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18話:戦闘 泥奔猪の群れ
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森への道中で彼らに固有魔術のことを教えておいた。既に予想してたのか、フィリアか領主様から聞いていたのか驚きは少なかったが、それでも各々が興味深そうに説明を聞いていた。
「固有魔術かー。噂には聞いていたけど、まさか本物に会えるとはね」
「この前の弓矢もそれで作ったの?」
エマとリアナの質問に頷きを返す。
「そうだ。強度は魔力次第だが矢なんかの飛び道具は、極端な話先端さえ尖っていれば刺さるからな。形状で飛距離が左右する物なんかは、ムラがある手作りの物よりも、魔術で作った方がむしろ優秀なんだよ」
「なるほど、理にかなっていますね……ちなみに【武具製造】で造った最大の武器を教えてもらっても?」
「あー、最大か……長さでいいなら二十メートルの鎖。それからタワーシールドくらいか」
そんな風に【武具製造】の話をしながら、俺たちは川を渡り小悪鬼の死体があるところまで着いた。
相変わらず森は静かで、渡り鳥の鳴き声どころか虫の影すら見えないありさまだ。
「小悪鬼の死体は……ふむ。少し肉を啄まれたり、色が悪くなっているくらいで異常はないな」
「そうね。どうやら例の魔物はここまで来ていないみたい。アゼルの引き寄せがだいぶ効いたみたい」
ちなみに、円滑な会話のためにコーネルを除いて冒険者は俺のことを呼び捨てで呼ぶことになった。リアナは最初から馴れ馴れしかったがカイルが無理に「君」をつけて呼びづらそうだったから、変に気を遣わせないようにという配慮だ。コーネルは普段から丁寧な言葉遣いだったから変わっていない。
「アゼル、お前はどれくらいの深さまで進んだことがある?」
「森の中腹より少し進んだくらいまでかな。森の中央辺りに泉があって、よく森の生き物たちが集まっている光景を見る。泉はこの森にとって重要な水源らしくてな、動物や草食の魔物だけでなく肉食の魔物なんかも立ち寄る」
「肉食の魔物もか?」
「ああ。俺が見た感じ、どうもあいつらなりのルールがあるみたいでな。捕食者と被捕食者が同じ時間に泉の周りで休息をとっている姿は珍しくない。泉の近くで三日ほど野営をしたことがあるが、昼間も夜間も捕食者が泉の側で狩りをした光景は見たことがない」
「ふむ……その情報が確かなら、野営地の候補として十分だな。今回の調査では森の中で一晩を過ごすこともあるから、アゼルも覚悟だけはしておいてくれ」
「わかった……それで、どう探すんだ? 行きと帰りは案内できるが、あいにくと魔物の調査なんてやったことがなくてな」
「別に特別なことをするわけではありませんよ。アゼル君が狩りの獲物を探すのとやることは変わりません。森の中を移動しながら痕跡を探す、これの繰り返しです」
「なるほど。ならさっき言った泉の場所へ案内しよう。ちょいとばかし遠いから、魔物への警戒はしておいてくれ」
「ああ頼む。魔物が出ても俺たちが責任持って対処するから、安心してくれ」
話が纏まったため、泉を目指してさらに進む。案内人の俺を先頭に、両脇をカバーするようにカイルとエマが続き、真ん中にコーネル、殿をリアナが務める。
それぞれが持つ武器は、カイルがバスタードソード、エマがスピア、コーネルが鋼製のロングスタッフ、リアナが双短剣だ。
俺は今回も剣を持ってきているが、この四人の連携次第では下手に前衛を張るより後方で様子見ながら、支援攻撃をするのがいいかもな。
そんなことを考えていると、ガサガサという草をかき分けて進む音が近付く。
身構えてしばらく待つと無数の鳴き声と共に、身体に泥と苔、枯れ葉を纏ったイノシシの魔物の群れが現れた。
「泥奔猪だ! 直撃を喰らわないように気を付けろよ!」
泥奔猪の群れは俺たちに気付くと、すぐに威嚇の声を挙げて何頭かが突進してくる。
カイルとエマが素早く前に出て、反対に俺は彼の邪魔にならないようコーネルの位置まで下がる。
泥奔猪はEランクの魔物で縄張り意識が非常に強く、不用意に近づくと凄まじい勢いで突進してくる。警戒すべきは両顎から湾曲した牙とその突進のスピードだ。
牙の先端は岩も砕くほど硬化しており、突進するスピードは短距離に限れば馬に迫るほどだ。直撃を喰らえば盾を持っていたとしても容易に骨が折れ、当たりどころが悪ければ最悪死に至る。
ただ突進は直線的であるため、動きを予測して回避するのは難しくなく、一回回避すれば追撃にはほんの少しの時間がかかる。速さに慣れれば倒すのは簡単だが、数が多いと複数で突っ込んでくるため、それがなかなか大変だ。
「ふっ……せい!」
「ブギィィ‼」
しかしそこはCランク冒険者。二人は難なく突進を躱し、すれ違いざまに傷を与える。
泥奔猪の体表は粘着質の泥とコケが覆っているため、剣での攻撃は滑りやすのだが、カイルは上手く斬り込んでいるようだ。
「はあっ!」
「ブゴオォォ……‼」
剣に比べて、点で攻撃する槍はかなりの有効打になる。エマの鋭い突きが深々と泥奔猪の横腹に突き刺さり、突進してきた一頭が断末魔を挙げて動かなくなった。
「【氷天の鉄槌】」
前衛の二人が群れの注意を引いている間、コーネルが杖を掲げて魔術を放つ。
群れの後方、その頭上に巨大な氷塊が生じ、そのまま落下する。氷塊は数体の泥奔猪をまとめて押し潰し砕け散る。砕けた氷と冷気は地面に広がると、足場が凍り付き群れの動きを鈍らせた。
今のは水属性中級魔術の【氷天の鉄槌】か……なるほど、足元を凍らせて突進力を鈍らせるだけでなく、泥奔猪の水気を帯びた泥の体表をも凍らせることで身体全体の動きを止めるのも狙いか。
そして動きが鈍った後方の群れへ向かってリアナが駆け抜け、軽い身のこなしで手にした双短剣を突き立てていく。
彼女の装備と動きを見るに、スピードを生かして奇襲を仕掛ける遊撃要員といった感じだな。Cランクが間近と言っていたが、なるほど悪くないスピードと手際の良さだ。しばらく観察してわかったが、一人で戦うことに慣れているな。
おそらく今回の依頼を達成した暁には、Cランクに昇格するのだろう。さしずめ昇格試験といったところか。
戦況の流れを見た感じ、彼らだけでも対処できそうだが、このまま何もしないというのも申し訳ない。カイルとエマの連携は二人で成立しているから俺が入ると乱れそうだな。
「コーネル。俺も動くが構わないか?」
「そうですね……数も減りつつありますし、リアナさんが処理している後方なら入ってもいいでしょう」
コーネルからも許可をとったので、俺も戦闘に加わることにした。
俺が近づく間にも、リアナは群れの外側、その中でも孤立した個体を狙い、突進を躱しながら的確に攻撃を加えていく。攻撃を当てては距離を取るという、正確に似合わず慎重な戦法を取っている。
凍った地面のせいで霜焼けでも起こしたのか泥奔猪のスピードが随分と遅く、そのおかげで群れから離れるのも簡単な様子だ。
俺も負けじと、突進してくる泥奔猪を紙一重で躱し、剣を抜くと同時に首筋を斬る。後に続いた個体の突進を、半身を翻して同様に首を斬りつける。
その近くに立っていた個体が、その強靭な牙を突き立てんと頭を振り上げようとしたのを察知し、足に力を入れて高く跳躍して躱す。
空中で姿勢を整え、落下と同時に背中に向かって刃を突き立て、突き上げを行った泥奔猪の脊髄を断つ。
「ピギイィィィ⁉」
鋭い断末魔を挙げて倒れる前に、俺は素早く剣を引き抜き、コーネルの魔術を邪魔しないよう一時下がる。
「アンタやるわね! 実力者っていうのも嘘じゃなかったのね!」
「別に自分で言っているわけじゃないんだが……」
群れから離れたところで合流したリアナがそう言って笑うが、俺は泥奔猪の群れを見やり一つの懸念が生じる。とはいえ、戦闘中に余計なことを考えるものではない。
コーネルが魔術を打ち終えたのを見計らって、再び俺たちは再び群れに入り込みその数を減らしていく。
やがて不利を悟ったのか泥奔猪の群れは方向を変え、どこかへと走り去っていった。
「ふう、討伐完了だな。泥奔猪は対処こそ簡単だが、数が多いからな……皆怪我はないな?」
「平気よ。アタシたちのところはコーネルさんが魔術で動きを抑えてくれたから、楽に処理できたわ」
「俺も問題ない」
「アゼルも手伝ってくれてありがとう。私も前方で戦いながら見ていたけど、想像以上の働きだったわね」
「俺が手伝わなくてもあんたたちだけで十分対処できていただろう。褒められるようなほどじゃない」
「アンタって変なところで謙虚ね。こういうのは素直に受け取っときなさいよ!」
リアナに馴れ馴れしく背中を叩かれる。若干苛ついたが、確かにせっかくの評価を無碍にするのも悪いな……こいつの言うことに従うようで非常に癪だが、エマに礼を返しておいた。
「しかし、こんなところに泥奔猪がいるとはな。縄張りが近いのか?」
「いやカイル。泥奔猪の縄張りはもっと奥にあったはずだ。あいつらは水気を含んだ土壌を好む魔物だからな、こんなところにいるのは不自然だ」
おそらく、例の魔物の影響によるものだろうが、だとしたら相当厄介だぞ。
泥奔猪は縄張り意識が非常に強く、群れた泥奔猪は夜狩熊でも近付くのを避けるくらいには、縄張りに入った者に容赦がない。
一頭だけならさほどの脅威はないものの、群れならばたとえ相手がCランクでも集団で突撃して撃退してしまう。
そんな奴らを本来の縄張りから追い出したというのだ。いったい相手はどんな奴なんだか……。
「ふむ……先を急いだほうがいいかもしれないな」
俺たちは戦闘の跡をそのままに、急いで泉の場所へと急ぐことにした。
「固有魔術かー。噂には聞いていたけど、まさか本物に会えるとはね」
「この前の弓矢もそれで作ったの?」
エマとリアナの質問に頷きを返す。
「そうだ。強度は魔力次第だが矢なんかの飛び道具は、極端な話先端さえ尖っていれば刺さるからな。形状で飛距離が左右する物なんかは、ムラがある手作りの物よりも、魔術で作った方がむしろ優秀なんだよ」
「なるほど、理にかなっていますね……ちなみに【武具製造】で造った最大の武器を教えてもらっても?」
「あー、最大か……長さでいいなら二十メートルの鎖。それからタワーシールドくらいか」
そんな風に【武具製造】の話をしながら、俺たちは川を渡り小悪鬼の死体があるところまで着いた。
相変わらず森は静かで、渡り鳥の鳴き声どころか虫の影すら見えないありさまだ。
「小悪鬼の死体は……ふむ。少し肉を啄まれたり、色が悪くなっているくらいで異常はないな」
「そうね。どうやら例の魔物はここまで来ていないみたい。アゼルの引き寄せがだいぶ効いたみたい」
ちなみに、円滑な会話のためにコーネルを除いて冒険者は俺のことを呼び捨てで呼ぶことになった。リアナは最初から馴れ馴れしかったがカイルが無理に「君」をつけて呼びづらそうだったから、変に気を遣わせないようにという配慮だ。コーネルは普段から丁寧な言葉遣いだったから変わっていない。
「アゼル、お前はどれくらいの深さまで進んだことがある?」
「森の中腹より少し進んだくらいまでかな。森の中央辺りに泉があって、よく森の生き物たちが集まっている光景を見る。泉はこの森にとって重要な水源らしくてな、動物や草食の魔物だけでなく肉食の魔物なんかも立ち寄る」
「肉食の魔物もか?」
「ああ。俺が見た感じ、どうもあいつらなりのルールがあるみたいでな。捕食者と被捕食者が同じ時間に泉の周りで休息をとっている姿は珍しくない。泉の近くで三日ほど野営をしたことがあるが、昼間も夜間も捕食者が泉の側で狩りをした光景は見たことがない」
「ふむ……その情報が確かなら、野営地の候補として十分だな。今回の調査では森の中で一晩を過ごすこともあるから、アゼルも覚悟だけはしておいてくれ」
「わかった……それで、どう探すんだ? 行きと帰りは案内できるが、あいにくと魔物の調査なんてやったことがなくてな」
「別に特別なことをするわけではありませんよ。アゼル君が狩りの獲物を探すのとやることは変わりません。森の中を移動しながら痕跡を探す、これの繰り返しです」
「なるほど。ならさっき言った泉の場所へ案内しよう。ちょいとばかし遠いから、魔物への警戒はしておいてくれ」
「ああ頼む。魔物が出ても俺たちが責任持って対処するから、安心してくれ」
話が纏まったため、泉を目指してさらに進む。案内人の俺を先頭に、両脇をカバーするようにカイルとエマが続き、真ん中にコーネル、殿をリアナが務める。
それぞれが持つ武器は、カイルがバスタードソード、エマがスピア、コーネルが鋼製のロングスタッフ、リアナが双短剣だ。
俺は今回も剣を持ってきているが、この四人の連携次第では下手に前衛を張るより後方で様子見ながら、支援攻撃をするのがいいかもな。
そんなことを考えていると、ガサガサという草をかき分けて進む音が近付く。
身構えてしばらく待つと無数の鳴き声と共に、身体に泥と苔、枯れ葉を纏ったイノシシの魔物の群れが現れた。
「泥奔猪だ! 直撃を喰らわないように気を付けろよ!」
泥奔猪の群れは俺たちに気付くと、すぐに威嚇の声を挙げて何頭かが突進してくる。
カイルとエマが素早く前に出て、反対に俺は彼の邪魔にならないようコーネルの位置まで下がる。
泥奔猪はEランクの魔物で縄張り意識が非常に強く、不用意に近づくと凄まじい勢いで突進してくる。警戒すべきは両顎から湾曲した牙とその突進のスピードだ。
牙の先端は岩も砕くほど硬化しており、突進するスピードは短距離に限れば馬に迫るほどだ。直撃を喰らえば盾を持っていたとしても容易に骨が折れ、当たりどころが悪ければ最悪死に至る。
ただ突進は直線的であるため、動きを予測して回避するのは難しくなく、一回回避すれば追撃にはほんの少しの時間がかかる。速さに慣れれば倒すのは簡単だが、数が多いと複数で突っ込んでくるため、それがなかなか大変だ。
「ふっ……せい!」
「ブギィィ‼」
しかしそこはCランク冒険者。二人は難なく突進を躱し、すれ違いざまに傷を与える。
泥奔猪の体表は粘着質の泥とコケが覆っているため、剣での攻撃は滑りやすのだが、カイルは上手く斬り込んでいるようだ。
「はあっ!」
「ブゴオォォ……‼」
剣に比べて、点で攻撃する槍はかなりの有効打になる。エマの鋭い突きが深々と泥奔猪の横腹に突き刺さり、突進してきた一頭が断末魔を挙げて動かなくなった。
「【氷天の鉄槌】」
前衛の二人が群れの注意を引いている間、コーネルが杖を掲げて魔術を放つ。
群れの後方、その頭上に巨大な氷塊が生じ、そのまま落下する。氷塊は数体の泥奔猪をまとめて押し潰し砕け散る。砕けた氷と冷気は地面に広がると、足場が凍り付き群れの動きを鈍らせた。
今のは水属性中級魔術の【氷天の鉄槌】か……なるほど、足元を凍らせて突進力を鈍らせるだけでなく、泥奔猪の水気を帯びた泥の体表をも凍らせることで身体全体の動きを止めるのも狙いか。
そして動きが鈍った後方の群れへ向かってリアナが駆け抜け、軽い身のこなしで手にした双短剣を突き立てていく。
彼女の装備と動きを見るに、スピードを生かして奇襲を仕掛ける遊撃要員といった感じだな。Cランクが間近と言っていたが、なるほど悪くないスピードと手際の良さだ。しばらく観察してわかったが、一人で戦うことに慣れているな。
おそらく今回の依頼を達成した暁には、Cランクに昇格するのだろう。さしずめ昇格試験といったところか。
戦況の流れを見た感じ、彼らだけでも対処できそうだが、このまま何もしないというのも申し訳ない。カイルとエマの連携は二人で成立しているから俺が入ると乱れそうだな。
「コーネル。俺も動くが構わないか?」
「そうですね……数も減りつつありますし、リアナさんが処理している後方なら入ってもいいでしょう」
コーネルからも許可をとったので、俺も戦闘に加わることにした。
俺が近づく間にも、リアナは群れの外側、その中でも孤立した個体を狙い、突進を躱しながら的確に攻撃を加えていく。攻撃を当てては距離を取るという、正確に似合わず慎重な戦法を取っている。
凍った地面のせいで霜焼けでも起こしたのか泥奔猪のスピードが随分と遅く、そのおかげで群れから離れるのも簡単な様子だ。
俺も負けじと、突進してくる泥奔猪を紙一重で躱し、剣を抜くと同時に首筋を斬る。後に続いた個体の突進を、半身を翻して同様に首を斬りつける。
その近くに立っていた個体が、その強靭な牙を突き立てんと頭を振り上げようとしたのを察知し、足に力を入れて高く跳躍して躱す。
空中で姿勢を整え、落下と同時に背中に向かって刃を突き立て、突き上げを行った泥奔猪の脊髄を断つ。
「ピギイィィィ⁉」
鋭い断末魔を挙げて倒れる前に、俺は素早く剣を引き抜き、コーネルの魔術を邪魔しないよう一時下がる。
「アンタやるわね! 実力者っていうのも嘘じゃなかったのね!」
「別に自分で言っているわけじゃないんだが……」
群れから離れたところで合流したリアナがそう言って笑うが、俺は泥奔猪の群れを見やり一つの懸念が生じる。とはいえ、戦闘中に余計なことを考えるものではない。
コーネルが魔術を打ち終えたのを見計らって、再び俺たちは再び群れに入り込みその数を減らしていく。
やがて不利を悟ったのか泥奔猪の群れは方向を変え、どこかへと走り去っていった。
「ふう、討伐完了だな。泥奔猪は対処こそ簡単だが、数が多いからな……皆怪我はないな?」
「平気よ。アタシたちのところはコーネルさんが魔術で動きを抑えてくれたから、楽に処理できたわ」
「俺も問題ない」
「アゼルも手伝ってくれてありがとう。私も前方で戦いながら見ていたけど、想像以上の働きだったわね」
「俺が手伝わなくてもあんたたちだけで十分対処できていただろう。褒められるようなほどじゃない」
「アンタって変なところで謙虚ね。こういうのは素直に受け取っときなさいよ!」
リアナに馴れ馴れしく背中を叩かれる。若干苛ついたが、確かにせっかくの評価を無碍にするのも悪いな……こいつの言うことに従うようで非常に癪だが、エマに礼を返しておいた。
「しかし、こんなところに泥奔猪がいるとはな。縄張りが近いのか?」
「いやカイル。泥奔猪の縄張りはもっと奥にあったはずだ。あいつらは水気を含んだ土壌を好む魔物だからな、こんなところにいるのは不自然だ」
おそらく、例の魔物の影響によるものだろうが、だとしたら相当厄介だぞ。
泥奔猪は縄張り意識が非常に強く、群れた泥奔猪は夜狩熊でも近付くのを避けるくらいには、縄張りに入った者に容赦がない。
一頭だけならさほどの脅威はないものの、群れならばたとえ相手がCランクでも集団で突撃して撃退してしまう。
そんな奴らを本来の縄張りから追い出したというのだ。いったい相手はどんな奴なんだか……。
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俺たちは戦闘の跡をそのままに、急いで泉の場所へと急ぐことにした。
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