのは、それ相応の魔力量を注ぎ込んだが故だ。
その万能性が故に、下級魔術よりも消費魔力は少しばかり多いそうだが、それを補って余りあるほどに優秀な魔術となっている。
「さっき言った、魔石から魔力を引き出す術式も汎属性魔術に分類されているわ。他にも探索系の魔術とかもあるけど、何故か攻撃の魔術だけはまだないのよね。汎属性魔術の研究者が開発しているって噂だけど、あんまり上手くいってい無いみたい」
「それでもかなり便利だが、何で無いんだ? 魔術なんて基本的に攻撃性を持ったものが先に出来るだろうに」
火属性魔術のような攻撃性の高いものを使えるならばいらないかもしれないが、人によっては内包する火の魔力が生まれつき少なくて攻撃の手段が少ない者もいるだろう。属性に囚われない汎属性魔術に攻撃魔術があるならば、助かる者も多いだろうに。
「うーん、これも噂なんだけど、汎属性魔術を生み出した人――大賢者エクリシア・ヴァルメイリアが汎属性の攻撃魔術の開発に反対しているとかなんとか」
「先せ――――ごほん、大賢者が?」
ここでまさかの知っている名前が出て、驚きのあまりかつての呼び方が出かけたが、すんでのところで飲み込むことができた。
しかし先生が開発したとなれば、色々と納得だ。なぜ攻撃魔術の開発を止めているかは知らないが、魔術を普及しただけでは飽き足らず、属性に囚われない魔術までも開発するなんて。
「なんというか……魔術の進歩ってのは凄いな」
「そんなお爺ちゃんみたいなこと言って……でも同感ね。今では基礎的な魔術として当たり前にあるけど、出来た当時は魔術界における偉大な発明と世界で称賛されたみたいだしね。私もいつかそんな発明をしてみたいわ」
そう言って、俺はどこかにいるであろうあの女性に思いを馳せる。
遙か太古から今を生きる伝説であり、神秘の体現者。彼女は今何を思い、この世界をどう見ているのだろうか。
懐かしい気持ちが蘇るが、残念ながら今の俺があの人と会うことはないだろう。……合わせる顔がないとも言う。
「あれ、何の話してたっけ?」
「……そういえば、今後の計画についての話をしている最中だったな」
「そうだった。夜王の遺物に刻まれている魔術紋様から、話が逸れちゃったわね。遺物を見分ける方法はわかったけど、肝心なのはどうやって探すのかよ。何か方法があるの?」
魔術紋様の話から随分と脱線してしまったが、本題に戻ることができた。
フィリアほどではないが、俺も知らない魔術が出てくるとついついそちらへ興味が逸れてしまう。そういった点では、俺とフィリアは昔から話が合う。
本音を言えば魔石から魔力を引き出す魔術と【魔術障壁】を教えて欲しいところだが、それはまたの機会にするとしよう。
「それこそ血追いの徒だよ。二〇〇以上の遺物を収集しているってことは、遺物を探し出す何らかの手段を持っているってことだろ? 接触すれば、何らかの手がかりは得られるはずだ」
「なるほど……でもそんなに上手く信徒が見つかる? そこら辺に歩いているわけでもないでしょうし」
「言っただろ、情報がないわけじゃないって。コーネルは血追いの徒の一員だったが、表ではBランクの冒険者で、なおかつこの町から来た。つまり――」
「――冒険者組合に行けば、コーネルさんがどこから来たのかわかるってこと?」
「その通り」
国家に囚われない世界を股に掛けた一大組織――冒険者協会。
世界に多くの拠点と組合員を持ち、市井から王族まで多くの依頼を請け負う、一組織でありながら国家レベルの信用を持った組織だ。その歴史はとても古く、前世の俺が生まれるよりも前から組織として存在していた。
そこへ行けば世界からあらゆる情報が得られるだろうし、奴らとしても隠れ蓑としてこれ以上のものはそう無いだろう。
コーネルを足掛かりに冒険者協会で情報を集めていけば、少なくとも次に向かうべき場所くらいは定まるだろう。
「じゃあまさか――」
フィリアの目が期待で輝いた。おそらくロスウェル村に来た彼等と出会ってから、憧れがあったのだろう。
そんな彼女の期待に応えるように、俺は頷いた。
「とりあえず明日は、この町の冒険者協会へ行く。そこで俺たちは今後冒険者として働き、路銀を稼ぎつつ血追いの徒と夜王の遺物の情報を探っていく」
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