幻想機動輝星

sabuo

文字の大きさ
9 / 75
序章 ある研究員の記録『ZERO』IS SLEEPING

第6話 アレサ

しおりを挟む
「・・・つまりこの『大草原』会議で極東連合の発足と、加盟国であるウィザドニア、アラストリア、バビロス、ギガルの領土が定められたわけです。領土の分割による領民の移動は予測に反してスムーズに行われ・・・」
翌日、聖暦3017年 4月11日
浜大津教導院 2年E組
俺はルース先生による世界史を学んでいた。
ん? 全裸で倒れていた白髪の女の子はどうしたって?
ははは、そのような報告はされてないよ・・・それより君、シベリアで木を数えるバイトをやってみないかい?
[光男君、それはバイトではなくて・・・]
[言わないほうが身のためだぞ・・・というか授業中にチャットするのやめてくれるか、今世界史やっているし]
と、情報端末でツイートする。
この情報端末、通信やメールの他にも、インターネットらしきものやらチャット機能など、様々な機能が搭載されているらしい。
その機能を色々試していたわけだが。
[でもさすがに今はやめてくれ、今後のことを考えるにこの世界の歴史が重要になってくるだろうから]
[・・・本音は?]
[I love history very much ]
[言うと思ったよ・・・そうじゃなきゃ歴史のテスト毎回百点なんて無理だしね]
[まあな・・・そんなわけで授業中はやめてくれ]
[分かったけど、ほんとにあの女の子どうするの?]
あの後、とにかくあそこに置いといたらいろいろまずいので、705号研究室(茜の研究室)から俺たちの部屋に移したのだ。
途中、何度かその女の子は何かと聞かれたが、妖精ですと答えたら納得してくれた。曰く、
「山城基地で出現するのは珍しいが、世界的に見ればよくあること」だそうだ。
よくあることなのかよ。
まあ、結局目覚めなかったが、何も害はないと判断し、そのまま教導院に来たわけだ。
それを今ここで考えてもだぶん結論はでないだろうから、後に回す。
[帰ってから検討する。じゃあの]
そう書いて俺は端末の電源を切った。
その直後、俺に質問が飛んできた。
「では光男君、極東連合の各国の有名な教育機関を答えてください・・・ああ、うちについての説明はいいですよ」
「わかりました」
まったくもって問題ない。
予習は済ませてある。



「まずアラストリア王立学院、聖術や戦闘術に主眼を置いています。特に騎馬戦が強いことで有名です。女子生徒によって組織された通称『白百合騎士団』は極東連合でも一目置かれる存在です」
「その理由、言える?」
「はい。『白百合騎士団』は一定数のWGを持ち、その技術、戦術は極東連合のほとんどの国軍の手本になっているからです」
「はいその通り。じゃあどんどんその調子で他の有名な教育機関を言ってください」
「はい。次はバビロス帝国学校。戦闘術。それも過激な奴や錬金術、航海技術を教えていること有名です」
「バビロス帝国学校には教導を理由に、生徒によって構成された艦隊がありましたね」
「『砕氷艦隊』です。多数の海上艦や航空戦艦によって構成された艦隊で、その強さは同国軍の主力艦隊である『北海艦隊』と同等とも言われています」
「いいですね。じゃあ次はギガルの有名な教育機関について」
「ギガル皇立塾です。精霊術や鉄鋼技術を重点的に教えています。小規模な生徒と兵器で構成された特殊部隊『森林部隊』があることで有名です」
「なぜ、ギガル皇立塾では鉄鋼技術を教えているのですか」
「ギガルには豊かな鉱床と、古くから神話と共に伝えられてきた鉄鋼技術が存在し、その技術は他国のそれを遥かに凌駕しているからです」
「よくできています。じゃあ最後にウィザドニアについて」
「ウィザドニア王立学園です。魔法技術(マギカテクニカ)と独自のWG運用論によるWG戦闘術を教えていると言われています」
「『言われている』という事は本当の事か分からないってことだよね・・・そこらへんの理由、知っている?」
「そもそも学園の施設自体が高いステルス性を持っていて、公にはあまり情報を発信せず、結果として情報が不足している・・・でしょうか?」
「よくできました。というか完璧ですね・・・もしかして先生いらない子!?」
「いえ、そんな事はありませんよ。ただ歴史が好きなだけで」
「そうなんだ・・・じゃあついでに質問。なぜ各国の教育機関が戦力を持っているか、光男君の考えをどうぞ」
「極東連合発足以前の体制が原因だと思います。極東連合の各国は元々二つに分かれて戦っていましたから。その時の因縁が今に至り、教育機関が戦力を持つようになったと考えます。『学生が自主的に戦力を持った』と言えば問題になりませんし、実際のところも同じような状態になっていると思います」
「・・・先生、本当にいらないかも」
まあいいでしょう、とルース先生は授業を再開した。
(しかし学園同士で戦ってるって・・・よくある話だな)
(それについては同感です。定番といっても過言では無いかと)
(そうだよな・・・?)
(どうかされましたか?)
(いや、ちょっと確認させてくれ)
(どうぞ)
(これは俺の心の声だよな)
(はい。いわゆるモノローグと言う奴です)
(俺の妄想に近いものだよな)
(はい)
(・・・お前誰)
(申し遅れました。私はあなたのサポートをさせていただく、キャ・・・名無しといいます。以後お見知りおきを)
(お前キャロル・ドーリーって言いそうになったろ)
(何故分かったのですか)
(一部の人しか分からないだろうけど、俺はミグラントだったからな・・・いや、ほんとに誰だお前)
(自分でも分かりません・・・ただ)
(ただ?)
(どうも私は某オービタルフレームの独立型戦闘支援ユニット的な存在だと思います)
(ADAさんですね分かります)
(しかしあなたとは一度会っているはずですが)
(どこで?)
(どこかの倉庫のような研究室らしき所で一度会いましたが)
(あの全裸女子おまえかあああああああ)
(そういうことになります。はい)
(・・・まあいい。とりあえずお前今どこにいるんだ?)
(分かりません)
(分からない? お前今自分の体からテレパシー的な何かを飛ばしているんじゃあないのか?)
(そういうのではなく・・・こう言えば理解できると思います)
(なんだ)
(幽体離脱)
(把握した。とりあえずお前については帰ってから検討するから今はちょっと黙っていてくれ・・・頭が痛い。)
どうして次から次へと面倒な事が起こるんだ?



「ねえ、前座っていい?」
そう言ったのは太った緑色のオーク、同じクラスの奴だ。
名前は、
「同じクラスの確か・・・オール・オートンだっけ?」
「うん。憶えてくれてありがとう」
「まあな、いいよそこ座って」
浜大津教導院 食堂
多くの学生が昼食をとっている。
いろんな奴がいることに驚いた。
どうもここは俺が思っている以上に様々な種族が在籍しているようだ。
オールが話しかけてきた。
「君は僕のこと、なんとも思わないの?」
「なんともって?」
「いや、君は僕のこと避けたりしないから」
「どうしてそんな事をする必要があるんだ?」
「いや、僕はオークだからさ、ほら色々・・・」
ああなるほど、そういうことか。
「別に俺は見た目で人を判断しないよ。それよりそのスープ冷めるぞ」
「ああごめん」
そういってオークはスープを飲みだした。
俺もカツカレーを食いながら、一息ついたところであることを思い出し質問する。
「お前、たしかWG整備科だっけ?」
「うん。そうだけど」
「具体的には何やってんの?」
「WGの構造と整備の仕方、まあWGの全てを学ぶといって良いよ」
「へえ・・・」
整備の仕方のみならず構造まで学ぶとは。
「じゃあお前、WGの動力源について説明できるか?」
「ウィザード・ジェネレーターのこと? 別にいいけど、でもどうしてそんなこと?」
「魔力に関して私的な研究してきたんだよ、魔力を無限に生成できるウィザード・ジェネレーターっは興味があって」
「・・・光男君ってウィザドニア出身?」
「どうして俺がウィザドニア出身だと?」
「だってウィザドニアは魔法技術開発に積極的だからさ、てっきり光男君もそうかと」
「いや違うな。俺は日本出身だ」
「日本?」
「あ」
まずい
よく考えてみればこの世界にとって日本は異世界の国だ。
ドジった。
日本についてどう説明したものか。
侍という戦士の国と説明すればよいだろうか?
「たしか、サムライと言われる独特の髪形をした剣士や、ニンジャと呼ばれるアサシン、ジエータイという世界でも珍しい特殊生物『カイジュウ』に対抗する軍隊、オタクと言われる文化人がいて、リキシという太った格闘家がいるというあの日本?」
「・・・・・・」
訂正したほうがいいのか、そのままでいいのだろうか、判断できない。
面倒臭いので放っておこう。
「うん。その日本のとある有名な魔術師の家の出身だ。もっとも絶縁状態だが」
「その魔力回路はそういう・・・理由は聞かないよ。僕を含めてここにはいろいろ問題を抱えた人が来るからね」
そう言ってオールは説明を始めた。
「何、別に難しい話じゃないよ、魔力石の崩壊を知っている?」
「何度かこの目で見たことがあるが・・・まさかあれを使っているのか!?」
「うん。魔力石を崩壊ぎりぎりまで活性化させてそれを維持し、封印しているんだよ」
「でもそれ、制御棒に使う魔法石の純度がかなり高くなければ維持できないはずだが」
「その通り。自然に存在する魔力石。天然の魔力石の活性化状態を維持するためには、純度がとても高い魔力石でないと崩壊を引き起こす」
そう言ってオークを一泊入れこう言った。
「それが自然に存在しない魔力石だったら?」
「・・・人工魔力石か!?」
「そう。天然の魔力石を砕いて再構成させた人工魔力石は、純度が天然の魔力石に比べてかなり低いから問題ない」
「安定性も高いし作りやすいか・・・」」
後はそれより純度が高い人工魔力石を作って制御すればいい。
この世界の技術力なら容易だろう。
間違いない。
この世界の魔法技術は俺が前居た世界より一世紀以上進んでいる。
人工魔力石など机上の空論でしかなかった。
しかしこの世界ではそれを
作り、
使い、
夢の無限機関を作り上げた。
「・・・笑える話だ」
「何が?」
「いや別に、死んだと思ったら異世界に飛ばされて、色々なことを体験して、挙句の果てには先人たちが必死になって作ろうとした物をこうも簡単に説明されて、もはや何がなんだか分からなくて逆に笑えるよ。まだこの世界に来て三日目だっていうのに」
「・・・君も相当訳ありみたいだね」
まあでも、とオールは、
「君とはなんだか仲良くなれそうだな」
「奇遇だな。俺もそう思っていたところだ」
オールが差し出した右手を、俺はしっかりと握った。
「オール・オートンです。よろしく」
「朽木光男だ。光男でいい」
こうして、俺にこの世界初の友達ができた。



「へえ。あのオークが・・・まあ確かに悪い人じゃないからね」
帰り道、列車に揺られながら山城基地に向かっていた。
本当は学校の近くを散策してから帰りたかったが、例の全裸の女の子について、本人同席の話し合いをすることにした。
「しかしお前が悪い人ではないと言い切るのは珍しいな」
「当たり前だよ。情報局から得た信頼できる情報だから」
「・・・俺が起きる前に相当な手回しをしていたようだなお前」
なにをやったし。
「それはいいとして、本当に彼女なの?」
「ああ。どうも本人も自分が何者か分からないそうだ」
「よくあるパターンねそれ・・・さっきエルメス局長にチャットで聞いたけど。妖精って大抵は自分の役割とか、そういったものを
生まれてきたときから分かっているんだって」
「役割・・・」
「うん。妖精に関してはまだ分かって無い所が多いらしくて。あまりはっきりとした事はいえないみたい」
「後は本人に聞くだけか」
もっとも、なにも分からないだろうが。




部屋に入りドアを閉め、
廊下を歩いて、
リビングを見ると、
そこには全裸の白髪緑眼の女の子がいた。
・・・いや、体系的に見てまだ半分ロリか?
「問おう」
しゃべった。
ならば答えなければならない。
「・・・どうぞ」
「貴方が私のマスターか?」


一瞬の沈黙。
俺はこのネタに対して、
俺は如何なる応答をするべきか、
頭をフル回転させて、
提案し、
検討し、
決定し、
応答した。


「フェイトオオオオオオ!!!」





「自分の記憶を辿ろうとしたのですが、やっぱり何もなくて。自分の名前すら分かりません」
「そうか・・・」
山城基地 自室 
リビングで俺たちは彼女について、彼女自身も交え話し合いをしていた。
ちなみに、彼女にはタオルを古代ローマ人風に着てもらった。
別に俺は女の子の裸ぐらいよく見てきたが、
部屋の外から何者かが乱入してくる危険性。
さらに、乱入した奴がこの状況を見て誤解する危険性。
以上の二つの事を考慮した。
何が起こるか分からない
異世界だしな。
俺が質問する。
「自分が何者であるか分かるか?」
「いいえ。ただ、あなたを支援するという使命のようなものがあります。理由は分かりませんが」
「となるとやっぱり妖精かなあ」
「・・・いや、そうでもないらしいよ」
そう茜は否定した。
「今この子を端末でスキャンしてみたけど・・・正体不明ってでたわ」
「正体不明?」
っていうか端末にそんな機能あんのかい。
どんだけ機能あるんだよ。
ハイテクすぎるわ。
それはそうと、
「正体不明・・・よくあることなのだろうか」
「うん。よくあることみたい」
「よくあることなの!?」
この世界カオスすぎる!!
「でも、魔力で構成されてるみたい」
「魔力で?」
「うん。でもそんなにはっきりと実体化してない・・・まだはっきりとした形をもっていないみたい」
「形をもっていないか・・・」
まーた面倒なことになりそうだなこれ。
「とりあえずこいつの事は保留にしよう。いくら考えても埒が明かん」
「それもそうだね。後日検討するということで」
「それは先延ばしというのでは?」
「「君、シベリアで木を数えるバイトをしない?」」
「先ほどの発言を訂正、ひどく正しい判断だと思います。同志」
ふむ、素直でよろしい。
「だが名前が分からないというのは不便だな・・・仮だけど、名前を付けておこう」
「それもそうですね。私も不便だと思います。何か名付けてくれたら幸いです」
「そうだな・・・」
適当に決めるって訳にもいかないしな・・・そうだ。
「アレサっていうのは?」
「・・・なるほど、発音しやすいですし分かりやすい名前ですね。採用します」
そう言って、
アレサは席を立ち
礼儀正しくお辞儀をして、言った。
「今後ともよろしくおねがいします」






「で、元ネタはなんですか」
「プロトタイプネクストに決まってんだろうがアアアアア!!!」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...