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プロローグ
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高校2年生、春。
「舞華!」
私の名前を呼ぶ君は誰よりもキラキラと輝いていて、名前を呼ばれるたび私もそこに存在していいのだと思える。
君は強く私に抱きつく。
ふわりと香る、優しくて甘い香りは酷く私の心を揺さぶる。
だけど、それを顔には決してださない。
君だけには何があっても知られてはならないから。
回された手にそっと手を乗せる。
「どうしたの?」
「あのね!私一目惚れしたかも!」
その言葉がどれほど私の心をえぐるのか君は知らない。
なんて、残酷な人。
なのにこんなにも、愛おしい。
「…どんな人なの?」
嫌いになれたら。
「一年生の真樹くんって言ってバスケ部の期待のルーキーくんなの!すっごくかっこよくてね?優しんだよ!」
何度そう願っただろう。
「…そっか。良かったね。」
「舞華。大丈夫だよ?愛佳の親友は舞華だから!私に彼氏ができたとしても、舞華は1番だからね!」
人の感情に鈍感なくせに、核心をついて来る。
女子高校生の親友だよ。1番だよ。
その言葉がどれだけ薄っぺらなのか。
それでも、私はその言葉にすがってしまう。
酷く怖いから。
君が、私の隣から居なくなってしまうことが、怖い。
「うん。ありがとう。私も愛佳が1番だよ。」
嘘と真実を混ぜた言葉。
君は、心から嬉しそうに笑う。
「舞華!」
私の名前を呼ぶ君は誰よりもキラキラと輝いていて、名前を呼ばれるたび私もそこに存在していいのだと思える。
君は強く私に抱きつく。
ふわりと香る、優しくて甘い香りは酷く私の心を揺さぶる。
だけど、それを顔には決してださない。
君だけには何があっても知られてはならないから。
回された手にそっと手を乗せる。
「どうしたの?」
「あのね!私一目惚れしたかも!」
その言葉がどれほど私の心をえぐるのか君は知らない。
なんて、残酷な人。
なのにこんなにも、愛おしい。
「…どんな人なの?」
嫌いになれたら。
「一年生の真樹くんって言ってバスケ部の期待のルーキーくんなの!すっごくかっこよくてね?優しんだよ!」
何度そう願っただろう。
「…そっか。良かったね。」
「舞華。大丈夫だよ?愛佳の親友は舞華だから!私に彼氏ができたとしても、舞華は1番だからね!」
人の感情に鈍感なくせに、核心をついて来る。
女子高校生の親友だよ。1番だよ。
その言葉がどれだけ薄っぺらなのか。
それでも、私はその言葉にすがってしまう。
酷く怖いから。
君が、私の隣から居なくなってしまうことが、怖い。
「うん。ありがとう。私も愛佳が1番だよ。」
嘘と真実を混ぜた言葉。
君は、心から嬉しそうに笑う。
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