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55話:挑発
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俺は左腕を素早くフィリアの腰に回して未だ暴れる彼女を強く押さえつけると、空いた右手でフィリア目掛けて飛んできた拳を受け止める。
「きゃっ!」
「な、テメェ……」
まさか止められるとは思っていなかったのか男から苛立たし気な声が溢れたが、拳を受け止めた俺は男の心とは対照的に冷えていく。
おおよそ少女の顔に向けられるべきではない強さの拳だった。もし俺が受け止めなければ、フィリアの顔には酷いアザが出来ていただろう。最悪、歯の一本は折れていたかもしれん。
それをこいつは何の躊躇いもなく、フィリアの顔を目掛けて振るってきた。酒に酔っていたでは済まないぞ?
「さっきから黙って聞いていれば、ぴーちくぱーちくと喧しい。先に手を出したのはこっちだとしても、いくら何でも見苦しいぞ?」
「何だと?」
フィリアの腰を引いて入れ替わるように男の前に立つ。その際フィリアが抱えた緋露芍薬を包む血染布に魔力を流して、いつでも【血織刃】を発動できるよう備える。使うようなことはないだろうが、念のためな。
「リアナと何かあったか知らねぇが、今日登録したばかりの新人まで巻き込むなってんだ。大方Cランクに上がったばかりのリアナに嫉妬したんだろうが、たかだかDランクのお前らがこいつに喧嘩を売ること自体が間違いだっていうのがわからないか?」
「ぷふーっ!」
まだ言葉を続けようとしていたが、盛大に吹き出す声が聞こえたため言葉を止めてそちらを見ると、先程まで殺気を放っていたリアナが肩を震わせて笑っている。右手には鞘に収まった短剣が握られているのが気になるが、多分俺と同様フィリアに向かった拳を止めようとしたのだろう。
笑っているのはリアナだけではなく、周囲からも控えめだが笑いが漏れている。同時に表情が凍り付いた者も多く見受けられる。
俺が疑問符を浮かべていると、目の前の男は何故だか肩を震わせて、仲間の男たちも剣呑な顔をしている。
何か変なことを言ったか俺?
「俺たちがDランクだと? 田舎から出たばかりの新参者が! 俺たちがCランク冒険者の「鉄牙団」だってこと知らねぇようだな!」
「あ? Cランクぅ?」
思わず胡乱げな声を上げて、まじまじと目の前の男たちを見る。リアナに蹴飛ばされ今俺と対峙しているこの男は、背中に片刃の戦斧を担いでおり他の者と比べても僅かに体格が良い。仲間の男たちも戦闘職らしく身体が鍛えられているが、言ってしまえばその程度だ。
Dランクの魔物ならば相手にならないだろうが、かと言ってCランクに勝てるほどかと言われれば疑問が残る。
「ひっ、ひひっ……ソイツらの言ってることは本当よ、いちおう。そんなんでも、アタシより長く冒険者やってるし、魔物討伐の実力だけは確かよ」
思わず伺うようにリアナに視線を送ったら、笑いが収まらない様子のまま教えてくれた。
うーむ、リアナが言うなら間違い無いだろうが、何度見てもそうは見えない。俺としたことが、勘が鈍っているのか?
いや、確か冒険者はCランクまでは順調に上がっていくんだったか。言い換えれば、Cまでならランクと実力が見合っていなくともおかしく無い? そんなガバガバな昇格システムか? 冒険者登録で受験者の実力を測るような組織だぞ?
「待てよ? そうか「パーティー」か! そういえば、実力が届いてなくとも、集団で動いてその差を埋められれば問題ない、みたいなこと今朝登録手続きするときに言ってたな」
冒険者登録の試験でも、フィリアと二人で試合をすることを推奨されていた。
目の前の男たちの数は四人。どいつも到底Cランクには届いていなさそうだが、Dランクと戦うには申し分ない。そしてこれだけの人数が常にまとまって動いているならば、Cランクの魔物と戦っても勝率はあるか。ふむ、この「パーティー」というシステム、もう少し詳しく聴いてみるか。
「ぷぅーっ、あっははは!」
俺の物言いに、リアナはとうとう腹を抱えて笑い始めた。
そんなリアナとは対照的に周囲からは笑いが減り、俺を心配する声や嘲笑する声が聞こえてきた。
「あのガキ死んだな……」
「しかも新人かよ。よりにもよって「熊殺し」に喧嘩を売るなんて……」
「連れの女の子を守るのはかっこいいけど、ちょっと無謀じゃない……?」
「なあ誰か治療師呼んだ方がいいんじゃないか?」
熊殺し? こいつらの誰かの通り名か何かだろうか? そういえばリアナも「こそう」とか呼ばれていたらしいが……。
なんにせよ、意図していないタイミングで予想以上にヘイトを買うことに成功したな。
俺は可能な限り馴れ馴れしい態度を演出して、男の肩を軽く叩いた。
「こほん……まあ、ともかく。過去のいざこざ云々に関しては後日改めて、俺たちがいない時にやってもらうとしてだ。あんたらのせいで俺たちの今日の仕事が半分パァになっちまったんだ。ああ、誤解すんな。何も弁償しろとは言わんさ。お互い悪かったということで、この場はさっと水に流そ――」
端から説得しようとする気を感じさせない俺の物言いに対する返事は、完全に俺の予想していた形で帰ってきた。
――バシィッ!
鈍い音が響くと同時に、フィリアから息を飲むような短い悲鳴が漏れ、一拍遅れてリアナの笑いが不意に止まった。
ふむ、思ったよりも耐えたなこいつ。
視線だけを動かすと、そこには拳を振り抜いた格好の男の姿が見えた。
「礼儀を知らねえガキが! 舐め腐ってんじゃねえぞ!」
「なっ、アゼル! ゴルド、アンタ――」
まさか俺が殴られるとは思っていなかったのか、リアナはショックを受けた様子を見せる。笑ったり驚いたり怒ったり、よくもまあそんなにコロコロと表情を変えられるなあ。そんなに目まぐるしく変化させて疲れないのだろうか。
「お、始まったか? いいぞー、やっちまえー!」
反対に野次馬の連中は、ついに待望の喧嘩が始まったのかと酒を掲げて野次を飛ばす。
「待てリアナ。フィリアも、大丈夫だ」
ゴルドに飛び掛からんとしたリアナを手で制し、背後で杖を構えたフィリアに動かないように言葉で抑える。
口の中が少し切れたのか、舌に多分な苦味と僅かな酸味が入り混じった味が広がる。無造作にそれを吐き捨てると、少量の血液が床に散った。
ふむ、フィリアに振り上げたものよりも重い一撃だったが、殴り倒されることもなく歯に衝撃がくることもなかった。折れると面倒だと思って顎の骨格部分だけ強化していたが、この程度なら必要無かったかもしれん。
「よーし、これでイーブンだ」
「ああん⁉︎」
「依頼品をダメにした分と、今の一撃でトントンだって言ってんだよ」
「だから何だってんだ、ああ? これでもう許してくださいってか?」
「そう捉えてもいい。これで手打ちだと言うなら、こちらはそれで構わない。だが、それ以上を望むってんなら、相応の覚悟はしておけよ?」
怒りが収まらない様子の男に、俺は挑発的な笑みと目を向ける。俺の友人に手を出した時点で、もはや無関係だと振る舞う気が失せたんだ。こう見えて、俺も内心では怒りが沸いているんだぞ?
殴られてなお挑発する俺の姿に、リアナや見物している一部の冒険者は違和感を覚えたようだが、侮辱された男たちはまったく怯えた様子のない俺に不快感を増しているようだ。このやりとりを酒の肴としか見ていない冒険者は、今か今かとFランクの生意気な新人がCランクのベテランにいたぶられているのを待ち望んでいる。うーん、こんなんばっかか? 冒険者という奴らは。
「へっ、新人のガキに何ができるんだってんだよ!」
男が再び拳を突き出したが、今度は黙って受け入れず、軽く身体を引いて拳を躱す。ついでに足を引っ掛けるように蹴ると、男は拳を突き出した勢いのまま、隣のテーブルに突っ込んでしまった。
幸い席は喧嘩に巻き込まれまいと人が離れていってくれたおかげで、男が突っ込んだテーブル含めて俺たちの周囲は繁忙期であるにも関わらず無人だ。
「なっ⁉︎ こいつ!」
仲間の一人が胸ぐらを掴もうと伸ばした手を、逆に掴んで腕ごと捻り上げる。
一瞬で二人をいなしたことで、ようやく全員が俺がただの新人ではないことに気づき、周囲から僅かに動揺の声が漏れる。
腕を捻り上げられて苦痛に呻く仲間を見て、他の奴らも今に動きそうだ。このままここでやり合っても制圧するのは簡単だが、そうなると騒ぎが大きくなりすぎるか。設備を壊して弁償することになっても面白くない。
どこか思い切り動いても問題にならなそうな場所は……ふむ、あそこは使えないか?
「リアナ。今朝使った裏の訓練場って、今からでも使えるか?」
「訓練場? あそこは一般に開放されてるから、場所自体は申請とかしなくても使えるけど……なるほど、そういうことね」
その言葉を聞いた俺は男の腕を解放して後ろを振り向き、ようやく地べたからふらふらと身体を起こし始めた男に寄る。
男がまた何かを言うより先に、俺は制するように広げた手を眼前に突き出す。
「五分だ。登録試験と同じ、五分間だけお前らに付き合ってやる。裏の訓練場で待ってやるから、そこまで来るんだな。もっとも、お前らが女子どもにしか威張れないような、腑抜けの雑魚だって言うなら来なくていいがな?」
「テメェ、この――」
俺はリアナとフィリアについて来るよう視線を送ると、男たちが何かをする前に素早く訓練場の方へ向かった。
背後から殺意のこもった罵声と視線が浴びさられるが、微塵も気にしない。
一方酒場の見物客はもはや半分お祭り状態で、新しい酒とツマミを注文しに行ったり、俺がこの後どうなるかで賭けを始めた。
そんな奴らを横目に俺たちは足早に廊下へ向かう。受付の横を通る一瞬、受付の職員に伺うような視線を送ったが、目が合った男性の職員は何も言わずただ許可するように軽く頷いた。リアナの言う通り、訓練場を使うことは問題ないみたいだな。
職員側もこういった冒険者同士のいざこざは慣れているのか俺たちを黙って見送り、それどころか見送る視線には僅かな感心が含まれているように感じた。あのまま酒場で喧嘩をせず、裏で喧嘩をしてくれるのがありがたい、といったところかな?
訓練場への廊下に入り酒場からの喧噪から少し離れたところで、俺は軽く溜息を吐く。あいつらから離れたことで、少し冷静になってきた。
「……やれやれ。フィリア、さっきは強引に引っ張って悪かったな」
「ううん。さっきは助けてくれてありがとう」
「ごめん……アゼルならアタシよりも早く片付けてくれると思ったから、つい巻き込んじゃった……殴られたところ大丈夫?」
「ああ、自分の歯で少し口の中が切れただけだ。痛みも殆もない。お前を見捨てようとした罰が当たったようなもんだ」
「うう、本当にごめん。はあ、まさか今日の仕事がパアになっちゃうなんて。こんな事になるなら怒りに任せて蹴りなんか入れずに、もう少し我慢すればよかったわ……」
「リアナは悪くないわ。そりゃあ、せっかく採ってきた緋露芍薬がダメになっちゃったのは残念だけど、元はと言えば全部あいつらが絡んできたのが悪いんじゃない!」
杖を握るリアナの手には力が入り、心なしか身体から魔力が漏れているように見える。炎のように赤い髪が本物の炎になるんじゃないかと思うくらいには、怒り心頭といった様子だ。
「フィリアの言う通り、そこまで気にしなくてもいい。奴らに対し熱くなったのは俺たちも同じだ。緋露芍薬に関しては俺にも落ち度がある。気を付けていればあの程度の拳は十分避けられた。確認だが、あれじゃあ依頼は不達成だよな?」
「多分……研究者の査定を受けてないから正確なことはわからないけど、受け取ってはくれないと思う。あの依頼は期限が設けられてなかったからまた明日取りに行けば問題ないと思うけど、ここで辞めるとなったら違約金を払わなくちゃ駄目ね」
そうだろうな。明らかに冒険者都合での損壊だから、温情の処置はされないだろう。だが、期日が設けられてないというのは朗報だ。また明日あの森へ行けば違約金を払わずに済むし、初日から早々に業績に傷を付けずに済む。もっとも、騒ぎを起こした時点で心象は悪くなってしまっただろうがな。
「そうか。なら依頼については大丈夫だな」
緋露芍薬の話はそこで区切って、俺は背後に意識を向ける。俺たちが先に行ったから男たちとの距離は少し離れているが、ここからでも怒気は届いており今にも背後から襲いかかりそうな気配がする。特に俺とリアナが散々煽ったリーダーと思わしき男の視線は凄まじく、脳内ではどのように俺たちをいたぶるかを考えているのがわかる。
「……気持ち悪いなあ、あいつ。ゴートだっけ? リアナには悪いが、あれでCランクとは冒険者のレベルも高が知れてるな」
俺を見る視線が殺意と悪意、それから痛めつけた後に来るであろう愉悦の感情を含ませているのは、百歩譲っていいとして、女性二人を見て愉悦の感情を多くするのはやめて欲しい。不快すぎて手加減が出来なくなりそうだ。
「ゴートじゃ無くてゴルドね。アンタはそう言うけど、「熊殺し」のゴルドといったらそれなりに有名よ?」
「……さっきも誰か言っていたが、その熊殺しってのは通り名か何かか?」
「そっ。鉄硬熊って聞いたことある? あいつら「鉄牙団」はその魔物を討伐したことで有名な討伐者で、中でもリーダーのゴルドは鉄硬熊を抑え込めるほどの怪力自慢で、鉄ほどの強度があると言われる鉄硬熊の皮膚を貫くと噂よ?」
……本当かあ~? 具体的な業績を聞いても納得できない。
鉄硬熊と言ったら鉄が如き体毛と長い爪を持つCランクの魔物だ。食性は雑食だが、主に果実を食べて生きている。実りの少ない冬なんかには動物を狩り、狩猟に出た猟師をも襲う。
同種、同ランクということもあり夜狩熊が思い浮かぶが、力や凶暴性ではこちらよりも劣るものの、頑丈さでいったら鉄硬熊に軍配が上がる。
とは言えそこはCランクの魔物だ。普通の人間が力比べで勝てるわけがないし、並の刃や力では硬い皮膚を貫いて肉に届かせることもできないだろう。
「うーん、魔力を全力で身体強化に回せば倒せはするか? それか、別に隠し玉でもあるのか……」
奴の拳を正面から受け止めた感じ、鉄硬熊を仕留められるほどの力があるとは思えない。身体強化もしていなかったからそれだけで判断することはできないが、体内の魔力の流れ的に魔力を扱えるようには見えないんだよなあ。
「ちなみにアタシにも異名があるわよ。まあ、アイツらと違って自分から名乗ることはないけどね」
「それが「こそう」か?」
「そうよ。ほらアタシって、周りと比べて結構若いでしょ? それなのにこんな早くランクを上げたものだから、結構目立っちゃってね。いろいろと「はやい」ってことで、いつの間にかついた異名が「狐走」ってこと。うろちょろと鬱陶しいって事かしらねー」
「ほほう」
なかなかセンスのある名前だな。この異名を付けた人間は韻を踏む才能があったに違いない。
若いのに大人顔負けの実力から、早熟という意味での「早い」。スピード頼りの戦闘スタイルから、速度を現した「速い」。単純に周りよりもランクを上げるのが早かったのかもしれない。
「狐」という字も、彼女の髪色や戦闘スタイルのイメージから取っている気がする。もしかしたら、普段はひとりでいることから「孤独」の意味合いも含まれているのかもしれない。
「ま、ゴルドたちと戦うなら油断はしないことね。幸いあっちに魔術師はいないのに対し、こっちには魔術師が二人いる。うち一人は中級魔術が使えるし、もう一人に関しては無限に武器を出せる武闘派固有魔術使いがいる。よほど油断しなければアタシたちが負けることはないわ!」
「ん? ああ、張り切ってるところ悪いが、お前らの出番はないぞ?」
俺がそう言うと二人は驚いて目を見開く。連れ出したから一緒に戦うと思ったのだろうが、あれは単純にあの場に放置すると危ないと思ったからだ。奴らに喧嘩を売った時点で、初めからひとりで対処しようと考えていたのだ。
「何のために場を変えて、試合という形式をとったと思っているんだ。お前らを巻き込まないようにするためだろ? Cランクかどうかは疑問ではあるが、それでも奴らは紛れもなく戦闘慣れした冒険者だ。それも力押しに特化したな。人数も多いし、お前ら二人は戦い辛い相手だろう」
と言うのは建前で、単純に腹が立ったので徹底的に叩きのめそうと思っただけだ。ひとりで、それも新人に叩きのめされたと知ればさぞ屈辱だろう。
「安心しろ。万一にも負けるつもりはねえよ。むしろお前らがいると意識が割かれてかえって戦いづらい。フィリアもリアナも、正面から戦うのは向いてないだろ?」
「それはそうかも知れないけど。足を引っ張ることはしないつもりよ……」
フィリアが少し不満げに言うが、俺は宥めるように言い聞かせる。
「フィリアの魔術は頼もしいとは思っているさ。咄嗟の判断や身体の動きも悪くないと思っているよ。だが今回は経緯はどうあれ、ただの試合だ。普通の戦闘なら構わず魔術を撃てるが、試合じゃあ大怪我をさせる可能性のある魔術は撃ちにくいだろ?」
「でも、訓練場には魔術から身を守る魔道具があるじゃない。あれを付けるなら問題ないじゃない」
「いいえ、ダメよ。あれは協会からの許可がないと使用できないし、ただの喧嘩ではまず貸し出されないわ」
そういうことだ。魔道具は魔石のエネルギーを使うし、何度も使えば損耗する。この程度のことで何度も使われれば、協会は破産してしまうだろう。
俺の説明を聞いて冷静になったのか、フィリアは不満を抱きつつも納得したように頷いた。
「ならアタシは? アタシはアイツらと同じCランクだし、引けは取らないと思うけど?」
俺は声はフィリアに悟られないよう気を付けながら、リアナに顔を近づけ声を潜めて言う。
「その点に関しては信用している。だが、アイツらが全員で来るとは限らないだろ? そうなるとフィリアがひとりになるから、リアナにはフィリアの側について欲しいんだ。言いたいことわかるな?」
「む……そう言うことなら仕方ないわね。あの子まだ慣れてない感じがして可愛いからね。他の奴らがちょっかい出さないように見張ってるわ」
「話が早くて助かる」
話しているうちに訓練場に着いたため、俺は朝の試合と同じ要領で適当に木剣を取ってそのまま中心まで行く。
さて、考えてみれば冒険者と戦うのは人生で二回目だ。リアナとの試合は俺の予想を超えて手間取ったが、果たして奴らはどうなるかな。
「きゃっ!」
「な、テメェ……」
まさか止められるとは思っていなかったのか男から苛立たし気な声が溢れたが、拳を受け止めた俺は男の心とは対照的に冷えていく。
おおよそ少女の顔に向けられるべきではない強さの拳だった。もし俺が受け止めなければ、フィリアの顔には酷いアザが出来ていただろう。最悪、歯の一本は折れていたかもしれん。
それをこいつは何の躊躇いもなく、フィリアの顔を目掛けて振るってきた。酒に酔っていたでは済まないぞ?
「さっきから黙って聞いていれば、ぴーちくぱーちくと喧しい。先に手を出したのはこっちだとしても、いくら何でも見苦しいぞ?」
「何だと?」
フィリアの腰を引いて入れ替わるように男の前に立つ。その際フィリアが抱えた緋露芍薬を包む血染布に魔力を流して、いつでも【血織刃】を発動できるよう備える。使うようなことはないだろうが、念のためな。
「リアナと何かあったか知らねぇが、今日登録したばかりの新人まで巻き込むなってんだ。大方Cランクに上がったばかりのリアナに嫉妬したんだろうが、たかだかDランクのお前らがこいつに喧嘩を売ること自体が間違いだっていうのがわからないか?」
「ぷふーっ!」
まだ言葉を続けようとしていたが、盛大に吹き出す声が聞こえたため言葉を止めてそちらを見ると、先程まで殺気を放っていたリアナが肩を震わせて笑っている。右手には鞘に収まった短剣が握られているのが気になるが、多分俺と同様フィリアに向かった拳を止めようとしたのだろう。
笑っているのはリアナだけではなく、周囲からも控えめだが笑いが漏れている。同時に表情が凍り付いた者も多く見受けられる。
俺が疑問符を浮かべていると、目の前の男は何故だか肩を震わせて、仲間の男たちも剣呑な顔をしている。
何か変なことを言ったか俺?
「俺たちがDランクだと? 田舎から出たばかりの新参者が! 俺たちがCランク冒険者の「鉄牙団」だってこと知らねぇようだな!」
「あ? Cランクぅ?」
思わず胡乱げな声を上げて、まじまじと目の前の男たちを見る。リアナに蹴飛ばされ今俺と対峙しているこの男は、背中に片刃の戦斧を担いでおり他の者と比べても僅かに体格が良い。仲間の男たちも戦闘職らしく身体が鍛えられているが、言ってしまえばその程度だ。
Dランクの魔物ならば相手にならないだろうが、かと言ってCランクに勝てるほどかと言われれば疑問が残る。
「ひっ、ひひっ……ソイツらの言ってることは本当よ、いちおう。そんなんでも、アタシより長く冒険者やってるし、魔物討伐の実力だけは確かよ」
思わず伺うようにリアナに視線を送ったら、笑いが収まらない様子のまま教えてくれた。
うーむ、リアナが言うなら間違い無いだろうが、何度見てもそうは見えない。俺としたことが、勘が鈍っているのか?
いや、確か冒険者はCランクまでは順調に上がっていくんだったか。言い換えれば、Cまでならランクと実力が見合っていなくともおかしく無い? そんなガバガバな昇格システムか? 冒険者登録で受験者の実力を測るような組織だぞ?
「待てよ? そうか「パーティー」か! そういえば、実力が届いてなくとも、集団で動いてその差を埋められれば問題ない、みたいなこと今朝登録手続きするときに言ってたな」
冒険者登録の試験でも、フィリアと二人で試合をすることを推奨されていた。
目の前の男たちの数は四人。どいつも到底Cランクには届いていなさそうだが、Dランクと戦うには申し分ない。そしてこれだけの人数が常にまとまって動いているならば、Cランクの魔物と戦っても勝率はあるか。ふむ、この「パーティー」というシステム、もう少し詳しく聴いてみるか。
「ぷぅーっ、あっははは!」
俺の物言いに、リアナはとうとう腹を抱えて笑い始めた。
そんなリアナとは対照的に周囲からは笑いが減り、俺を心配する声や嘲笑する声が聞こえてきた。
「あのガキ死んだな……」
「しかも新人かよ。よりにもよって「熊殺し」に喧嘩を売るなんて……」
「連れの女の子を守るのはかっこいいけど、ちょっと無謀じゃない……?」
「なあ誰か治療師呼んだ方がいいんじゃないか?」
熊殺し? こいつらの誰かの通り名か何かだろうか? そういえばリアナも「こそう」とか呼ばれていたらしいが……。
なんにせよ、意図していないタイミングで予想以上にヘイトを買うことに成功したな。
俺は可能な限り馴れ馴れしい態度を演出して、男の肩を軽く叩いた。
「こほん……まあ、ともかく。過去のいざこざ云々に関しては後日改めて、俺たちがいない時にやってもらうとしてだ。あんたらのせいで俺たちの今日の仕事が半分パァになっちまったんだ。ああ、誤解すんな。何も弁償しろとは言わんさ。お互い悪かったということで、この場はさっと水に流そ――」
端から説得しようとする気を感じさせない俺の物言いに対する返事は、完全に俺の予想していた形で帰ってきた。
――バシィッ!
鈍い音が響くと同時に、フィリアから息を飲むような短い悲鳴が漏れ、一拍遅れてリアナの笑いが不意に止まった。
ふむ、思ったよりも耐えたなこいつ。
視線だけを動かすと、そこには拳を振り抜いた格好の男の姿が見えた。
「礼儀を知らねえガキが! 舐め腐ってんじゃねえぞ!」
「なっ、アゼル! ゴルド、アンタ――」
まさか俺が殴られるとは思っていなかったのか、リアナはショックを受けた様子を見せる。笑ったり驚いたり怒ったり、よくもまあそんなにコロコロと表情を変えられるなあ。そんなに目まぐるしく変化させて疲れないのだろうか。
「お、始まったか? いいぞー、やっちまえー!」
反対に野次馬の連中は、ついに待望の喧嘩が始まったのかと酒を掲げて野次を飛ばす。
「待てリアナ。フィリアも、大丈夫だ」
ゴルドに飛び掛からんとしたリアナを手で制し、背後で杖を構えたフィリアに動かないように言葉で抑える。
口の中が少し切れたのか、舌に多分な苦味と僅かな酸味が入り混じった味が広がる。無造作にそれを吐き捨てると、少量の血液が床に散った。
ふむ、フィリアに振り上げたものよりも重い一撃だったが、殴り倒されることもなく歯に衝撃がくることもなかった。折れると面倒だと思って顎の骨格部分だけ強化していたが、この程度なら必要無かったかもしれん。
「よーし、これでイーブンだ」
「ああん⁉︎」
「依頼品をダメにした分と、今の一撃でトントンだって言ってんだよ」
「だから何だってんだ、ああ? これでもう許してくださいってか?」
「そう捉えてもいい。これで手打ちだと言うなら、こちらはそれで構わない。だが、それ以上を望むってんなら、相応の覚悟はしておけよ?」
怒りが収まらない様子の男に、俺は挑発的な笑みと目を向ける。俺の友人に手を出した時点で、もはや無関係だと振る舞う気が失せたんだ。こう見えて、俺も内心では怒りが沸いているんだぞ?
殴られてなお挑発する俺の姿に、リアナや見物している一部の冒険者は違和感を覚えたようだが、侮辱された男たちはまったく怯えた様子のない俺に不快感を増しているようだ。このやりとりを酒の肴としか見ていない冒険者は、今か今かとFランクの生意気な新人がCランクのベテランにいたぶられているのを待ち望んでいる。うーん、こんなんばっかか? 冒険者という奴らは。
「へっ、新人のガキに何ができるんだってんだよ!」
男が再び拳を突き出したが、今度は黙って受け入れず、軽く身体を引いて拳を躱す。ついでに足を引っ掛けるように蹴ると、男は拳を突き出した勢いのまま、隣のテーブルに突っ込んでしまった。
幸い席は喧嘩に巻き込まれまいと人が離れていってくれたおかげで、男が突っ込んだテーブル含めて俺たちの周囲は繁忙期であるにも関わらず無人だ。
「なっ⁉︎ こいつ!」
仲間の一人が胸ぐらを掴もうと伸ばした手を、逆に掴んで腕ごと捻り上げる。
一瞬で二人をいなしたことで、ようやく全員が俺がただの新人ではないことに気づき、周囲から僅かに動揺の声が漏れる。
腕を捻り上げられて苦痛に呻く仲間を見て、他の奴らも今に動きそうだ。このままここでやり合っても制圧するのは簡単だが、そうなると騒ぎが大きくなりすぎるか。設備を壊して弁償することになっても面白くない。
どこか思い切り動いても問題にならなそうな場所は……ふむ、あそこは使えないか?
「リアナ。今朝使った裏の訓練場って、今からでも使えるか?」
「訓練場? あそこは一般に開放されてるから、場所自体は申請とかしなくても使えるけど……なるほど、そういうことね」
その言葉を聞いた俺は男の腕を解放して後ろを振り向き、ようやく地べたからふらふらと身体を起こし始めた男に寄る。
男がまた何かを言うより先に、俺は制するように広げた手を眼前に突き出す。
「五分だ。登録試験と同じ、五分間だけお前らに付き合ってやる。裏の訓練場で待ってやるから、そこまで来るんだな。もっとも、お前らが女子どもにしか威張れないような、腑抜けの雑魚だって言うなら来なくていいがな?」
「テメェ、この――」
俺はリアナとフィリアについて来るよう視線を送ると、男たちが何かをする前に素早く訓練場の方へ向かった。
背後から殺意のこもった罵声と視線が浴びさられるが、微塵も気にしない。
一方酒場の見物客はもはや半分お祭り状態で、新しい酒とツマミを注文しに行ったり、俺がこの後どうなるかで賭けを始めた。
そんな奴らを横目に俺たちは足早に廊下へ向かう。受付の横を通る一瞬、受付の職員に伺うような視線を送ったが、目が合った男性の職員は何も言わずただ許可するように軽く頷いた。リアナの言う通り、訓練場を使うことは問題ないみたいだな。
職員側もこういった冒険者同士のいざこざは慣れているのか俺たちを黙って見送り、それどころか見送る視線には僅かな感心が含まれているように感じた。あのまま酒場で喧嘩をせず、裏で喧嘩をしてくれるのがありがたい、といったところかな?
訓練場への廊下に入り酒場からの喧噪から少し離れたところで、俺は軽く溜息を吐く。あいつらから離れたことで、少し冷静になってきた。
「……やれやれ。フィリア、さっきは強引に引っ張って悪かったな」
「ううん。さっきは助けてくれてありがとう」
「ごめん……アゼルならアタシよりも早く片付けてくれると思ったから、つい巻き込んじゃった……殴られたところ大丈夫?」
「ああ、自分の歯で少し口の中が切れただけだ。痛みも殆もない。お前を見捨てようとした罰が当たったようなもんだ」
「うう、本当にごめん。はあ、まさか今日の仕事がパアになっちゃうなんて。こんな事になるなら怒りに任せて蹴りなんか入れずに、もう少し我慢すればよかったわ……」
「リアナは悪くないわ。そりゃあ、せっかく採ってきた緋露芍薬がダメになっちゃったのは残念だけど、元はと言えば全部あいつらが絡んできたのが悪いんじゃない!」
杖を握るリアナの手には力が入り、心なしか身体から魔力が漏れているように見える。炎のように赤い髪が本物の炎になるんじゃないかと思うくらいには、怒り心頭といった様子だ。
「フィリアの言う通り、そこまで気にしなくてもいい。奴らに対し熱くなったのは俺たちも同じだ。緋露芍薬に関しては俺にも落ち度がある。気を付けていればあの程度の拳は十分避けられた。確認だが、あれじゃあ依頼は不達成だよな?」
「多分……研究者の査定を受けてないから正確なことはわからないけど、受け取ってはくれないと思う。あの依頼は期限が設けられてなかったからまた明日取りに行けば問題ないと思うけど、ここで辞めるとなったら違約金を払わなくちゃ駄目ね」
そうだろうな。明らかに冒険者都合での損壊だから、温情の処置はされないだろう。だが、期日が設けられてないというのは朗報だ。また明日あの森へ行けば違約金を払わずに済むし、初日から早々に業績に傷を付けずに済む。もっとも、騒ぎを起こした時点で心象は悪くなってしまっただろうがな。
「そうか。なら依頼については大丈夫だな」
緋露芍薬の話はそこで区切って、俺は背後に意識を向ける。俺たちが先に行ったから男たちとの距離は少し離れているが、ここからでも怒気は届いており今にも背後から襲いかかりそうな気配がする。特に俺とリアナが散々煽ったリーダーと思わしき男の視線は凄まじく、脳内ではどのように俺たちをいたぶるかを考えているのがわかる。
「……気持ち悪いなあ、あいつ。ゴートだっけ? リアナには悪いが、あれでCランクとは冒険者のレベルも高が知れてるな」
俺を見る視線が殺意と悪意、それから痛めつけた後に来るであろう愉悦の感情を含ませているのは、百歩譲っていいとして、女性二人を見て愉悦の感情を多くするのはやめて欲しい。不快すぎて手加減が出来なくなりそうだ。
「ゴートじゃ無くてゴルドね。アンタはそう言うけど、「熊殺し」のゴルドといったらそれなりに有名よ?」
「……さっきも誰か言っていたが、その熊殺しってのは通り名か何かか?」
「そっ。鉄硬熊って聞いたことある? あいつら「鉄牙団」はその魔物を討伐したことで有名な討伐者で、中でもリーダーのゴルドは鉄硬熊を抑え込めるほどの怪力自慢で、鉄ほどの強度があると言われる鉄硬熊の皮膚を貫くと噂よ?」
……本当かあ~? 具体的な業績を聞いても納得できない。
鉄硬熊と言ったら鉄が如き体毛と長い爪を持つCランクの魔物だ。食性は雑食だが、主に果実を食べて生きている。実りの少ない冬なんかには動物を狩り、狩猟に出た猟師をも襲う。
同種、同ランクということもあり夜狩熊が思い浮かぶが、力や凶暴性ではこちらよりも劣るものの、頑丈さでいったら鉄硬熊に軍配が上がる。
とは言えそこはCランクの魔物だ。普通の人間が力比べで勝てるわけがないし、並の刃や力では硬い皮膚を貫いて肉に届かせることもできないだろう。
「うーん、魔力を全力で身体強化に回せば倒せはするか? それか、別に隠し玉でもあるのか……」
奴の拳を正面から受け止めた感じ、鉄硬熊を仕留められるほどの力があるとは思えない。身体強化もしていなかったからそれだけで判断することはできないが、体内の魔力の流れ的に魔力を扱えるようには見えないんだよなあ。
「ちなみにアタシにも異名があるわよ。まあ、アイツらと違って自分から名乗ることはないけどね」
「それが「こそう」か?」
「そうよ。ほらアタシって、周りと比べて結構若いでしょ? それなのにこんな早くランクを上げたものだから、結構目立っちゃってね。いろいろと「はやい」ってことで、いつの間にかついた異名が「狐走」ってこと。うろちょろと鬱陶しいって事かしらねー」
「ほほう」
なかなかセンスのある名前だな。この異名を付けた人間は韻を踏む才能があったに違いない。
若いのに大人顔負けの実力から、早熟という意味での「早い」。スピード頼りの戦闘スタイルから、速度を現した「速い」。単純に周りよりもランクを上げるのが早かったのかもしれない。
「狐」という字も、彼女の髪色や戦闘スタイルのイメージから取っている気がする。もしかしたら、普段はひとりでいることから「孤独」の意味合いも含まれているのかもしれない。
「ま、ゴルドたちと戦うなら油断はしないことね。幸いあっちに魔術師はいないのに対し、こっちには魔術師が二人いる。うち一人は中級魔術が使えるし、もう一人に関しては無限に武器を出せる武闘派固有魔術使いがいる。よほど油断しなければアタシたちが負けることはないわ!」
「ん? ああ、張り切ってるところ悪いが、お前らの出番はないぞ?」
俺がそう言うと二人は驚いて目を見開く。連れ出したから一緒に戦うと思ったのだろうが、あれは単純にあの場に放置すると危ないと思ったからだ。奴らに喧嘩を売った時点で、初めからひとりで対処しようと考えていたのだ。
「何のために場を変えて、試合という形式をとったと思っているんだ。お前らを巻き込まないようにするためだろ? Cランクかどうかは疑問ではあるが、それでも奴らは紛れもなく戦闘慣れした冒険者だ。それも力押しに特化したな。人数も多いし、お前ら二人は戦い辛い相手だろう」
と言うのは建前で、単純に腹が立ったので徹底的に叩きのめそうと思っただけだ。ひとりで、それも新人に叩きのめされたと知ればさぞ屈辱だろう。
「安心しろ。万一にも負けるつもりはねえよ。むしろお前らがいると意識が割かれてかえって戦いづらい。フィリアもリアナも、正面から戦うのは向いてないだろ?」
「それはそうかも知れないけど。足を引っ張ることはしないつもりよ……」
フィリアが少し不満げに言うが、俺は宥めるように言い聞かせる。
「フィリアの魔術は頼もしいとは思っているさ。咄嗟の判断や身体の動きも悪くないと思っているよ。だが今回は経緯はどうあれ、ただの試合だ。普通の戦闘なら構わず魔術を撃てるが、試合じゃあ大怪我をさせる可能性のある魔術は撃ちにくいだろ?」
「でも、訓練場には魔術から身を守る魔道具があるじゃない。あれを付けるなら問題ないじゃない」
「いいえ、ダメよ。あれは協会からの許可がないと使用できないし、ただの喧嘩ではまず貸し出されないわ」
そういうことだ。魔道具は魔石のエネルギーを使うし、何度も使えば損耗する。この程度のことで何度も使われれば、協会は破産してしまうだろう。
俺の説明を聞いて冷静になったのか、フィリアは不満を抱きつつも納得したように頷いた。
「ならアタシは? アタシはアイツらと同じCランクだし、引けは取らないと思うけど?」
俺は声はフィリアに悟られないよう気を付けながら、リアナに顔を近づけ声を潜めて言う。
「その点に関しては信用している。だが、アイツらが全員で来るとは限らないだろ? そうなるとフィリアがひとりになるから、リアナにはフィリアの側について欲しいんだ。言いたいことわかるな?」
「む……そう言うことなら仕方ないわね。あの子まだ慣れてない感じがして可愛いからね。他の奴らがちょっかい出さないように見張ってるわ」
「話が早くて助かる」
話しているうちに訓練場に着いたため、俺は朝の試合と同じ要領で適当に木剣を取ってそのまま中心まで行く。
さて、考えてみれば冒険者と戦うのは人生で二回目だ。リアナとの試合は俺の予想を超えて手間取ったが、果たして奴らはどうなるかな。
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