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~小さな来訪者~
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「ミミ様、申し訳ありません。お時間が来たようです」。峻はミミを抱きしめ、いつまでも撫でていた。その温もりをいつまでも忘れないようにと思いながら。峻と利恵はミミに「ありがとう」と言った。そして、ミミもまた感謝の気持ちを伝えた。二人は頷いていた。たとえ、言葉が通じなくとも思いは届く。ミミは幸せだった。この二人と出会えたこと、それが人生で一番の幸せだった。
真樹は「それでは戻りましょう」と言って指を鳴らすと、いつしか峻と利恵の姿は消えていた。店内に残ったのは真樹と進士、そしてミミだ。
「ミミ様、いかがでしたか?一ノ瀬様とお会いになった感想は」
「本当にありがとうございました。これで、私も思い残すことはありません」
「こちらこそ、ありがとうございました。私たちはまた目の前で、起こるはずのなかったことが起きる、という奇跡を目の当たりにしました」
そう言うとすぐさま「あっ、また難しいことを言ってしまいました」と真樹は反省した。それに対し、ミミは一切、気にする様子はない。
「大丈夫です。難しくても気持ちは伝わります」
真樹はやはり照れくさそうに頭を掻いていた。
「オーナー、あのお話を」
進士に言われ、真樹はそれまで忘れていたことを思い出した。
「そうだった。ああ、ミミ様、申し訳ございません。実はですね、あなたにしていただいたことで一ノ瀬様と利恵様の運命が変わったことは分かりますよね。そこで、一つ不都合が出てしまいました」
「不都合?」
ミミは自分で、何か悪いことをしてしまったのかとも思った。だが、真樹は否定する。
「この不都合というのはですね、決して悪い意味のものではございません。そう、一ノ瀬様と利恵様が結婚したことで、新たな命がもうしばらくすると生まれてくる予定なのでございます」
「はあ、それは良いことですよね?」
ミミには真樹の言いたい事が今ひとつ伝わってこない。
「それで、一つご提案があります」
提案とは一体何なのだろうか。ミミはすでに死んでいるため、できることは限られていると自覚していた。だが、まだもう一つ、あったのだ。
「もう、ある程度察しが付いているかもしれません。あなたはもうすでに死んでいますよね。ただ、あなたは生まれ変わることができるのです。あなたは大切な存在を幸せな方向に導いた。だからこそ、その権利を得ることができたのです。そこでですね、お二人の子供として生まれ変わってもらってはいかがかと」
神様はやっぱりいた。ここに、確かに。神様、ありがとう。そんな、ミミの喜びの鳴き声が、いつまでも店内に響き渡っていた。
真樹は「それでは戻りましょう」と言って指を鳴らすと、いつしか峻と利恵の姿は消えていた。店内に残ったのは真樹と進士、そしてミミだ。
「ミミ様、いかがでしたか?一ノ瀬様とお会いになった感想は」
「本当にありがとうございました。これで、私も思い残すことはありません」
「こちらこそ、ありがとうございました。私たちはまた目の前で、起こるはずのなかったことが起きる、という奇跡を目の当たりにしました」
そう言うとすぐさま「あっ、また難しいことを言ってしまいました」と真樹は反省した。それに対し、ミミは一切、気にする様子はない。
「大丈夫です。難しくても気持ちは伝わります」
真樹はやはり照れくさそうに頭を掻いていた。
「オーナー、あのお話を」
進士に言われ、真樹はそれまで忘れていたことを思い出した。
「そうだった。ああ、ミミ様、申し訳ございません。実はですね、あなたにしていただいたことで一ノ瀬様と利恵様の運命が変わったことは分かりますよね。そこで、一つ不都合が出てしまいました」
「不都合?」
ミミは自分で、何か悪いことをしてしまったのかとも思った。だが、真樹は否定する。
「この不都合というのはですね、決して悪い意味のものではございません。そう、一ノ瀬様と利恵様が結婚したことで、新たな命がもうしばらくすると生まれてくる予定なのでございます」
「はあ、それは良いことですよね?」
ミミには真樹の言いたい事が今ひとつ伝わってこない。
「それで、一つご提案があります」
提案とは一体何なのだろうか。ミミはすでに死んでいるため、できることは限られていると自覚していた。だが、まだもう一つ、あったのだ。
「もう、ある程度察しが付いているかもしれません。あなたはもうすでに死んでいますよね。ただ、あなたは生まれ変わることができるのです。あなたは大切な存在を幸せな方向に導いた。だからこそ、その権利を得ることができたのです。そこでですね、お二人の子供として生まれ変わってもらってはいかがかと」
神様はやっぱりいた。ここに、確かに。神様、ありがとう。そんな、ミミの喜びの鳴き声が、いつまでも店内に響き渡っていた。
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