《SSTG》『セハザ《no1》-(3)-』

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第28記

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 「なんか気になるのか?」
――――ミリアが大きなドーナッツの箱を抱えて、軽装甲車『ラクレナイ』から降りたときに。
AI人工知能ってよ・・・なんっか変な話し方するよな?」
「ん?まあ、そうだな。」
先に降りていたケイジとガイが話しているのが、ミリアの耳に入ったけど。
「あのAIらは話しやすかったろ?」
「話してねぇし、―――――――」

それよりも異臭というか、機械のメンテナンスに使う油の匂いか薬品らしい匂いが混ざる広い空間へ。
軽装甲車から降りたミリアが、少し背筋を伸ばして、息を吸い込んだら鼻に急に来たそんな匂いに、ん・・っ、とちょっと息を止めたけど、そのままに、辺りをちょっと見回していた。

他の数台の軽装甲車がガイドのレールに沿ってまばらに停車している光景から、メカニック整備士が数人で点検作業をしていたりと、通常の業務をこなしている、ここの光景は普段とあまり変わらない様子だ。
『EAU』の戦力が動くこの場所で異変が無いという事は、例の事件が大きなニュースになった割には、『EAU』にはあまり影響がない、という事かもしれない。
まあ、時間も経っているし。
大きなニュースになってるとか、車の中でナビゲーターのコルネが言ってたから、ちょっとは普段とは違う雰囲気があるのかな、って思ったんだけれど。

スタッフの彼らが片手のノートに視線を落としたり、通信で会話していたり。
歩く横顔の向こうで車両の換装作業に合わせた、傍のクレーンが動く様子も見える。
『EAU』では取り扱いが比較的に楽な車両が主に使われていて、特に今も、見る限りこの広いフロアで整備されているのは軽装甲車しかない。
数えても10台は無いだろう軽装甲車たちがまばらに、専用に仕切られたスペースに整理されて停車しているので、ミリアでも、この広いメンテナンス・エリアの見晴らしは良い。
見渡す限りに大きな機械がいっぱいあっても、混雑する事は無いし。

少し遠くを見ていたミリアが振り返る、あの事件現場での軍部が用意していた中型装甲車は少し見上げるくらいに大きかったのを、ちょっと思い出してたけど。

その辺りで整備スタッフたちが足を止めて話をしている中で、ちょっと見かけられるシャツにズボンなラフな姿の人たち、生活感が感じられる私服の人たちも見受けられる、たぶん開発課の人たちとかだろう。
『EAU』所属の研究者でもある彼らは、ノートの資料を片手に誰かと会話をしながら、こんな時間まで働いているようだった。
というか『EAU』の施設内では常に人が動いていて、ミリアが『EAUここ』へ来て通うようになってからも、『EAU』の明かりが落ちていたりとか、『EAU』が眠っている時間は見た事がないけど。

とりあえず様子を見回したミリアは、特に異常が無いのを見て、ガイやケイジたちの方を振り返った。
「それしか設置してない場合はどうするんだ?そういう所あるだろ?」
「仕方ねぇときはやる。」
「できんのか。」
「別に話すのが嫌なわけじゃねぇぞ、」
まだ何かのを話しているみたいだけど。
「行こうか、」
ミリアが傍のみんなに声を掛けて歩き出せば、ガイやケイジ、リースも気が付いて一緒に歩き出した。

「途中で降りれば良かったな、」
「話し込んじゃったから、」
「なにが?」
「出口が遠い、」
「AIナビゲーターも気が利かねぇよな、」
って、ケイジは肩を竦めてたけど。
言われるまで気づかない人の言葉じゃないな、ってミリアはケイジの微妙に憎たらしい表情の横顔をジト・・っと見てたけど。
「おつかれさん、」
って、すれ違うツナギ姿のスタッフが声を掛けてきて。
「ドーナツか、いいねぇ。」
にっ、と屈託のない笑顔を見せてきた。
ミリアはちょっと、会釈《えしゃく》をするように頷いていたけれど。
隣のガイが笑顔で返していたみたいだった。
「U-25のAGW-0B、システムチェックは開始しているか?コルネ?お?2人か―――――」
ミリアが先を歩くまま肩越しに見た彼は、片手のノートを手に通信して自分たちが乗ってきた軽装甲車を目視からチェックし始めたようだった。

 「で結局、AIが苦手ってことか?」
傍を歩くガイがケイジへ聞いてたけど。
「ぁー・・・?」
ケイジは頭をひねって考えているようだ。
AI人工知能?」
ミリアが聞いてみれば。
「ああ。」
ガイが軽く肩を竦《すく》めたようだった。
「ふーん?」
ミリアは初めて聞いたけど気がするけど、ケイジにはちょっと変わった癖《くせ》でもあるのかもしれない。
「ぁー・・なんか話しかけ・・・、だってよ、人間じゃねぇじゃんか?」
眉を寄せて話すケイジは、AIが嫌だからなのか、頭を使ってるから難しい顔なのか、わからないけど。
「まあ、人間じゃあないな。」
ガイもそこは頷《うなず》いてる。
「でも、話し方なんかはまあ自然だったろ?あの子たちなんか、」
「あれな、俺の時だけ無視してきてなかったか?」
「してたか?」
って、ガイが目を丸くしたような、こっちを見てきたので、ミリアは肩を竦《すく》め返しといた。
正直、あんまり覚えてないので。
「聞こえてなかったんだろ、はは」
「ぁあ・・?」
ガイが笑ったのは、ちょっと釈然《しゃくぜん》としないケイジみたいだけど。
さっきから話しているのは、車中の対話型AIの彼女たちについてみたいで、人間とコミュニケーションを取るタイプのAIを苦手と言っているのかもしれない。
確かに、あんまりそう言う人がいるとは聞かないけど。
苦手意識というか、おっかなびっくりな所があるとか、そういう感じだろうか?

「リース、お前はまえ・・おい、リース、起きてんのか?」
って、ケイジに話を振られるリースは大人しかったので、ミリアも今気づいたけど。
「・・起きてる。」
リースはさっきまで車の中で仮眠を取ってたし、反応がちょっとゆっくりかもしれない。
「話聞いてたのか?」
「・・AI人工知能は人間じゃない、って話?」
「・・・まぁ、そういう・・・。そういうことか?」
「まあそうだが、ちょっと違うか?」
リースが聞き返したのを、ケイジとガイは顔を見合わせてたけど。
「リースに何を聞きたかったの?」
ミリアが聞いてたけど。
「ああ、お前なんか言ってたよな?前に、」
って、ケイジに言われて、リースはちょっと考えたみたいだけど。
「・・AIと人間は別のものだし、それはみんな知ってる。」
まあ、それでもリースは。
「でも、なぜかそういう話になりやすいのは人間がそういう存在を欲しがってるからだと思う。」
リースが、なんか、さすがって感じの流暢《りゅうちょう》だ。
「んぁ?」
変な声を出すケイジだけど。
「ほう、つまり?」
ガイが気になったみたいだ。
「・・『AI』は人間の理想の相手となるようにプログラムされる存在だから、特に対話はそれを前提《ぜんてい》に、話しやすいように合わせて自分で変化してくれる。
その場合の『AI』は管理する機械の操作面での機能が充実していると言えて、『コンソール』としては優秀な手法の1つになる。
半自動で自己変化する特徴が、人のサポート支援のために変化していくものだから、
『AI』は人間とは全然違うものだね。


ふむ。

えっと。
言いたいことはなんとなくわかる。

ミリアも、ちょっとリースに瞬《またた》いてるけど。
「ぉ、おう、そういう感じだ。」
そうモゴモゴするケイジは、前話したって言う内容もあんまり覚えていなさそうだ。
「なるほどな、」
ガイは何度か頷いて感心したみたいだ、声がちょっと軽かったけど。

リースはやっぱり、AIとか機械系にはこだわりがあるみたいだ。
リースがそっち系、機械や情報系を勉強していたらしいのは、前に資料を読んだので知っているけど。
実際に本人から話を聞いたり、そういう状況を見る機会が無かったので、ちょっと新鮮だ。

「でも、んなのどうでもいいわ、」
って、ケイジがきっぱし言ってたけど。

まあ、ケイジ達が話していた内容とリースが言っている事はだいぶ違うかもしれない、たぶん。

「けっきょく、信用しすぎんなってことだろ?」
って、ケイジがちょっと、リースにつっかかるように聞いてたけど。
「そういうことか?」
って、ガイに聞かれたので。
「さぁ?」
ミリアは肩を竦《すく》めといた。
「・・AIは曖昧《あいまい》な返答をする場合があるのが問題に上げられやすいみたいだね。」
リースがまた話し始めてたけど。

それが信頼性の問題になるんだろうけど、『ファクト・チェック事実確認』をしない昔の事例がそういうイメージに繋《つな》がったみたい。」
「ああ、聞いたことあるな。」
ガイが思いついたようだ。
「あぁん?」
「ウソつき呼ばわりされたとか・・、リース頼む。」
リースに丸投げしてたけど。
まあ珍しいテンションのリースだし、それはそれで話を聞いてみたい。

・・えっと、あれかな。
ファクト・チェック事実確認』をしないのは、あり得ない事なんだろうけど、基本的には。
僕たちは、信頼できる人間と話しているときは、100%までその人の言う事は信じない。
信じても80%程度じゃないかな、後は自分で調べる。
でも、AIと関わる時は先入観を持って100%に信頼するときがある。
原因はAIを間違えない優秀な存在だと思い込む事で、『ファクト・チェック事実確認』を怠《おこた》る場面が人間側に多くなるらしい。
AIに必要な時の曖昧な言い方をあまりさせていなかったみたいだしね。
新しい技術は詳しくない人も関わるから、間違った情報でも共有されやすいし。
精神面で言うと依存の話にも関わるかもしれないけど、昔はそれらが原因でよく混乱を起こしてたみたい。

「さすが詳しいな。」
って、ガイも。
「それだな、俺も不思議に思ったことある。コンピュータ―に人間が支配されるSF映画とかで、」
感心してるようなガイもちょっと唸《うな》ってるみたいだ。
「今までまともな人間だったのに、急におかしな事を言い始める『AI』の言う事を信じるかって、何でもかんでもあるか?ってさ」
「まあ、そう言われるとそうかも、」
隣のミリアもこくこく頷いてみたけど。
「まあ、映画だし。」
「寝ぼけてるか?」
って、ケイジがリースの顔を覗《のぞ》き込んでる。
「起きてるよ?」
きょとんとしているようなリースがそんなケイジに、青い瞳で瞬《またた》いてた。
ケイジは、からかってるだけみたいだけど。

「リースって、AIとかが好きなの?」
ミリアが聞いてみたら。
「・・いや。考えた事ない」
って、リースはちょっとは、考えたみたいにそう言ってた。
「ほーん・・、」
ミリアも、頷《うなず》くような、感心の声のような、になってたけど。

「けっきょく、胡散臭《うさんくさ》いから完全に信じるなって事だろ?」
ケイジは、リースへまだ言い合いたいみたいで。
「――――――エラー対策として、学習回数を増やすとか、ビッグデータ未整理のあらゆる情報を利用するっていうAIの精度を高める方法もあるけど、実用的なデータ運用は定義化されてきているって。他に方法はいくつかあるけど、基本的な部分で使用される『AIを使用するエラーチェック方法』も開発されてる―――――――。
人工知能を利用した多重会話法MAIC・メソッド:MULTIPLEX AI CONVERSATION METHOD』はよく使われてる。原理は任意の複数のAIを用いて同じ命令を同時に与えて、それらの返答を多重に評価チェックしていく方法なんだけど、これで『AI』の返答の各ばらつきを減らせる。
これを内部で利用して自動化してるシステムもけっこうあるって聞く。ナビゲートような処理より複雑なものには曖昧さを表示する・・・――――――」
「あー待てまて、」
って、ガイが。
「ドーナッツを食おうぜ。」
「へっ、」
って、ケイジがちょっと噴《ふ》き出して笑ったみたいだ。
ガイはわざとリースの言葉を止めたみたいで。
きょとんとしているリースは、いろいろ考えてはいるみたいだし、実はけっこう物知りみたいだけど、そんなガイの言葉に瞬いてた。
「起き抜けに小むずかしい話ができるんだからな。」
って、ガイがリースへ指差すようなジェスチャーを、スチャっと示して、言葉の先を言わなくても、指先でリースを称《たた》えたみたいだ。

「逆に寝ぼけてんだろ、」
って、ケイジはニヤっとまだ言ってるし。
「・・起きてるけど?」
不思議そうなリースは小首を傾《かし》げてた。
リースは本当に寝ぼけるとお喋りになるんだろうか、って宙を見上げてちょっと思ってみたミリアだけども。
大きなドーナッツの箱を抱えたミリアが、中でちょっと揺れ動くドーナッツの感触を感じて、やっぱりその箱に視線を落としていた。
まあ、ケイジのただの冗談だと思うけど。


「よう、お前らもあの現場に行ってたのか?」
って、歩いてて声を掛けられたのは、ちょっとドキッとしたけれど。
ちょうど傍を通りかかった柵の傍で屯していた、彼らの内の1人がこっちを見てた。
「はい、」
ガイが返事していて、その横でミリアはちょっと覗くように彼らを見てみてた。
あんまり知らない顔だけど、見た目の感じからたぶん、私たちと同じで外から戻ってきた人たちだろうけど。

こっちを呼んだ彼は、顎髭《あごひげ》がしっかりしてる中年の男の人で、その背後では1台の軽装甲車の内装コンテナが換装中のようだ。
周りを見ても、声を掛けられたのは自分たちしかいないみたいだし。
と、同じく気づいていたような隣のガイへ、ミリアもちょっと顔を見合わせたけど。
ガイも頷《うなず》いたようなだから、とりあえず、ミリアも小さく頷き返して、ガイもそっちへちょっと近づいて行った。

そこで向こうの作業を眺めていたような4、5人の彼らは『EAU』のロゴ入りのジャケット姿の人もいるし、メカニック整備士のような、作業用のツナギ姿の人もいて。
このガレージではよく見るような人達だけど、スタッフからの呼び止めだとか、別にそういう感じじゃ無さそうだけど。

「お疲れ、」
「お疲れ様です、」
ミリアも頷《うなず》くように返して、周りをちょっと見回したけど。
「お前らだろ?なんか、引っ掻《か》き回してたの」
って。
なにかを引っ掻き回した覚えは無いけれど。
そう言われると・・ケイジたちがなんかやってたので、思い当たる節は実ははけっこうあるかもしれない、って思い直したミリアだ。
「別に何にもしてないですよ?」
ガイが軽く肩を竦《すく》めて、惚《とぼ》けてるようにも見えるけど。
「本部の奴らが舌打ちしてたって聞いたぜ、」
って、こっちを見てた彼らはニヤっと笑ってる。
まあ、彼らには悪気は無さそうだけど。

というか、気になるのは、そういう話が既に出回っているようだ、ってことで。
EAUうちって機密管理が厳《きび》しいようで、噂話が自由に飛んでるというか。

「ドーナッツか?」
って、ミリアが抱えていたドーナッツの箱に気が付かれたようだ。
「お、いいな。」
「くれよ、」
「いやですよ、」
ガイが苦笑いに断ってたけど。
ミリアもちょっと、心持ち、取られないように身体の向きを変えて守ってたけど。
抱えている大きな箱を持ち直したら、隙間から零《こぼ》れて溢《あふ》れたような甘いドーナッツの香りを感じたかもしれない。
「いいじゃねぇかよ、」
「嫌《イヤ》ですよ、」
ミリアもそう、もう歩き出すのも。
「そういやお前ら、B5だったのか?7か?」
って、急にこっちに聞かれた。
「はい?」
ガイも不思議そうだった。
「現場のシート配置だよ、」
「なにか気になる事が?」
「いや、ただ知りたいだけだ、こいつ、」
って、彼の隣の人に言われてた。
「はぁ、」
えっと。
聞いたところでって所だけど。
警備の、現場で用いられるのは独自の情報処理システム、『3IOSスリーアイオー・システム』はインスタント使い捨て・コードを採用《さいよう》しているから。
だから、今そのコードを聞いたとしても、作戦が終わった後ではほぼ意味の無い数字なわけで。

「おい、」

って、聞いてきた彼が向こうへ呼びかけたので、ミリア達も肩越しに振り向けば、いつの間にか、先を歩き出してたケイジやリース達を見つけた。
というか、ケイジ達が先に行ってた。
まあ、話を聞くのがめんどくさい、という気持ちがケイジ達の後ろ姿から前面に表れているのがよくわかる。
「なんだあいつら、ちょっとくらい話せよ、」
まあ、そんな事を言う彼はちょっと気分を損《そこ》ねたみたいで、他の人たちはちょっと笑ってる人もいたけど。
「それじゃ、俺たちも」
って、ガイも。
「お疲れ様です、」
足を止めてたミリアも、一応軽く頷《うなず》くように会釈《えしゃく》して。
「おい、何番だって?」
「忘れましたよ、」
とりあえず適当に答えたガイみたいだ。
「おいお前ら、あんまりはしゃいでると怖いおっちゃんらに目を付けられるからな、」
「あんまり邪魔してやんなよ、」
他の人に注意されてる、彼らの軽口《かるくち》というか、冗談っぽい雰囲気《ふんいき》だと思う。

そんな彼らを一瞥《いちべつ》したミリアも前を向けば。
まあ、ケイジもぶっきらぼうにだけど、こっちをちょっと振り返って一瞥《いちべつ》したから。
目が合ったミリアはくいっと顎《あご》で先へ、『先へ行こう』、って伝えといた。
だからか、前を向いたケイジは足の向きを変える事なく、前へぶらぶらと歩いている。

私たちが、このまま進んでフロアを抜ければエレベーター乗り場まで行けるので、そこからオフィスへ戻れる。

―――――唇の端を小さく舌でちょっと舐めたら、粉砂糖の甘さがして。
残って付いてた、さっきの甘くて美味しいドーナッツの残り香《が》の正体かと思ったけど。
―――――――ドーナッツの箱を抱《かか》え直したミリアが顔を上げれば、この広いメンテナンスフロアを見渡せる。
遠目にあるいくつかの車両が整備されていたり、金属の擦《こす》れる音を出す作業に、スタッフの彼らがリストのチェックをしていたり。

ケイジやリースはそんな周りに目もくれずに、先を歩いて行ってて、それを追うミリアとガイも隣並んで歩いている。

その背中で後にする、広いその機械のエリアを。
ふと歩いていたミリアが、ちょっと肩越しに振り返って――――――

――――――――さっき声を掛けてきた彼らが、まだ何かの話をしながらに、ようやく、ふらっと歩き出していたようだった。

それからその遠く、さっき降りた自分たちの軽装甲車の傍には、スタッフが数人増えていて、チェック作業を進めているようだった。

広く高く、天井まで装置で覆《おお》われているような。
見下ろされて広がる、メンテナンス・フロアは『EAU』の活動の根幹《こんかん》を支える場所で。
行き交う彼らは、常に様々な形で関わって作業をし、言葉を交わしていた。
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