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序章 ある研究員の記録『ZERO』IS SLEEPING
第25話 リナイ邸襲撃事件
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「人間界とこの世界を対比する際、すごくややこしかった訳です。故に、自らが住むこの世界を『亜界』と言って区別するようにしたんです…」
聖暦3017年 5月17日 金曜日 浜大津総合学校 2年E組
俺達は歴史の授業を受けていた。
今更な話だが、浜大津総合学校は歴史の授業が多い。
週5日のうち、授業は29マス(木曜日5時間)。内、5マスが歴史の授業に割り当てられている。一日1マスでいけば、一日に必ず歴史の授業がある事になる。素直に嬉しい。
ただ、問題なのは、これがあくまで『基準』である事…いや、この際言い切ってしまおう。
浜大津総合学校に、『時間割』という概念は無い。
あるのは、週に『最低限』どれだけその科目をやるか、と言う訳で…
毎週時間割が変わる。
(忘れ物しやすいんだよ!)
基準とか言ってるけど、週によっては全く無いときもあるからな…正直な話、この世界、色々とアバウトだ。
「ちょっと本筋から離れますが…人間界と亜界共通点。イータさんお願いします」
「はい」
そう言って、オレンジ色の髪をした女子生徒…イータ・ナシュトゥルゥが席を立った。
そういや、こいつの髪、どうしてオレンジ色なのか聞いてなかったな…
「人間界と亜界の共通点として、大陸の形が同一、地形が同一という点が挙げられます。ただ、バイオームは違います。亜界は人間界に比べて、自然に存在する魔力の量が多く、それが影響して…」
「…?」
端末にメールが届いたらしい。送り主は、
「…イータ?」
つい二秒前に送られたらしい。という事は、先生の質問に答えながら送信したって事か…いや、そもそもどうやって俺のメールアドレスを知った?…まあいい。本文を見よう。
『本日放課後、午後4時、リナイ邸に来るように。遅れたら殺す』
…脅迫!?
そんな訳で、リナイの家であるリナイ邸に向かってる訳だが…
「やっぱり…山を登るってきついな」
「そうだね…それもそうだけど」
茜は言った。
「ここって、町なんか作れた?」
午後3時36分 稲荷山 皇国街
人間界で言えば、神社の辺りだろう。だが、亜界では町になっている。
移住してきたギガル人が作りあげた町。住んでいる人もギガルからの移住者が大半を占めており、店先の表示も大抵ギガル語だ。
町は山の麓と、斜面にある。そのどちらもすごく人が多い。賑やかだ。何故、こんな山の斜面に町を作り上げたのか、その理由は…
「リナイか」
「調べてみたけど、リナイ神ってギガル神話において、かなり高位の神様みたい。二位だよ、二位」
「それほどの神様がこんな所にいたら…町ぐらいできるか」
ちなみに、俺の服装は、学校からそのまま来たため制服だ。まあ、それはそうと…
「何故ここにいる? 茜」
「光男君が心配でね」
そう、制服姿の茜は長い黒髪を揺らしてはにかんだ…長い黒髪?
「お前、そんなに髪長かった?」
「え? あ、そう?」
「うん…お前、髪伸びるの早くないか?」
「そんな事ないと思うけど…」
不思議がる茜。どうやら本人にも分からないようだった。
「まあいい…面倒を起こすなよ」
「分かってるって」
「それならいい」
それはそうと、
「…やっぱり、ここ人が多いな」
「うん…どうしてだろうね、いくらなんでも多いよ。何かの祭りかな?」
言われて見ればそうだった。俺達が進む道、両側には木造二階の商店が立ち並び、通りは人でいっぱいだった。向こうで山車(だし)の上で女の人が踊っている。確かに賑やかだった。
「さあな…ん?」
見れば、近くに焼き鳥を売っている屋台があった。店主は白髪、八十代男性。ただ頭から獣耳を生やしている。獣人、ギガル人だ。
「すいません、ちょっといいですか?」
「はいはいいらっしゃい。何か用かね」
「俺、ここ来るの初めてなんですけど…いつもこんな感じなんですか?」
「ああ、いつもこんなかんじね。ここ、ギガルからの移住、多いよ。ギガル人、騒ぐの大好きね」
「そうですか……ありがとうございました」
俺はライトの電源を切り、人ごみの中を、山の上に、リナイ邸に向かった。
「「……」」
でかい、そう俺達の見解は一致した。
大きな木造の門に、どこまで続いているんだと思える程の長さの塀。とても家とは思えない。
門の近くに人は居ない。今までの喧騒など微塵も聞こえない。
一応、町の中心を通る商店街の突き当たり、つまりは山の上にあるのだが、その一帯だけ静かだった。
商店もあるにはあったが…
「閉まっている?」
まるで、このリナイ邸に気遣っているようだった。
「…光男君」
「分かっている」
商店の影に人影が一瞬見えた。
「…情報局だ」
「レオス・オブライエンからの差し向け?」
「恐らく」
いくら外出禁止解除が早まったとて…いやまさか、
「まさか…わざとか?」
「わざと解除したって…そういうこと」
茜がスカートのポケットに手を突っ込んだ
「荒事の可能性は?」
「十分あるな…警戒任せた」
「任された」
俺は門を叩いた。何秒かして、中からオレンジ色の髪をした和服っぽいものを着用し、帯刀した精霊が現れた。イータだ。
「来たか…時間前、まあいいだろう。入れ」
「ああ」
そう言って、俺は門の内側へ入った。そしてその後に茜が門に入った。その時確かに見た。人影を、
「…どうした」
「いや何も」
俺達が入ると門が勝手に閉まった。何らかの術式で制御されているらしい。更にその後、結界が二重三重と貼られた。厳重だ。
門に入ると、奥の方に続く石畳の道があり、その両側に竹が生い茂っていた。
イータが歩き出し、それに俺達も続く。その途中、イータが聞いてきた。
「お前達がリナイ様を助けたのは何回だ?」
「2回だ…どうしてそんな事を聞く?」
「いや、なにも」
そのままイータは歩いていく。だが、俺達に対する認識が変わった。これは、
(俺達を『敵』と認識した?)
「イータさん。そういえばその髪、どうしてオレンジ色に染めたの?」
茜もイータの俺達に対する認識が変わった事を感じ、探り始めた。
「染めてなどいない…これは『レベルアップ』したからだ」
「レベルアップ?…格が上がったっていう事か?」
「そう捉えてもらって構わない」
イータはそれ以上、家に着くまで話さなかった。
「ありがとう、きてくれて」
そう、金髪のケモ耳幼女。リナイ・イナクは最初にそう言った。
服装はイータと同じように和服っぽい。イータも着ていたが、ギガルの伝統衣装だろうか(後で調べたら、ギガルの伝統衣装だった)
リナイ邸は日本家屋だった。
床には畳が敷かれ、障子もちゃんとあった。中庭もある。中庭には立派な日本風の庭園があり、池には鯉が泳いでいた。
本格的である。俺達はその奥の部屋に通された。広い。正直、俺もこんなに大きな和室に通されたのは初めてだ。
俺の本家より大きい。そこで十分ほど待たされて(もちろん正座で)、リナイとイータがやってきた。
「まずは…先日の件、リナイ様に代わり、礼を言う」
「いや…リナイ…リナイ様の容態は?」
「だいじょうぶ」
リナイは言った。だが、その表情は暗い。まだ全快では無いようだ。
「だいじょうぶ、だから」
「…分かりました」
一瞬の沈黙、その後で、リナイがイータに「あれを」と言った。
イータは障子の外から真新しい木箱を取り、俺達の前に置いた。
「…これは?」
「リナイ様からの、感謝の気持ちだ」
木箱の中には、一振りの刀があった。反りが無い、直刀だ。柄に装飾が施されている。
(また武器か…!?)
「じゃあ、光男君はもう貰っているから私が貰うね」
後ろで正座していた茜が刀に手をかけようとした。
できなかった。
何故なら俺が『刀』を『短刀』で砕いたからだ。
「…光男君? ちょっと…今のはさすがに…不意打ち過ぎるよ」
「不意打ちしようとしたのはそこの2人だ…リナイ神、いやリナイ、イータ。これはどういうことだ? 返答によっては国際問題に発展しかねんぞ」
「…どういう事?」
茜の問いに、俺は答える。
「この刀。呪いが掛かっている」
それも、
「条件が満たされて発動する、『苦しみが長く続くタイプ』だ」
俺は刀に手を触れる。
「ちょ、光男君!?」
「大丈夫だ。呪いは壊した…これでな」
俺は刀を壊した短刀を見せた。それは、
「…前に貰った、短刀?」
「これには霊鉱石を大量に含まれているらしい。霊鉱石には、怨霊や、怪異…呪いを絶つ力があるそうだな」
だからHAKの個人聖装に使われているんだが。
「…なぜ呪いがあると分かった?」
「経験だ」
俺はイータの質問に即答する。
「この手の呪いは幾度と無く見てきたからな」
俺もこれの最上級版を食らった事があるしな。
「…どうやら、只者ではないようだな」
「最初からそう思ってただろうに…で、これはなんの冗談だ?」
「リナイ様の、ギガル皇国の第二神という位を狙っている輩がいるのでな…これはそれを見極める為の物だ」
「ちなみに、呪いの発動条件は?」
「色々とあるが…リナイ様に下種な思いを持っている奴には即発動する」
「……」
危なかった…色々と、
「まあそういう訳だ。許してくれ」
「いいよ別に…亡命中の身だ、そりゃ警戒するよな」
「貴様…今なんと言った?」
イータの態度が一瞬で変わった。すごく殺気立っている。俺は茜に動かないように指示を出して、それに答える。
「亡命中の身、と言った」
「どこでそれを」
「推察だ」
「推察?」
ああ、と俺は答えた。
「まず…あの商店街の人はみんな軍人だろ。それも、リナイに高い忠誠心を持っている者」
「どうしてそう思う」
「紋章」
「紋章?」
「そう、紋章。ギガルの国章ではない。似ているが違う。それが、俺達が通ってきた商店街の屋台に描かれていた…それも、通常では見えない様に」
そう、『特殊』なライトを当てない限り。
「それがどうしてリナイ様の紋章だと?」
「『リナイ・イナク』…ギガル皇国が保有するリナイ級航空戦艦二隻のうちの一隻だったよな…側面に同じものが描かれていた」
それの艦長は、
「リナイ…お前だったよな」
「……」
リナイは答えない。さっきと表情は変わっていない。
「商店街にいた群集…いつもはあんな風ではないだろう。ゴミが少なすぎる今日あんなに人がいたのは普段来ない人間が来るからだ」
「……」
「群集はばらばらに、それぞれ思うように動いている振りをしていたが…実は、同じルート回っているだけだ。その中心にいるのは、俺達」
「……」
「みんな隠しているが身振り手振りで分かる。みんな武器を隠し持っている」
「……」
「いつも俺達の事をだれか見ていた」
「……」
「二階の窓が少し開いている所の多いこと多いこと…中には誰がいたんだろうな」
「……」
「山車(だし)の上で踊っていた踊り子の平行感覚がよすぎる…航空艦の乗組員なら分かるが」
「この周囲にも店はあるがなぜか閉まっている。まるで、何かに気遣う様に…」
「……」
「なあリナイ…これは完全に俺の、まったく証拠の無い予想だが」
俺は、無反応のリナイに対して、切札と言う名の銃弾を放った。
「おまえ、もしかして…『神にされた』のか?」
「!!!」
当たった。
リナイが目を見開いた。耳は垂直に立ち、プルプルと震えている。
「それは…」
「言わなくていい」
俺はリナイの言葉を遮る。聞きたくないと言うのと、これ以上リナイにつらい事をさせたくなかったからだ。
「言わなくていい…なんとなく、お前の亡命の理由が分かったよ……だから言わなくていい」
「お前は…」
さっきから黙っていたイータが口を開いた。
「お前は何者だ」
その視線の鋭さは、決して同級生に向ける物ではなかった。
「ただの研究者では無いようだが…」
「昔、色々とな…まったく神ときたらこれだ。なんか因縁でもあるんだろうか」
神に殺されたし…大体、俺が魔術回路失った原因って神関連じゃないか。因縁にも程がある。
「…お前になら、事情を話してよいのかもしれん」
イータは神妙な顔つきでそう言った…まあ、それはありがたいんだが、いやありがたくないが…
「話すのはここを脱出してからだな」
「?」
首をかしげるイータ、しかし、事情を察した茜は既に行動を起こしていた。
一瞬でナイフで俺の背後の畳を外し、一瞬で立てた。
その畳を、障子を突き破って飛来した矢が貫通し、刺さった。
茜の鞄から、角ばった形をした戦略機動隊採用のサブマシンガンを取り出し、障子目掛けて乱射した。
畳の上に薬莢が落ちる。
「リナイを裏口から逃がせッ!」
「分かっている!」
イータが呆然としているリナイの手を握り、隣の部屋の障子を蹴破って出ていった。
同時に俺の右から外から矢が三本飛来する、火がついていた。
「火攻めかッ!」
「来る!」
俺は矢が飛んできた方向に、外にある庭に向けてサブマシンガンを放つ。当てることは考えない、足止めだ。
「グレネード!」
茜が手榴弾を投げた。何秒かして、外の庭が爆発した。
「追うぞッ!」
イータが言った方に急ぐ。途中、何度か振り返って銃を乱射する。だが、
「光男君!」
家の西側からだろうか、煙が漂ってきている。
(もろとも燃やして火事で収束か!)
強引だ。だが展開がやけに速い。
(ならば特殊部隊だ)
思い当たる節は、
「リナイ達に追いつくぞ!」
俺達はリナイ邸を全力で駆け抜けた。やたらと大きく部屋がいくつもある。メイドか執事を雇わない限り決して2人だけで住むような場所ではない。
「…意図的か!」
俺達は程なくして、家の北西の角にある台所に着いた。力なく座り込んでいるリナイと裏戸から外の様子を伺っているイータがいた。
「無事か!」
「ああなんとかな…だが、外に大勢いる」
「何人だ?」
「三十人ほど」
「まとめてやれるか?」
「…なぜそんな事ができると思う?」
「腰の刀は飾りか?」
そうだな、とイータは言い、腰にさげた刀を鞘から引き抜いた。
「下がってくれるか? 後、発動したらすぐにリナイ様を」
「分かっている」
茜はもうリナイをおぶっていた。茜が頷いた。
「やれ!」
イータのオレンジ色の髪がにわか光を帯びた。刀に霊力の青白い光が帯びる。
「…斬物(ざんぶつ)」
台所が吹っ飛んだ。いや、リナイ邸の角が全部吹っ飛んだ。その後遅れて、いたるところに切り傷の様な物ができた。
「走れ!」
イータに言われるまでも無く俺達は走り出した。裸足だが気にしない。裏門を蹴り明け、山へと至る道に向かう。山頂を北に、山道を疾走する。
「落木注意!」
「分かってるって光男く…前方注意!」
ナイフを抜くのが遅かったらかなりマズかった。
目の前に俺が持っているナイフ、ナイフが受けていたのは短刀だった。持ち主は、
(女?)
服装は何かの毛皮でできた下着、それだけだった。どうみても女。顔を仮面で隠している。が、後ろから赤い髪が出ている。
アサシン。
(…ナイフは得意じゃないんだよ!)
銃もだが。だがこれはマズい。地面がぬかるんでいる、相手の力も相当強い、足が滑ったら終わりだ。それになによりも…
(この制服を、汚したくない!)
正直な話。洗濯するのが面倒臭い。クリーニングは最低三日掛かる。おまけに予備の制服が無いという3コンボ。
「おおおおおおおおお!!!」
俺は強引に刀を押し返して、距離を取った。
対するアサシンは短刀を持ち直し、再び攻撃の構えを取った、
「どけええええ!!!」
俺は左に回避行動を取った。瞬間、俺のすぐ左をオレンジ色の線が走り、アサシンを吹っ飛ばした。イータだ。
「イータ、大丈夫か!?」
「問題ない。よく守ってくれた。礼を言う」
「礼は後にし…」
あれ、と俺達は気づいた。それは、
「撤退していく?」
アサシンの気配が遠ざかっていく…同時に、山の中を、いくつかの気配が同じ方へ向かっていった。
(イータが到着したから?)
「?」
空からヘリのローター音が聞こえてきた、同時に。
「コンタクトッ!」
野戦服を着用し、武装した何人もの兵士が俺達を囲んだ。戦略機動隊の実働部隊だ。
恐らくリナイ邸の一件を察知し、身柄を確保しに来たのだろう。まあ、何はともあれ、
「凌いだか…」
「…ありがとう」
そう、金髪ケモ耳幼女は、リナイ・イナクはそう言った。笑顔で、
「ありがとう」
(…脆い)
こいつは、脆い。
俺と同じように。
聖暦3017年 5月17日 金曜日 浜大津総合学校 2年E組
俺達は歴史の授業を受けていた。
今更な話だが、浜大津総合学校は歴史の授業が多い。
週5日のうち、授業は29マス(木曜日5時間)。内、5マスが歴史の授業に割り当てられている。一日1マスでいけば、一日に必ず歴史の授業がある事になる。素直に嬉しい。
ただ、問題なのは、これがあくまで『基準』である事…いや、この際言い切ってしまおう。
浜大津総合学校に、『時間割』という概念は無い。
あるのは、週に『最低限』どれだけその科目をやるか、と言う訳で…
毎週時間割が変わる。
(忘れ物しやすいんだよ!)
基準とか言ってるけど、週によっては全く無いときもあるからな…正直な話、この世界、色々とアバウトだ。
「ちょっと本筋から離れますが…人間界と亜界共通点。イータさんお願いします」
「はい」
そう言って、オレンジ色の髪をした女子生徒…イータ・ナシュトゥルゥが席を立った。
そういや、こいつの髪、どうしてオレンジ色なのか聞いてなかったな…
「人間界と亜界の共通点として、大陸の形が同一、地形が同一という点が挙げられます。ただ、バイオームは違います。亜界は人間界に比べて、自然に存在する魔力の量が多く、それが影響して…」
「…?」
端末にメールが届いたらしい。送り主は、
「…イータ?」
つい二秒前に送られたらしい。という事は、先生の質問に答えながら送信したって事か…いや、そもそもどうやって俺のメールアドレスを知った?…まあいい。本文を見よう。
『本日放課後、午後4時、リナイ邸に来るように。遅れたら殺す』
…脅迫!?
そんな訳で、リナイの家であるリナイ邸に向かってる訳だが…
「やっぱり…山を登るってきついな」
「そうだね…それもそうだけど」
茜は言った。
「ここって、町なんか作れた?」
午後3時36分 稲荷山 皇国街
人間界で言えば、神社の辺りだろう。だが、亜界では町になっている。
移住してきたギガル人が作りあげた町。住んでいる人もギガルからの移住者が大半を占めており、店先の表示も大抵ギガル語だ。
町は山の麓と、斜面にある。そのどちらもすごく人が多い。賑やかだ。何故、こんな山の斜面に町を作り上げたのか、その理由は…
「リナイか」
「調べてみたけど、リナイ神ってギガル神話において、かなり高位の神様みたい。二位だよ、二位」
「それほどの神様がこんな所にいたら…町ぐらいできるか」
ちなみに、俺の服装は、学校からそのまま来たため制服だ。まあ、それはそうと…
「何故ここにいる? 茜」
「光男君が心配でね」
そう、制服姿の茜は長い黒髪を揺らしてはにかんだ…長い黒髪?
「お前、そんなに髪長かった?」
「え? あ、そう?」
「うん…お前、髪伸びるの早くないか?」
「そんな事ないと思うけど…」
不思議がる茜。どうやら本人にも分からないようだった。
「まあいい…面倒を起こすなよ」
「分かってるって」
「それならいい」
それはそうと、
「…やっぱり、ここ人が多いな」
「うん…どうしてだろうね、いくらなんでも多いよ。何かの祭りかな?」
言われて見ればそうだった。俺達が進む道、両側には木造二階の商店が立ち並び、通りは人でいっぱいだった。向こうで山車(だし)の上で女の人が踊っている。確かに賑やかだった。
「さあな…ん?」
見れば、近くに焼き鳥を売っている屋台があった。店主は白髪、八十代男性。ただ頭から獣耳を生やしている。獣人、ギガル人だ。
「すいません、ちょっといいですか?」
「はいはいいらっしゃい。何か用かね」
「俺、ここ来るの初めてなんですけど…いつもこんな感じなんですか?」
「ああ、いつもこんなかんじね。ここ、ギガルからの移住、多いよ。ギガル人、騒ぐの大好きね」
「そうですか……ありがとうございました」
俺はライトの電源を切り、人ごみの中を、山の上に、リナイ邸に向かった。
「「……」」
でかい、そう俺達の見解は一致した。
大きな木造の門に、どこまで続いているんだと思える程の長さの塀。とても家とは思えない。
門の近くに人は居ない。今までの喧騒など微塵も聞こえない。
一応、町の中心を通る商店街の突き当たり、つまりは山の上にあるのだが、その一帯だけ静かだった。
商店もあるにはあったが…
「閉まっている?」
まるで、このリナイ邸に気遣っているようだった。
「…光男君」
「分かっている」
商店の影に人影が一瞬見えた。
「…情報局だ」
「レオス・オブライエンからの差し向け?」
「恐らく」
いくら外出禁止解除が早まったとて…いやまさか、
「まさか…わざとか?」
「わざと解除したって…そういうこと」
茜がスカートのポケットに手を突っ込んだ
「荒事の可能性は?」
「十分あるな…警戒任せた」
「任された」
俺は門を叩いた。何秒かして、中からオレンジ色の髪をした和服っぽいものを着用し、帯刀した精霊が現れた。イータだ。
「来たか…時間前、まあいいだろう。入れ」
「ああ」
そう言って、俺は門の内側へ入った。そしてその後に茜が門に入った。その時確かに見た。人影を、
「…どうした」
「いや何も」
俺達が入ると門が勝手に閉まった。何らかの術式で制御されているらしい。更にその後、結界が二重三重と貼られた。厳重だ。
門に入ると、奥の方に続く石畳の道があり、その両側に竹が生い茂っていた。
イータが歩き出し、それに俺達も続く。その途中、イータが聞いてきた。
「お前達がリナイ様を助けたのは何回だ?」
「2回だ…どうしてそんな事を聞く?」
「いや、なにも」
そのままイータは歩いていく。だが、俺達に対する認識が変わった。これは、
(俺達を『敵』と認識した?)
「イータさん。そういえばその髪、どうしてオレンジ色に染めたの?」
茜もイータの俺達に対する認識が変わった事を感じ、探り始めた。
「染めてなどいない…これは『レベルアップ』したからだ」
「レベルアップ?…格が上がったっていう事か?」
「そう捉えてもらって構わない」
イータはそれ以上、家に着くまで話さなかった。
「ありがとう、きてくれて」
そう、金髪のケモ耳幼女。リナイ・イナクは最初にそう言った。
服装はイータと同じように和服っぽい。イータも着ていたが、ギガルの伝統衣装だろうか(後で調べたら、ギガルの伝統衣装だった)
リナイ邸は日本家屋だった。
床には畳が敷かれ、障子もちゃんとあった。中庭もある。中庭には立派な日本風の庭園があり、池には鯉が泳いでいた。
本格的である。俺達はその奥の部屋に通された。広い。正直、俺もこんなに大きな和室に通されたのは初めてだ。
俺の本家より大きい。そこで十分ほど待たされて(もちろん正座で)、リナイとイータがやってきた。
「まずは…先日の件、リナイ様に代わり、礼を言う」
「いや…リナイ…リナイ様の容態は?」
「だいじょうぶ」
リナイは言った。だが、その表情は暗い。まだ全快では無いようだ。
「だいじょうぶ、だから」
「…分かりました」
一瞬の沈黙、その後で、リナイがイータに「あれを」と言った。
イータは障子の外から真新しい木箱を取り、俺達の前に置いた。
「…これは?」
「リナイ様からの、感謝の気持ちだ」
木箱の中には、一振りの刀があった。反りが無い、直刀だ。柄に装飾が施されている。
(また武器か…!?)
「じゃあ、光男君はもう貰っているから私が貰うね」
後ろで正座していた茜が刀に手をかけようとした。
できなかった。
何故なら俺が『刀』を『短刀』で砕いたからだ。
「…光男君? ちょっと…今のはさすがに…不意打ち過ぎるよ」
「不意打ちしようとしたのはそこの2人だ…リナイ神、いやリナイ、イータ。これはどういうことだ? 返答によっては国際問題に発展しかねんぞ」
「…どういう事?」
茜の問いに、俺は答える。
「この刀。呪いが掛かっている」
それも、
「条件が満たされて発動する、『苦しみが長く続くタイプ』だ」
俺は刀に手を触れる。
「ちょ、光男君!?」
「大丈夫だ。呪いは壊した…これでな」
俺は刀を壊した短刀を見せた。それは、
「…前に貰った、短刀?」
「これには霊鉱石を大量に含まれているらしい。霊鉱石には、怨霊や、怪異…呪いを絶つ力があるそうだな」
だからHAKの個人聖装に使われているんだが。
「…なぜ呪いがあると分かった?」
「経験だ」
俺はイータの質問に即答する。
「この手の呪いは幾度と無く見てきたからな」
俺もこれの最上級版を食らった事があるしな。
「…どうやら、只者ではないようだな」
「最初からそう思ってただろうに…で、これはなんの冗談だ?」
「リナイ様の、ギガル皇国の第二神という位を狙っている輩がいるのでな…これはそれを見極める為の物だ」
「ちなみに、呪いの発動条件は?」
「色々とあるが…リナイ様に下種な思いを持っている奴には即発動する」
「……」
危なかった…色々と、
「まあそういう訳だ。許してくれ」
「いいよ別に…亡命中の身だ、そりゃ警戒するよな」
「貴様…今なんと言った?」
イータの態度が一瞬で変わった。すごく殺気立っている。俺は茜に動かないように指示を出して、それに答える。
「亡命中の身、と言った」
「どこでそれを」
「推察だ」
「推察?」
ああ、と俺は答えた。
「まず…あの商店街の人はみんな軍人だろ。それも、リナイに高い忠誠心を持っている者」
「どうしてそう思う」
「紋章」
「紋章?」
「そう、紋章。ギガルの国章ではない。似ているが違う。それが、俺達が通ってきた商店街の屋台に描かれていた…それも、通常では見えない様に」
そう、『特殊』なライトを当てない限り。
「それがどうしてリナイ様の紋章だと?」
「『リナイ・イナク』…ギガル皇国が保有するリナイ級航空戦艦二隻のうちの一隻だったよな…側面に同じものが描かれていた」
それの艦長は、
「リナイ…お前だったよな」
「……」
リナイは答えない。さっきと表情は変わっていない。
「商店街にいた群集…いつもはあんな風ではないだろう。ゴミが少なすぎる今日あんなに人がいたのは普段来ない人間が来るからだ」
「……」
「群集はばらばらに、それぞれ思うように動いている振りをしていたが…実は、同じルート回っているだけだ。その中心にいるのは、俺達」
「……」
「みんな隠しているが身振り手振りで分かる。みんな武器を隠し持っている」
「……」
「いつも俺達の事をだれか見ていた」
「……」
「二階の窓が少し開いている所の多いこと多いこと…中には誰がいたんだろうな」
「……」
「山車(だし)の上で踊っていた踊り子の平行感覚がよすぎる…航空艦の乗組員なら分かるが」
「この周囲にも店はあるがなぜか閉まっている。まるで、何かに気遣う様に…」
「……」
「なあリナイ…これは完全に俺の、まったく証拠の無い予想だが」
俺は、無反応のリナイに対して、切札と言う名の銃弾を放った。
「おまえ、もしかして…『神にされた』のか?」
「!!!」
当たった。
リナイが目を見開いた。耳は垂直に立ち、プルプルと震えている。
「それは…」
「言わなくていい」
俺はリナイの言葉を遮る。聞きたくないと言うのと、これ以上リナイにつらい事をさせたくなかったからだ。
「言わなくていい…なんとなく、お前の亡命の理由が分かったよ……だから言わなくていい」
「お前は…」
さっきから黙っていたイータが口を開いた。
「お前は何者だ」
その視線の鋭さは、決して同級生に向ける物ではなかった。
「ただの研究者では無いようだが…」
「昔、色々とな…まったく神ときたらこれだ。なんか因縁でもあるんだろうか」
神に殺されたし…大体、俺が魔術回路失った原因って神関連じゃないか。因縁にも程がある。
「…お前になら、事情を話してよいのかもしれん」
イータは神妙な顔つきでそう言った…まあ、それはありがたいんだが、いやありがたくないが…
「話すのはここを脱出してからだな」
「?」
首をかしげるイータ、しかし、事情を察した茜は既に行動を起こしていた。
一瞬でナイフで俺の背後の畳を外し、一瞬で立てた。
その畳を、障子を突き破って飛来した矢が貫通し、刺さった。
茜の鞄から、角ばった形をした戦略機動隊採用のサブマシンガンを取り出し、障子目掛けて乱射した。
畳の上に薬莢が落ちる。
「リナイを裏口から逃がせッ!」
「分かっている!」
イータが呆然としているリナイの手を握り、隣の部屋の障子を蹴破って出ていった。
同時に俺の右から外から矢が三本飛来する、火がついていた。
「火攻めかッ!」
「来る!」
俺は矢が飛んできた方向に、外にある庭に向けてサブマシンガンを放つ。当てることは考えない、足止めだ。
「グレネード!」
茜が手榴弾を投げた。何秒かして、外の庭が爆発した。
「追うぞッ!」
イータが言った方に急ぐ。途中、何度か振り返って銃を乱射する。だが、
「光男君!」
家の西側からだろうか、煙が漂ってきている。
(もろとも燃やして火事で収束か!)
強引だ。だが展開がやけに速い。
(ならば特殊部隊だ)
思い当たる節は、
「リナイ達に追いつくぞ!」
俺達はリナイ邸を全力で駆け抜けた。やたらと大きく部屋がいくつもある。メイドか執事を雇わない限り決して2人だけで住むような場所ではない。
「…意図的か!」
俺達は程なくして、家の北西の角にある台所に着いた。力なく座り込んでいるリナイと裏戸から外の様子を伺っているイータがいた。
「無事か!」
「ああなんとかな…だが、外に大勢いる」
「何人だ?」
「三十人ほど」
「まとめてやれるか?」
「…なぜそんな事ができると思う?」
「腰の刀は飾りか?」
そうだな、とイータは言い、腰にさげた刀を鞘から引き抜いた。
「下がってくれるか? 後、発動したらすぐにリナイ様を」
「分かっている」
茜はもうリナイをおぶっていた。茜が頷いた。
「やれ!」
イータのオレンジ色の髪がにわか光を帯びた。刀に霊力の青白い光が帯びる。
「…斬物(ざんぶつ)」
台所が吹っ飛んだ。いや、リナイ邸の角が全部吹っ飛んだ。その後遅れて、いたるところに切り傷の様な物ができた。
「走れ!」
イータに言われるまでも無く俺達は走り出した。裸足だが気にしない。裏門を蹴り明け、山へと至る道に向かう。山頂を北に、山道を疾走する。
「落木注意!」
「分かってるって光男く…前方注意!」
ナイフを抜くのが遅かったらかなりマズかった。
目の前に俺が持っているナイフ、ナイフが受けていたのは短刀だった。持ち主は、
(女?)
服装は何かの毛皮でできた下着、それだけだった。どうみても女。顔を仮面で隠している。が、後ろから赤い髪が出ている。
アサシン。
(…ナイフは得意じゃないんだよ!)
銃もだが。だがこれはマズい。地面がぬかるんでいる、相手の力も相当強い、足が滑ったら終わりだ。それになによりも…
(この制服を、汚したくない!)
正直な話。洗濯するのが面倒臭い。クリーニングは最低三日掛かる。おまけに予備の制服が無いという3コンボ。
「おおおおおおおおお!!!」
俺は強引に刀を押し返して、距離を取った。
対するアサシンは短刀を持ち直し、再び攻撃の構えを取った、
「どけええええ!!!」
俺は左に回避行動を取った。瞬間、俺のすぐ左をオレンジ色の線が走り、アサシンを吹っ飛ばした。イータだ。
「イータ、大丈夫か!?」
「問題ない。よく守ってくれた。礼を言う」
「礼は後にし…」
あれ、と俺達は気づいた。それは、
「撤退していく?」
アサシンの気配が遠ざかっていく…同時に、山の中を、いくつかの気配が同じ方へ向かっていった。
(イータが到着したから?)
「?」
空からヘリのローター音が聞こえてきた、同時に。
「コンタクトッ!」
野戦服を着用し、武装した何人もの兵士が俺達を囲んだ。戦略機動隊の実働部隊だ。
恐らくリナイ邸の一件を察知し、身柄を確保しに来たのだろう。まあ、何はともあれ、
「凌いだか…」
「…ありがとう」
そう、金髪ケモ耳幼女は、リナイ・イナクはそう言った。笑顔で、
「ありがとう」
(…脆い)
こいつは、脆い。
俺と同じように。
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