幻想機動輝星

sabuo

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第1章 再起動 『ZERO』HAS COME TO

第36話 覚醒

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―― 夢とは、人の希望でもあり、愚かさでもある ――

極東の詩人 ギャラナトス・パッシファー





『はい!! では今日のリクエスト5曲目は…ラジオネーム『総司令』さんのリクエスト』

『デビット・ボウイの『世界を売った男』…西暦1982年にミッジ・ユーロがカヴァーしたバージョンでどうぞ!!』





まず見えたのは白い天井だ。
暖かい物に包まれていた。
「…?」
音楽が聞こえる。
右から聞こえている。
……どこぞやのステルスゲームで聞いた曲だ。
『世界を売った男』か?
「……」
だめだ、思考がまとまらない。
体もまったく動かない。
俺はどうしたんだ? 
どうなったんだ? 
「…ゥ」
頭を動かす。
下を、自分の足先の方を見る。
視界がぼやけてあんまり細部までは分からない。見た感じ、病室のようだ。
どこだろうかこの病院は。少なくとも日本では無いだろう。中国のどこか、あるいは。
「……」
駄目だ、やっぱり考えられない。
自分はどうなってしまったんだろうか…
「……」
俺はいままで何をしていた?
さっき、意識が途切れる前、何をやっていた?
「……」
何がどうなっているんだ?
さっぱりわからない。
『俺』は『俺』なのか?
「……?」
そう思っていたとき、ふと、だれかがやってくるのが見えた。
どんな人かは分からないぼやけて見えない。それはこっちに向かってきた。
誰だろうか?
「……」
その人(?)はどうも点滴か何かの交換をしているらしく、俺の目が覚めていることに気づいていないようだった。
「…ァ」
声を出して、俺が目覚めていることを、示す。
それにはさすがに気づいたらしく、手を止めて、こちらの顔を覗き込んでいた。
「…もし? もし?」
女性だった。金髪の女性。看護師なのだろう。
とにかく俺はそこで「…ァ」と小さな声で応答した。
「先生!! 先生!!」
俺が目覚めていると確認するや否や、その看護師はどこかへかけて行った。
「……」
歌はまだ流れている。
そうだ、俺はこの曲が好きだ。
「……」
なんだ? 俺は何をやっていたんだ?
あの時俺は何を得て、何を喪い。
何を売ったんだ?
「……ああ」
そうだ、
俺は、夢という世界を売ったんだ。






「『ZERO』が目覚めた」
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