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11 コノア・クルードの謎
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騒動の翌日から二日間は週末の休みであった。週明けからもリスランの宣言通り、ユセフィラは療養のため学園には来ていない。スウィーディーへの罰もまだ決まっておらず、とりあえず学園に来ている。騒動のことは広く学園に知れ渡っており、スウィーディーに好奇の目が向けられていたが、お昼も過ぎると、話題は五日後に控えた学期末パーティーのことに変わっていた。
「ねえ、コノアはパートナー決まっているの?」
パーティーではダンスがある。婚約者がいる者は婚約者がパートナーとなるが、いない者は、相手を探すことになる。
スウィーディーが尋ねると、コノアは軽く首を振った。
「いや。私は長く留学していたので、こちらのダンスを忘れてしまった。今回はダンスに参加しなくて良いと学園にも許可を取っている」
「そっかあ。コノアと踊りたかったんだけどなあ」
残念そうに俯くスウィーディーに、コノアは片眉を上げる。
「キミなら誘ってくれる者が大勢いるだろう」
するとスウィーディーは、頬を膨らませて少し拗ねたように言った。
「もう。私が、コノアと踊りたかったのっ。あ、あの、この前、迷惑、かけちゃったから、その」
自身の発言に恥ずかしくなったのか、尻すぼみになる言葉を気にすることなくコノアは頷いた。
「そうか。ところでそのパーティーの日、ワーテラー公爵令嬢様も出席されるそうだ。さすがに踊れないようだが、学期末だからな。最終日は無理をしてでも、とのことだ」
ここでユセフィラの話題を出すということは、例の件をどうするのか聞いているのだろう。
スウィーディーは口元に手をあてて俯いた。やがて意を決したようにコノアを見据える。
「コノア、あのね、聞いて欲しいことがあるの」
………
……
…
「コノア、まだかな」
学期末のパーティー。みんな思い思いに着飾り、制服とは打って変わって華やかな装いだ。スウィーディーも美しく着飾り、みんなの注目を浴びていた。元々美しい娘だ。大半から陰口を叩かれていても、その美しさは認めざるを得ない。スウィーディーを囲む男たちの隙間から入り口を気にしてコノアを待っているのだが、まだその姿はない。
「ウッディ、今日は一段と綺麗だ」
「ああ、ウッディの美しさをより引き出している。素晴らしいよ」
「今日の装い一式は、殿下からの贈り物なのだろう?さすが殿下だ」
「けれど、次はぜひ私にウッディを着飾る機会を与えてくれないだろうか」
口々に賛辞を述べる子息たちの言葉にも、スウィーディーは曖昧に微笑むだけで、まだ姿を見せないコノアを気にして入り口ばかりを見てしまう。
「もうすぐ始まっちゃうよ、コノア」
そう呟いたとき、リスランたち、王族関係者の入場が告げられた。みんなが頭を下げて待つ。複数名の足音が聞こえ、リスランの声がした。
「面を上げよ」
一斉に頭を上げて、どよめきが起こる。
それはそうだ。
何故、彼がそちら側にいるのだろう。
「え?なん、で?」
スウィーディーは、思わずそう口にしていた。
王太子リスランと、その隣には婚約者のユセフィラ。二人の後ろにはリスランの側近候補、アサト、シュリ、ガイアスの三人。それは、わかる。だが。
リスランのユセフィラとは反対隣に座る人物。
サラサラの美しいストレートの黒髪は、左半分を後ろに撫で付け、前髪で少し見づらくなっていた深く美しい緑の瞳が晒されている。
リスランにも劣らない極上の素材が使われた、シンプルながらも品の良い衣装を纏う人。
相変わらず無表情なコノアが、そこにいた。
*つづく*
「ねえ、コノアはパートナー決まっているの?」
パーティーではダンスがある。婚約者がいる者は婚約者がパートナーとなるが、いない者は、相手を探すことになる。
スウィーディーが尋ねると、コノアは軽く首を振った。
「いや。私は長く留学していたので、こちらのダンスを忘れてしまった。今回はダンスに参加しなくて良いと学園にも許可を取っている」
「そっかあ。コノアと踊りたかったんだけどなあ」
残念そうに俯くスウィーディーに、コノアは片眉を上げる。
「キミなら誘ってくれる者が大勢いるだろう」
するとスウィーディーは、頬を膨らませて少し拗ねたように言った。
「もう。私が、コノアと踊りたかったのっ。あ、あの、この前、迷惑、かけちゃったから、その」
自身の発言に恥ずかしくなったのか、尻すぼみになる言葉を気にすることなくコノアは頷いた。
「そうか。ところでそのパーティーの日、ワーテラー公爵令嬢様も出席されるそうだ。さすがに踊れないようだが、学期末だからな。最終日は無理をしてでも、とのことだ」
ここでユセフィラの話題を出すということは、例の件をどうするのか聞いているのだろう。
スウィーディーは口元に手をあてて俯いた。やがて意を決したようにコノアを見据える。
「コノア、あのね、聞いて欲しいことがあるの」
………
……
…
「コノア、まだかな」
学期末のパーティー。みんな思い思いに着飾り、制服とは打って変わって華やかな装いだ。スウィーディーも美しく着飾り、みんなの注目を浴びていた。元々美しい娘だ。大半から陰口を叩かれていても、その美しさは認めざるを得ない。スウィーディーを囲む男たちの隙間から入り口を気にしてコノアを待っているのだが、まだその姿はない。
「ウッディ、今日は一段と綺麗だ」
「ああ、ウッディの美しさをより引き出している。素晴らしいよ」
「今日の装い一式は、殿下からの贈り物なのだろう?さすが殿下だ」
「けれど、次はぜひ私にウッディを着飾る機会を与えてくれないだろうか」
口々に賛辞を述べる子息たちの言葉にも、スウィーディーは曖昧に微笑むだけで、まだ姿を見せないコノアを気にして入り口ばかりを見てしまう。
「もうすぐ始まっちゃうよ、コノア」
そう呟いたとき、リスランたち、王族関係者の入場が告げられた。みんなが頭を下げて待つ。複数名の足音が聞こえ、リスランの声がした。
「面を上げよ」
一斉に頭を上げて、どよめきが起こる。
それはそうだ。
何故、彼がそちら側にいるのだろう。
「え?なん、で?」
スウィーディーは、思わずそう口にしていた。
王太子リスランと、その隣には婚約者のユセフィラ。二人の後ろにはリスランの側近候補、アサト、シュリ、ガイアスの三人。それは、わかる。だが。
リスランのユセフィラとは反対隣に座る人物。
サラサラの美しいストレートの黒髪は、左半分を後ろに撫で付け、前髪で少し見づらくなっていた深く美しい緑の瞳が晒されている。
リスランにも劣らない極上の素材が使われた、シンプルながらも品の良い衣装を纏う人。
相変わらず無表情なコノアが、そこにいた。
*つづく*
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