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第2章 騎士の夢 BLADE RUNNER
第52話 HAKの歴史
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「と、言う訳でこのレバリスクに来たわけですが…今さらながらこのレバリスク市が属するHAK(聖アラストリア王国)について授業しようと思いまーす」
と、ルース・マイン先生はにこやかな笑顔で言った。それに対してアヴェントがしっかりと手を挙げて疑問を呈する。
「先生、質問いいですか?」
「はい、なんでしょう」
「本ッ当に今さらですね」
「ええ、本当に今さらながら…色々あって授業できませんでしたから」
先生が言うには、どうも夏休み前の一学期、SMFからの指示で2年E組だけ午前授業のみにされ、あまり授業が出来なかったという。それにこの作戦で夏休みはもちろん二学期、三学期全部潰れることが既に確定しており、こうやって暇な時に授業するしかないのだという。
しかし、だ。
「先生、質問いいですか?」
「はい朽木君」
「…なんで後部航空甲板の上で授業するんですか?」
後部航空甲板のカタパルトの近くに、イスと机、黒板が用意されていた。
そこで俺たちはまるで何かの罰のように座らされていた…ちなみに、めっちゃくちゃ風が強い。
そして先生を除いてみんな暗い顔をしていた。なぜそんな所で授業するのか?
「気持ちいいから」
性的にでしょうか心地的にでしょうか?
と、そんな訳で。HAKの歴史について書くわけだが。ここでこの亜界の中世から近代までの歴史をアルマニア帝国の事を主軸にに書いておこうと思う。
この亜界の歴史語るにおいて、アルマニア帝国について語らない訳にはいかない。それだけアルマニア帝国は強大だった。
大陸戦国時代末期に、一人の女吸血鬼に率いられた勢力が急速に力を伸ばしていた。
その女吸血鬼の名はメアリメア・アナイゴルモ・アウロラ・ブラッドナイト。
曰く、伝説の吸血鬼とも、最強の魔族とも、虐殺女王(ジェノサイド・クイーン)とも、狂殺女とも、
その通り名が示すように、とにかく強く、残虐で、何かを殺すのが好きあったらしい。
らしい、というのはその頃の記録があんまり残っていないからだ。ただ強かったのは確かだそうだ。
彼女と、彼女に率いられた軍隊は突然現れて、瞬く間に地方を平定し、この大陸、人間界でいうユーラシア大陸のほぼ全てを征服し、帝国を築いた。
それがアルマニア帝国だ。
彼女は自らを『魔帝』と称し、帝国が滅ぶまで政治をやった。
魔帝はまず、新しい言語を作った。
その頃の大陸にはまだ統一された言語がなかった。それ故色々と不便があったがそれを彼女は改善した。その統一言語がアルマニア語である。
人間界の英語を元にした言語で、以後そのまま、帝国崩壊後も使われてきた。
次に、魔帝は統一した貨幣を定めた。これがゴルド(G)である。これもそのまま使われてきた。
魔帝はそれ以外にも様々な政策を打ち出し、アルマニア帝国は発展していった。
軍備強化、様々な民族、種族が共生することを許可、教育、衛生管理の徹底、絵画や音楽などの文化を保護、信仰の自由。科学・魔法技術の開発に積極的な投資。農業改革、などなど。
国民を第一に考えた政策を取り、その成果と恩恵を国民に与えていく魔帝の人気は高く。帝国が何百回も戦争しながら、約800年続いたのもそれが理由とも言われている。
魔帝の力は絶大だった。
しかし、帝国が最盛期を迎えていた時、突如、帝国の首都、帝都バナレスでクーデターが発生し、魔帝が失踪したのを境に急速に帝国は力を弱め、やがて内戦が発生し、帝国は分裂した。
それが極東にある四つの国である。
その内の一つが、聖アラストリア王国、HOLY ARASUTORIA KINGDOM。略してHAKである。
成立は聖史暦(大陸暦)2790年。
分裂した四ヵ国のうち、ウィザドニアに続いて二番目に独立した国である。
独立後は西方の聖教会教導連合との結びつきを強めてき、発展していったが、そこで第三次神魔大戦が起きた。
神族が統治する国によって形成された聖教会教導連合と、魔族が統治する国によって統治された首長会議連合との戦争。
その主戦場は、極東とよばれる地域であった。
始め、聖教会教導連合が戦いを有利に進めたが、首長会議連合の先鋒であるウィザドニア王国が人間界の兵器を大量に導入し戦線に投入して逆転し始め、それを聖教会教導連合が人海戦術で対応し、戦争は膠着状態に陥った。
そして戦争四年目、突如として第三勢力が登場して世界各国に侵攻、攻撃したため両勢力は甚大な被害を受け、戦争の継続が困難になり、第三次神魔大戦は勝者のいない決着を迎えた。
その第三勢力こそが、フリークスである。
当時、聖教会教導連合側だったHAKは四ヵ国の中でもかなり大きな被害を受け、その復旧は長い時間がかかった。
度重なるフリークスの侵攻もあり、またそもそも人が逃げたのも原因の一つと学者は言っているが、大抵学者はその後で、『まあ、最大の原因が南極大陸が爆発消滅してしまったのが原因で霊脈乱れたからだろう』と言う。
しかし、三十年も経てばそれなりに復興する。
今では極東連合加盟国として、独自の対フリークス戦を展開できるまでに復興し、今にいたる。
政治体制は絶対君主制、サラミナス王家によって統治されている。
国旗は黄色の上に黒色の紋章が刻まれ、サラミナス・ヘレグゴンと呼ばれている。
人口は推定175万人。人間界におけるモンゴル当たりにHAKは存在している。
「技術レベルはウィザドニアに並びかなり高い水準にあたります。が、その一方で古くからの伝統、制度を重んじるところもあります」
そこでルース先生は黒板に『聖騎士』と書いた。
「その最もたるものが聖騎士です。イングリッシュではホーリー・ナイトですが。HAKの人は大抵、フレンチ(フランス語)のサン・シュバリエと言い方をしています。聖騎士の伝統が始まったのはアルマニア帝国による統一以前、まだHAKがサラミナス・ヘンタグス(旧サラミナス語で『サラミナス家の国』の意味)と呼ばれていた時からだとされています…ですから、もう千年以上前からあると言うわけです」
聖騎士はHAKの三つの特権階級(王家、貴族、聖騎士)に当たる。
その主なる任務は国民を『率先して』守ることである。具体例を挙げるなら、対フリークス戦だ。
攻撃作戦の際、最初の攻撃は聖騎士の操るWGによる奇襲攻撃だ。
有事の際の即応部隊といった所だろうか、まあエリートという認識で構わない。
そのため彼ら、彼女らには任務を円滑にこなすため、数々の特権が認められている。
「もっとも、約千年も続くと腐敗が起きない訳が無く、フリークス戦争の前には既に形骸化していました。ただ、フリークス戦争が始まると、その地位は重要になってきました」
先生は黒板に、象徴と書いた。
「伝承によると、聖騎士は魔物から弱き民を助け、国を守るため立ち上がったとされています。つまり、魔物=フリークスと言うわけですね。それ故、今では護国の象徴として、HAK全体の士気を維持するための重要な地位と言うわけです」
護国の象徴。
英雄。
フリークス戦争の終結は、まだ見えていない。
フリークスが何なのか、目的すら分からない。行く先の見えない戦争。
このいつ終わるか分からない戦争を耐え抜くためには、聖騎士という英雄が必要なのだろう。
ルース先生の授業を聞きながらそんなませた事を考えた俺は、ふとルース先生がたったさっき言った事を思い出した。
「伝承?」
と、ルース・マイン先生はにこやかな笑顔で言った。それに対してアヴェントがしっかりと手を挙げて疑問を呈する。
「先生、質問いいですか?」
「はい、なんでしょう」
「本ッ当に今さらですね」
「ええ、本当に今さらながら…色々あって授業できませんでしたから」
先生が言うには、どうも夏休み前の一学期、SMFからの指示で2年E組だけ午前授業のみにされ、あまり授業が出来なかったという。それにこの作戦で夏休みはもちろん二学期、三学期全部潰れることが既に確定しており、こうやって暇な時に授業するしかないのだという。
しかし、だ。
「先生、質問いいですか?」
「はい朽木君」
「…なんで後部航空甲板の上で授業するんですか?」
後部航空甲板のカタパルトの近くに、イスと机、黒板が用意されていた。
そこで俺たちはまるで何かの罰のように座らされていた…ちなみに、めっちゃくちゃ風が強い。
そして先生を除いてみんな暗い顔をしていた。なぜそんな所で授業するのか?
「気持ちいいから」
性的にでしょうか心地的にでしょうか?
と、そんな訳で。HAKの歴史について書くわけだが。ここでこの亜界の中世から近代までの歴史をアルマニア帝国の事を主軸にに書いておこうと思う。
この亜界の歴史語るにおいて、アルマニア帝国について語らない訳にはいかない。それだけアルマニア帝国は強大だった。
大陸戦国時代末期に、一人の女吸血鬼に率いられた勢力が急速に力を伸ばしていた。
その女吸血鬼の名はメアリメア・アナイゴルモ・アウロラ・ブラッドナイト。
曰く、伝説の吸血鬼とも、最強の魔族とも、虐殺女王(ジェノサイド・クイーン)とも、狂殺女とも、
その通り名が示すように、とにかく強く、残虐で、何かを殺すのが好きあったらしい。
らしい、というのはその頃の記録があんまり残っていないからだ。ただ強かったのは確かだそうだ。
彼女と、彼女に率いられた軍隊は突然現れて、瞬く間に地方を平定し、この大陸、人間界でいうユーラシア大陸のほぼ全てを征服し、帝国を築いた。
それがアルマニア帝国だ。
彼女は自らを『魔帝』と称し、帝国が滅ぶまで政治をやった。
魔帝はまず、新しい言語を作った。
その頃の大陸にはまだ統一された言語がなかった。それ故色々と不便があったがそれを彼女は改善した。その統一言語がアルマニア語である。
人間界の英語を元にした言語で、以後そのまま、帝国崩壊後も使われてきた。
次に、魔帝は統一した貨幣を定めた。これがゴルド(G)である。これもそのまま使われてきた。
魔帝はそれ以外にも様々な政策を打ち出し、アルマニア帝国は発展していった。
軍備強化、様々な民族、種族が共生することを許可、教育、衛生管理の徹底、絵画や音楽などの文化を保護、信仰の自由。科学・魔法技術の開発に積極的な投資。農業改革、などなど。
国民を第一に考えた政策を取り、その成果と恩恵を国民に与えていく魔帝の人気は高く。帝国が何百回も戦争しながら、約800年続いたのもそれが理由とも言われている。
魔帝の力は絶大だった。
しかし、帝国が最盛期を迎えていた時、突如、帝国の首都、帝都バナレスでクーデターが発生し、魔帝が失踪したのを境に急速に帝国は力を弱め、やがて内戦が発生し、帝国は分裂した。
それが極東にある四つの国である。
その内の一つが、聖アラストリア王国、HOLY ARASUTORIA KINGDOM。略してHAKである。
成立は聖史暦(大陸暦)2790年。
分裂した四ヵ国のうち、ウィザドニアに続いて二番目に独立した国である。
独立後は西方の聖教会教導連合との結びつきを強めてき、発展していったが、そこで第三次神魔大戦が起きた。
神族が統治する国によって形成された聖教会教導連合と、魔族が統治する国によって統治された首長会議連合との戦争。
その主戦場は、極東とよばれる地域であった。
始め、聖教会教導連合が戦いを有利に進めたが、首長会議連合の先鋒であるウィザドニア王国が人間界の兵器を大量に導入し戦線に投入して逆転し始め、それを聖教会教導連合が人海戦術で対応し、戦争は膠着状態に陥った。
そして戦争四年目、突如として第三勢力が登場して世界各国に侵攻、攻撃したため両勢力は甚大な被害を受け、戦争の継続が困難になり、第三次神魔大戦は勝者のいない決着を迎えた。
その第三勢力こそが、フリークスである。
当時、聖教会教導連合側だったHAKは四ヵ国の中でもかなり大きな被害を受け、その復旧は長い時間がかかった。
度重なるフリークスの侵攻もあり、またそもそも人が逃げたのも原因の一つと学者は言っているが、大抵学者はその後で、『まあ、最大の原因が南極大陸が爆発消滅してしまったのが原因で霊脈乱れたからだろう』と言う。
しかし、三十年も経てばそれなりに復興する。
今では極東連合加盟国として、独自の対フリークス戦を展開できるまでに復興し、今にいたる。
政治体制は絶対君主制、サラミナス王家によって統治されている。
国旗は黄色の上に黒色の紋章が刻まれ、サラミナス・ヘレグゴンと呼ばれている。
人口は推定175万人。人間界におけるモンゴル当たりにHAKは存在している。
「技術レベルはウィザドニアに並びかなり高い水準にあたります。が、その一方で古くからの伝統、制度を重んじるところもあります」
そこでルース先生は黒板に『聖騎士』と書いた。
「その最もたるものが聖騎士です。イングリッシュではホーリー・ナイトですが。HAKの人は大抵、フレンチ(フランス語)のサン・シュバリエと言い方をしています。聖騎士の伝統が始まったのはアルマニア帝国による統一以前、まだHAKがサラミナス・ヘンタグス(旧サラミナス語で『サラミナス家の国』の意味)と呼ばれていた時からだとされています…ですから、もう千年以上前からあると言うわけです」
聖騎士はHAKの三つの特権階級(王家、貴族、聖騎士)に当たる。
その主なる任務は国民を『率先して』守ることである。具体例を挙げるなら、対フリークス戦だ。
攻撃作戦の際、最初の攻撃は聖騎士の操るWGによる奇襲攻撃だ。
有事の際の即応部隊といった所だろうか、まあエリートという認識で構わない。
そのため彼ら、彼女らには任務を円滑にこなすため、数々の特権が認められている。
「もっとも、約千年も続くと腐敗が起きない訳が無く、フリークス戦争の前には既に形骸化していました。ただ、フリークス戦争が始まると、その地位は重要になってきました」
先生は黒板に、象徴と書いた。
「伝承によると、聖騎士は魔物から弱き民を助け、国を守るため立ち上がったとされています。つまり、魔物=フリークスと言うわけですね。それ故、今では護国の象徴として、HAK全体の士気を維持するための重要な地位と言うわけです」
護国の象徴。
英雄。
フリークス戦争の終結は、まだ見えていない。
フリークスが何なのか、目的すら分からない。行く先の見えない戦争。
このいつ終わるか分からない戦争を耐え抜くためには、聖騎士という英雄が必要なのだろう。
ルース先生の授業を聞きながらそんなませた事を考えた俺は、ふとルース先生がたったさっき言った事を思い出した。
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