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6 伯爵家の娘の告白 コノアside
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隣国に留学をしていたが、事情により帰国。
母国の王都にある貴族が通う学園に編入した。
そこで、奇妙な光景を見る。
貴族令嬢にあるまじき言動をする伯爵の娘と、その娘の気を惹こうとする男たちと、その娘を忌避する女たち。
この国の王族やその側近候補たち、さらにはその婚約者たちもこの学園にいるのだが、ある意味伯爵の娘の方が注目を集めていた。
伯爵の娘は、編入したばかりで大変だろうと、気遣って声をかけてきた。
それを面白く思わない者たちが、彼女を睨んでいる。また新しい男に取り入ろうとしている、と言いたいのだろう。まあどうでもいいことだ。
どんな意図があって私に近付くのか知るために、彼女と行動をする。
子爵家という彼女よりも低い地位。クルード家は可もなく不可もない、いたって普通の子爵家だ。強いて特別なことをあげろと言うなら、私が留学していた隣国の知識だろうか。資料で読むことと実際に体験した者の話は違うからな。
警戒していたが、彼女はずっと学園のあれこれを私に伝えてくるだけだ。まあ初対面だ。当たり障りのない話で警戒心を解こうとしているのかもしれない。
だが、私は目で見て感じたものを信じる主義。
彼女は、私から何かを聞き出そうとしているようには感じない。私が彼女の味方になるかどうかを探っている感じはあるが、まあ大抵の人間はそういうものだろう。他人との距離感はおかしいとは思うが、私に恋愛感情を抱いているようにも見受けられない。
彼女を分析しながら教室を移動していると、王太子の婚約者であるユセフィラ・サウロ・ワーテラー公爵令嬢と挨拶をする機会が訪れる。
その時の彼女は、明らかに怯えていた。
理由が知りたくて、彼女を救護室に連れて行き、話を聞くことにした。
もちろん彼女とは距離を取り、扉も開けて、だ。誰にも誤解をされないように。
そこで彼女から聞いた話は、私が知るユセフィラ嬢と、乖離していた。
ユセフィラ様は、私を孤立させようとしているの。
彼女はそう言って話し始めた。
あ、もちろん、貴族らしい振る舞いが出来ない私がきっかけを作ってしまったのはわかっているのよ?
そのままでいいんだよ、そこがいいんだ、って言ってくれる人たちもいたから、私の言動に驚く人や、冷たい目を向ける人たちの反応を、軽く考えてしまっていたの。私を肯定してくれるその言葉に甘えてしまっていたのね。
でもね、あたしを肯定してくれる人たちは、本当に素敵な人たちなのよ?
そんなとっても素敵なみんなは、あたしの大好きなお友だちなの。
でも、お友だちって言うと、みんな眉を寄せるのよ。
あたしを否定する人は、蔑むように、憐れむように。
あたしを肯定する人は、困ったように、寂しそうに。
どうしてそんな顔するの?
あ、それでね、ある日、リスラン様と出会ったの。
風の強い日で、ハンカチを飛ばされてしまって、木の枝に引っかかってしまったの。少し高い場所で、困っていたの。そこを、リスラン様たちが偶然通りかかって。ガイアス様が、あ、ガイアス様って、リスラン様の側近候補の方よ。お父様が騎士団長で、伯爵家の方なの。そのガイアス様が、リスラン様に言われてハンカチを取ってくれて。
それからよくリスラン様たちに遭遇するようになったの。それがいつも困っているときで。ある日、また困っていると、シュリ様、外交官のお父様がいる侯爵家の方ね、に言われたの。
「あなたはいつも何かしら困っている。何故ですか?」
あたしには心当たりがあったけど、証拠も確証もないから、答えられなかったわ。
だって、あたしが困るような目に遭っているのは、リスラン様たちに出会ってからだもの。
*つづく*
母国の王都にある貴族が通う学園に編入した。
そこで、奇妙な光景を見る。
貴族令嬢にあるまじき言動をする伯爵の娘と、その娘の気を惹こうとする男たちと、その娘を忌避する女たち。
この国の王族やその側近候補たち、さらにはその婚約者たちもこの学園にいるのだが、ある意味伯爵の娘の方が注目を集めていた。
伯爵の娘は、編入したばかりで大変だろうと、気遣って声をかけてきた。
それを面白く思わない者たちが、彼女を睨んでいる。また新しい男に取り入ろうとしている、と言いたいのだろう。まあどうでもいいことだ。
どんな意図があって私に近付くのか知るために、彼女と行動をする。
子爵家という彼女よりも低い地位。クルード家は可もなく不可もない、いたって普通の子爵家だ。強いて特別なことをあげろと言うなら、私が留学していた隣国の知識だろうか。資料で読むことと実際に体験した者の話は違うからな。
警戒していたが、彼女はずっと学園のあれこれを私に伝えてくるだけだ。まあ初対面だ。当たり障りのない話で警戒心を解こうとしているのかもしれない。
だが、私は目で見て感じたものを信じる主義。
彼女は、私から何かを聞き出そうとしているようには感じない。私が彼女の味方になるかどうかを探っている感じはあるが、まあ大抵の人間はそういうものだろう。他人との距離感はおかしいとは思うが、私に恋愛感情を抱いているようにも見受けられない。
彼女を分析しながら教室を移動していると、王太子の婚約者であるユセフィラ・サウロ・ワーテラー公爵令嬢と挨拶をする機会が訪れる。
その時の彼女は、明らかに怯えていた。
理由が知りたくて、彼女を救護室に連れて行き、話を聞くことにした。
もちろん彼女とは距離を取り、扉も開けて、だ。誰にも誤解をされないように。
そこで彼女から聞いた話は、私が知るユセフィラ嬢と、乖離していた。
ユセフィラ様は、私を孤立させようとしているの。
彼女はそう言って話し始めた。
あ、もちろん、貴族らしい振る舞いが出来ない私がきっかけを作ってしまったのはわかっているのよ?
そのままでいいんだよ、そこがいいんだ、って言ってくれる人たちもいたから、私の言動に驚く人や、冷たい目を向ける人たちの反応を、軽く考えてしまっていたの。私を肯定してくれるその言葉に甘えてしまっていたのね。
でもね、あたしを肯定してくれる人たちは、本当に素敵な人たちなのよ?
そんなとっても素敵なみんなは、あたしの大好きなお友だちなの。
でも、お友だちって言うと、みんな眉を寄せるのよ。
あたしを否定する人は、蔑むように、憐れむように。
あたしを肯定する人は、困ったように、寂しそうに。
どうしてそんな顔するの?
あ、それでね、ある日、リスラン様と出会ったの。
風の強い日で、ハンカチを飛ばされてしまって、木の枝に引っかかってしまったの。少し高い場所で、困っていたの。そこを、リスラン様たちが偶然通りかかって。ガイアス様が、あ、ガイアス様って、リスラン様の側近候補の方よ。お父様が騎士団長で、伯爵家の方なの。そのガイアス様が、リスラン様に言われてハンカチを取ってくれて。
それからよくリスラン様たちに遭遇するようになったの。それがいつも困っているときで。ある日、また困っていると、シュリ様、外交官のお父様がいる侯爵家の方ね、に言われたの。
「あなたはいつも何かしら困っている。何故ですか?」
あたしには心当たりがあったけど、証拠も確証もないから、答えられなかったわ。
だって、あたしが困るような目に遭っているのは、リスラン様たちに出会ってからだもの。
*つづく*
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